虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

宇宙戦争 in Japan

2007年03月27日 | 
 何日ぶりかのアクセスです。
 いきなり家族の一部が仙台に引っ越すことに決まり、家中大騒ぎです。
 私は、横浜残留組なのですが、怪我のために引越しや模様替えの労働力としては役に立たなかったので、仙台で不動産屋を回ってきました。仙台は生まれて初めてでしたが、本当に不動産屋さんだけで、そのほかはちょっと博物館行って、白松が最中というお菓子を買っただけの仙台滞在でした。でもまあ、これからちょくちょく仙台に行くことになるんだろうと思います。
 4月始めに引越しが済んでしまえば、元のペースにたぶん戻れます。
 ネットと離れている間に、何とか指も使えるようになりました。小指がキーボードに当たっただけで、悪化した虫歯で思いっきり噛み締めちゃった時の様な、脳天にズキーンと来る痛さでした。左手の小指ですから、変形したり変色が残ったりしたら本当にいやだっ、と。そのことが今現在一番気になってます。

 で、引越しのおかげで探していた本が出てきました。
 スピルバーグの「宇宙戦争」を見た後、内容は思い出したものの、タイトルを忘れて探し出せなかったのが、この短編

 清太郎出初式
 梶尾真治著 ハヤカワ文庫「地球はプレイン・ヨーグルト」所収 昭和54年初版

 H・G・ウェルズの「宇宙戦争」は1900年に火星人が攻めてきます。こちらは、その時明治33年に、火星人が九州にも来ていたというお話。
 圧倒的に強い怪物の出現に、庶民はわけも分からず、なす術も無く逃げ惑うばかりで、生きることだけで必死、政府も軍隊もとりあえずできることはしてもどうにもならないという状況がスピルバーグ版「宇宙戦争」と奇妙に似通っていて、思い出して、それから気になっていました。。
 でも、この日本版では、家族を殺されて生き残ったものがだんだん家族のような親密な関係を獲得していきます。トム・クルーズのラストシーンでの孤独な姿に、私は今の時代の痛みみたいなものを感じないではいられませんでした。
 作り手の姿勢ももちろんですが、この違いは時代を映しているんじゃないでしょうか。

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2 コメント

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カジシン (arudenteな米)
2007-03-27 22:56:23
「清太郎出初式」での生き残りからの家族感は
気質の問題なのか西洋の家族以外を他とする考えと
日本の戦争終結前の向かう三軒両隣でとんからりな隣組な
時代背景は多いにあるとは思います。

しかし梶尾真治も近年では「黄泉かえり」のヒットのおかげか書店で彼のSFやパロディが並ばなくなりましたね。

「ゑいり庵綺譚」とか「おもいでエマノン」
「チョコレートパフェ浄土」とかの世界もすきなのですが。
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梶尾真治 (ningyo)
2007-04-02 08:37:25
留守ばかりで、失礼しております。

「清太郎出初式」は、タイトルばかりか作者まで忘れている始末でした。
 最近全然読んでいませんでしたが、久しぶりにこの短編集読んで楽しかったです。
 この時期の一連の短編には、落語的な呼吸の感覚が好ましかった記憶があります。

 アメリカ版はやっぱり家族を守り抜いちゃうのですが、こちらは生き残りが寄り集まっていきましたね。
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