虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
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プルガサリ 伝説の大怪獣 (1985/北朝鮮)

2005年09月03日 | 映画感想は行
PULGASARI
不可殺
監督: シン・サンオク
出演: チャン・ソニ
    ハム・ギソプ
    リ・イングォン
    ユ・ギョンエ
    薩摩剣八郎

 高麗朝末期、圧制に立ち上がった民衆と、伝説の怪獣プルガサリ。

 はじめてみたときから「何これ~」と言いつつけっこう何回も見ている。不思議な引力があります。
 朝鮮半島に古くから伝わる民話をベースにしているそうで、民衆は悪い権力者を倒し、一応勝利してるみたいですが、ヒロインは一家全滅、恋人も殺されるというひどい話で、ハッピーエンドでないのが、なんだか引っかかります。
 それに、この映画でキイになるのが「飢え」 圧制を倒す立役者だったプルガサリが疎まれていくのもその食欲と言うわけで、この飢えに対する感覚は、今の日本で切実に感じるのは難しいのかもしれない。たとえばアメリカの「小鹿物語」の、特に小説のほうではすごく迫ってくる。なのにこの映画のおにぎり投げなどは、思わず「はにゃ?」と首ひねったり。もしかして、私が本当に飢えた経験があるとこれが泣けるシーンなんだろうか、と不安になったりする。
 大怪獣も用がすめばただのもてあましもの、という図式はしみじみわかる。
 特撮部分は日本の「ゴジラ」のスタッフ。ミニラみたいなミニプルガサリはなかなか可愛いし、プルガサリ大暴れのシーンはさすがの出来。

 大群集シーンは迫力でしたが、牧歌的な画面に吹替え音声で、映画というよりテレビドラマみたいだった。
 ヒーロー役の男の子の顔が濃いのと、ぼろきた男の人やその他大勢に比べ、ヒロインの厚化粧っぽい顔がなぜか記憶に残ります。