虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

トイレットペーパーの芯を使って車の工場のベルトコンベアーを作りました♪

2016-02-25 08:32:09 | レゴ デュプロ ブロック

小1の☆くんと車の工場を作って遊びました。

子どもとブロックや工作で車の工場を作る時、

HONDA 自動車工場見学 

のサイトが参考になります。工場内の様子を動画で見ることができます。

☆くんが気に入ったのは、「プレス」の場面。

↑ できあがり作品で☆くんの弟が遊んでいるところです。

 

トイレットペーパーの芯に通しているブロックは、2個です。(長いブロックのように見えますよね。)

100円ショップの透明のテーブルクロスを切って、トイレットペーパーに貼りつけています。

くるくる芯を動かすと、ベルトコンベアーに乗っている車が動いていきます。

 

この装置を固定する際、ブロックをはめる位置によって

トイレットペーパーの芯が動かなくなることに気づいた☆くん。

最終的に、横にずらしたり、土台の下の部分をはめたりして

上手くいきました。

 

プレスする機械。

「教室で定番の動く仕掛け×逆さまに組んだ枠」

で左右、上下に動くプレス機ができました。

アルミ箔をミニカーに押し付けると、本物の工場の鉄の板をプレスした時のように

車の型ができあがるので遊びが盛り上がります。

 

ブロックに取り付けたモーターやプーリーも使っています。

 

算数タイムに『トップクラス問題集 1年』の文章題を解きました。

算数が得意な☆くんですが、最初の2問はすぐにできたものの、

後半の2問の文章の長さに混乱していました。

絵を描いて解くよううながすと、ちゃんと答えを出すことができました。


レゴ デュプロ ブロックで作る影絵シアター

2016-02-25 08:29:18 | レゴ デュプロ ブロック
5歳の☆くんとデュプロブロックで
影絵シアターを作って遊びました。
懐中電灯で照らすと、明るい部屋でも、
はっきり影が浮かび上がります。

1~2歳児は、影絵をとても不思議がって喜んでくれます。

3~4歳児には、
上から見た物の影 横から見た物の影 正面から見た物の影
を見せて空間を認識する力を高めます。

教育する上での危機管理能力 と 予見する力 2

2016-02-24 20:23:26 | 日々思うこと 雑感

発達が気がかりな子たちのユースホステルでのレッスンに

小学4年生の◆ちゃんという女の子が参加していました。

人と関わることが上手で、年下の子たちの面倒見がよく、

物作りが大好きで積極的な子です。

知的なゆっくりさんとは聞いていましたが、自分の頭で判断してさまざまなことに

取り組む様子や感情豊かで流暢におしゃべりする外見からは、

ハンディーキャップがあるようには少しも見えない子です。

 

ただ いったんペーパー上の学習に入ったとたん◆ちゃんの極端に苦手な部分が

浮かび上がってきました。

たとえば、円の半径なども、「これが円の半径」ときちんと理解していても、

円がふたつ重なっている図から、半径の部分を見つけだすことができません。

25-7のような計算も、「9?」「じゃぁ、16?」といったどういう筋道で

考えだしたのかわからない答えを連発します。

 

◆ちゃんのお母さんによると、幼稚園の年長のとき、5までの数の認識が怪しかった

そうなのです。でも、そのときは、「学校に入れば簡単な計算から習うのだから

ついていけるはず」と軽く捉えていて、気にもしていなかったそうなのです。

それで、いざ小学校に就学してみると、あれもこれもできなくて、

ほとほと困り果ててしまったそうなのです。

レッスン中、私は◆ちゃんに、

「250円持っていました。120円を使うと、残ったお金はおくらでしょう?」

という問題を出しました。

すると◆ちゃんは「えっ、90円? ちがう100円かな?」と適当な答えを

繰り返しました。

そこで、私がホワイトボードに10円玉の絵を25個描いて、120円分消すように

告げました。すると、きちんと作業して、「130円」と正しい答えが言えました。

その姿から、10円を1としてでなく、10の塊として捉えて考えられることや、

自分がするべきことを把握して、ちゃんとできることがわかりました。

一方、どんな小さな数も1から順番に数えるなど数の概念の基盤のもろさも

伺えました。

◆ちゃんはもともと数の概念の理解に何らかのハンディーキャップがあったのでしょう。

でも、それだけではなく幼児期にそうした数の概念の弱さに気付かれず、

数の概念のインプット量が極端に少なかったことも、現在の困難を大きくしているように

感じました。

幼児期にワークで数字だけを操作する計算はする必要はありませんが、

物を数えたり、分けたり、合わせてみたり、もともとあった量を推理してみたり、

七並べなどの簡単なトランプ遊びをすることは大切だと感じています。

そうした数の概念の基盤がないままに、いくらゆっくりと計算方法を習っても、

覚えては忘れ覚えては忘れして、定着しなくなるからです。

 

◆ちゃんに算数を教えるとき、

① できないところだけでなく、できることに注目すること

② 将来、生活上で困りそうなことを繰り返し教えること

③ 根本的なハンディーキャップをつきとめること

が大切だと思いました。

「できないところだけでなく、できることに注目する」というのは、◆ちゃんでしたら、

◆ちゃんは人と関わることが上手なので、相手から求められている大枠の部分の理解力は

優れていていたので、そこに着目して教え方を工夫するのです。

ある面、物分かりがいいのです。

それこそ、目に見える形で、扱う対象を書いてあげたり、表を用意すると、

それに助けてもらう形なら、けっこう難しい問題も解けていました。

これから つまずいたとき、本人がどのような行動を取ればよいのか、

どんなタイミングで誰に助けを求めたらいいのかを教えるヒントももらえます。

 

「将来、生活上で困りそうなことを繰り返し教える」というのは、◆ちゃんのように

外からハンディーのわからない子は、将来、「できて当然」ということを次々と

突き付けられて生活していくことになるはずなので、

そのための準備をしておくということです。

ごく少ない金額のおつりの計算や、わからない時の対応の仕方、

「あと30分後に会いましょう」といった約束を果たせる力、

切符の買い方など、できないと困りそうなことは、

助けの求め方も含めて何度も練習していく必要があると思います。

「根本的なハンディーキャップをつきとめること」について、◆ちゃんに教えていて

感じたのは、「5つまでの数の操作も、頭の中でイメージすることができない」

ということです。

目に見える形に書きだしたものも、1から数えていました。

こうした問題は、他の面でも見られるのか、どのくらいの問題があるのか、

訓練でなおらないのか、ていねいに対応していく必要を感じました。

モンテッソーリの数関連の教具のようなものを手作りして使うのもいいかもしれません。

子どものハンディーキャップは、気にかけながらも、見て見ぬふりをしている間に

どんどん時間が過ぎて、学習面で、取り返しがつかないほど危うい土台を作ってしまう

ことになりかねません。

「あれっ?」と感じたら、ていねいに観察する必要があります。

幼児期に、極端に数の概念が怪しい子は要注意です。

耳からの記憶やイメージする力が弱すぎるように感じるときも注意がいります。

といっても、根本的なハンディーキャップは、早期発見と訓練でなおるのかというと、

そう簡単にはいかないはずです。

本人の困り感を減らす支援をしつつ、訓練してもなおらないからといって

深刻に思い悩む必要もないと感じています。

人間、他人よりできない部分があると、それによって発達する部分もあるということを

私自身、身を持って体験しているからです。

 

私は診断こそ受けていませんがADDなのか、LDなのか、

子どもの頃から、発達のでこぼこが大きく他の子のようにできないことがいろいろあって、

それなりに大変でした。

大人になって気付いたことですが、問題のほとんどは聴覚に関わることでした。

耳が聞こえにくいわけではないのですが、

聴覚に関することで、同時にふたつのことを処理することができず、

何かしているときには、耳が聞こえなくなるし、騒がしい場所で必要な音を拾うことが

できないのです。

また、耳で記憶したことは、どんなに確実に覚えていると思ったものも、

しょっちゅうど忘れして恥ずかしい思いもしました。

ただ、メロディーの耳コピーは得意だったり、とても繊細な音の違いを聞き分けること

はできていたので、

ピアノの先生からは情感を込めて表現力豊かに弾くことができると褒められてもいて、

周囲の人も私自身も聴覚のハンディーがあるとは思ってもいませんでした。

それで、子ども時代の学校生活は、かなり大変でした。

でも、そのおかげで良いこともありました。

というのも、聴覚に関わることに困難があるので、もともと得意な視覚の能力に

いっそう磨きをかけることとなったのです。

耳からの記憶に不安がある分、言葉を目からインプットすることがとにかく好きで

いつの間にか、本をいくら読んでも苦にならなくなっていました。

また、耳で聞いたことを記憶にとどめる困難が原因なのか、

ある時期まで思ったことを言葉で表現することもすごく苦手だったものの、

一方で文章の意味理解は、おませなほどに得意でした。

ですから、聞く話すに多少の困難はあったものの、小学生時代から大人向けの本であっても、

正確に意味を理解していたように思います。

私のもうひとつのハンディーは不器用で、

物を手にしていても、気が散るとたちまち落としてしまったり、

家庭科の授業でする手芸などの作業は目立って苦手でした。

よくぶつかり、よく転び、よくものをこぼしていました。

一方で、幼児期から絵を描いたり工作したり楽器を奏でたりするのは得意だったで、

周囲の人も私自身も不器用なのか器用なのかさっぱりわからずじまいでした。

それにしても、そうした不器用さはいくら注意をされても、

性格はまじめなのにも関わらずなおりませんでした。

家庭科や体育だけで私に関わっていた先生方は、私があまりにできないので、

ちょっと知恵が遅れているのかと思っていたようで、

他の子から「○さんは、~が得意よ」と聞いて、びっくりした様子で、

「えっ、○さんにも得意なことなんてあるの?」と言ったことがあるくらいです。

(それくらい、恐ろしくできなかったのか……と納得)

今から振り返ると、適切なアドバイスがあれば修正できたはずなのに、

ハンディーの内容をていねいに見極めないままあれこれ言われるので、

よけいにできなくなっていたな~と感じています。

それ以外にも時間の感覚に鈍さや、たくさんの刺激がある場所では、その全てに反応して

しまって、近くにあるものも見えなくなる、順序立てて物事を処理することが

苦手などにも困り感を抱えていました。

たとえささいなハンディーキャップであっても、

集団行動をするときには、できないで困ることや叱られることがたくさん生じてきます。

たとえば、聴覚に問題があると、悪気はなくても、

言われたことのふたつにひとつは必ずといっていいほど忘れてしまうのです。

そこで、叱られ続けると、自己肯定感が下がって、何事も投げやりになってきます。

ハンディーキャップとはずれたアドバイスをたくさんされると、

今度は他の人のアドバイスにきちんと従わないからという理由で人間関係が悪化します。

そのように誤解に基づく辛い経験はたくさんするものの、

ハンディーキャップそのものがそれほど悪いものかというと、

私はそうとも感じていないのです。

というのも、

聴覚の何らかの問題ゆえに聞く話すでいまだに少しは困ることもあるのですが、

そのおかげなのか、読むことと書くことは毎日していても苦にならないのです。

おそらくハンディーを補う形で、視覚に関わる力はハンディーがない人以上に

発達しているように思います。

おかげで、細部にいたるまで視覚的なイメージを頭に思い浮かべることが得意になって

数学を解くときや絵を描いたり物を作ったり、仕事であったことを振り返ったりするとき

映画を見るように記憶を再現できて便利です。

 

子どもに「ハンディーキャップがあるのかな?」と感じるとき、

ついそうでなければいいのに……という思いが勝って、そのまま見過ごしてしまいがちです。

でも、本当にハンディーキャップがある場合、どんなささいなものでも、

それが原因に次なる困難が生まれ、2次障害につながりやすいです。

四六時中、自分のハンディーキャップとつきあいながら

行動しなくてはならない子どもは、かなり困っているはずです。

問題をていねいに見つめて、先の困難を予見して

きちんと対応しておく必要があるように思います。

簡単になおせないことは、他の方法でそれができるように手立てを考えてあげ、

叱られ過ぎたり、自己肯定感が下がらないような配慮も必要です。

そうしてていねいに対応しておけば、あとはそれを悲観して悩まなくても、

子どもなりにそれを補う機能を発達させて、

自分らしくいきいきと生きていくのではないでしょうか。


2ひきの恐竜にとっくみあいをさせるには どうすればいいでしょう?

2016-02-24 20:19:38 | 幼児教育の基本

同じサイズの2匹の恐竜。

向かいあわせてライトを当てると2ひきの恐竜の影。

そこで、子どもたちに問題。

 

2匹の恐竜をひっつけないで、とっくみあいをさせるにはどうすればいいでしょう?

 

ライトを左右に動かしたり、ライトを当てる角度を変えたりしても、

恐竜の影はずっと離れたまま。とっくみあいが起こるはずがありません。

 

でも上の写真のように恐竜をずらしておくと、不思議なことが起こります。

ライトを斜めから当てると、離れていた恐竜がとっくみあいを始めるのです。

 

同じような方法で、人形たちにマラソンやおいかけっこをさせるのも面白いです。

 

恐竜のとっくみあいの問題は、子どもたちと影絵遊びをしていた時、

偶然、発見したものです。

 

教室に幼い頃から通ってくれているAちゃんという小学生の女の子がいます。

この子はとても利発な子で、日常に転がっている様々な問題についても、

テストや問題集で出される問題についても、問われていることを正確に把握して、

筋道を立ててていねいに考えていき、正しい答えに行きつきます。

 

Aちゃんには、3つ違いのBちゃんという妹がいます。

Bちゃんも、幼い頃から教室の生徒です。

Bちゃんも、お姉ちゃんと同じように利発な子ですが、

興味の対象や物の考え方、活動への取り組み方などはAちゃんとずいぶん異なります。

Bちゃんは問題を解くよりも実験をするのが好きで、

じっくり何か考えていると思ったら、「~はどうしてなの?」

「~はなぜなの?」と自分の中でよく練られた疑問を口にするのです。

 

教室で、今回の

「2ひきの恐竜にとっくみあいをさせるには どうすればいいでしょう?」といった

問題を思いつくのは、教室のBちゃんタイプの子たちです。

 

お姉ちゃんのAちゃんの「答え」にたどりつくのが得意なところは、

文句なしにすばらしいことです。

でも、妹のBちゃんの「問い」を生み出すのが上手なところも、とっても魅力的だ、

と感じています。

 

青と赤の恐竜の影。


教育する上での危機管理能力 と 予見する力 1

2016-02-24 08:46:39 | 算数

こんなコメントをいただきました。

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「学力が気がかりな子~」の中で、

指導者が適切な課題設定、

そしてそれが、いつまでにできるかという予測ができること。

このような、教えのプロを通学できる範囲で探すのに、

膨大な時間がかかりました。(自分が教えられないため。)

塾の先生ではなく、お医者さまに通っている感覚になりました。

予見する力は、最近の災害等の、危機管理能力など、あらゆる分野に必要でそれは、

教育界でも同じなのですね。

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コメントの「危機管理能力」と「予見する力」というのは、

発達に気がかりがある子を育てる上で、

身近にいる大人が急所を押さえて、配慮しておかなければならない点だと思っています。

またごく一般的な子であっても、楽しいことが好きで、周囲の雰囲気に同調して

何事も表面的に理解しているだけのように見える子や、

自分の心の中の言葉や自分の意志のようなものを持っていないかのように見える子には、

同様の注意が必要だと感じています。


私立小学校に通っている、ある時期までは他の子より発達が良く、

知能の面でも社会性の面でも問題がないように見える子でも、

3年生くらいになると一定の比率で極端な成績不振に陥る子たちがいると聞きます。

私が先々の学習でのつまずきを予防するために注意している点を紹介しますね。


↓のような場合、ちょっと気がかりなので、一対一でていねいに対応する時間を増やし、

子どもに合った課題を設定して、ひとつひとつ克服していくことが大切だと思います。


<3~4歳>

● 極端に不器用。

● 身体の使う大きな動きがぎこちなかったり、常にフニャフニャしている。

● 声をかけても聞こえていないような行動を取ることが多い。

● 指を折って、1~5くらいまでの数を表すことができない。

● 「○○を取ってきてといった指示を実行する最中に、他のことをしはじめたり、

頼まれたことがわかっていないように見えることが多い。

● 簡単な物の名前が言えない。

● 絵本を読んでもらうのを嫌がる。

<4~5歳>

● 「これをしよう」と決めて、ひとつのことに集中することがほとんどない。 

● 極端に不器用で、ななめの線が描けない、人物画の出来が幼すぎるように見えるなど、

気になる点が多い。水を移し替えるとき、必ずこぼす。

● 数を数えるとき、5までの数を物を指しながら数えることができない。

● 折り紙を折るのを嫌がる。

● ルールを理解してするゲームがほとんどできない。じゃんけんができるようにならない。

● 語彙力の弱さを感じる。

● 絵本の絵を見て、ストーリーについて質問すると、でたらめな答えが返ってくる。

● 想像力を使うごっこ遊びなどの仕方が幼い。

● 一方的に自分の主張を繰り返して、相手の話を聞かない。

● 4つのおもちゃをテーブルに置いて、記憶させておいて、

ひとつ隠して、何がなくなったかたずねると、テーブルの上にあるものを答えるなど、

「あれっ?」と思うほど見えないものへの推理力が弱い。

<5~6歳>

● 質問に対して、返ってくる答えが、何だかずれていると思われる場合が多い。

● 絵を極端に描きたがらない。

● 身体の使い方、道具の使い方が、不器用すぎる。

● 好奇心が薄く、しらけた態度を取ることが多い。

● よく疲れて寝転がっている。

● 物を分ける作業などのお手伝いをさせると、指示を理解していないように見える 

● 間違いさがしが、3つ以上できない。 

● できないとすぐに投げ出す。

● 幼児向けの知能ワークや小学校受験問題などを、やりたがらないか、

でたらめな解答が目立つ。

● 積み木を6つほど積んで数をたずねると、見えているところだけ数えて答える。

● 原因と結果の推測が年齢にしては幼すぎる気がする。

● 動物の顔と尻尾を選んだり、果物を切った図を選んだりする問題で、

「えっ?」と思う答えを選び、ごろの観察力に気がかりなものを感じる。

● 気持ちを切り替えるのが苦手。新しいことを始めるときは必ずぐずぐず言う。

やっていることを終わらせるときには、たびたびトラブルになる。

● 他の子の位置から物がどのように見えると思うかたずねると(できれば絵で選ばせる)

自分から見えているものと同じものを選ぶ。

<6~7歳>

● 二つ指示を聞くと、一つしか実行できない。

● 身体の使い方、道具の使い方が、不器用すぎる。

● 言葉の理解に、間違いが多い。

● 人の話を集中して聞けない。

● 「読むと同時に理解する」ということができていないように見える。

● 問題を解いていて、わからなくなったとき、

確認するために問題を見直すことができなくて、すぐ大人に頼る。

● ため息をついてしらけた態度を取る。よく寝転がる。

● 考えていく持久力が極端に短い気がする。

● 字を読むとき、よく読み飛ばす。

● 責任感や向上心が年齢より幼い気がする。(何でも「ママが……」と言うなど)

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幼稚園では問題なく過ごせている、

学校での勉強はきちんとついていっている(計算や漢字は先取りもできている)

という場合でも、上のような気になる点があるときは、

先の困難を予防するためにていねいに対応していく必要があると思います。

できないところや弱い点を見つけたから、訓練させて克服するという発想よりも、

問題点をできるだけ正確に把握した上で、子どもの長所や得意なところを見つけて、

それを突破口にして全体の能力を引き上げることで、

弱点もいっしょに底上げしていくような発想が必要だと感じています。

弱い面は簡単に修正できるようなものではないのです。

長いスパンで子どもを支援する姿勢が大切だと思います。

注意が必要なのは、学校の成績などを、子どもの能力の指針にして、

極端に弱い面を「ないもの」のように扱って、無視してしまうことです。

学校で、一ケタの足し算で、同じ点を取ってきたふたりの子がいたとしても、

ひとりの子は「120円の買い物をするのに、100円と10円2枚を出してもいいし、

100円と50円を出したり、200円を出しておつりをもらうのでもいい」と

わかっている子で、もうひとりは、「120円って、100円と10円2枚のこと。

それ以外に買い物することなんかできない」と思い込むタイプの子だった場合、

同じ能力だと判断してしまうには問題がありますよね。

親は、日常の一コマで、子どもの能力を把握して、子どもに必要な働きかけに

気づけるようになる感性を少しずつ磨くといいかもしれません。


次回に続きます。


子どもの才能や資質に気づくのは難しい? 1

2016-02-23 19:29:41 | 教育論 読者の方からのQ&A

毎日いっしょに過ごしているわが子でも、

その子ならではの才能や資質に気づくのは難しいという話をよくうかがいます。

 

才能や資質を見つけるために、何を習わせようか、何を体験させようか

と悩む方もいるようです。

でも、ちょっと肩の力を抜いて、子どもの視線が釘付けになっているものに

注意を向けたり、子どもの言葉にていねいに耳を傾けたりしていると、

日常のさまざまな場面でその子ならではの才能や資質が顔をのぞかせているのに

気づくはずです。

 

写真は年少グループのAちゃんが、輪ゴムを交差させて「見て!」と

言っているところです。

輪ゴムを触っていると偶然こんな形ができたようです。

よほどこの形が気に入ったのか、Aちゃんは長い間これを見続けていました。

 

大人が子どもにやらせたいことや教えたいことがせわしなくある場合、

Aちゃんのこんな発見は時間の無駄や手遊びの一種にしか見えません。

でも、普段から大人の側が、子どもの興味やアイデアや言葉を

関心を寄せていて、子どもから発信されたものを取り上げたり膨らませたりする

余裕を随所に作っていたら、その子ならではの才能や資質の輝きを目の当たりに

するにちがいありません。

 

Aちゃんは形の美しさや素材の性質や物の動きの面白さを探究するのが好きな子です。

この日も教室内で、一方に玉がはまって取れなくなっているラップの芯を見つけて、

ビー玉を入れて芯を左右に傾けては、「玉がはまっている方向に傾けるとビー玉が

出てこず、もう一方に傾けるとビー玉が出てくる」という様子を

しつこいほど何度も試していました。

そこで、このラップの芯を使った工作にAちゃんを誘うと、

「ボチャンと水の中に落ちるようにしたい」と言いました。

ラップの芯を傾ける方法は、年少さんのレッスンにつきあっていた

Bちゃんの年長のお姉ちゃんのアイデアで、お菓子の箱の内側部分を使いました。

ポリテープで水面を作ると、どんぐりやビー玉を水の中に飛び込ませる

おもちゃができました。

 

Aちゃんは、これまで自分が見つけた動きや形や素材の性質を

発展させて工作をしたことが何度かあります。

そうするうちに、積極的に自分の発見をよりくわしく説明しようとするように

なりました。

また、何かを発見した時、こちらがそれを取り上げて工作したり遊んだりするよう

提案すると、非常にねばり強く取り組むようになりました。

 

 

輪ゴムを交差させると球形の面白い形ができることに夢中になっていたAちゃんに

モールで輪っかを作って、輪ゴムと同じように交差させて球形を作ることを

提案すると、喜んで↓のような作品を作っていました。

 

 お友だちのBちゃんも真似してたくさん球を作っていました。

 

次回に続きます。


清水の舞台と立体図形。 ポップアップ絵本作り。図形と文章題の学習。

2016-02-23 09:02:15 | 通常レッスン

9~11歳の子らの算数クラブでの一コマ。

 

今日、何をしたいかの話しあいで、世界遺産のひとつをブロックで作りたい子らと

ポップアップ絵本を作りたい子らの2チームに分かれました。

仏像好きの★くんの提案で、

(★くんいわく、学校で仏像好きなんて趣味が変わっていると言われるそうです。

でも友だちは多いんだよ、とのこと)清水寺を作ることになりました。

 

☆くんは清水寺の土台を作り、★くんは寺を作ることになりました。

妹さんといっしょに来ていた中学生のお兄ちゃんも製作を手伝ってくれました。

 

重ねた時にピッタリ合うように、土台と寺の面積を同じにするのは難しいです。

 

土台部分はこんな感じ。

中をくり抜いた立体の体積を学ぶ前に、

ブロックで形を作ってみて、くり抜き部分のブロックの個数を推理すると

立体図形の問題がイメージしやすくなります。

 

持ち上げて、合わせてみます。

 

図鑑には載ってなかったのですが、清水寺に行ったことがある★くんが

門も作りました。

 

 

ハニカムペーパーを作ってポップアップ絵本作り。

 

算数タイムに図形(面積の問題)と文章題の学習をしました。

小学生の算数学習については、次の機会に、整理して記事にさせていただきますね。

 


大きな数と親しむ

2016-02-23 08:40:11 | 算数
小学2年生の子らと、
『学校 モノのねだん 図鑑』を見ました。
 
学校の生徒の机が、1万3600円で、椅子は5600円。
黒板は8万円で、給食のおぼんは4300円など……
学校でいつも目にしているものの値段がイラストとともに
載っているので子どもたちは興味しんしんです。
「ええぇー!!高い!高すぎるー!!」としょっちゅう声が裏返っています。

そこで問題。

「★ちゃんのクラスは、40人だから……、
クラス全員の机と椅子の値段をあわせると、いくら……?」

最初から正確な計算方法を教えるのではなくて、
「だいたいいくらか言いあって一番答えに近い人が勝ち!」
といった遊びをしていると、効率のいい計算方法を
自分で考えるようになってきます。

おひなさま 関連記事をどうぞ♪

2016-02-22 20:30:55 | 工作 ワークショップ

もうすぐひな祭りですね。おひなさまを手作りすると楽しいですよ。

ひな祭りの関連記事をいくつかどうぞ。

 

小2のAちゃんがおひな様を作ってきてくれました。教室に通い出した未就園児の頃から

エネルギッシュに物作りを続けているので、どんな大掛かりなものも全て自分の力で作ってしまう

実力派です。

ひとりひとりのおひな様の表情が味がすてきです。ぼんぼりがすごくきれいだったのに

写真に撮るのをうっかりして残念です。

↑ これはお姉ちゃんにならって、何でもひとりで作ってしまう妹のBちゃんの

おひな様。これもいい顔していますね。

 

今回のレッスン中、Aちゃんがこんな小さなティーポットを作っていました。

そういえば、2年前のAちゃんはティーポットを作っていました。

 

全て紙で作られたティーポット。

 

今回、Aちゃんが教室で作っていた家具。

Aちゃんが使う素材は、紙が主で、

どんな形も折ったり貼り合わせたりすることで作ってしまいます。

あまり試行錯誤することなく的確な形を作りだすので、紙を切る段階で、

どのような立体ができあがるのか仕上がりをイメージできているようです。

こうした扱う素材や物の作り方は子どもによってずいぶん異なります。

同じ親に育てられている姉妹でも、Aちゃんの妹のBちゃんの場合、

主に使いたがるのは、プラスチックや布などで、

動きのあるからくりについてのイメージは仕上げのイメージを

しっかり持って作っているけれど、形は布を巻きつけるといった

大胆で実験的な作り方をします。お姉ちゃんの作品を模倣することも

多いのに、いざ、自分の作品を作るとなると、

Bちゃん独特の世界が表現されるところが面白いです。

 

これは、Aちゃんと同じグループの小2のCちゃんが作ったテーブル。

ヨーロッパ風のドールハウスの写真に載っていたテーブルが作りたくて

細部にまでこだわって作った作品です。

Cちゃんの物作りは、まるで職人さんのようです。

「こんなものが作りたい」という思いがすごく強くて、

どんなに時間がかかっても、何回作り直すことになっても、

イメージ通りのものを作ろうと奮闘します。

 

 

Cちゃんが数ヶ月前に凝っていた靴作りとからくりハウス作りの様子は、

うまくいかない時も、投げ出さずに何度も何度も再挑戦する力

の記事で紹介しています。

(この記事のBちゃんとは、今回の記事のAちゃんのことです)

 

写真は同じグループのDちゃんのビー玉迷路。

Dちゃんは語彙が豊富な国語が得意な子です。以前は他の子らが工作を

する時に別の活動をしたがることが多かったのですが、最近、物作りに目覚めて

もりもり作っています。うまくいかない時、思わぬ素材を使って解決するところが

すごいです。

やわらかく変形できるアルミ箔を使ったり、ビー玉を滑らせる通路を細いストローを

いかだ状に貼り合わせて作ったりしていました。

この頃、算数の力も伸びています。

 

いつも、「こんなものが作りたい」という壮大なイメージを抱いているEちゃん。

工作の好きさと熱心にやり遂げる根気と意欲、考える能力の高さでは、

教室の中でも一、二を争う小2の女の子です。

「ボタンを押すと音が出るようにしたい」と奮闘していました。

 

Eちゃんの「こうしたい」を実現するのに、今回はいらなくなった音の出るグッズから

一部を取りだして利用することになりましたが、ボタンを押そうとすると、

貼っていたテープがはがれていくので土台を作って補強したり、

穴を開ける位置を調べるのに、わざと落ちやすいインクを穴と合致させたい部分につけて

箱に押しつけて調べたり、接続させるパーツを手作りしたりと、かなり苦労しました。

 

写真は、算数学習の一コマ。

『旅人算』を学習中です。

 

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ちえ子さんは 1びょう間に 2m、ひろ子さんは 1びょう間に

3m 歩きます。

①2人は 10m はなれた ところに 立っています。

これから 2人は 同時に はんたいの むきに すすみます。

8びょう後に 2人は 何m はなれていますか。

②ひろこさんは ちえ子さんより 10m 前に 立っています。

2人は 同時に 同じ むきに 歩きます。

6びょう後に 2人は 何m はなれていますか。

(最レベ2年生 130ページ)

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4人とも物作りになれているので、算数で線分図を描いて

考えるのも得意です。全員、きちんと解いていました。

AちゃんとEちゃんが、2mずつ、3mずつの矢印を一部だjけ書いて、

規則を見つけ出して、途中からは計算式で解いていました。

自分たちで、工夫する方法を考えたそうです。

 

そこで、みんなに、「今はすべてていねいに書いていくのもいいけれど、

AちゃんとEちゃんみたいに、こういうルールで増えているな減っているな、

と気づいたら、全部全部書かずに、そこからは計算して解くのは大事よ」と褒めて、

ふたりに、どうやって工夫したのかみんなに説明してもらいました。

それから、「でもね、よく見て考えてルールに気づいてから、全部書かずに省略するのは

いいけれど、前にこんなこと習ったなと思って、よく考えないで省略するのはダメよ。

前に、そうやって省略して大失敗をしてしまった子がいるのよ」と

注意をうながすと、全員、「どんな失敗?どんなの?」と興味しんしんでした。

 

 

そこで、こんな勝手省略、大失敗の例を見せました。

「あっ!ゼロが並んでる。知ってる、知ってる、こういう時は、9、10って

書くんだった……と左のような計算をしてしまったの。」

「えー!!どうして?」「なんで、こんな途中のところに10を書いちゃったの?」と

子どもたちはびっくり。

「それはね、1000-260みたいに

1の位がゼロのの数を引く計算を教わった時に、隣の大きな位から10を借りてきて、

もう一方の隣の小さい位に1を貸すから9になるんだなって、

ちゃんと意味をわかった上で9や10を書き込むんじゃなくて、

ゼロがたくさんある数から引き算する時は、9書いて、10書いたらいいんだななんて

丸暗記をしてしまったんじゃないかしら?」

そう説明すると、「わかったわかった。1の位がゼロじゃない時も

1の位がゼロの時と同じやり方で考えないでしちゃったのね」とAちゃんが

うなずきながら言いました。

他の子らも口ぐちに、「省略する時は、ちゃんと意味がわかってる時じゃないと

ダメなんだね」と言いあっていました。

 

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今日の年長さんグループはお休みが多かったので、

★ちゃんと☆ちゃんのふたりだけでした。

 

「こんなものを作りたい!」と思うと、材料選びも作り方も全部自分で考えて

もりもり工作する年長さんの★ちゃん。

お家でおひなさまとすいとうを作ってきてくれました。

 

★ちゃんのマイブームは取っ手つきのコップらしく

何か作る度にこのアイデアを駆使していました。

 

すいとうもこの通り。

確かに、コップの横に紙をつけただけで取っ手になる上、

仕上がりがとてもすてきに見えますよね。

(わたしもこのアイデアをいただいちゃいます)

 

☆ちゃんはおひなさまケーキを制作中。

 

ぼんぼりは、七夕かざりのちょうちんの作り方と同じです。

 

 工作上手な子は、ひとつ覚えた技を、

さまざまな場面で繰り返し使っていこうとする姿があります。

どんどん新しいことを覚えていくというのではなく、

1つできるようになったことを、とことん活かす横に広がる発達が豊かなのです。

そうした数値上の伸びでは測れないひとつできるようになったことで、

何度も何度も達成感を味わい、自分に自信をつけていくと、

学習の場面でも同じような行動を取るようになっています。

習得した学習内容のひとつひとつを生活のさまざまな場面で使うようになるし、

生活で得た知恵も、学習する時に積極的に取り入れて考えていくのです。

 

ゲームで得たチップの得点を工夫してすばやく計算しました。

 

「赤、青、白のチップの並べ方は何通り?」という問題にチャレンジ中。

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算数が得意な小学1年生の☆ちゃん。

教室に着くなり「お雛様、作りたい」と言いました。

どんな風に作りたいのか相談に乗っていると、

「紙コップを使って人形を作って、

お雛様とお内裏様を飾る段は絶対作りたい。着物には飾りをつけたい」という話でした。

 

工作をする時、どのようなものが作りたいのか、材料選びやこだわりたい点などの

相談にできるだけ乗るようにしています。

また、作り方のアドバイスは、その子の技能のレベルに合わせるようにして、

物作りが考えることに直結しやすいように気をつけています。

 

紙コップのお雛様に折り紙の着物は、

折り紙を三角に折って、コップに巻いて、余分なところを

内側に折りかえしています。

 

☆ちゃんは、とても問題解決能力が高いしっかりさんで、問題にぶつかるたびに

自分で懸命に考えて、最適な方法を実行していきます。

教室の空き箱入れを探ってはもりもり作っていたのですが、

途中で(本人としては)困った問題にぶつかって、

「先生~どうしよう!!」と大きな声を上げていました。

 

が、何に困っているのか説明を聞いていると、

「段にする箱がね、ちょうどいい大きさのがないから、

このままだと、前の人のせいで、お雛様たちが見えなくなる。」と言ってたかと思うと、

わたしがアドバイスをする前に、

「そうだ、この3人の人の背を低くすればいいんだ。あっ、そうじゃなくて、

後ろの段に何か敷いて、高くすればいいわ」

と自分でひらめいて、さっさとなおしていました。

他にも、「箱の幅が狭いから紙コップがはみだす~」といった問題を

色紙を貼るなどで解決していました。

 

すべて自分でやりとげて、満足そうな☆ちゃん。

自分の机に雛祭り用に飾っておくそうです。


計算が好きになる簡単な物作り

2016-02-22 08:14:08 | 工作 ワークショップ

子どもたちが考えた射的場。

的にさまざまな数字が書いてあります。

輪ゴム5つで撃ちぬいた数を足して競います。

 

滑り台の的。

的に当たると、インベーダーが滑り台を滑ってきます。

 

大人が設定した世界で、子どもたちを学ばせたり遊ばせたりするのではなくて、

子どもが自分たちで遊びの世界のルールを決めたり、物作りの方法を考え出したり

できるようにサポートすることが大切だと思っています。

 

↑ 計算パズルも手作りで。