毎日いっしょに過ごしているわが子でも、
その子ならではの才能や資質に気づくのは難しいという話をよくうかがいます。
才能や資質を見つけるために、何を習わせようか、何を体験させようか
と悩む方もいるようです。
でも、ちょっと肩の力を抜いて、子どもの視線が釘付けになっているものに
注意を向けたり、子どもの言葉にていねいに耳を傾けたりしていると、
日常のさまざまな場面でその子ならではの才能や資質が顔をのぞかせているのに
気づくはずです。
写真は年少グループのAちゃんが、輪ゴムを交差させて「見て!」と
言っているところです。
輪ゴムを触っていると偶然こんな形ができたようです。
よほどこの形が気に入ったのか、Aちゃんは長い間これを見続けていました。
大人が子どもにやらせたいことや教えたいことがせわしなくある場合、
Aちゃんのこんな発見は時間の無駄や手遊びの一種にしか見えません。
でも、普段から大人の側が、子どもの興味やアイデアや言葉を
関心を寄せていて、子どもから発信されたものを取り上げたり膨らませたりする
余裕を随所に作っていたら、その子ならではの才能や資質の輝きを目の当たりに
するにちがいありません。
Aちゃんは形の美しさや素材の性質や物の動きの面白さを探究するのが好きな子です。
この日も教室内で、一方に玉がはまって取れなくなっているラップの芯を見つけて、
ビー玉を入れて芯を左右に傾けては、「玉がはまっている方向に傾けるとビー玉が
出てこず、もう一方に傾けるとビー玉が出てくる」という様子を
しつこいほど何度も試していました。
そこで、このラップの芯を使った工作にAちゃんを誘うと、
「ボチャンと水の中に落ちるようにしたい」と言いました。
ラップの芯を傾ける方法は、年少さんのレッスンにつきあっていた
Bちゃんの年長のお姉ちゃんのアイデアで、お菓子の箱の内側部分を使いました。
ポリテープで水面を作ると、どんぐりやビー玉を水の中に飛び込ませる
おもちゃができました。
Aちゃんは、これまで自分が見つけた動きや形や素材の性質を
発展させて工作をしたことが何度かあります。
そうするうちに、積極的に自分の発見をよりくわしく説明しようとするように
なりました。
また、何かを発見した時、こちらがそれを取り上げて工作したり遊んだりするよう
提案すると、非常にねばり強く取り組むようになりました。
輪ゴムを交差させると球形の面白い形ができることに夢中になっていたAちゃんに
モールで輪っかを作って、輪ゴムと同じように交差させて球形を作ることを
提案すると、喜んで↓のような作品を作っていました。
お友だちのBちゃんも真似してたくさん球を作っていました。
次回に続きます。
このシステムも算数に力を入れ、個人の自由な考えを取り入れています。
大切なことは、教育(?)は学校だけではないということだと思います。