「ピアフ」

2011-11-27 20:05:25 | ミュージカル
あ~、完全に大竹しのぶにやられたァ~!←呼び捨てかっ!ごめんなさいm(__)m

最初のカーテン裏からの登場の時のあの強ばった表情と動きに、一瞬でハートを鷲掴みにされました!完全ノックアウトです!歌でも泣けたし!

それに、赤いカーテンに映るしのぶさんの影が本物のピアフそのものだったので、本気でビビりました。

以前、大竹しのぶ著「私一人」を読んだことがあり、しのぶさんがピアフを演じると知った時は、しのぶさんとピアフの人生ってある部分似ているな~と思ったのでこれは絶対観たいと思ってたんですよ。しのぶさんの新たな一面が観れるかも!と期待していたら…、

確かに、しのぶさんの新たな一面ではありましたが、それは私が想像しえたものとは全く異なってました。

大竹しのぶという女優は、決して自分の経験を肥やしに役を演じる女優ではない!ってことに気付きました。

美輪さんはしのぶさんのことを化けものと言ったかもしれませんが、私に言わせてもらうと、才女!としか表現の仕様がないです。
ほんと最初から最後までしのぶさんの演技に目が離せられず、圧倒されっぱなしでした。特に注射を打つ時の狂気の演技がリアル過ぎ!

内容的には、瞳子さんの「エディット・ピアフ」を意識したような演出もありで、特に田代モンタンは浦井モンタンとめちゃ被ってて本気で大声で笑いそうになりました。ラストも同じだったね。

登場人物が多すぎて、流れがつかみにくかったのですが、作品のテーマは、瞳子さんや美輪さんの作品に見られるような“無償の愛・本当の愛”ではなく、ピアフの人生そのものがテーマだったように思いました。私の生き様見てみろ!的な勢いを感じる内容でしたね。

歌で泣いたのも、決してピアフに感情移入したからではないんですよ。未だに理由が分からないんですが、自然と涙が溢れ出てきたんです。確かに想像以上にしのぶさんの歌の上達ぶりに心は打たれましたが、きっとピアフと一体化したしのぶさんの魂の歌に感動したのかもしれませんね。


今だから書くんですが…、

実は、しのぶさんの舞台嫌いだったんですよ。映画やドラマのしのぶさんは好きなんですけどね。

「欲望という名の電車」を観た時のしのぶさんのあまりのワンマンプレイさに嫌気がさしてしまい、それ以来しのぶさんの舞台はずっと避けてたんです。初演の「スウィーニー・トッド」は観ました。これは作品的にも良かったのですが、最後に観たのはこの作品で、ストレートプレイはどんなに評判が良くても避けてました。ついでに書くと蜷川さんの作品も避けてました。

でも今回(今年は)ピアフと縁があって、しのぶさんの舞台を久しぶりに観る機会を得て、益々来年の「シンベリン」が待ち遠しくなりました。しのぶさんと浦井君のお蔭で蜷川作品観る気満々になりました。神様、どうか観れますように!m(__)m

ほんと今年は何故かピアフイヤーで、瞳子さん、美輪さんとピアフの作品が続き、そしてしのぶさんのピアフでラストを締めくくったわけですが…、

どれが良かったかと尋ねられたら、しのぶさんの「ピアフ」を観たらどれも甲乙付け難くなりました。脚本に関しては、瞳子さんの「エディット・ピアフ」もまんざら悪くなかったか…と思えたので、三者三様それぞれに良し悪しがあり一番は決められません。

ですが、ピアフ役は間違いなくしのぶさんが一番ですね。ほんと、しのぶさんの「ピアフ」が観れて幸せです!なんて書くなんて思わなかったくらい。

書き忘れましたが、しのぶさんに限らずどのキャストも見せ場があり、たくさん出番もありでキャストの使い方は良かったと思います。ま、ごちゃごちゃし過ぎ感はありましたが…。

栗山さんの演出だから生々しい演出があるかも…と覚悟してましたが、そうでもなかったので安心しました。これくらいならお子さんが観ても問題なかったでしょう…多分…。久々に栗山さんの演出作品観ましたが、舞台セットも凝っててとても良かったです。

今日のまとめ:しのぶさんが歌った「愛の讃歌」は極めて原曲に近い歌詞でした。マジ泣けます!また聞きたい!

オペラ座の怪人 25周年記念公演

2011-11-22 20:15:01 | シアターライヴ
久々に「オペラ座の怪人」で泣いた。

初めてこの作品に出会ったのが1991年の劇団四季の公演でした。当時は、宝塚にはない異空間の世界観に完全にはまってしまい、ロンドンのオリジナルキャストのCDをずっと聴いてましたね。

それから数年後にドイツとロンドンで生で観て、ファントムに感情移入してしまいラストで号泣し、それからは…映画、ドイツで再び観て…気付いたら昔のように感動する心はなくなり…、もう時代遅れの作品だと思うようになっていました。

が、今日この記念公演を観て昔に戻りました(涙)

「Past a point of no return」からもう涙が止まりませんでしたね。完全にファントムに感情移入してまい、なんか昔にタイムスリップした感覚です。


全体的にはミュージカル作品というより、極めてオペラに近いミュージカル作品って感じで、歌はド迫力満点だし、人数は多いわ、劇団☆新感線の「薔薇とサムライ」のようなスクリーンと装置の組み合わせは見応えはあるわで、スタンドマイクにキャストが歌うコンサート形式でなかったので嬉しかったけど…、

正直に書くと、ファントムを演じた方以外は普通でした。っていうか、私は「オペラ座の怪人」そんなに好きじゃないんだと思う。ファントムという役が好きだっただけなんだと気付きました。

確かにキャストの皆さん歌は上手かったですが、そこには全く感動はしませんでした。特にクリスティーヌ役の方は私のイメージと違って貫禄があり過ぎて、正直エリザベートにしか見えませんでした。スタイル、髪型、衣装がエリザベートと被っていたせいもあってか、地声も低いしで絶対エリザベートの方が似合うと思って見てました。

ついでに書いてしまうと、ファントムが出ないクリスティーヌのシーンはまるで「エリザベート」を観ているかのようでした。音楽は「オペラ座の怪人」なのにカルロッタがゾフィに、ラウルがフランツにと登場人物をついつい「エリザベート」のキャラに当てはめて観ていました。ごめんなさいm(__)m

カーテンコールでサラ・ブライトマンが「Phantom of the Opera」を歌ってくれた時に気付いたのですが、クリスティーヌとは既に程遠い存在のサラでしたが、あの貫禄のある歌声の中にちゃんとファントムに洗脳された部分があり、クリスティーヌには自我の部分とファントムに洗脳された部分も必要だと思いました。歌が上手いだけじゃダメ。今回演じられた方には自我の部分しか見えなかった。

そこにきてファントムは完璧にファントムでしたね。トート閣下には全く見えなかった。ファントムの孤独感や心の闇、ラストの怪人の心から人間の心に変わる瞬間の演じ方、声の出し方、歌い方もファントムそのものだったので、本当ラストは泣けました。ぶっちゃけ書くと自分と重なったというか…。なんせ彼の悲しみや孤独感がビンビン伝わりました←ビンビン、って古くねぇか~(笑)

前回「レ・ミゼラブル」のコンサートでアンジョ役を演じた役者さんとは思えないくらい全身全霊でファントムになりきっていたので本当に感動しました!ホンマ化ける役者大好きです。
彼がファントム役でなかったら、普通の感想を書いていたかもしれない。

カーテンコールにはロイド=ウエバー、マイケル・クロフォード、歴代キャストも登場してそこは感動のカーテンコールでした。正直、歳をとった声でもよかったのでクロフォードの声が聞きたかったな。CDの中のマイケルとサラのコンビネーションは今聴いても本当酔いしれます。

25年歴史を重ねてきたこの「オペラ座の怪人」。まだまだ色褪せることはないね。演じ手と演出家、そしてスタッフが本気だったら。と思わせてくれた記念公演でした。

愚痴を書いているようですが、「オペラ座の怪人」ファンは必見ですよ!絶対映画館で観て下さい!

今日のまとめ:あの発表から冷めた自分がいたですが、まだ泣ける自分がいて安心しました。ありがとう、「オペラ座の怪人」&ファントム!

脚本はやはり「ファントム」の方が好き。演じるなら「オペラ座の怪人」のファントムの方が好き。ってことに気付けて良かった。


「ラビット・ホール」

2011-11-16 08:38:14 | ニコール・キッドマン
ニコールが久々にオスカーにノミネートされた作品。

「恋の罪」がインパクト大だった分、こちらはストーリー的にも淡々と進んでいくので正直眠たくなる時も…。

でも演技に関しては、ニコールのみならず、夫役のアーロン・エッカートやお母さん役の女優さん、交通事故の加害者の青年役の子もノミネートに匹敵するくらい良い演技だった。

交通事故で子供を亡くして8ヶ月が経ってもなお悲しみを乗り越えられない夫婦がそれをどう乗り越えていくか…っていうお話なんですが…。いつ離婚してもいいくらい全く価値観が違う二人。同じ悲しみを持ちながらも、夫婦の関係は平行線をたどるだけでなく、距離は広がる一方。そこに加害者の青年とキーワードの“ラビット・ホール”“パラレル・ワールド”が絡んでくるんですが…。

正直、脚本に関しては舞台作品の映画化だけあって演劇的過ぎてリアリティーに欠ける。前半は夫寄りに、後半は妻寄りに描かれているのが形式的だし、夫婦の人物描写も対象的過ぎて今一つ心に訴えかけるメッセージがない。演技の見せ場はあるのはいいけど、映画としてはイマイチだった。正直に言うと90分の作品で正解。

パラレル・ワールドというもう1つの現実の世界があって、その世界では息子も生きていて平和に暮らしているという発想。ラビット・ホールという名の心の落とし穴。なんか取って付けた感じもなくもなく。

なぜ妻が加害者の青年に関心を抱き始めたのか…?その理由が分からぬまま物語が進むので(ただ単に、私が分からなかっただけかもしれませんが…)、前半の妻の行動を見ると、きっと誰もが別れちまえ!って夫に同情すると思うんですが、夫は夫でそれでも妻を愛しているんだよね…。別の女性に心が向くんだけど…。

ラストで妻が夫にこれからどうするか結論を委ねるところで再び二人に絆が芽生えるんですが…。なんだかな…って感じ。今一つ説得力に欠けるというか…。なんせスッキリしない展開でした。

ただ一つ面白かったのは、セリフに“ラビット・ホール”に掛けた単語が使われてたとこかな…?

今日のまとめ:前半のニコールの青年以外は心を閉ざした憎まれ役の演技、青年との静かな演技、夫に本音をぶちまけた時の負の演技、ラスト近くの心を解放した時の泣きの演技…ニコールの演技は本当に良い!だからといってDVD購入したいまでは行かないんだよな…。

話は変わりますが、18日から大阪のスカイタワーで毎年恒例のドイツのクリスマスマーケットが始まります。ちょうど準備中だったんですが、この前はドイツビール祭の準備中だったし、なんか不思議な縁を感じました。あ、シネリーブル梅田で映画鑑賞しました。

ドイツのクリスマスマーケットと言えば…グリューヴァインという、香辛料入りのホットワイン。久しぶりに飲みたくなったので、またお一人様で来るかも…。←また一人か!?
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今日はシネリーブルの日

2011-11-15 22:25:50 | 映画
同じ映画館で上演中の園子温監督の「恋の罪」、ニコールの「ラビット・ホール」観てきました。

どっちが面白かったかと聞かれたら「恋の罪」と即答します。

以前からとても気になっていた園子温監督。決してエロ目的で観たかったのではなく、ラースの作品と同じ匂いを感じたので観ました。

「恋の罪」…、

お恥ずかしながら、実は泣いてしまいました。あの詩とマーラーのアダージェット、そして神楽坂恵さんの魂の叫び声に涙涙でした。

お詫び:マーラーの“アダージョ”でなく、“アダージェット”でした。すみませんでしたm(__)m

見終えた後、「ラビット・ホール」を観るまで外をふらついていたんですが、アダージェットが頭の中でリピートしていてずっと涙が…。1時間ちょっと余韻に浸ってました。

確かにエログロな作品ではありましたが、めちゃくちゃ良かったとは言えないけども、かなり良かった。ホンマあの詩とアダージェットは卑怯やわ。

一見、セックスに溺れる女性の話だと思わせといて実はそうじゃないってところが憎い演出でした。脚本的には上手く伏線を敷いているところもあるんだけども詰めが甘く、神楽坂さんの演技に未熟さがあって正直完璧な作品だとは思わなかったですが、ラストのあのシーンはホンマ泣いた。

私が感じたことですが…、本当の愛を知ったら、他のどんなセックスも価値はない。付け加えるならば、セックスという行為自体に価値がない。“愛のないセックスをするなら金を取れ!”(正確には“愛が無ければ金を取らなきゃ”です)。決して売春を強要する言葉ではなく、この言葉の裏の意味(真意)に園子温哲学を学びました。っていうかその通りだと思う。

私も好きなカフカの「城」がこの作品のキーワードになっているんですが、男も女も関係なく人間は皆「城」の主人公だと思います。

言葉自体は消えて無くなるものだけど、文字にしたら形として残るよね…。

なんのことかよく分からない感想ですが、もし興味があればご覧下さい。

それから、女優陣の脱ぎっぷりも一つの見所になっていますが、それ以上に特に冨樫真さんの怪演ぶりも見所です。自分で言うのもなんですが、全体的に人間の深層心理に迫っているところがあるので、見終えた後の感想はそっと自分の心にしまわれるほうがいいですよ。一人で観ることをオススメします。

今日のまとめ:あの詩、私も好きになりました。パンフに載せて頂きありがとうございます。

ひょっとしたら園子温監督はネームバリューで作品を観る監督かも…と思い、実は帰りにレンタルで「冷たい熱帯魚」を借りて観終えたばかりです。思ったよりはグロくはなかったけど、内容的には今一つでした。まだ監督の感性に曖昧な部分があるので、来年公開の「ヒミズ」で確かめたいと思います。

「ラビット・ホール」は後ほど…。

追記:そういえば…、「東電OL殺人事件」を題材にしたという桐野夏生さんの「グロテスク」読んだことあります。図書館で借りて。すごく分厚い本だった。

桐野さんの小説は「OUT」と「グロテスク」しか読んだことないんですが。今本の内容を思い出してぞっとしました。映画と似てる…。当たり前だけど…。
「グロテスク」はオウム事件へと話が進むんですが…それまでの姉の行動が…。

「恋の罪」観るの必然だったのかな…?ひょっとして導かれた?と思うとホントぞっとしました。

美輪明宏音楽会〈愛〉 L'AMOUR 2011

2011-11-13 22:47:23 | ライヴ
せっかく日曜日に休みを頂いたので有意義に活用してまいりました。本当は来週の日曜日が休みだったら月組全ツが観たかったのですが、こればかりは運任せなので…。っていうか、全ツとしのぶさんの「ピアフ」を天秤にかけて、「ピアフ」を優先にしたってだけなんですけどね…。

話は元に戻して…、

美輪さんの音楽会に参加するのは今回で二度目になります。

前回は個人的に色々あったのでタイムリーにとても感動した音楽会だったんですが、二回目の今回はとても冷静に鑑賞させて頂きました。っていうことで、泣いておりません。笑いはしましたが…。

ほんと、美輪さんって凄い!!!

しのぶさんの「ピアフ」を観た美輪さんが、楽屋でしのぶさんに“化けもの”って言ったそうですが(しのぶさんのラジオより)、いやいや、美輪さんの方がしのぶさんを上回る化けものでございますよ!

あのお歳であの肺活量、人間技とはとても思えない。スゴ過ぎます!私が知ってる美輪さんと近い年代の方で(←かなり表現方法に気を使ってます)、美輪さんを越えるようなパワフルな方にまだお会いしたことありません!

美輪さんは性別を越えた存在ではありますが、もはや人間であることすらも超越しております!美輪さんならあと50年は間違いなく生きてそう。美輪さんを見ていたら、本当に“病は気から”って思う。あのパワーがあれば、病気なんてすぐに吹っ飛ぶよ。

今回も美輪さんの発言にはヒヤヒヤもんでしたが、本当の本当に美輪さんには怖いものがないんだろうね。何度も試練を乗り越えて得た目に見えない力に守られているんだろな…って思いました。じゃあ私はあとどれだけ試練が待ち受けているのか…?それを想像すると怖い…。美輪さんにはこの怖さすらないんだろね…。

ほんと、美輪さんのブラックユーモアたっぷりのトークには笑わせ頂きました。ここがウタコさんとは違うところなんですが…。正直に書きます、私はウタコさんのトークの方が好きです!

ブラックユーモアな部分を除いたら、喫茶店の話、交友録、同性愛などの差別…、美輪さんにしか語ることの出来ない重みのある内容に、当たり前ですがリアリティーがあって本当興味深く聴かせて頂きました。

選曲も前回は「ヨイトマケの唄」はなかったと思うんですが、この曲が作られる切っ掛けとなったエピソードを聞くと、この曲かなり好きになりました。曲という名の物語に感銘致しました。

正直、しのぶさんの「愛の讃歌」を聴く前に美輪さんver.を聴けるものと期待していたのですが、今回聴くことが出来なくてそれが一番残念でした。

今回は美輪さんのトークを聴きに来た感覚が圧倒的に強いのですが、いろんな意味でパワーを頂いた…、いや、美輪さんのパワーを見せつけられた音楽会でした。

今日のまとめ:「椿姫」観たい!山本太郎ちゃん、頑張ってや!

パンフの中身濃いね…。三谷さんとの対談面白かった!しかも長い!



追記:「EXILE魂」見ました。面白かったけど、めちゃドキッとした(@_@;)、
あんなところにカメラがあったんや…。映ってなくて良かった…( ̄ロ ̄;)