「蒼の乱」

2014-05-23 00:44:47 | 舞台
ユリちゃんもケンイチ氏も凄く良かった!!!

第一部は完全にケンイチ氏が主役でユリちゃんが引き立て役でしたが、第二部は逆転してユリちゃんが主役でめちゃくちゃ格好良かった!!!

っていうか、今回のいのうえ歌舞伎って、これって、いつものいのうえ歌舞伎なんですか???

わたくし、まだ新感線の舞台を今回で4作品しか観てませんが、いのうえ歌舞伎も前回の「シレンとラギ」しか観てないので、他の作品を知らないんですが…、

今回の「蒼の乱」って、「五右衛門ロック」のスピンオフみたいな演出になっていて、ミュージカル仕立てで歌もあるし、これって定番のいのうえ歌舞伎なんですか???

前回の「五右衛門ロックⅢ」の延長線のような内容でしたが、ぶっちゃけ、

「五右衛門ロックⅢ」よりめちゃくちゃ良かったです!!!

今回の脚本、メッセージ性はあるわ、スピ要素はあるわ、辻褄も合ってるし、ダブル主演のユリちゃんとケンイチ氏のキャラの肉付けも上手くて、とっても良かったです!

二人が敵対するのは予想できたけど、どちらが本当の“馬鹿”なのか最後まで分からない展開だったので、めちゃくちゃ作品に引き込まれました。途中までケンイチ氏寄りで見ていたらどんでん返しもあって、誰が本当の味方か敵か最後まで分からない展開になっていて、結局はユリちゃんもケンイチ氏もどちらもヒローになりえる展開になっていたので本当に脚本演出共に素晴らしかった!最後まで楽しめました。

わたくし、日本史オンチなので時代背景が全く分からず、ただプログラムに載っている歴史背景を直前に読んで臨んだんですが、ちゃんと辻褄が合うラストでしたね。

今回の脚本にはスピ要素があって、みはるさんの役柄はまさにスピの世界の人物でしたもんね。第一部でこれでもう終わりなん???って思っていたら、ちゃんと第二部でも活躍してました。素晴らしい存在感と脚本でした。わたくしには堪らん脚本でした(笑)

で、もう一つ、「五右衛門ロックⅢ」に続き、今回も「エリザベート」の曲がアレンジされてました。いのうえさん、または中島さんって、「エリザベート」好きなんですか?前回は浦井氏がいたからの選曲だと思っていたんですが、今回は何故に「エリザベート」???ま、個人的には楽しめましたけど…。

じゅんさん演じる馬も、「ライオンキング」の要素を取り入れた演出になっていて素晴らしかった!これも演劇作品においてはあまりない登場のさせ方なので斬新で良かったです。これもスピ要素ですね。

一見、「ロード・オブ・ザ・リング~王の帰還」を連想させるシーン、または、「パイレーツ・オブ・カビリアン」をなぞったシーンがあって、超魅力的でした・私にはね(笑)幽霊を味方に付けたら最強だったろうな~と想像してましたが、実際は違いましたね…。

今の日本の政治を揶揄したような台詞もあって、脚本が本当に素晴らしかったです。

ユリちゃんの素晴らしさは、宝塚時代から存じ上げておりますが、第一部が引き立て役だっただけに、第二部の巻き返しは素晴らしかったです。ユリちゃんのドスの利いた声にしびれました!さすが元男役!何より、元気なユリちゃんが拝見できて嬉しかったです!

ユリちゃんにもケンイチ氏にもちゃんと花を持たせる脚本演出になっていてホント素晴らしかった!

で、ケンイチ氏がめちゃくちゃ良かった!!!

いや~、舞台経験を何年もしてきたかのような発声と見せ方に非常に驚きました!映画におけるケンイチ氏のカメレオンぶりは存じ上げてましたが、まさか舞台上でこれだけ魅せられるとは想像もしてませんでした。体力・精神力・表現力ともにかなり優れていると断言します。蜷川さん、絶対大好物だと思う。是非とも蜷川作品で暴れまくって欲しい!そして、今度は舞台の板の上で藤原君とガチの演技バトルを実現して欲しい!

ケンイチ氏の殺陣も素晴らしかったですが、早乙女太一氏の殺陣もかなり見応えありました。どちらも今回初めての拝見だったのですが、ボキャブラリーが足りなくて申し訳ないですが、本当に素晴らしい!としか言い様がない。

他の作品を観てないからアレですが、第二部は殺陣オンパレードでめちゃくちゃ格好良かったです!あ、皆さんね。二回公演がある日は体力が保つのか心配になるくらいかなりの運動量ですもんね。観客としては目の保養になります。格好良く、それでいて美しい殺陣でした。

平さんも出てるし、声フェチの私としては堪らんキャスト陣だったので、眼福・耳福と大変満足してます。

ラストの草原と空が一体となるシーンも良かった!発想が素晴らしかった。スピ的に表現すると、ユリちゃんとケンイチ氏の魂が一体になったかのような見せ方になっているので、ユリちゃん美味しい役でしたね。

もし、私みたいに日本史オンチの方でこれからご覧になられ方は、是非とも、観劇前にプログラムの歴史解説を読まれることを薦めます!背景を知ると、よりユリちゃんとケンイチ氏の人物像や状況設定が分かり易くなる。余計なことを考えなくていいから、メッセージ性がストレートに入ってくる。

ぶっちゃけ、新感線、4作品しか観てないけど、これが一番良かった!

今日のまとめ:ユリちゃんが歌うシーンで思わず宝塚時代を思い出した(笑)←なぜ笑う?w(;°O°)w

みはるさんもソロがありましたが、こちらは宝塚時代より伸び伸びしてましたね。じゃあ、ユリちゃんは???m(__)m格好良かったです!(汗;)

追記:開演前に流れていた音楽が超格好良かった!Evanescenceみたいな女性ヴォーカルのメタルロック!好き好き!(笑)

「バチカンで逢いましょう」

2014-05-21 22:38:48 | 映画
「バグダッド・カフェ」のヒロインだったマリアンネ・ゼーゲブレヒトが出る!という理由だけで、内容は正直期待せず観たら…、

これが意外と良かった!!!

笑えたし泣けたし、登場人物の一人にジャスミンに似た役柄の人がいたけど、後味は断然「ブルージャスミン」よりこっちがいい!

「バグダッド・カフェ」を意識した演出がちりばめられたり、まさかのあの名前もあったりで、「バグダッド~」大ファンの私には堪らない演出でした。

あ、ちなみにパンフレット、「バグダッド~」と同じサイズの縦長でした。これは日本の配給会社さんの粋な計らいですな。

「バグダッド~」から25年以上経っているのに、マリアンネのキュートさはおばあちゃんになっても健在でしたね。もう、カワイイ!

今回のお話は、

カナダの山奥に住んでいたマリアンネ演じるマルガレーテが、家を売って娘と一緒に住むことを条件で念願のイタリアに旅行をして、そして念願のローマ法王に会うことが出来ると信じていたのに、娘は老人ホームに入れようしていて、イタリア旅行は嘘だった。

ガッカリしたマルガレーテは、バチカン市国の近くに住む孫娘の許へ、一人イタリアを目指し旅立つ。そしてドタバタ珍道中に巻き込まれる。いや、引き起こすといった内容なんですが、

なぜ、マルガレーテはそこまでしてイタリアに行きたかったのか?ローマ法王に会いたかったのか?が話のカギとなります。

原題が「OMAMAMIA(オーママミーア)」といって、あの大ヒットミュージカル「マンマミーア」を文字ったタイトルで、訳したら「おばあちゃん、オーマイゴッド」(←意味不明でごめんなさい)で、「マンマミーア」を意識した内容でもありました。おばあちゃん&娘&孫娘の三世代のラブストリーでもあります。

マルガレーテが引き起こす珍道中もんだと匂わせつつ、三世代の真実の愛を見つけるラブストリーになっていて、一捻りも二捻りもあって意外と面白かったし、上手く出来ていたと思う。ストーリー100分の割には中身は濃いかった。

ぶっちゃけ書くと、ミュージカル「マンマミーア」より、この「OMAMAMIA」をミュージカル化した方が断然面白いと思った。って実は、わたくし、ミュージカル「マンマミーア」好きじゃない。映画版、実は最後まで観てない(汗)

ので、ドイツもミュージカル大国だから、せめて本国ドイツでミュージカル化して欲しいと思った。

あ、この作品、一応ドイツ映画です。イタリアが舞台なのに、主人公マルガレーテ、イタリア人相手に普通にドイツ語で話かけるなんて超あり得ない設定だった(笑)ドイツ人って年齢に関係なく普通に英語喋れるはずなのに…。カナダに住んでいたらなおさら…。

所々シュールな笑いがちりばめられてます。でも、ちゃんとラブストリーとして成立しているとこが脚本的には良かったです。で、ちなみに日本語字幕担当者が松浦美奈でした!(名前間違えてましたm(__)m)それだけでわたくし大満足!(笑)

この作品、間違いなく英語字幕からの日本語訳だと思うけど、言語はイタリア語・ドイツ語・時々英語でインターナショナルでした。さすがに、ドイツ語の卑猥語(?)は英語訳にされてなかった様子。これは私個人的に楽しめた。

単純なストーリーのようで、ちゃんと伏線が敷かれていてビックリな展開が盛り込まれてます。矛盾がないように意識していたのも良かった。ホント、一捻りも二捻りもあって私は単純に楽しめた。

ドイツ料理が、この作品のスパイス的存在になっているのも面白かった。ま、食べたいとは思わなかったけどね…w(;°O°)w

ということで、この作品、マリアンネファン必見ですよ!本当にキュートだから!

あ、イタリアの三國連太郎さんことジャンカルロ・ジャンニーニも良かった!ジャンニーニも、三國さん同様、シリアスとユーモアの使い分けが上手い!やはり、役者の魅力はどれだけ振り幅のある演技を見せて魅せられるか…?だと思うね。

今日のまとめ:今、梅田で、5月なのにオクトーバーフェストやってるんですよ。映画を見終えた後、めちゃくちゃドイツの黒ビールが飲みたくなったけど、あまりの寒さに断念。っていうか、5月は早すぎやろ!?

今思えば、ドイツ語勉強するのも必然だったのかな~と思った。あ、めちゃくちゃ出来る訳じゃないよ!会話程度です(汗;)


「愛の讃歌」

2014-05-18 23:35:07 | 舞台
涙と共に心のモヤモヤが、全部じゃないけど、かなり消えました!

美輪さんが歌う♪愛の讃歌♪でかなり浄化されました!

ということで、3年ぶりの「愛の讃歌」を観てきました。本当は、1回観たから今回は見送るつもりでいましたが、安い席があったので観ることにしました。

前回と一部キャストが変わったからじゃないと思うけど、演出や脚本がブラッシュアップされた印象を受けました。

ってくらい、違う作品を観てる感覚でした。

前回は、美輪さんの愛の語録がてんこ盛りで、長いストーリーの印象だったんですが、今回はそういう意味ではスッキリした印象で、休憩を入れて4時間があっという間でした。

二回目だから、きっと退屈するだろうな~と覚悟の上での鑑賞だったんですが、全く退屈しませんでした。それくらい別モノを観てる感覚でした。

前回はラストのピアフの台詞で涙が出たんですが、今回は久々に♪愛の讃歌♪で涙しました。あと、まさかのYOUさんの台詞でも。

そう、YOUさんがとても良かった!

舞台慣れしたのか、台詞は多少癖はありますが、とても自然体なシモーヌで驚きました。前回は作品のアクセント的存在でしたが、今回はちゃんと作品の重要なパーツとして存在されていてとても良かったです。そう、第一部のピアフと別れを決心するシモーヌの台詞でウルッときました。本当に、前回と比べものにならないくらいピアフの美輪さんとの姉妹関係が自然でした。

もあって、違う作品を観てる感覚でした。

そうそう、今回この作品を観て、ジャスミンとブランチを救う手立てが見つかりました!

テオみたいな男が現れたら、間違いなく二人とも立ち直れると思う。本当の愛、真実の愛に出会えたら必ず幸せを掴めると思う。ま、出会えたらの話ですが…。それくらい、愛の力は人を変える威力があることを改めて教えてくれた今回の「愛の讃歌」でした。

見返りを求めない与えっぱなしの無償の愛を実践することは難しいと思うけど、与えられっぱなしの人生は逆に人間をダメにすると思うから、自分から発信していくことは凄く大事だと思う。

愛されるより、愛することの方が断然大切!だと思う。

ま、本当の愛、真実の愛は、男女の恋愛より親子間の方が実践されやすいと思うけどね…。

子供の健康だけを願う親の気持ちってまさに見返りを求めない愛だと思う。今思い返すと、そういう点では、私も両親からはたくさんの愛をもらっていた、時もあった。

恋愛においては、ついつい何某の見返りを求めてしまいがちだけど、もちろん、親子間でもあり得るけど、見返りを求めない愛を実践するには、やはり感謝の気持ちを学ぶことかな…って思うね…。私も偉そうなこと書いてますが、本当の愛を客観的には分かっているつもりでいて、実践は出来てません。評論家みたいに、それは本当の愛じゃない!YES!NO!って言ってるだけですから(汗)

(相手が)生きているだけでそれだけでいいと思える、その想いにたどり着くまでにたくさん試練があるんだと思うね、人生って…。ま、人生は、終わりのない一生修行だとは思いますが…。

と…、久々に無償の愛について考えさせられました。

ピアフの人生を見ながら、改めて、“生かされている”理由や使命は、ピアフだけじゃなく皆一人一人あるんだと思うね。

ついつい忘れがちになるけど、一人一人、自分のためだけじゃなく、誰かのために生かされていることも大いにあるわけだから、間違いなく人生に無駄なことはないと思う。

つまらないと思う経験や辛いと思う経験は必ず誰かの役に立つと思う。どう生きてきたかだけでも、十分誰かの役に立つと思う。

話変わって…、

今回の美輪さんのピアフ、正直、前回より良かったですm(__)m 前回は年齢を感じるピアフでしたがm(__)m、今回はYOUさん同様自然でした。だから、余計ピアフの人生を客観視できました。逆に、テオの木村君に少々違和感を感じた。やっぱ、木村君は、明智が1番!来年の「黒蜥蜴」木村明智でお願いしますm(__)m

そうそう、前回泣いたラストのピアフの台詞、改訂されてましたね。

今日のまとめ:今日は玄祥さんが観に来られてました。ロビーで拝見しました。祐飛さんの舞台の時、美輪さんから玄祥さんへのお花がありましたからね。意外な関係に驚きました。私の想像つかない見えない所で不思議な縁で繋がってるんですね。

「ブルージャスミン」

2014-05-14 20:01:09 | 映画
いや~、今回もウディの洞察力は冴えてます!!!

ぶっちゃけ、後味めちゃくちゃ悪かったけどね…。

ま、本来、ウディの脚本は後味が悪いのが普通だと思っているから、この後味の悪さは覚悟の上、想定内でした。本当は、笑いを期待していたんですが、私には笑えなかった。

ってくらい、タイトル通り最後まで憂うつなジャスミンでした。

ネタバレフレーズを書いてしまうと、結局は身から出た錆だから仕方ないんだけど、ホント救いのないラストがこっちまで憂うつな気分にさせます。極端な人物描写ではあったけど、それくらいリアリティーがありましたね。

嘘はいつかバレる…

これもこの作品のキーフレーズだと思うので、バカ正直も困りものだけど、それ以上に嘘や虚栄心も身を滅ぼすことも大いにありうると思いました。

これまたぶっちゃけ書くと、ジャスミンの虚栄心はよく分かる。昔の私もそうだったから(汗)身の程知らずのエエカッコしいで自尊心が高かった時代があって、まさに自分中心で地球が回っていると大勘違いしていた時代があったからね。思いもよらぬ、いや予想していたどん底を経験する結果に至っただけに、ジャスミンの気持ちはよく分かる。私の場合は失敗経験から学ぶタイプだから、若い頃はホンマ失敗だらけ…。

自尊心のベールに包まれたら本当に周りが見えなくなるもんね。お金があれば人の心を買えると本気で信じていた時代があったからね。その過去があったからこそ今の自分ではある訳んだけど、ジャスミンまでの精神状態に陥ったら今の自分は間違いなく存在してなかったと思う。一歩間違えたら間違いなくジャスミンみたいに精神状態になっていたと思う。自分の好きなように生きておきながら、結局は自分の首を締める生活。今思えば、あの時、間違った選択をしなくて良かったと思う。さらにどん底に陥ったと思う。

ここでは具体的には書けないけど、私のどん底経験は今思えば大事な経験でしたね。もう1つの道を選んでいたら今頃どんな生活をしていたのか想像するとゾッとする。

ウディが描くジャスミンはまさに、「欲望という名の電車」のブランチそのものでした。っていうか、戯曲で描かれなかったブランチに裏側を描いていたように思った。

ブランチも精神疾患者だけど、なぜそこに至ったかは描かれていない。教師としてしてはいけないことをしてしまった。でも、何故そこまでに至ったかその過程の描写はなかったはず。あくまで結果論的な表現だったはず。実は、ブランチは精神疾患者だったみたいなオチ。

でも、このジャスミンにはちゃんと過程がある。その過程がオチである訳なんだけど、とてもリアリティーがある描写だった。

主人公のジャスミンだけでなく、登場人物や設定もまた「欲望~」を模している部分があって、まさにウディ版「欲望という名の電車」と言っても間違いではないと思う。

間違いなく、ジャスミンもブランチと同じ道へと導かれると予想されるラストだっただけに、こっちまでブルーにさせられる幕切れでした。

ほんと、ブルーなジャスミンを演じたケイト・ブランシェットは、オスカー納得もんの演技でした。セレブ感も精神不安定感もどちらもリアリティーがある演技でした。ケイトも相当な化けもの女優さんやもんな。エリザベス女王の高貴ぶりも圧巻だったけど、「シッピング・ニュース」のビッチぶりもかなり度肝抜かれた。演技力ではダントツでニコールより上ですが、私はニコールの方が好き(笑)

ジャスミンの妹ジンジャー役のサリー・ホーキンスもこれまた素晴らしい演技でした。派手な姉ジャスミンと対照的なザ・地味女性ぶりを見事に体現されてました。まさに「欲望~」の妹と同じ役割を担っている部分があって、やはり、良くも悪くも女の性(さが)を見事に演じられてました。これはホント脚本が素晴らしい。見事な人物描写でした。

登場する男性陣も見事なダメっぷりで素晴らしい存在感でした。まさに「欲望~」に出てくるような男性陣でした。

ジャスミンもそうだけど、ブランチもどうやったら幸せになれるのか…?私なりに考えたけど、結局は戯曲通りしか思いつかない。あそこまで陥ったら自分を取り戻すことなんて出来るんだろうか…?

そういう意味では、自分を見失うな!とウディの警告にも取れる。ありのままの自分を着飾らず、素直に受け入れることの大切さを教えてくれる作品だと思う。

セレブ生活から一転して貧乏生活に陥ったアイロニーたっぷりの作品と見せかけつつ、実は、人間の生態をストレートに表現した作品だと言える。ぶっちゃけ書くと、私にはアイロニーは全く感じなかった。身から出た錆なんだから仕方ないやん的展開でした。

あ、これ、精神を病んでいる方は観ない方がいい。そういう意味では本当にリアリティーありまくだから。

今日のまとめ:これを観たら気分爽快になるかと思ったけど、またモヤモヤが復活したちゅうねん(涙)裏切られ感はないけど、ここ三作品がファンタジー要素たっぷりだっただけに、まさかここにきてこんなシリアスチックな作品を出してくるとはね…。ウディの脚本の振り幅にほんと感心しまくり。恐るべし79歳(今年で…)!


宙組「ベルばら」

2014-05-09 22:01:08 | TAKARAZUKA
死に様が美しい歴代オスカルNo.1やな!!!

脚本は相変わらず荒らさが目立つけど、バスティーユは圧巻でした!

テルカルありきの「ベルばら・オスカル編」であることは言うまでもないけど、バスティーユが一番見応えがありました。これ、ホント歴代No.1だと思う。

それ以外は、生徒の熱演がなければ観れたもんじゃないくらい今回も脚本の荒らさが非常に目立った。全くもって誰にも感情移入出来ない。終わり良ければ全て良し的な展開がほんと残念でならない。第一部のペガ子…、第二部のバスティーユ…、内容があまりにもナイヨ~。

オマージュにこだわり過ぎて新場面が全く活かされてないのがホント残念。三部会を第一部のメインエピソードにして、貴族と平民の対立を膨らませたらもっと脚本に厚みが出るのに、ワンシーンとして中途半端に入れ込むから、取って付けた感がありまくりだから生徒の熱演が寒く感じることがあった。

卒業していく生徒も含め生徒達へ愛も分かる。メインやホープの生徒にも見せ場が必要なのも分かる。でも、脚本として筋が通ってなかったら演じる生徒だって役作りに困ると思うよ。

ま、愚痴ってるのは私ぐらいで、これがイイ!と言う人が大多数だから何とも言えないけどね…。

ということで、ぶっちゃけ書くと、脚本に関しては月組ほどの怒りはありません。ただ残念なだけ。個性的な生徒が揃っているのに、大勢のうちの一人みたいな人物描写が残念なだけ。あとは…、

生徒の熱演が素晴らしい!

中途半端に演じたらホント学芸会になってまうもんな。ホント、恐るべし植田脚本です。

テルカルは、ほんとバスティーユが素晴らしい!ビジュアル的にも劇画のオスカルに一番近いから本当に存在感だけでもう眼福!凛々しさもあってホント劇画から飛び出てきた感じだった。

マー君のアンドレが予想以上に良かった!あれくらい熱演してくれないと、アンドレがただのストーカーになってしまう危険性があっただけに、ともみんのアンドレとはタイプの違う情熱的なアンドレ像が素晴らしかったです。

第一部では台詞が少ない分存在感が薄かったけど、第二部で見事に挽回してくれてました。一歩間違えたら本当オスカルのストーカーやもんな。ホント脚本に難あり。そう、匍匐前進がなかったのが良かった。これがあるとないとではアンドレの存在感がガラッと変わるからね…。あれは寒いからもうやめてほしい。

キタロウ君のアランはイメージのまんまですね。あまりにもそのまんまな役だから、次の役替わりアンドレの方が非常に楽しみです。そう、次のマー君のジェローデルはイメージ通りだからマー君でアラン役が見たかったな。

で、今回のジェローデルはなかなか美味しい役だったね。だからマー君がジェローデルなのも納得なんだけど、今日観たカイ君も良かったよ。ジェローデルのイメージにピッタリだったから、180度違う次のアランが楽しみです。

この作品で、サヨナラになってしまうベルナールのちーちゃん。一作毎に一人ずつ大空組が解体されていくのが残念でならない。ベルナールは定番だけどちゃんと見せ場が維持されていて何よりでした。

ロザリーのみりおんは実にもったいない使われ方やね。みりおんはマリー・アンワネットが絶対似合う。だから全ツが楽しみ。観れるかどうか分からないけど…。そうそう、今日のみりおんを見て、エリザベートが観たい!と思った。やはり、あの歌ウマは最大限に活かさなアカンと思う。宝の持ち腐れは非常に勿体ない!

今日観た限りで、メイン以外で目立った生徒は、モンチ君と愛月君でしたね。もちろん、ゆうちゃんさんやスッシー組長さんやベテラン勢も存在感はあったけど、モンチ君と愛月君は扱われ方が特別でしたね。

モンチ君は最初のオスカルの少女時代だけでしたが、これが意外と美味しい。「エル・アルコン」のティリアンの少年時代並みに、大人になったオスカル像を形成する役割を担っているだけに、演じ甲斐はあったと思う。

愛月君は表現が上手かった。もちろん台詞量も関係してるけど、声が特徴的だけに存在感があった。「パルムの僧院」が観たい!

大訂正:「パルムの僧院」は雪組でした…すみませんm(__)m

噂のフィナーレは…、

最後までオスカルだったテル君は…、ぶっちゃけイマイチだった、私にはね。男役の服装とロングの金髪は似合っているのか???もっとオスカルをイメージしたもっとフェミニンな衣装の方が良くないかい?男役を意識し過ぎてフェミニン度が低く感じたので私にはイマイチでした。発想は良かったのにね。

マー君、キタロウ君、みりおんでトリコロールを表現した衣装は良かった!どうせなら、各三色グループがあったんだから、メイン三人だけじゃなく、バックでも三色の群舞もあっても良かったんじゃない???かなり見応えあると思うよ。東宝ではご検討を!

フィナーレナンバーに♪愛の讃歌♪はナイスアイデアでした!歴代ではその他のシャンソン曲のアレンジだったもんね。初演から40年経ってシャンソン界の真打ち登場だと格が上がる。逆に、なんで今まで使用しなかったのか不思議やね…。

ということで、愚痴だらけになってしまいましたが、本当に怒りはないです。テルカルを観るだけで十分ベルばらワールドに浸れると思います。私はやはり、ビジュアルより内容重視なので、カリンチョアンドレ&いっちゃんオスカルver.には劣ります。初めての方ならきっと楽しめると思う。

私に言わせると、「ベルばら」のどこに、チケットを完売させるサブリミナル効果があるのかが不思議でならんのですがね(笑)ま、私もまんまとその効果に引っ掛かった一人ですが…(汗)恐るべし、ベルばらマジック!

今日のまとめ:次はBパターン!