オペラ座の怪人 25周年記念公演

2011-11-22 20:15:01 | シアターライヴ
久々に「オペラ座の怪人」で泣いた。

初めてこの作品に出会ったのが1991年の劇団四季の公演でした。当時は、宝塚にはない異空間の世界観に完全にはまってしまい、ロンドンのオリジナルキャストのCDをずっと聴いてましたね。

それから数年後にドイツとロンドンで生で観て、ファントムに感情移入してしまいラストで号泣し、それからは…映画、ドイツで再び観て…気付いたら昔のように感動する心はなくなり…、もう時代遅れの作品だと思うようになっていました。

が、今日この記念公演を観て昔に戻りました(涙)

「Past a point of no return」からもう涙が止まりませんでしたね。完全にファントムに感情移入してまい、なんか昔にタイムスリップした感覚です。


全体的にはミュージカル作品というより、極めてオペラに近いミュージカル作品って感じで、歌はド迫力満点だし、人数は多いわ、劇団☆新感線の「薔薇とサムライ」のようなスクリーンと装置の組み合わせは見応えはあるわで、スタンドマイクにキャストが歌うコンサート形式でなかったので嬉しかったけど…、

正直に書くと、ファントムを演じた方以外は普通でした。っていうか、私は「オペラ座の怪人」そんなに好きじゃないんだと思う。ファントムという役が好きだっただけなんだと気付きました。

確かにキャストの皆さん歌は上手かったですが、そこには全く感動はしませんでした。特にクリスティーヌ役の方は私のイメージと違って貫禄があり過ぎて、正直エリザベートにしか見えませんでした。スタイル、髪型、衣装がエリザベートと被っていたせいもあってか、地声も低いしで絶対エリザベートの方が似合うと思って見てました。

ついでに書いてしまうと、ファントムが出ないクリスティーヌのシーンはまるで「エリザベート」を観ているかのようでした。音楽は「オペラ座の怪人」なのにカルロッタがゾフィに、ラウルがフランツにと登場人物をついつい「エリザベート」のキャラに当てはめて観ていました。ごめんなさいm(__)m

カーテンコールでサラ・ブライトマンが「Phantom of the Opera」を歌ってくれた時に気付いたのですが、クリスティーヌとは既に程遠い存在のサラでしたが、あの貫禄のある歌声の中にちゃんとファントムに洗脳された部分があり、クリスティーヌには自我の部分とファントムに洗脳された部分も必要だと思いました。歌が上手いだけじゃダメ。今回演じられた方には自我の部分しか見えなかった。

そこにきてファントムは完璧にファントムでしたね。トート閣下には全く見えなかった。ファントムの孤独感や心の闇、ラストの怪人の心から人間の心に変わる瞬間の演じ方、声の出し方、歌い方もファントムそのものだったので、本当ラストは泣けました。ぶっちゃけ書くと自分と重なったというか…。なんせ彼の悲しみや孤独感がビンビン伝わりました←ビンビン、って古くねぇか~(笑)

前回「レ・ミゼラブル」のコンサートでアンジョ役を演じた役者さんとは思えないくらい全身全霊でファントムになりきっていたので本当に感動しました!ホンマ化ける役者大好きです。
彼がファントム役でなかったら、普通の感想を書いていたかもしれない。

カーテンコールにはロイド=ウエバー、マイケル・クロフォード、歴代キャストも登場してそこは感動のカーテンコールでした。正直、歳をとった声でもよかったのでクロフォードの声が聞きたかったな。CDの中のマイケルとサラのコンビネーションは今聴いても本当酔いしれます。

25年歴史を重ねてきたこの「オペラ座の怪人」。まだまだ色褪せることはないね。演じ手と演出家、そしてスタッフが本気だったら。と思わせてくれた記念公演でした。

愚痴を書いているようですが、「オペラ座の怪人」ファンは必見ですよ!絶対映画館で観て下さい!

今日のまとめ:あの発表から冷めた自分がいたですが、まだ泣ける自分がいて安心しました。ありがとう、「オペラ座の怪人」&ファントム!

脚本はやはり「ファントム」の方が好き。演じるなら「オペラ座の怪人」のファントムの方が好き。ってことに気付けて良かった。