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今日は1日新国立劇場三昧

2020-10-30 23:52:41 | うらけん
「ヘンリー六世」と「リチャード三世」を観てきました!朝の10時から21時まで。歌舞伎並みです!

どちらもナマの舞台で観ていないので、神様、新国立劇場様、感謝感謝でございます!

ということで、これまた、「リチャード二世」の時もそうですが、元々1日だけの休みが2連休になったので、夜の「リチャード三世」を観ても夜行バスで帰れるやん!?ということで、通しチケットを購入して、どちらも観てきました。

編集ver.であっても、特に「ヘンリー六世」はずっと観たかったので、どちらも観ることが出来てめちゃくちゃ幸せでございます!

コロナ禍で東京は…と思ってましたが、ちょうど10年前、チケット持ってるのに浦井氏のルドルフを観ることが出来なかった、いや、行かなかった後悔が今もあるので、今回ばかりは、コロナに罹ってもいいや!その時は仕事辞めたるわい!の気持ちで観に行くことにしました。

いや〜、本当に観れて良かった!!!

「ヘンリー六世」めちゃくちゃいいやん!

てか、「リチャード三世」なしで「ヘンリー六世」のあのラストで終わってたら、消化不良起こすわ!

ヘンリー六世の平和主義の精神が殺されたままやん!

って思うと、続けて「リチャード三世」の上演&今回の上映は、めちゃ後味スッキリで見終えることが出来ました。

正直、「ヘンリー六世」のあの編集ではだれが誰役なのか、赤バラか白バラか分かりにくい。登場人物が多いのでなおさら。実は、「ヘンリー六世」も「リチャード三世」もプログラムを持って行っていたので、相関図とあらすじを確認することが出来ました。ナマで観てないのに、プログラムだけは持ってるという…(笑)このブログを始めて最初に東京に行った時に新国立劇場に行って購入してました。まさか、それから5年以上経って日の目を見るとは…。

「リチャード三世」自体は、過去に市村正親さん、仲代達矢さんで観たことありますが、「ヘンリー六世」の後で「リチャード三世」を観たら、登場人物の台詞やバックグラウンドがめちゃくちゃ入ってきます。

マーガレット、アン、エリザベスの怒りの理由が明確になります。「リチャード三世」単品だと、主人公の奇怪かつ残虐行動しか印象に残らない。

ホンマ、リチャード三世最低やな。と同時に、生まれながらにして愛されず育てられて可哀想に思いました。リチャード三世の悪行三昧は本人だけのせいなのか!?今の現代社会の闇に通じるものを感じました。

それにしても、浦井氏のヘンリー六世、めちゃ初々しい!!

宝塚の新人公演と同じで、あの初々しさはあの時にしか表現出来ない。叫んだときの甲高い声。ヘンリー六世の弱さと彼なりの力強さは、ぶっちゃけ、熟練した文学座の役者さんでは表現できません!作り物になってしまう。

当時まだストレートプレイの経験が少ない浦井氏にしか出来ないヘンリー六世でした。「リチャード三世」で浦井氏演じるリッチモンドは、十分熟練した表現をされてます。映像でヘンリー六世を演じてましたが、声はもうあの初々しい浦井ヘンリーではなかった。

ヘンリー六世自体が、ある意味スピリチュアリストの塊みたいな人物だったことが1番の驚き!神様の御心のままに、ありとあらゆる苦難も受け入れていて、私にはイエス・キリストみたいな存在だった。

あらゆる出来事は、全て自分に必要なことなんですよ。どんな悲劇も過去の点線の延長上にある。乗り越えらない試練はない。解釈、乗り越え方を間違えなければ本当は乗り越えられることばかり。無用なプライド、頑固さ、人の話に耳を傾けない、あらゆる傲慢さが悲劇を生むことがある。もちろん、それらも必要な学びではあるが、学びだと思わなかったら、ただ学ぶまで繰り返すだけ。それを悲劇ととるか自業自得ととるか、教訓ととるかは、本人次第。

ヘンリー六世の悲劇は、彼の素晴らしい思想を周りに伝える力がなかったこと。いや、しなかったこと。背中を見せるだけでは、相手には伝わらない。ちゃんと言葉で行動で示さないと。 

はっきり書くと、神様に祈るだけではダメなんです。言葉と行動ありき。そこに神様の御心が加わると最強になる。それがリッチモンドのヘンリーなのです。魂は守護霊となる。シェークスピアは、本当にスピリチュアリストやわ!

もう、本当に本当に貴重な映像を観させてもらって、見比べもさせて貰って感謝感謝です!

浦井氏も良かったけど、ソニンちゃんも初々しくて新鮮!ソニンジャンヌがオフィーリアに見えた!浦井ハムレット、ソニンオフィーリアで「ハムレット」やって下さい!

そして、そして、中嶋姐さんが、最高に素晴らしかった!戦士としての勇ましさ、息子を殺された狂気沙汰、迫力が半端ない!めちゃくちゃ良かったです!

ぶっちゃけ、しのぶさんのマーガレットも観たくなるくらい「ヘンリー六世」のマーガレットは超魅力的ですね。中嶋姐さんの真骨頂を観させて頂きました!

そして、そして、リチャード三世の岡本さん。なんやろ、嫌な役なのに、愛嬌すら感じてしまう。仲代さんや市村さんでは感じなかった感情ですね。本当に美味しい役ですね。

そして、そして、ヨーク公の渡辺徹さんも素晴らしかった!何度も徹さんの表情がリチャード三世に見える時があって、違う意味で怖くなった。

そしてそして、ヘンリー六世の父親的存在の中嶋しゅうさん。何故にヘンリー四世を演じたのかが分かるくらい、「ヘンリー六世」ですでに浦井氏と親子関係が成立していたことに気付きました。しゅうさんがヘンリー四世を演じるのは必然でしたね。

「ヘンリー六世」には、もう、めちゃくちゃ声が良い役者さんが勢揃いしていて耳福でございました!勝部さんを筆頭に、村井国夫さん、木場勝己さん、立川三貴さん、今井朋彦さん、上杉祥三さん、最高!!!

「リチャード三世」では、那須佐代子さんの狂気沙汰も素晴らしかった!

鵜山作品なのに、めちゃくちゃ蜷川さん要素があって、ワタクシには堪らないキャスティングでした!

今回の映像編集は、「リチャード三世」ありきの「ヘンリー六世」短縮版な印象でした。

映像がめちゃキレイ!「リチャード三世」なんて、実際にナマで舞台に立ってるかのように錯覚するくらいクリアー。

さすがに「ヘンリー六世」を上演当時のように9時間は耐えられなかったと思うので、集中力を保つには今回の編集ver.は
ちょうど良かったのかもしれません。「リチャード三世」を続けて観るなら、「ヘンリー六世」の第三部が重要ですからね。

ぶっちゃけのぶっちゃけ、木場さんの感動的シーンは、カットしても問題なかったけど、素晴らしい見せ場でした!

村井さんのサフォーク伯とマーガレットとの不倫関係もカットしてもよいと思った。マーガレットも自分も不貞を働いているのに、夫ヘンリーへの愛が本物かどうか始終疑問だった。王位にしか興味ないんじゃないのか、もしくは我が子にしか興味なかったのか、見方が人それぞれの感じも結果的には悪くなかった。

っていうか、中嶋姐さんの狂気が本当に圧巻!正直、人間は矛盾した生き物だから何が正解か何が真実かなんて本人にも分からないのが現実。

「リチャード二世」を観て感じた骨肉の争い、血で血を洗う戦争と復讐劇の予兆…。「ヘンリー六世」は、想像以上に激しかった!常に裏切りの連続。狂気の連続。

「リチャード三世」で醜い争いに終止符が打たれる。めちゃ感動的!正直、「リチャード三世」だけでは、決して感じ得なかった感情です。

やっとやっと、ヘンリー六世の平和主義精神が達成される瞬間ですからね。「ヘンリー六世」を上演しないと「リチャード三世」は生きてこないと思った。

と思うと、本当に本当に、新国立劇場様、浦井氏でヘンリーシリーズを上演してくださったことに感謝しきれません。

っていうか、何故に浦井氏をヘンリー六世に抜擢したのか、プロデューサーに真意を聞きたい!デスノートの月役もなんだけど。

キモイ発言しますが、浦井氏のファンじゃなかったら、味わえない感動ですよ!

私の大好きな新国立劇場中ホールで浦井氏が主役で立ってるやで!それだけでも嬉しい!他の誰が私を新国立劇場に導いてくれる?って言いたい。藁

十年前に、まさかこんなに浦井氏だけで中ホールに来ることになるなんて思ってなかったよ。

本当に本当に新国立劇場様ありがとうございます!

なので、「ハムレット」「ロミオとジュリエット」宜しくお願いします!m(__)m

中嶋姐さんのガートルード、キャピュレット夫人、岡本さんのクローディアス、ティボルト、ソニンちゃんのオフィーリア、ジュリエット。鵜山さんの演出で文学座の皆さんで脇を支えてもらったら蜷川さんを超えると思います!!!

どうかどうか、お願い致しますm(__)m


↑昼間のベアーズ

↑夜のベアーズ



「残り者」

2020-10-27 01:42:07 | 舞台
今、東京から帰ってきました。(寝落ちして1日遅れでアップしました…)

はい、東京一泊しました。ベタがいるから泊まりは避けたかったのですが、急遽休みになったので、これは神様のお導きに違いない!と思い、一泊して、午前中にテアトル新宿で「星の子」を観てから浅草に向かいました。

ちなみに、ベタは皆元気でした!

ということで、今日のメインでございます!

久々に観るとんちゃんの舞台。人生初浅草公会堂。

江戸幕府の終焉。江戸城を明け渡す前日の物語。江戸城に残った5人の大奥と一匹の猫の物語。

1人の中居が、篤姫が大事に育てていた猫を探していると、誰もいないはずの城に大奥がいて、一緒に探し始める。するとまた大奥に遭遇し、一緒にさがす。するとまた別の大奥に遭遇する。

いないはずの江戸城に5人の城主に仕える女性がいたのだ…。

身分が違う女性たちが何故に江戸城に残っているのか?

仲違いしながらも、強い絆で結ばれた5人と一匹。

最後の1日をどう生きたかがテーマというより、立ち退き命令が下っているのになぜ城に留まっているのか?その理由こそがテーマであり、グッとくるものがありました。

5人それぞれにずっと隠してきた秘密の生い立ちがあり、仲が良くなるにつれ、ついつい打ち明けてしまう。

とんちゃんが演じるのは、まさかの猫!

ただの猫ではなく、お姫様の猫。名前はサト姫。逃げたサト姫様を捕まえようと大奥たちは必死になっている。

彼女らにとってサト姫様とは、篤姫様の愛猫というだけの存在ではなく、江戸城にいる理由になる。サト姫様は、まさに篤姫様そのものの存在。

サト姫様を見つけ出すことは、篤姫様に仕えることと同じ意味になるので、サト姫様は、彼女らにとっては、大事な存在でもあり、大奥としてのアイデンティティを保たせるための重要な存在なのである。サト姫様は、登場しない篤姫さまの分身なのである。

なので、とんちゃん演じるサト姫様は、ただの猫の役ではなく、重要な役なのです。

声音は、まさに少女時代の弥々。実際に猫を飼っているとんちゃんにしか出来ないリアルな動きのサト姫様。柔軟に身体を使って、猫になりきってました。関西が誇る猫芸で有名な池乃めだかさんより上品なお猫様でございました!

っていうか、元気に動き回るとんちゃんの姿が見れただけで大満足でございます!

っていうか、演出の鵜山さんも、よくとんちゃんに依頼したもんです!先見の明です!さすが鵜山さん!

そう、偶然にも2作品連続で鵜山さんの演出作品を観ました。

今日は、ラッキーなことに、終演後アフタートークがあり、稽古場の様子、役作りの秘話、とんちゃんの前進座の女優さんへの熱い愛のある感想を聞くことができました。

前進座の女優さんは、役と素が真逆だったことにビックリしました。役では気が強そうに見えましたが、素は、とっても謙虚な方々だったので、その意外さにギャップ萌えしました!藁

とんちゃんが女優さん方をベタ褒めしていた理由も納得もんでした。

お願いしてないのに急遽仕事が休みになり、2日連続で観たい舞台が観れて、久々の浦井氏ととんちゃんの舞台を生で観れて本当に嬉しかったです!神様に感謝です!

これって、やはり、導かれてるよね???


次回は東京番外編をお届けします!



「星の子」

2020-10-26 21:20:22 | 映画
華ちゃん、出てるやん!!!全然知らなんだ!いや〜、この数ヶ月、華ちゃん見る機会が多いわ〜。

ということで、時間潰しに観てきました。

本当は、河瀬直美監督の「朝が来る」かニコールの「ストレイドッグ」が観たかったのですが、残念ながら福利厚生の割引券がなかった…。

時間潰しに観た割には、めちゃ導かれた感がある作品でした。

とうとう、こういう内容の作品が映画になる日がきたんやね…。

とーってもリアルでした!

うん、間違いなく実話だと思う。パンフレット買ってないけど…。

前にも書きましたが、うちのオカンは新興宗教に入っていました。なので私も小さい頃はよく本部に連れて行かされていた。映画のように泊まりもあったから、プチ旅行感覚だった。

うちの家庭は、この映画に出てくる永瀬正敏さんと原田知世さん夫婦みたいに両親仲良く信仰していたわけじゃないから、

家庭内はいつも戦争でした。まさに旧ソ連とアメリカの戦いみたいだった。何台TV壊れたことか。壁だって穴空きまくり。

親父がもう反対しまくりで、というか典型的な共産主義者なので、仲が良くなるワケがない!

この作品を観て、もし両親ともに仲良く信仰していたら、間違いなく私の人生は変わっていたと思った。

逆に、親父が反対してたから、ある意味分別があったし、宗教に対する不信感もあったので、オカンが宗教に入ってることは誰にも言わなかった。

しかも、映画と同じように同級生に同じ宗教に入ってる親御さんがいて、映画と同じように教会?支部?では仲良く遊んだりしてたけど、学校では暗黙の了解でお互い宗教のことは黙ってた。

そう意味では、映画のまんま。ただ両親が仲が悪かったくらいの違い。親戚も知っていたし。親戚は、信仰に対しては何も言ってなかったと思う。

映画みたいに、宗教で嫌味を言われたりイジメられたこともない。そもそも黙っていたからね。

あ、ちなみに、宗教に勧誘したくて書いてるんじゃないので。会うことはないを前提で書いてますから、世の中にはこんな人間もおるんやな〜と思ってお読み頂けると有り難いです。

でもさ、ぶっちゃけ書かせてもらいますが、

新興宗教に入っていたら危ない人と思う人が多いと思いますが、オーム真理教がその代表ですが…。

よく考えて下さいよ、恋人に依存して貢いだり、アイドルに貢いでグッズを買いまくったり、宝塚にはまったり、私みたいに東京に行ったり、

これと宗教のなんの違いがあるの?と逆に聞きたい。

宗教だけが洗脳されるから危険なんですか?違うでしょ。皆さん、何某に洗脳されてません?たくさんお金使ってません?

皆さん、お金を払って幸せを買ってませんか?

宗教だけが悪く思うのは間違いじゃないかい?と言いたい。

信仰の自由はあって当然。信仰するしない、何を選ぶかは本人の自由。選択する権利はある。

だけど、強制する権利は誰にもない。当たり前だけど。

自分の宗教が1番素晴らしいと言ってる人の宗教は、私は信じませんが…。

という前提で、映画のラストシーン、親子三人で星空を見るシーンは、非常に感慨深いものがありました。

明らかに両親は娘に言いたいことがある。でも、肝心なことは言わない。

何を言おうとしているのか、は観客に委ねている。観る人によっては、何も言おうとしてないんじゃないの?と思う人もいると思う。

どちらが正しいわけじゃなく、どちらも正しいと思う。あのシーンで何を考えたかが、その人の深層心理をあぶり出していると思う。

呆気ない終わり方だよ。でも、意味ある時間。

主人公の女の子を演じた芦田愛菜ちゃん、とっても上手かったです!先生への恋心と先生からの拒絶。両親が新興宗教に入っているが故の葛藤。痛いくらいよく分かる!それくらいめちゃくちゃリアルに演じられてました!

この映画を観てしみじみと感じた、永瀬さんと原田さん演じる夫婦の絆。二人が幸せなりそれでええやん!?と思わせてくれるくらい、こんな夫婦に生まれた愛菜ちゃん演じる主人公が羨ましく思った。うちの両親と違ってめちゃくちゃ幸せやん!他人がどう思おうと、夫婦の価値観が同じなのが本当に理想の夫婦関係だと思った。

でも、もし親父に信仰心があったら、ドイツに行ってないと思う。ぶっちゃけ、ブレヒトに興味を持ったのは親父に感化された点が多かったから。

もし、オカンが宗教にハマってなかったら、キリスト教すら興味を持たなかったと思うから、スピに傾倒している自分もいなかったと思う。神社で天津祝詞を唱えることもなかったと思う。今の自分は、過去の点が繋がった延長線上にいるのだから。

岡田将生君演じる先生の器の小ささ。基本、これが普通の人の正直な反応だと思う。が、先生としてはダメダメ!「悪人」以来のムカつく男ぶりでした。めちゃ上手い!

そして、華ちゃん演じるスピリチュアリスト。台詞はほとんどないのに、めちゃリアルな存在感だった。

その恋人?の高良健吾君の存在もリアル。台詞がなくてもいるだけでリアル!

新興宗教の世界においては、青年団の役割は大きい。今思えば、ほんとジャニーズみたいな役割を担っていたと思う。

この作品、どこかの宗教団体プロデュース作品、啓蒙作品なのでは?と疑って観てしまいましたが、そんなことはないので、興味ある方はご覧下さい。本当に本当にリアルですから!

ぶっちゃけ、書かなくてもいいことばかり書いてしまってますが、知らない世界を知るって楽しくない???

(笑)





「リチャード二世」

2020-10-25 22:52:32 | うらけん


おー、これは、ヘンリーシリーズのプロローグを飾るのに相応しい内容でした!

「リチャード二世」→「ヘンリー四世」→「ヘンリー五世」→「ヘンリー六世」→「リチャード三世」

の展開を予感させる内容でした。

幕開けは、ぶっちゃけ意味不明で何度も睡魔が襲いましたが、途中から本筋が見えてきたので、俄然面白味が増し、2幕目はあっという間でした!

ということで、

とうとう来ちゃいました、東京に!

新国立劇場のヘンリーシリーズの最終章かつプロローグ作品で、浦井氏の集大成となる役柄&作品なので、コロナ禍で東京に行こまいかずっと悩んでましたが、ホテルの予約とキャンセルを繰り返してました…、

でも、チケットあるのに、休み取ったのに、観なかった後悔だけは嫌なので、感染予防対策(マスク・アルコール・うがい薬持参)して東京に参りました。

いや〜、「リチャード二世」色んな意味で面白かった!

以外とハムレットの要素があったのが1番の驚き!

岡本さん演じるリチャード二世は、まさにリチャード三世の野心や恨みを予感させるような存在感があり観ていて本当に面白い役でした。

そして同じく、浦井氏演じるボリングブルック(のちのヘンリー四世)もまた、これから背負う子孫ヘンリーの運命を予感させる役柄でもあったので大変興味深かったです。

本筋が見えない時は、相関図が分からなかったので、なんのこっちゃ?抹茶に紅茶睡魔襲来状態(笑)でしたが、

本筋が見えてきたら、まだ産まれていないリチャード三世の運命とヘンリー六世の運命がチラチラ垣間見えてきて、本当に面白い脚本でした。

簡単に言えば復讐劇です。やられたらやり返す。100倍返し!並みの展開。ちょっと大袈裟だけど、藁

リチャード二世は、ボリングブルック?リチャード?の側近によって殺される。そしてヘンリー四世の時代が来る。

続編では、子孫のヘンリー六世もまた子孫リチャード三世によって殺される。

血で血を洗う戦争が起こる、そして、繰り返される…。 

そして、ランカスター家とヨーク家の醜い身内の争いの薔薇戦争が終わる。

それを予感させる内容だったので本当に面白かった!

浦井ボリングブルックの中には、ヘンリー六世の平和主義の要素も垣間見えたし、次の「ヘンリー四世」に続く台詞があったり、恐らく脚色していると思いますが、ヘンリーシリーズを観てきた観客にとっては、一緒にシリーズを見納めることが出来る内容だったと思います。

約1年ぶりのナマ浦井氏、ミュージカル俳優のはずなのに、鵜山組にいる浦井氏は文学座の役者さんの1人にしか見えない。あんなにがなった声を出して集大成に相応しい役作りでした。2幕ラストのコメディ要素以外は漢という言葉が似合うくらい復讐心に燃えるTHE男な役でした。

岡本リチャードは、もう愛嬌があり、また中嶋姐さん演じる妃への愛もあり、あんな殺され方したら、リチャードの呪いが子孫に受け継がるに決まってるやん!的役作りが素晴らしかった! 

文学座の役者さんの安定した演技と声。蜷川さんの舞台を観てるような迫力があり本当に素晴らしかった!

勝部さんの声と台詞回しが、平幹二朗さんそっくり過ぎて聞き惚れてました!

蜷川作品常連の横田さんもいるから余計蜷川作品を観てる感覚だった。

舞台セットは、中ホールの広い広いホリゾントまでの空間を使った演出で、見応えがありました。

今日は大千秋楽だったので、何度も何度カーテンコールがありました。客席から鵜山さんが舞台に上がって来られ、ヘンリーシリーズ大大大千秋楽を客席と一体となって祝福してる雰囲気でした。

今日でヘンリーシリーズは終わってしまいましたが、鵜山✕浦井(シェークスピア)シリーズはまだまだ終わらない!

「ロミオとジュリエット」も「ハムレット」も残ってますから!!

今月27日から「ヘンリー六世」と「リチャード三世」の過去映像が上映されます。

めちゃ観たいやん!どちらも観てないちゅうねん!

せめてストリーミング配信して欲しかった!









「異端の鳥」

2020-10-13 02:44:19 | 映画
沢山書いたのに全部消えた…(涙)

もう一度同じことが書けないので短く書きます…。

これが、もう一つの本命です!

トラウマにならないか心配になりましたが、全くトラウマになりませんでした!

むしろ、生きる勇気が湧いたくらい!  

夜道も怖くなかった!はい、レイトショーで観てきました。TOHOシネマズさん、ありがとうございます!

確かに映像的には、トラウマになるシーンが多々ありますが、ラースみたいに直接的に見せていないし、まだ子役にも優しい撮影現場だと想像します。

ぽつお番長さんが、トラウマになるかもしれないということで、珍しくオススメしない作品でしたが、むしろ、私はオススメしたいくらいです! 

単純に戦争犠牲者の悲惨な現実を描写したかったのではなく、悲惨な現状の中で生き抜くことは、心に大きな爪痕をのこす。トラウマを抱えながら生きることになる。

何が正しくて、何が間違っているのか?しっかり判断出来ない時期に、常識的行動なんてない。言われたら言われるがまま。それが常識。洗脳と同じ。

戦時中に限らず、現代社会においても子供たちが犠牲なっている。性的犯罪、虐待…。

子供は、大人のおもちゃでも嗜好の対象でもロボットでも、ペットでもない!

原作者が命を削って書き上げた強いメッセージがここにはある。辛い実話を公表したんじゃなく、大人の都合というものもしっかり描いている。

主人公の男の子も悲惨な環境の中を耐えて生きた。悲惨な環境にいるのはその主人公だけではない。

悪魔はどこにでもいる。その悪魔はどこから生まれたのか?

汝の敵を愛せ。   

人類皆兄弟の精神があるなら、好敵手はいても、敵はいないんじゃないの??

原作者は、自殺しました。この作品を書いたことが直接的理由ではないとしても、もし私が原作者なら、私も自殺してたと思う。だって墓場まで封印したいことばかりやもん。あんなこと、こんなこと、書けない。

私も書きたいことがある。こんな私でも生きているんだから、皆生きていいんだよと伝えたいから。だからと言って、全てをさらけ出し、共に生きていく勇気はない。遺書で、死んだら公表して欲しいと書くことはあっても…。

原作者は、全てをさらけ出した。私はそのことに称賛したい。

時発禁された本を映画化してくれた監督にも感謝したい。素晴らしい作品をありがとうございます!

そして、紹介してくれたぽつお番長さんにも!

この作品、私、

100点です!

減点する場所なし!テーマは重いけど、見せ方は芸術性を感じる。オブラートに包んでいるほうだと思うよ。何より監督の愛情を感じる。

ただ、子役君が大人になって、この作品に出たことを誇りに思ってくれることを祈るばかりです。

個人的には、ラース作品常連のウド・キアやステラン・スカルスガルドも出ていてビックリした!特にウドの存在感や眼力が凄い!ステランは、珍しくいい役だった。

ヴィスコンティやジャン・コクトーの世界観も感じる。なので、決して始終グロい作品ではない。

命を削って書き上げた原作者の想いを、それを形にした監督の想いを沢山の方に観て感じて欲しい!

追記:
「ミッドナイトスワン」「浅田家」を先に観させられたのは、こんな大作を観た後だと感想が明らかに異なっていたからだろうね。

いや〜、神様のお導きやわ!

しかも、精神状態は今日の方が断トツにいい。悪い時に観たらどうなってたことか…。

ちなみにワタクシのトラウマ映画は、ギャスパー・ノエ監督の「アレックス」とパゾリーニ監督の「ソドムの市」。ホラー映画は、基本観ない。「SAW」は怖かったけど、トラウマにはならない。それらに比べたら、「異端の鳥」は観客に優しい作りだよ!