「ヘンリー六世」と「リチャード三世」を観てきました!朝の10時から21時まで。歌舞伎並みです!

↑昼間のベアーズ

↑夜のベアーズ
どちらもナマの舞台で観ていないので、神様、新国立劇場様、感謝感謝でございます!
ということで、これまた、「リチャード二世」の時もそうですが、元々1日だけの休みが2連休になったので、夜の「リチャード三世」を観ても夜行バスで帰れるやん!?ということで、通しチケットを購入して、どちらも観てきました。
編集ver.であっても、特に「ヘンリー六世」はずっと観たかったので、どちらも観ることが出来てめちゃくちゃ幸せでございます!
コロナ禍で東京は…と思ってましたが、ちょうど10年前、チケット持ってるのに浦井氏のルドルフを観ることが出来なかった、いや、行かなかった後悔が今もあるので、今回ばかりは、コロナに罹ってもいいや!その時は仕事辞めたるわい!の気持ちで観に行くことにしました。
いや〜、本当に観れて良かった!!!
「ヘンリー六世」めちゃくちゃいいやん!
てか、「リチャード三世」なしで「ヘンリー六世」のあのラストで終わってたら、消化不良起こすわ!
ヘンリー六世の平和主義の精神が殺されたままやん!
って思うと、続けて「リチャード三世」の上演&今回の上映は、めちゃ後味スッキリで見終えることが出来ました。
正直、「ヘンリー六世」のあの編集ではだれが誰役なのか、赤バラか白バラか分かりにくい。登場人物が多いのでなおさら。実は、「ヘンリー六世」も「リチャード三世」もプログラムを持って行っていたので、相関図とあらすじを確認することが出来ました。ナマで観てないのに、プログラムだけは持ってるという…(笑)このブログを始めて最初に東京に行った時に新国立劇場に行って購入してました。まさか、それから5年以上経って日の目を見るとは…。
「リチャード三世」自体は、過去に市村正親さん、仲代達矢さんで観たことありますが、「ヘンリー六世」の後で「リチャード三世」を観たら、登場人物の台詞やバックグラウンドがめちゃくちゃ入ってきます。
マーガレット、アン、エリザベスの怒りの理由が明確になります。「リチャード三世」単品だと、主人公の奇怪かつ残虐行動しか印象に残らない。
ホンマ、リチャード三世最低やな。と同時に、生まれながらにして愛されず育てられて可哀想に思いました。リチャード三世の悪行三昧は本人だけのせいなのか!?今の現代社会の闇に通じるものを感じました。
それにしても、浦井氏のヘンリー六世、めちゃ初々しい!!
宝塚の新人公演と同じで、あの初々しさはあの時にしか表現出来ない。叫んだときの甲高い声。ヘンリー六世の弱さと彼なりの力強さは、ぶっちゃけ、熟練した文学座の役者さんでは表現できません!作り物になってしまう。
当時まだストレートプレイの経験が少ない浦井氏にしか出来ないヘンリー六世でした。「リチャード三世」で浦井氏演じるリッチモンドは、十分熟練した表現をされてます。映像でヘンリー六世を演じてましたが、声はもうあの初々しい浦井ヘンリーではなかった。
ヘンリー六世自体が、ある意味スピリチュアリストの塊みたいな人物だったことが1番の驚き!神様の御心のままに、ありとあらゆる苦難も受け入れていて、私にはイエス・キリストみたいな存在だった。
あらゆる出来事は、全て自分に必要なことなんですよ。どんな悲劇も過去の点線の延長上にある。乗り越えらない試練はない。解釈、乗り越え方を間違えなければ本当は乗り越えられることばかり。無用なプライド、頑固さ、人の話に耳を傾けない、あらゆる傲慢さが悲劇を生むことがある。もちろん、それらも必要な学びではあるが、学びだと思わなかったら、ただ学ぶまで繰り返すだけ。それを悲劇ととるか自業自得ととるか、教訓ととるかは、本人次第。
ヘンリー六世の悲劇は、彼の素晴らしい思想を周りに伝える力がなかったこと。いや、しなかったこと。背中を見せるだけでは、相手には伝わらない。ちゃんと言葉で行動で示さないと。
はっきり書くと、神様に祈るだけではダメなんです。言葉と行動ありき。そこに神様の御心が加わると最強になる。それがリッチモンドのヘンリーなのです。魂は守護霊となる。シェークスピアは、本当にスピリチュアリストやわ!
もう、本当に本当に貴重な映像を観させてもらって、見比べもさせて貰って感謝感謝です!
浦井氏も良かったけど、ソニンちゃんも初々しくて新鮮!ソニンジャンヌがオフィーリアに見えた!浦井ハムレット、ソニンオフィーリアで「ハムレット」やって下さい!
そして、そして、中嶋姐さんが、最高に素晴らしかった!戦士としての勇ましさ、息子を殺された狂気沙汰、迫力が半端ない!めちゃくちゃ良かったです!
ぶっちゃけ、しのぶさんのマーガレットも観たくなるくらい「ヘンリー六世」のマーガレットは超魅力的ですね。中嶋姐さんの真骨頂を観させて頂きました!
そして、そして、リチャード三世の岡本さん。なんやろ、嫌な役なのに、愛嬌すら感じてしまう。仲代さんや市村さんでは感じなかった感情ですね。本当に美味しい役ですね。
そして、そして、ヨーク公の渡辺徹さんも素晴らしかった!何度も徹さんの表情がリチャード三世に見える時があって、違う意味で怖くなった。
そしてそして、ヘンリー六世の父親的存在の中嶋しゅうさん。何故にヘンリー四世を演じたのかが分かるくらい、「ヘンリー六世」ですでに浦井氏と親子関係が成立していたことに気付きました。しゅうさんがヘンリー四世を演じるのは必然でしたね。
「ヘンリー六世」には、もう、めちゃくちゃ声が良い役者さんが勢揃いしていて耳福でございました!勝部さんを筆頭に、村井国夫さん、木場勝己さん、立川三貴さん、今井朋彦さん、上杉祥三さん、最高!!!
「リチャード三世」では、那須佐代子さんの狂気沙汰も素晴らしかった!
鵜山作品なのに、めちゃくちゃ蜷川さん要素があって、ワタクシには堪らないキャスティングでした!
今回の映像編集は、「リチャード三世」ありきの「ヘンリー六世」短縮版な印象でした。
映像がめちゃキレイ!「リチャード三世」なんて、実際にナマで舞台に立ってるかのように錯覚するくらいクリアー。
さすがに「ヘンリー六世」を上演当時のように9時間は耐えられなかったと思うので、集中力を保つには今回の編集ver.は
ちょうど良かったのかもしれません。「リチャード三世」を続けて観るなら、「ヘンリー六世」の第三部が重要ですからね。
ぶっちゃけのぶっちゃけ、木場さんの感動的シーンは、カットしても問題なかったけど、素晴らしい見せ場でした!
村井さんのサフォーク伯とマーガレットとの不倫関係もカットしてもよいと思った。マーガレットも自分も不貞を働いているのに、夫ヘンリーへの愛が本物かどうか始終疑問だった。王位にしか興味ないんじゃないのか、もしくは我が子にしか興味なかったのか、見方が人それぞれの感じも結果的には悪くなかった。
っていうか、中嶋姐さんの狂気が本当に圧巻!正直、人間は矛盾した生き物だから何が正解か何が真実かなんて本人にも分からないのが現実。
「リチャード二世」を観て感じた骨肉の争い、血で血を洗う戦争と復讐劇の予兆…。「ヘンリー六世」は、想像以上に激しかった!常に裏切りの連続。狂気の連続。
「リチャード三世」で醜い争いに終止符が打たれる。めちゃ感動的!正直、「リチャード三世」だけでは、決して感じ得なかった感情です。
やっとやっと、ヘンリー六世の平和主義精神が達成される瞬間ですからね。「ヘンリー六世」を上演しないと「リチャード三世」は生きてこないと思った。
と思うと、本当に本当に、新国立劇場様、浦井氏でヘンリーシリーズを上演してくださったことに感謝しきれません。
っていうか、何故に浦井氏をヘンリー六世に抜擢したのか、プロデューサーに真意を聞きたい!デスノートの月役もなんだけど。
キモイ発言しますが、浦井氏のファンじゃなかったら、味わえない感動ですよ!
私の大好きな新国立劇場中ホールで浦井氏が主役で立ってるやで!それだけでも嬉しい!他の誰が私を新国立劇場に導いてくれる?って言いたい。藁
十年前に、まさかこんなに浦井氏だけで中ホールに来ることになるなんて思ってなかったよ。
本当に本当に新国立劇場様ありがとうございます!
なので、「ハムレット」「ロミオとジュリエット」宜しくお願いします!m(__)m
中嶋姐さんのガートルード、キャピュレット夫人、岡本さんのクローディアス、ティボルト、ソニンちゃんのオフィーリア、ジュリエット。鵜山さんの演出で文学座の皆さんで脇を支えてもらったら蜷川さんを超えると思います!!!
どうかどうか、お願い致しますm(__)m

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