雪組「BONNIE & CLYDE」

2023-02-28 22:33:46 | TAKARAZUKA
これ、宝塚か???

ミュージカルなん???

いやいやいやいやいやいや、

私には上質なミュージカル風ストレートプレイにしか思えん!

内容が内容なだけに涙はしなかったけど生徒たちの熱演ぶりに感動した!

めちゃくちゃ熱くてリアルな芝居するやん!!

めちゃくちゃ良かった!!

確かにミュージカルだから歌はたくさんあるけども、時にはBGMだったり心の声や叫びであったり、ミュージカル独特の取ってつけた感がなくて、やはり生オケだけあって歌の入りも自然だったからミュージカルを観てる感覚がなかった。

なんせ、曲の世界観より役としての表現が素晴らしいし、脚本も良かった!

私は、映画も宝塚オリジナルで大好評だった「凍てついた明日」も観てないし、名前と顛末しか知らなかったから、正直期待はしてなかったのですが、本当に良かった!

クラウドを演じた咲ちゃん、ボニーを演じたあやちゃんを中心に、クラウドの兄貴バックを演じたそら君、その妻ブランチを演じた野々花ひまりちゃん、ボニーに恋心を抱く警戒のデッド役の咲城けい君、ボニーのママの杏野このみちゃん、何故か唄しか歌わない牧師のあす君などなど、

熱演!熱演!熱演の嵐!!

めちゃくちゃお芝居に引き込まれました。

ダイモンの時代からいつの間にか反社作品が増えてきている雪組だけども、ボニクラをやるのが必然かのような嵌り具合に感動しまくりでした。

っていうか、あやちゃん、アンタ恐ろしい子やな!藁

梅川を演じた人なの??シティハンターで可憐な少女を演じた人なの??

まあね、「ヴェネツィアの紋章」のオリンピアが嵌っていたし、ポスターもボニーの世界観を捉えていたから問題ないとは思っていたけども、

いやいやいやいやいやいや、

私の想像を遥かに超えてくるボニー像でした!

まじ、ボニーにしか見えん!

咲ちゃんとの学年差が10年?あるとは思えないくらい、クラウドを誘惑?したり、下着姿を披露したりと堂々たる演技っぷりだったり、

クラウドへのピュアな愛が涙となって零れたり、

何より本のタイトルを巡ってクラウドとのやりとりから覗えるように咲ちゃんとの相性がめちゃくちゃ良い!

あやちゃんがこんなに憑依型娘役だとは思わなかったよ!


ということで、咲ちゃんとあやちゃんの新トップコンビプレお披露目公演を観てきました。

先ずは、新トップコンビおめでとうございます。そして、あやちゃん、トップ娘役おめでとうございます。

っていうか、あやちゃんなら潤花とトレードしなくても宙組でもトップになれたのにね…。ま、潤花が宙組に行かなかったら今でも宙組は観てなかったと思うけどね…(汗)

それはさておき、

これ、まじプレお披露目なの??と疑いたくなるくらい咲ちゃんとあやちゃんの息や相性がピッタリ過ぎて、何年もコンビを組んできた成熟ぶりでした。あやちゃん、雪組で正解だったね!

反社ものなのに、咲ちゃんもあやちゃんもリアルな人間像を創作されていて、犯罪者なのに貧困社会が生み出したアンチヒーロー&ヒロイン誕生ぶりに説得力がある役作りだった。

落ちるどこまで落ちざるをえない状況下で、自由を求め必死に生き、まさに魂の片割れ同士、運命共同体の二人をリアルに体現されていました。

前回の「蒼穹の昴」では男役がメインだったので娘役の出番が少なかったですが、本作では、娘役も男役に負けないくらい芝居ウマさんが揃っていて、

特に野々花ひまりちゃんと杏野このみちゃんが素晴らしかった!

ひまりちゃんもこのみちゃんも芸達者!芸ではないね、芝居が上手い!

ひまりちゃんの声が低くて、今まで高い声しか聞いたことがなかったからビックリした!

このみちゃんも専科さん?と思うくらいめちゃくちゃリアルママ。

そうそう、知事役の愛羽あやねちゃんも貫禄あったわ!

クラウドママの沙羅アンナちゃんも安定感あるし、

ボニーの少女時代役の愛陽みちちゃんも良かったし、

娘役、めちゃくちゃエエやん!?

もちろん、男役も、そら君の弟想いであったり、咲城けい君のボニーへのピュアな愛であったり…。

反社作品なのに、全体的に思い遣りをテーマにした内容でもあったので、たとえ強盗犯、殺人者ではあっても、ま、それを正当化するわけではないし、自分らしく生きるとは違うけども、社会の法律なんてクソ喰らえ!俺は俺の人生を生きるんだ!的な、たまたま貧困社会のアンチヒーロー&ヒロインになってしまったクラウド&ボニーの生き様に社会が共感してしまうのも分かる気がした。

想像以上に脚本が良くて、クラウドは否定していたが、自由の国アメリカならではのアメリカンドリーム的な夢をもち、ゴッドファーザーに通ずる家族愛を打ちだした物語でしたね。もちろん因果応報の顛末ではありますが。

この作品を見て改めて、犯罪を犯した子供の親の反応ないや社会の対応が、やはりアメリカと日本社会の違いがあることをまざまざと感じた。

日本では、子供の罪は親も償うのが当然の慣わしみたいなものがあるが、アメリカでは、子供は子供、親は親、といった罪の償いを個別化していて、本作に限らずアメリカ文化の興味深い一面だった。

ほんま、プレお披露目としては完成度が高かった!

そうそう、咲ちゃんとあやちゃんコンビで「ベルばら」フェルゼンとマリー・アントワネット編が観たくなったのは私だけ???

アーサーとそら君が役替りオスカル、縣千君がアンドレ、

ピッタリだと思う!













エゴイスト written by 高山真

2023-02-25 23:34:47 | 
鑑賞された方のレビューを読んだり視聴した時に、私と似た感想の方と全く違う感想の方がいて、それはそれで色んな意見が聞けて良かったのだけども、

やはり、龍太と龍太ママのバックグラウンドというか、浩輔の目に映ってない2人の私生活が気になって仕方なかったので、原作ではどのように描写されているのか知りたくて原作を購入し今読み終えました。

3時間あればすぐに読める量ではありましたが、

ぶっちゃけ、

原作の方がめちゃくちゃ良かったぞ!

最初の数ページを読んだだけで、映画「紙の月」現象が起きてると悟りました。

つまり、脚本家がリアレンジして原作の良さが損なわれていること。

完全に損なっているとは言いませんが、浩輔の主観で描いている割には、浩輔の龍太への愛情の描き方が不十分だと思った。

っていうか、映画での過度なセックス描写のせいで、浩輔という人間としての本質が描ききれていないことにイラッとした。←映画

やはり、原作は言葉でしか表現出来ない代物だから龍太と龍太ママの人間性も丁寧に描かれています。

浩輔の心情も文字で表現されています。

確かに映画では、心で思ったことを口に出したり吐露すのは不自然です。かといって、心の声をナレーションしたら説明過多になりかねない。

特に葛藤してる時の心情であったり、推理・推察しているときの心に張り巡らせている気持ちを台詞なしで表現したり、映像化するのは非常に難しいのは分かるが、それを本人でない相手に言わせてしまったらアカンやろ。売り専を告白するシーンね。

っていうか、原作ではセックス描写や説明はありませんから!

原作を読みながら、同性愛に関して偏見を持っているのは監督自身じゃないのか?と疑いたくなったよ。

原作に紡がれている浩輔も龍太の関係は、セックス以上にもっとピュアなものがあった。

身体だけの関係で2人が結びついているんじゃない。

龍太ママは、亡くなった浩輔ママの身代わりじゃない。

龍太の思考や行動の中に浩輔自身を投影している。カッコいいから若いから惚れたんじゃない。

つまり、2人はニコイチの関係なんだよ。双子の関係、つまり、魂の片割れなんだよ。少なくとも浩輔にとっては。

龍太ママは、浩輔にとって亡くなったお母さんの分身じゃない。

龍太にとって大切なお母さんは、浩輔にとっても大切なお母さんなんだよ。そこの表現も原作ならではの描写がありました。

龍太を働かせ過ぎた罪の償いで、浩輔のエゴで龍太ママにお金を渡しているんじゃないんだよ。

ぶっちゃけ書いて申し訳ないけど、原作を読んだら亮平君と阿川さんのお金の押し問答シーンは蛇足でしかない。無駄に長いと言わざるを得ない。

原作では、このやりとりの中に浩輔と龍太ママのピュアな想いが隠れている。もちろん、言葉で説明されてますが…。

映画は説明がなさ過ぎてモヤッとする描写が多かったけども、だからといって原作で補完されているかというと、全くの別物の作品としか言いようがない。

説明がない映画で、原作で補完されている名作(私比)は、クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」と岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」です。

リップ〜は岩井監督自身が本を書かれていますが、映画も原作も惹きつけるものがあるのは原作や作者へのリスペクトがある所以と言っても過言でないと思います。

私に言わせれば、原作と違うのはなんでなん?なんで観客をミスリードする脚色すんの?と言いたくなる。

こんなこと書いたら失礼極まりないことを承知で書きますが、

原作も良かったし映画も良かった、って言われてる方、本気で言ってる??と言いたい。

私自身、前回何も分からず偉そうに、感じたままを書きましたが、

原作の高山さんは、ちゃんと愛が分かってる方でした。打算なくちゃんと無償の愛を注がれる方です。たくさんの愛も受け取られてる。ちゃんと自覚されてる。相手の気持ちもちゃんと分かってる。本当に本当に優しさに溢れた方です。文章からめちゃくちゃ伝わってくる!

映画は、利己主義のエゴイストだったけど、

原作は、優しさのエゴイストだよ。愛に溢れまくってる。

全然違うエゴイスト。

原作はめちゃくちゃ素晴らしい!!

映画と同じ台詞なのにシチュエーションが違うからマジ泣ける!

久々に、スピワードの双子の文字に萌えた。本当にそういう内容だった。心が洗われる。

私みたいに映画でうーん…と思われた方は是非とも原作を読んで頂きたい!!

同性とか異性とか関係なく、出会ってしまったものはしようがないんだよ。

♪めぐり逢ってしまったんだもの 
戻せないの 時間は♪(中森明菜「愛撫」より)

♪Love Is The Mystery わたしを呼ぶの
愛はミステリー 不思議な力で♪(中森明菜「北ウィング」より)



エゴイスト

2023-02-15 21:27:55 | 映画
鈴木亮平君、宮本氷魚君、阿川佐和子さんの演技がめちゃくちゃ素晴らしい!

めちゃくちゃリアル!!

だけど、映画としては、後半の展開からモヤモヤ感が最後まで拭い切れなかったから、う〜んって感じ…。

ということで、YouTubeで予告編を見た時に亮平君のあまりにもリアルな表情にノックアウトされ、その予告編でほんの数秒だけスッピンのドリアン・ロロブリジーダさんを見つけた時からめちゃくちゃ観たくなったので、安い映画料金の日に観てきました。

ちなみに、You Tubeでドリアンさんが歌う♪ボン・ボヤージュ♪を見て頂きたい!素晴らしい表現力で語り歌われています。

てっきりドリアンさんのリアルな物語だと思って聴いていたら、松坂慶子さんがオリジナルでした。ドリアンさんも松坂さんもリアルすぎ!

ドリアンさんは、その時から注目しているドラッグクイーンさんです。スッピンがお化粧する必要がある??と言いたいくらいめちゃイケメン!

それはさておき、話を映画に戻すと…、

映画の前半、ある衝撃的展開まではめちゃくちゃ良かったんですよ。

亮平君演じる浩輔、氷魚君演じる龍太、そして阿川さん演じる龍太のお母さんの描写がめちゃくちゃリアル!

浩輔と龍太の恋する乙男(オトメン)のピュアな眼差しや関係性にリアリティがあり、龍太が浩輔に真実を打ち明けたあとの二人の演技が更にリアリティが増していて、特に龍太の真実を打ち明ける前と後の眼差しに変化があってめちゃくちゃリアル。

浩輔は浩輔で葛藤があって、そこもめちゃくちゃリアルに表現されていてめちゃくちゃ良かった。

浩輔に関しては、亮平君のアプローチがめちゃくちゃ素晴らしくて、確かに新宿2丁目の方々が本家なのでこれ以上のリアルさはないし、亮平君の演技はぶっちゃけ誇張した感は否めないけど、目の表情がリアル。

仕草はマネできても、眼差しは例え本家であったとしてもそう簡単には作れないよ。

そうそう、浩輔の、ちあきなおみさんの隠れ名曲を歌うシーンが最高に好き!

しのぶさんのコンサートで初めて聞いて、You Tubeで何度もちあきなおみさん御本人が歌っているのを視聴してド嵌りした。めちゃくちゃ憑依して素晴らしい!これも必見!

ドリアンさん含む2丁目の方々とのシーンが、これアドリブちゃうの??と言いたいくらいあまりにもリアルさがあって、ぶっちゃけめちゃくちゃ笑った。

氷魚君も、あまりにもピュアな立ち振る舞いが年齢を忘れさせる。実年齢は知らないけど…。二十代前半ではないはず。

ほんと、真実を打ち明けた後と前の目の輝きが全然違うのがめちゃくちゃ素晴らしい!

これまたぶっちゃけ書いて申し訳ないが、亮平君も氷魚君もイケメンの部類に入っても美少年ではないから、セックスシーンは美しくなかったのが違う意味でリアリティがあったm(__)m

それも含めて、前半は、カメラもいかにも手持ちカメラです!といわんばかりの手ぶれ感があってドキュメンタリーを見てるかのようなリアルさがあったの良かったし、

何より、浩輔と龍太と龍太ママとの関係性がめちゃくちゃ和む。

これから3人のどういった関係性を見せてくれるかなと期待してたら、時間的にも肌感覚としてはまだまだ物語の半ばだというのに、唐突なあの展開に正直唖然とした。

確かに、2年前に亡くなられた高山真さんの自伝的小説だから原作通りだと思うけど、そこからの後半の展開にモヤモヤ感しかなくて、結局スッキリせぬままエンドロールを迎えたって感じ。

あくまで私が感じたことなので悪しからず。そして、ここからは、ワタクシの偏見とひねくれ人間の戯言だと思ってお読み下さい。

ぶっちゃけ書いて、後半の展開があまにも綺麗事にしか思えなくて、穿った見方でしか龍太と龍太ママを見れなくてぶっちゃけオチを期待してました。

浩輔は、やはり高山さん自身だから、御本人も原作もあのままだと思うんですよ。

ただ、龍太と龍太ママは、浩輔が見たまま聞いたまま、高山さんが見たまま聞いたの描写だから、龍太も龍太ママの言葉も生活ぶりも映画のままなのは百も承知。高山さんの主観だからね。

でも、現実としては、龍太にも龍太ママにも浩輔が知らない人生があるから、知らないのに勝手に想像で描写したらフィクションになってしまうのは重々承知なんだけど、その割には映像的に含みを持たせた、私からしたら故意としか思えない、余白がある描写しているのでスッキリしないんよね。

例えば、アパートだったり、植木鉢の花が枯れていたり、浩輔と龍太ママとの封筒の押し問答とか、この余白の時間に、龍太と龍太ママの生活臭やバッググラウンドを無意識に想像させるんよね。

でも実際に返ってくる、映像で映し出されるのは、浩輔にとって幸せな言葉や景色なんよね。

だから、

なんだよ!あの勿体つけた余白は!?と言いたくなる。

だからめちゃくちゃモヤッとする。

ぶっちゃけ書くと、

人間って確かに産まれた時から大人になってもピュアな人間はいる。だけど、100%ピュアな人間はいない。無意識に内なる悪魔はいる。本当にピュアなら少なくとも牛の肉と分かってて焼肉は食べない。

どんな人間でも天使と悪魔は表裏一体で内に潜んでいると思うんよね。

ただ意識下でそれらをどの比重で表出させるのかが問題になってくると思うんよ。

それに、人間って美しいものに焦点を絞って見たくないものに蓋をする傾向があるから、表(面)でしか付き合ってなくて、ちゃんと裏(面)も理解して付き合ってる人って少なかったりすんよね。だから誤解が生じて喧嘩になることは多々ある。

ぶっちゃけ書くと、これはあくまで私の見解ですが、本当に真からのピュアで家族想いの人間だったらウリ専はしない。出来ない。そもそも、ウリ専なんてきっかけがなければ選択肢に入らないと思うんよね。

私は、浩輔の描写は全く疑ってません。真実だと思ってます。胡散臭さも感じていません。一方的な愛情表現ではあるが、浩輔の龍太や龍太ママへの愛は偽りだとは微塵も思ってない。これは真実の高山さんの姿を描写している作品だと断言できます。

だだ、龍太と龍太ママの描写が綺麗過ぎるんよね。

3人とも亡くなられているから綺麗でいいやん!思い出は綺麗でいいやん!醜い部分を描いて観て楽しいか?と言いたい気持ちも分かるけど、

本当に愛していたのなら、たとえ愛が何か分かっていなくても、その人の丸ごとを理解と受容しなければ真の愛とは言えないと思う。

それくらい、後半は穿った見解でしか観てなかった。

高山さんて、ご友人のお話しを聞く限りでは(YouTubeにて)、神も仏も天国も信じない、目に見えるものしか信じない方らしいですが、

私に言わせれば、信じないと口に出している時点で信じていると同じだと思うんよね。

意識の中に神や仏や天国の概念があるから、否定できるわけだし。

本当に信じていないなら、そもそも概念がないはず。天国って何?意味が分からないんよね…。なんで信じるの?と答えるのが自然だと思う。

愛が分からないのも、愛は与えられるもとだと思いこんでいるからだと思う。

高山さん自身、惜しみなく愛を与えてきた方だというのは、映画や友人の方のお話しから理解できました。そして、亡くなられるまでピュアな方だったのも伝わってきました。そして孤独だったということも。

そういう意味では、高山さんの人となりを知ることができる作品であることは間違いないです。

亮平君、氷魚君、阿川さんの演技は必見!

ドリアンさん含む2丁目の方々のシーンは本当に愉快でほのぼのする。

めぐりあう時間たち by METライブビューイング

2023-02-09 00:10:26 | シアターライヴ
これってオペラなん!?

ミュージカル感覚で観てた。

いやー、オペラに対する偏見を覆すくらいめちゃくちゃ良かった!

っていうか、まさか泣けるとは思わなかった!

ということで、ネットニュースの告知で主演3名さんのヴィジュアルを見た時からからめちゃくちゃ観たかったので、行きたい神社があったので京都の映画館で観てきました。

今年はニコールイヤーか!?といわんばかりにニコール関連作品が日本で観られる!

先日のノースマンや8月のムーラン・ルージュ、そして本作。あと、4月に藤田俊太郎さん演出のラビットホールもあった!

ま、ノースマン以外はニコールとは直接関係ないので、間接的ニコールイヤーって感じですかね??藁



差別発言して申し訳ないですが、ミュージカル好きでビジュアル至上主義人間で、オペラに対してめちゃくちゃ偏見がある私でも、これなら何度でも観たくなるくらいめちゃくちゃ良かった!

昨日の月組もそうだけど、やはり生オケはめちゃくちゃ臨場感がある。

宝塚にはオーケストラがあるんだから、足りない楽器があるのかもしれないが、うたかたの恋も♪美しく青きドナウ♪を生オケで演奏したほうが断然臨場感が出ると思うんよね…。映像だと分かりにくいけど、劇場内だと明らかに録音だと分かるのでそれだけで気持ちが冷めてしまう。これって私だけ???

本作はライブビューイングだから映像ものだけども、明らかに生オケならではの迫力が伝わってきて、また、声楽と相まって素晴らしいハーモニーを醸しだしていて尚一層世界観に浸れた。

なんてたって、主役3名さんの表現力がめちゃくちゃ素晴らしい!

オペラって、演者は俳優ではなくて歌手と呼ばれているから声量があればいいと思っていたけど、彼女らの歌声には役の気持ちが込められていて、もはや歌手ではなく女優さんの表現力でした。

ぶっちゃけ、ヴィジュアルも映画のイメージのままのお三人さんだったので、全く違和感なく自然に世界観に入ることができた。

オペラ座の怪人のファントムじゃないけど、ヴィジュアルは大事だと私は思う。

くれぐれも太っているからヴィジュアルが悪いと言いたいのではなく、役のイメージがあるわけだからね。栄誉失調で瀕死の状態なのに太っていたらおかしくないかい?←めちゃくちゃ偏見に満ちあふれています。m(__)m

その点、リチャードを演じられた方は、エイズ発症前と後で体型を変えていたのは素晴らしかった!


映画は映画で、キャスト陣の演技力はさることながら、音楽がピカイチで編集も冴えていて素晴らしかったけども、ぶっちゃけニコールが主演なのはいささか疑問ではあったが…。

オペラはオペラで、映画では困難な表現を可能にしており、時代が違う主人公3人を同時に見せたり絡ませたりと演出が冴えてました。

しかも、映画よりもめちゃくちゃメッセージ性があり、ラストはマジ泣けた!

欧米文化の慣わしなのか、エリザベートのようにトートらしき死神、スーツを着ていたが間違いなく死神であろう人物を登場するのも印象的でした。

舞台美術や転換も素晴らしく、映画を観ているときと同じ感覚で観てた。

設定的に映画とオペラでは異なる点もありましたが、それはきっと原作重視だと思いますが、それでも全く文句を付ける箇所がない。

音楽も、まるでミス・サイゴンを観ているような、重要な見せ場となるシーンでは重低音を轟かせたりと、古典オペラでない現代作曲家による新作オペラならではの音楽表現が素晴らしかった!

インタビューでも語られていましたが、オペラは、ミュージカルもしかり、本や映画では表現できない見せ方ができるのも舞台作品だけある。

本だと二人の台詞を同時に読むことはできない。1行ずつ順番がある。

映画だと二人の台詞を同時に聞くことは出来ない。何を喋っているのか分からない。

オペラやミュージカルなら、重唱が可能。同時進行が可能になる。

特にこの作品は、3人の主人公の時代設定は異なるが、起こる出来事は似ている。どの時代にもダロウェイ夫人の物語に似た展開が起こる。心情も重なる部分が多々あるから同時進行で見せることは演出効果としては外せない。

映画を観た時には気づかなかったヴァージニア・ウルフとリチャードがなぜ自殺したか。

オペラを観て、自分よがり、生きることが辛くての自殺ではなく、自分のせいで愛する人の自由を奪っていることが辛くて仕方ないのだ。自分さえいなければ、もっと望み通りの人生を歩めるはず。愛するが故の決断でもある。

だから、映画では不可能だった、主人公3人が肩を並べて歌うシーンで、自分自身の過去という殻を破って自由選択で生きていくことの尊さを語った歌に涙涙。

だれもが苦しい現状から抜け出したくて出口を探し彷徨っている。

その出口が自死であったヴァージニア・ウルフとリチャードであったが、自由選択と自由意志、魂の自由で生きていくことで出口が見つかることをメッセージとして伝えている3人の歌がめちゃくちゃ響いてきた。

円盤が欲しくなるくらいめちゃくちゃ良かった。

ライブビューイングは明日9日までですが、東京ではまだまだ観れるようなので、映画を観たことある方は是非オペラ版も観てもいたい。



月組「応天の門」「Deep Sea -海神たちのカルナバル-」

2023-02-07 21:57:16 | TAKARAZUKA
いやいやいやいやいやいや、めちゃくちゃええやんかいさー!?

さすが月組、新作に強い!

お芝居もショーもこれぞ宝塚的な!宝塚を観ました感があった。

レイコちゃん、ちなつ様、海ちゃんのポスターがあまりにも美しさと怪しさを兼ね備えたアングラ要素があるヴィジュアルだったけども、実際のお化粧も美しさと怪しさを兼ね備えたヴィジュアルだった。

レイコちゃんもちなつ様もヴィジュアル系男子的な化粧は違和感なかったが、オダチンのお化粧が…男?女?どっち??と思って観ていたが、役柄的にジェンダーフリー的な要素があったのであのお化粧になったと推察。

結果的にはめちゃくちゃ怪し美しくて良かった!

ストーリーも、原作があるといえども、めちゃくちゃメッセージ性や哲学があって、ぶっちゃけ泣けた。

田渕先生、なかなかやるやん!?←何目線や!

m(__)m

真面目要素とコメディー要素のどちらもあって、芝居の月組ならではのクオリティーの高さがあった。

これまたぶっちゃけ、レイコちゃんの道真は、最近のスキャンダルを逆手に取った人物像ではあったが、メッセージ性としてはめちゃくちゃ良かった。

そう、生徒たちには罪はない。舞台を観たら分かるように生徒たちは一生懸命頑張ってるんだから、純粋に生徒たちを応援すればいいだけのこと。

火のない所に煙は立たぬとは言うが、実際は、蟻さんのような小さなことを誰かが象さんのように大きく膨らませているに過ぎないと思う。

現実問題として、ファンは生徒を信じているが、悲しいことに、宝塚に興味ない部外者は記事を鵜呑みにしてしまう。

それはさておき、原作ありきの作品ではあるのかもしれないが、まるで生徒に当て書きしたかのように見事に役にハマっていて、改めて初演の強みを感じた。

やはり、再演ものだと、次の再演に繋げるクオリティーが必要になってくるし、観客も(特にワタクシ)過去のイメージに囚われて観てしまうから演者も演出家も大変。

その点、新作は、原作があるとそのイメージに囚われてしまうが、比較的シガラミがない分自由に創造できる強みがある。

そういった意味でも、今作は脚本も演出も生徒も良かった!

っていうか、海坊主?を演じた生徒誰???めちゃくちゃ男やん!!男にしか見えん!めちゃくちゃ芸達者!

雪組の盲目の元宦官を演じた生徒も、専科さんじゃないのに芸達者だったし、

いやいやいやいやいやいやいやいや、

やはり、組子に芸達者な生徒が1人でもいるだけで作品のクオリティーが上がる!

台詞はないのに海坊主さんの存在感に目を奪われてしまったが、

レイコちゃんの道真のクソ真面目さ、ちなつ様の女好きの色気さ、海ちゃんの姐御肌気質、オダチンの悪役、と書いてしまったら単純だけども、それぞれに各々の闇があり、人間の深みを巧く演じられてました。

この公演で卒業されるルーさんもさすがな貫禄!

からんちゃんなんて、年齢不詳過ぎ!

ユウキちゃんは、高子の子供時代を演じていて、ちなつ業平様の回想シーンに登場するだけですが、平安時代の位の高い子女を健気に演じられていてめちゃくちゃ良かった!

ぶっちゃけ、どの生徒もオペラが外せないくらいお芝居が上手かった。残念なことに生徒の名前が分からないのが悲しい…。

ショーは、久々の黒塗りラテン。

いやいやいやいやいやいやいやいや、フィナーレ以外は知らない曲ばかりでしたが、やはり、ラテンものは良い!

ラテンものならではの衣装とオラオラ系な見せ方も堪らんわ!(笑)

今が冬であることを忘れさせる熱気がありました。

基本、ワタクシ、ショー苦手ですがこれは通える。ただしチケットないけど…。

お芝居もショーもめちゃくちゃオススメできる。

そうそう、ちなつ様のセンター分けの髪型を見て、恋人たちの肖像が観たくなった。もちろんちなつ様はシメさんが演じたクリストフ2世。ルートヴィッヒです。

やっぱさ、レイコちゃんでネッシーさんの役を観たいんよね~!

海ちゃんのゾフィー、オダチンのヴィクトール、完璧な布陣やと思う。

ただ、太田先生の作品だから再演は難しいのかな?

太田先生の作品、めっちゃ良い作品が多いから再演してほしい!

「冬の嵐」「二都物語」「シチリアの風」は超激萌え!

追記:宙組新トップコンビ決定しましたね。

キキちゃん、さくらちゃん、おめでとうございます!

キキちゃんには、是非ともバトラーを演じてほしい!