花組「哀しみのコルドバ」「Cool Beast!!」

2021-08-26 23:37:00 | TAKARAZUKA
花組、どないしたん???

ダンスの花組じゃなかったけ???

めちゃ間で芝居してるやん!!!???

ということで、大劇場で雪組11時公演を観たあと、16時半に梅芸公演をハシゴ観劇してきました。

いやー、まどかちゃんが来て花組の雰囲気が変わったね!ビックリするくらい演技派になってたわ!

「哀しみのコルドバ」の生観劇は、それこそヤンさん以来です。

真飛さんもチギちゃんも生では観てないしね。

久々のコルドバは、やはり、選曲が素晴らしい!

♪アストゥリアス♪のイントロを聞くだけでゾワゾワしてくる!

学生の頃、この♪アストゥリアス♪のタイトルを知らなかったから、図書館でスペイン音楽のCDを借りまくって、やっと捜し当てた!

戦争と平和の♪1812♪もロシア音楽を借りまくって探し当てた。

宝塚のお蔭でクラシック音楽のCDが増えた!

実際にスペインのコルドバに行って闘牛場に行きました。闘牛はやってなかったけど。

そんな思い出の作品。


ミネさんのエリオは、ナルシスト故の自意識過剰というか去り際は美しく的な死の選択。

ヤンさんのエリオは、本来は理性の塊の人物だけど、きっと死を選ばなかったとおもうが、死という宿命から逃れられなかった…というイメージ。

そして、レイ君のエリオは、

最初は、最初から死を意識した演技やな〜と思って観ていましたが、

エバとは結ばれない、ましてやアンフェリータなんて言わずもがな。エバとの関係はもう周知の事実。リカルドからは優しい言葉をかけてくれたが本心は馬鹿にされている印象。弟弟子には蔑まれ。もうどこも安住の地がないが故の選択に感じとれた。

ぶっちゃけ、レイ君が独自の解釈、アプローチでエリオ像を作り上げていて驚いた!

レイ君だけでなくまどかエバもしかり。

まどかちゃんのエバは、初演の湖条れいかさんや森奈みはるさんとも違うエバ像だったのが好印象。

誰かを真似たエバではなく、まさにまどかちゃんが演じるエバ。自然に存在していたのが良かった。

真似るという意味では、あすかちゃんのビセントはタモさんがチラついたし、優波慧君のフェリーペもリカさんこと紫吹淳さんがめちゃくちゃチラついたけど、2人とも決して悪くなかった。むしろ、優波君の白い役が超新鮮だった。っていうか、めちゃキラキラしてた!たまにこういうギャップある役も見せて貰えると嬉しい!

っていうかさ、

今回の花組、まどかちゃん効果なのかもしれないけど、めちゃくちゃ間で芝居していてビックリ!ま、上級生に限りますが…。

下手すると睡魔になる間なのに、凄く惹きつけられました。

心と心の会話が聞こえてくるよう。

ほんと、上級生チームは安定したお芝居をされており、そして、下級生はいかにも下級生らしいあどけなさが残るお芝居でしたが、

結果的には、下級生のお芝居がエリオを追い詰める一因になったとも思うので決して悪くはなかった。

今日の雪組は間延びしないようにテンポアップで演じていたから余計、花組の間のお芝居が際立った印象。

いずれにせよ、うーん…もっと頑張れ!と思わなかっただけ本当に良かった!

ヒトコ君のリカルドも良かった!オープニングの録音の台詞が超良かった!渋い声だった!

雰囲気もめちゃダンディさがあって、男度が上がってた!何より化粧が良くなってた!と私は感じた。

アンフェリータの音くりちゃんもなかなかのバケモノ要素があって素晴らしい!プロローグと化粧を変えてた。素晴らしいアプローチと歌声でした。

♪エル・アモール♪の三重唱は本当に素晴らしかった!

あと、鞠花ゆめさんのパウラが超絶素晴らしい!決闘で止めにかかるシーンが最高に良かった!

美穂姐さんがまさかの占い師。歴代は怪しい人だったけど、美穂姐さんのマルーカは神の啓示を受けた人みたいな、占い師と変わらないけど、もっと神聖な印象を受けた。

脚本はあんまり変わった印象はないが、役者のアプローチが変わったから、本当に印象が変わった。

なんで黙っててん!?エバと再会する前に教えてやれや!と私もリアルに思ったわ。エリオの立場ならね…。俺の居場所ないやんけ!お前ら人の人生をもてあそぶなよ!あー、ビセントが羨ましい!

と思ったと思う。←コレ、ミネさんやヤンさんでは感じなかったこと。

樫畑先生の演出、なかなかいいじゃないですか!!!

全く新しい演出ではないのに、新しい解釈に出会えたことは、良いアプローチの証拠。

歌舞伎もそうですが、新しい解釈をすることは、作品が息をして今を生きているのが伝わってくるのでこれこそ温故知新です。

ヴェネツィアの紋章もしかり、新しい演出やアプローチで新しい作品に生まれ変わる。ここに再演する価値が出てくると思う。単純に過去をなぞるだけでは今を生きていることにならないからね!を改めて感じた。

これを機にどんどん過去の作品を再演してほしい!名作になり得なかった作品を名作にしましょうよ!

ホント、演出と解釈と脚本のテコ入れで名作になる作品が増えると思うよ!

なんだかんだ言っても、今のタカラジェンヌはどの組もお芝居上手い生徒が多いからね!

でなきゃ、私はとっくに宝塚観劇を卒業してます!藁

ショーは、本当にパワフル!特に客席が!!藁

本当に客席が熱かったよ!

私は雪組のショーの方が好きだけど、客席の熱さは花組の方が圧倒的に凄まじかった!

本当に、関西のお客さんは素直で正直!!

感想は後日かきますが、今日の雪組、前回観たときよりテンポよく、咲りょうちゃんも良く、なにより客席の拍手が熱くなってた!

本当に分かりやすい!藁

生徒たちが頑張れば、必然的に客席もそれに応えてくれる!

良いことだと思う。

思い出写真:

↑コルドバの闘牛場の写真(1995年当時)を写メ。コルドバだったはず…。ちなみに右下の時間は日本時間です。

坂東玉三郎 特別舞踊公演 @南座

2021-08-17 19:59:39 | 古典芸能
日本振袖始、最高でございます!!!

いや〜、去年歌舞伎座で観た時と演出が違う!!!

どちらも最高に素晴らしい!!!

歌舞伎座では、八岐大蛇として脱皮前?の衣装で毒酒を飲んでいましたが、

南座では、岩長姫のお姫様の衣装のまま毒酒を飲んでた!

見てくれの姿はお姫様なのに、酒にがっつく様はまさに八岐大蛇!

またもや素晴らしきガラかめワールド全開!!!

歌舞伎座の時は、袴の揺れ具合からケダモノ感が漂いまくってましたが、

南座では、美しきお姫様の格好でケダモノ感を漂わせる、

もう、最高でございまする!!!

もちろんさ、八岐大蛇の鬼の形相は、美しきお姫様とのギャップがあって半端なく妖気が漂いまくっていましたが、

南座でやって下さるだけでも有り難いのに、

まさか、演出を変えて上演して下さるなんて!!!

萌え萌え、押切もえちゃんです!!←意味不明

(笑)

ということで南座に行ってきました。

今日の素戔嗚尊は福ちゃんでした!

今回の公演は、玉三郎さんと成駒屋三兄弟の襲名披露公演以来の顔合わせということで、

ワタクシにとっても初めてお目にかかる三兄弟揃っての公演。

小さい頃は、3人とも同じ顔だったのに、

今では3人とも個性的な顔つきになっていて、これからの活躍が楽しみな3人さんでした。

なんてたって、お母さんの三田寛子さんは、明菜さんやキョンキョン達と同期の花の82年組ですからね!歌舞伎界に嫁いだ時も三兄弟が生れた時も知ってますから!藁

は、いいとして、

第一部「鶴亀」では、玉三郎さんとハッシーこと橋之助君と歌こと歌之助君の舞踊。

ハッシーも歌もまだまだ若いのにめちゃ貫禄あるな!

歌はまだ19やろ?しっかりしてる!

ハッシーはお父さんの芝翫さんに似て正当派な立役が似合う!歌は器用そうだから立役も女形も両方できそうだし。

ハッシーはすでに外部の舞台でも活躍してますが、歌も外部でも活躍しそうやね。

なんて思いながら観てました。

そして、第二部の

日本振袖始!

そうそう、この南座公演のイヤホンガイドは、なんと!

ベニーこと紅ゆずるさんでした!

まさか、こんなところでベニーの声が聴けるなんて!!

いつもは、イヤホンガイドなんて使わないのですが、今回は使わせて頂きました。

いやー、イヤホンガイド最高だった!

玉三郎さんやベニーのコメントだけでも十分価値がありましたが、

演目のガイド案内が素晴らしかった!

てっきり、地謡や台詞の意味などを通訳してくれるんだと思っていたら、作品の解説、歴史背景、タイトルの由来など、めっちゃ為になることだらけで、

ただでなくても作品で興奮してるのに、日本振袖始のタイトルの由来、素戔嗚尊が持ってる2つの剣の現在の行方まで教えて下さり、思わず声に出して、

へぇー!?

って言ってしまったくらいめちゃくちゃ勉強になりました!

1つは三種の神器、もう一つは奈良の石上神宮に奉納されてる。

ぶっちゃけさ、この数年、神社巡りをしだしてから日本神話に興味持ちだしたのに、

日本振袖始は、日本神話に関係なく、単純に玉三郎さんの鬼の形相が見たくて好きになっただけなのに、

なんか、めちゃ繋がってるやんかいさ!藁

もちろん、この日本振袖始の舞台は出雲。

去年は、島根県の岩長姫様を祀っている神社に行ってお願いをして叶えてもらっただけに、(←まさか本当に叶えてくれるとは思ってなかったからマジでビックリしたよ!具体的な内容は書けないけど、神様を侮ることなかれ!)

日本振袖始との出会いは、必然!としか言いようがない!藁

も、いいとして、

福ちゃんの素戔嗚尊は、本来の性格の荒々しさも兼ね備えており、素戔嗚尊にピッタリだった!

福ちゃんは、ハッシーと歌と違ってまさに歌舞伎役者になるために生れたといっても過言でないくらい歌舞伎顔!ヒール役が絶対似合う!福ちゃんの悪役が見たいぞ!

福ちゃんもまだまだ若いのに、なんなん、この落着き様は!藁

ほんま、この成駒屋三兄弟の将来が非常に楽しみであります。

そうそう、10月は、玉三郎さんと成駒屋三兄弟で「壇浦兜軍記」をやってくれるなんて!!絶対観に行きたい!

は、さておき、

日本振袖始は、やはり、玉三郎さんの岩長姫と八岐大蛇の2役の演じ分け見せ方が見どころなので、

最初にも書きましたが、歌舞伎座と演出を変えた、どちらもガラかめワールド全開の役作りが本当に素晴らしかったです!

そして、

もう歌舞伎の舞台には立たれることはないと思っていた、かつての愛猿春猿さんこと雪之丞さんが稲田姫を演じられていて、

そりゃもう、玉三郎さんと雪之丞さんの並びがめちゃくちゃ美しい!!

もっとこの2人を愛でていたかったくらい!目の保養になりました!

雪之丞さんの、歌舞伎の世界から何年も離れていても、全くブランクを感じさせない佇まいとオーラに感激しかない!

南座だから可能だったキャスティングなのかもしれませんが、

雪之丞さんには、可能な限り歌舞伎の舞台に立って欲しい!!!L( ≧Д≦)へ

イヤホンガイドのお蔭で、日本振袖始が10倍楽しめました!これを機にもっと使わせてもらいます!
















雪組「CITY HUNTER-盗まれたXYZ-」「Fire Fever!」

2021-08-16 19:29:14 | TAKARAZUKA
ショーがすこぶる良かった!

稲葉先生の選曲が最高!!

CDが欲しいと思ったくらい、映像がなくても音だけでも楽しめる!

主題歌が超カッコイイ!

誰の作曲??最高やわ!

アーサのドヤ声ならぬドヤ歌に萌えたわ!藁

今の雪組は、めちゃラテンが似合う!

ということで、咲ちゃんときわちゃんの大劇場お披露目公演を観てきました。

いやー、ホンマにショーが良かった!まるでお芝居がショーを引き立てたかのように…。

ま、しゃあないわな。

すみれコードの宝塚に、下ネタやギャグ満載の少年漫画を、しかも昭和、それを清く正しく美しい宝塚の王道を得意としている雪組に出来るわけがないやん!?

ぶっちゃけね、脚本は好き!まさか、あの「シティ・ハンター」に「仁-JIN-」要素を取り入れるなんて!

さすが、齋藤先生!私の好み分かってるわ!藁

実は、ウルッときた。


ただの痛快ギャグアクションドラマで終わらせなかったのが、非常に素晴らしかった!

主役2人の描き方がすこぶる良かった!

あくまで脚本上ね。

ぶっちゃけ、脚本は良かったけど、演出と演技と歌がね…。今の雪組では、齋藤先生の望む出来は難しいと思うよ。

だって、清く正しく美しい宝塚の王道を得意としてる組だもん。

いつもの私なら、間が悪い!役作りが出来てない!ギャグは台詞じゃない、掴みや!

と言いたいとこやけど、下町育ちのお嬢さん達じゃないんだから、下ネタなんて無理にきまってるやん!?

皆、嫌嫌ながらよく頑張ってたと思うよ。第一、昭和のギャグなんて知らないもんね。

ま、頑張ってる生徒は本当によく頑張ってたよ。

特に縣千君が素晴らしかった!ポスターのイメージのまま、しいては、原作のイメージに近づけようと努力してる様がめちゃくちゃ伝わってきた!海坊主は、キャラクターに近づけるのに1番の難役だもんね。

もちろん、女性が演じるマッチョな海坊主には限界があるけど、宝塚を知らない原作ファンにも納得の海坊主だったと思うよ!本当に素晴らしかった!

まだね、海坊主やミック・エンジェル、槇村秀幸は、男役にとっては、まだ正統派に近いけど、冴羽獠はね…。

咲ちゃんの辛さがひしひしと伝わってきた。いくら男役でもね、最後は格好良くてもね…。

正直、宝塚で上演するなら紅ゆずるさんで観たかった…な役だよ。ベニーなら齋藤先生が望む冴羽獠像を難なく演じ切れたと思うよ。

っていうか、冴羽獠は、ベニーか、ルパン三世を演じた早霧せいなさんしか出来ないと思うよ。

咲ちゃんには可哀想過ぎる!齋藤先生は、咲ちゃんの殻を壊したかったんだと思うけど、相当厚かったみたいやね。

咲ちゃん、東宝千秋楽まで長いけど、頑張ってね!

嫌味発言にも聞こえるかもしれませんが、めちゃくちゃ労ってますからね!

そうそう、ワタクシ、シティーハンター世代にとっては、まさかのTMネットワークの♪Get wild♪やエンディングソング、コッヒーこと小比類巻かほるさんのタイトルソング、同じ原作者の作品の♪キャッツアイ♪とか、が聴けて最高だった。

ただ、♪Get wild♪は、あそこでもってきても盛り上がらないって!中途半端。ラストか幕開きに持ってこないと、曲が引き立たたない。主題歌がすこぶる良いだけに、♪Get wild♪が生きなかったね。

ただ、これまた、いかんせん歌がね…。

全ツ「ヴェネツィアの紋章」の時はめちゃくちゃ良かったのに、まさか皆歌がイマイチだとは思わなかったよ。マジびっくりした。

でも、ショーの歌はめちゃくちゃ良かったから、作品に対する愛が…、なのかな?と思った。

ま、こればかりは仕方ないよね…。ホント、出来ればベニーで観たかった…。

お芝居は仕方ないとしても、ショーは本当に良かった!

本領発揮って感じ!

ヤンさんの「火の鳥」を彷彿させる衣装やシーンに、プチ萌え!藁

♪FEVER♪のジャズアレンジが最高にしびれた!

主題歌もしかり、曲のセンスが良かった!アレンジも良かったし。

ショーは、歌もダンスもとっても見応え聴き応えがありました!

あと一回行きます。お芝居はこれ以上良くはならないと思うので期待しませんが、ショーに期待!











プロミシング・ヤング・ウーマン

2021-08-05 18:57:14 | 映画
結果的には良い作品だった…。

が、脚本賞はないな〜。ノミネート止まりやな〜。

キャリー・マリガンや編集のノミネートは納得!

ということで、「スーパーノヴァ」を観に行った時に流れていた予告編を見て、めちゃ観たい!と思い、

まさかこの作品が脚本賞でオスカーを獲った作品だとは知らず、

単純に、予告編で流れた、ブリトニー・スピアーズの♪Toxic♪のアレンジに惹かれ、キャリー・マリガンのヴィッチな存在感にも魅了されたので、

世間での評判もすこぶる良かったので観てきました。

ぶっちゃけね、

脚本はイマイチだった。

カメラワークや見せ方は良かった!

もちろん、マリガンの演技も良かった!

途中からは、マジ萎えた。

途中から先の展開が読めたし、登場人物の心理描写もイマイチだったので、

なんでこれがオスカーなん!?と思った。

でもね、

最後まで観たら、決して悪い作品ではなかったのは確か。

途中までは良かったんだよ。役者に優しい演出だったし、何より、ワーグナーの♪愛の死♪が流れた時は最高やん!と思ったよ。

でもね、途中からマリガン演じるキャシーがライアンといちゃつき始めてから、

ニーナへの愛は何処にいったんや!?

そんなに簡単にライアンになびくか??

ライアンも、キャシーのヴィッチぶりを見てそんなに簡単に元の鞘に収まれるんか!?などなど…、心理描写イマイチでした。

ライアンがあのバーに来た時から、先の展開が読めて、まさにその通りの展開になり、

完全に飽き飽きしながら観てたんですが、

ラストの展開で、

キャシーのニーナへの愛は本物だったことが分かり、

結果的には、ワタクシの好みの展開だったので、決して悪くなかった…というわけであります。

オープニングから男達の下半身を映すカメラワークが良かった!

まさに、この作品のテーマ。

男の下半身事情だけでなく、女性も同じ。

泥酔したからレイプされて当然なのか?自業自得なのか?といった問題提起もあり、

また、社会はまだまだ権力者に有利、かつ男尊女卑の社会のまま。

昨今のMeToo運動に象徴されるように、女性が男性社会において性の奴隷化扱いされていることに真っ向から挑んだ作品でもあり、

性の奴隷化だけでなく、LGBTもテーマになっていて、

根底にはちゃんと本当の愛が描かれていたので、

決して悪くはありませんでした。

見せ方なんて、本当に役者に優しい演出でした。

レイプシーンが映像になっているわけでない、残虐なシーンがあるわけでない。

観客の想像に委ねる見せ方は良い!

日本は特に顕著だが、セックスシーンが多過ぎ!女優さんが裸になり過ぎ!っていうかそれを売りにしすぎ!そんなの熱演なんて言わないよ!今の時代は。それこそ、大人の事情が裏で働いているのが丸分かり。ま、ヨーロッパ作品も必要以上に脱ぎ過ぎ!

日本が世界に遅れているし、昔から、ぶっちゃけ江戸時代から、日本の芸能界は、アコギな商売だよ。

でもね、日本神話の歴史からすると、アマテラス様が天岩戸にお隠れになられた時、アメノウズメが裸踊りでアマテラス様に興味を引かせたことを考えたら、女優さんが裸になることは神聖なことなのかも…?アコギな世の中だから仕方ないことなのか…?とも思ってしまう。

ま、世界基準だと日本神話はただの神話に過ぎない。

でも、日本の天皇制の観点ではただの神話ではない。

話を映画に戻すと、

「プロミシング〜」は、同じ同性愛をテーマにした「スーパーノヴァ」と違って、ちゃんと同性愛に意味があった。「スーパーノヴァ」は、男女の愛と変わらない。

こちらは、具体的なシーンがある訳じゃないけど、明らかに同性愛が根底にある展開。

相手が死んだことで点となって永遠の存在となり、また神格化されることによって、よりキャシーの闇の深さがリアルに伝わってくる。

周りも二人の関係を薄々感じているが公に認めてるわけではない。しかもキャシーを精神疾患者扱いしている。

異性を好きになって普通に戻ったと思ってしまう両親の存在もリアル。

昨今のMeToo運動に象徴されるような、過去の制裁を受けてしまったターゲットの存在も時代を反映していたし、

ライアンがキャシーに、完璧な人生を送っているのか!みたいな台詞を言い放つところもリアリティーがあった。

皆キレイな人生を歩んでいるわけじゃない。少なくとも私は歩んでいない。言ってないだけで、叩けば埃がたくさん出てくるよ。制裁を受けて仕方ないこともあるし、実際に制裁を受けたこともある。

人生はお勉強だから、経験から何を学ぶかが大事だと思う。

というのも描いているので、

まんざら悪い脚本ではない。

ただワタクシ的には、キャシーとライアンがいちゃついたり、距離があいてまた縮む過程が腑に落ちなかったりしたけど、

ラストまで観たら、ライアンも所詮男ですから!というオチにもなるから、あのいちゃつきも作品の演出として、見せ方としてはアリなのかな?とは思った。

なんせ、途中からつまらないと思っていた感情が、ラストでよく出来てるかも!と仕掛けに引っかかったかと思うと、よく練られた作品だったと思う。見せ方は、本当に良かったと思う。

予告編を見た時から、マリガンの存在感に惹きつけられ、実際に映画の中のマリガンは、期待を裏切らない素晴らしい存在感がありました!

日中はカフェの店員として無愛想に働き、夜はヴィッチな装いに化け、泥酔をしたふりをして下心丸出しの男たちを制裁する様が、ダークヒーロー的でまるでアニメの実写化を観てる感覚でした。

ラストで、キャシーのニーナへの愛が本物だと分かる演出や、キャシーの覚悟がオーラスで伝わってくるので、見せ方は本当に良かった! 

ダークな内容なのにポップな音楽で空気を重くさせない、一見コメディ?と思わせるような演出とか、アメリカの典型的なソープドラマを観てるような味わいもあり、女性監督ならではのセンスが随所に散りばめられていて視覚的聴覚的にも見応えはあった。

マリガンの、レオと共演した「華麗なるギャツビー」の時の可愛らしさと違って、あまりにもヴィッチ過ぎて、しかもハスキーボイスが更にキャシーの深みを与えていて、化粧や衣装によって七変化する様が超魅力的だった!

なんせ、デイジーの面影が全くない!!

直接制裁するシーンがないし、ニーナとのシーンもない、役を膨らませるシーンがないのに、完全にマリガンの役作りだけで、キャシーの過去や闇を想像させる演技、そして、ライアンに出会った時や一緒にいる時のライアンを見つめる乙女の目とか、本当に役作りが素晴らしかった!

マリガンの演技だけでも観る価値あり!

めちゃネタバレしてるので、これからご覧になられる方は、ごめんなさいm(_ _;)m