アナザースカイ…
え"っ…
どういうこと???
さすが浦井氏、天然ぶり炸裂!
(笑)
まさかの12年ぶりの再演。
いやー
初演と同じ鵜山さんの演出とは思えないくらいめちゃくちゃ良かった!!
初演の記憶は、一幕目に関しては、基本マイクなし(音量低め)、台詞の時は無伴奏、BGMなし、照明も暗め、ストレートプレイを観ているかのようなテンポ感の演出の印象でしたが、
再演版は、まるでレ・ミゼラブルを観てる感覚だった。台詞部にもBGMがあり、迫力あるアンサンブルの群像シーン、盆を使った舞台転換、同じ鵜山さんの演出だとは思えないくらいテンポ感もあり、
本当に鵜山さんの演出なんですか?と疑いたくなるくらいめちゃくちゃ良かった!
第二幕は、初演もしかり、井上君演じるカートンに泣かされまくりだった。
やっぱり、井上君は凄いわ!
ということで、まさかの12年ぶりの再演には驚きましたが、12年経ったからこその新たな気付きがあり、
初演の記憶も印象でしか覚えてないですが、一幕も二幕も初演よりかなりブラッシュアップされており、本当に見応えがある作品に昇華してました!
やはり、井上君は凄いとしか言い様がない!
いつものように3階席で観させて頂きましたが、あの広い梅芸の空間を支配する力は圧巻だった。
別に大袈裟な演技をしているわけじゃないのに、存在感、オーラが半端ない!
ムーラン・ルージュの時もそうだったけど劇場を包み込む包容力がマジ半端なし!
井上君のカートンは、初演の時よりもピュアさが増し増しで、酒飲みの飲んべえが、潤花演じるルーシーに恋をし、改心して酒もやめ(?)、ルーシーやリトルルーシーに対して無償の愛を注ぐ姿にもう涙涙。
ラストのお針子とのシーンが、死の直前なのにめちゃくちゃ救いを感じた。
初演の頃は神父さんのイメージだったけど、今回は、カートンは愛するルーシーのために犠牲を選んでも、決して孤独じゃない、一人だけど独りじゃない、あの世に行っても決して孤独ではない、救いを感じるシーンに思えてならなかった。悲しいシーンのはずなのに、凄く幸福感を感じた。それもあって、余計初演よりもめちゃくちゃ泣けた!
井上君とはアプローチは全く異なるけども、もう一人劇場空間を支配していたのが、ハマコさんこと未来優希さんだった。
いやー、めちゃくちゃ迫力が半端ない!目力が半端なかった!
ハマコさんは、元男役の杵柄と歌ウマ芝居ウマの実力が遺憾無く発揮されていて、身体全体から燃えたぎる復讐の炎が、リアルな炎として目に見えるようだった。
井上君とハマコさんの対照的な劇場空間の支配力はマジ圧巻だった。
そして、浦井氏のチャールズは、初演の時は、ルーシーを独占したい腹黒さがある印象がだったけども、再演版では独占欲というより純粋にルーシーと結婚したい想いが溢れるチャールズ像だった。もちろん、カートンに対する嫉妬心もあったかもしれないが、強調されていなかった印象。
チャールズも、カートン同様にピュアさが強調されていたイメージ。
初演の時は、歌う時の声のトーンに統一感がなかった印象があるけど、今回は、フランスからイギリスに渡りルーシーと出会った頃は高音で歌い、リトルルーシーが生まれ成長するにつれてトーンが低くなり、歌声でチャールズの成長を丁寧に演じていた印象。
当たり前だけど、天保~の三世次ともファンレターのヘジンとも180度異なる表現だったので新鮮だった。
第二幕の牢獄でのカートンとのシーンはめちゃくちゃ良かった。
自分は死ぬ覚悟をして、ルーシーとリトルルーシーをカートンに託そうとする想いと、ルーシーとリトルルーシーのためにチャールズを生かそうと自己犠牲を選ぶカートンとの、お互い恋敵ではあるがベクトルの方向性が同じ二人の掛け合いが最高に良かった!
チャールズとカートンとの♪今は子どものままで♪のデュエットというかあのシーンも良かった!
ただ、これは浦井氏が悪いわけではないが、この曲を引き立たせるために、チャールズとリトルルーシーのシーンを増やして欲しかったな。
どちらかというと、カートンとリトルルーシーのシーンが多くて、チャールズのリトルルーシーへの想いが今一つ説得力に欠けるんよね。何度も書きますが、浦井氏が悪いわけじゃないです。
そして、ルーシーを演じた、卒業公演以来の潤花が!
宝塚時代よりもめちゃくちゃ歌が上手くなってた!!
ロングトーンにマジ驚いた!
潤花は、ミュージカル作品でも現代風なお芝居をする人だから、演技ではなくて、素(あ、天然さんの素ではないですよ)で演じる所が魅力的で、今回も冴えてた。これは潤花にしか出せない間力(まりょく)で、場の空気が一瞬で変わるんよねー。
それから、なんたって、ラストのチャールズが生きて戻ってきたときの表情が過去一の素晴らしさだった!潤花がリアルにルーシーと一体化した表情だった!
この作品って、カートンの無償の愛が表テーマなら、ハマコさんと橋本さとしさん演じる夫婦の存在に代表されるように、復讐からは復讐しか生まれない、どこかで不幸の連鎖を断ち切らないと未来永劫誰も幸せになれない、といったメッセージが裏テーマだと思うんよね。
戦争もしかり、権力者だけが得する争いってナンセンスとしか思えない。
復讐心を煽って戦争に持ち掛けて、それで金儲け。
ほんまに理解不能。
と思うと、本当に良くできたミュージカルだと思った。
再演してもらって新たな気付きがあった。
私が観た回は、カーテンコールで二人の子役ちゃんズの初日挨拶があり、
最初に書いた浦井氏の言葉が強烈すぎて、潤花の宝塚時代ぶりの梅芸出演ということを井上君に振られて、なんて答えたか完全に忘れてもうた…。
浦井氏も潤花もお芝居センスはピカ一なのに、二人ともオフの天然ぶりはマジでおもろすぎ!!
(笑)