今日はシネリーブルの日

2011-11-15 22:25:50 | 映画
同じ映画館で上演中の園子温監督の「恋の罪」、ニコールの「ラビット・ホール」観てきました。

どっちが面白かったかと聞かれたら「恋の罪」と即答します。

以前からとても気になっていた園子温監督。決してエロ目的で観たかったのではなく、ラースの作品と同じ匂いを感じたので観ました。

「恋の罪」…、

お恥ずかしながら、実は泣いてしまいました。あの詩とマーラーのアダージェット、そして神楽坂恵さんの魂の叫び声に涙涙でした。

お詫び:マーラーの“アダージョ”でなく、“アダージェット”でした。すみませんでしたm(__)m

見終えた後、「ラビット・ホール」を観るまで外をふらついていたんですが、アダージェットが頭の中でリピートしていてずっと涙が…。1時間ちょっと余韻に浸ってました。

確かにエログロな作品ではありましたが、めちゃくちゃ良かったとは言えないけども、かなり良かった。ホンマあの詩とアダージェットは卑怯やわ。

一見、セックスに溺れる女性の話だと思わせといて実はそうじゃないってところが憎い演出でした。脚本的には上手く伏線を敷いているところもあるんだけども詰めが甘く、神楽坂さんの演技に未熟さがあって正直完璧な作品だとは思わなかったですが、ラストのあのシーンはホンマ泣いた。

私が感じたことですが…、本当の愛を知ったら、他のどんなセックスも価値はない。付け加えるならば、セックスという行為自体に価値がない。“愛のないセックスをするなら金を取れ!”(正確には“愛が無ければ金を取らなきゃ”です)。決して売春を強要する言葉ではなく、この言葉の裏の意味(真意)に園子温哲学を学びました。っていうかその通りだと思う。

私も好きなカフカの「城」がこの作品のキーワードになっているんですが、男も女も関係なく人間は皆「城」の主人公だと思います。

言葉自体は消えて無くなるものだけど、文字にしたら形として残るよね…。

なんのことかよく分からない感想ですが、もし興味があればご覧下さい。

それから、女優陣の脱ぎっぷりも一つの見所になっていますが、それ以上に特に冨樫真さんの怪演ぶりも見所です。自分で言うのもなんですが、全体的に人間の深層心理に迫っているところがあるので、見終えた後の感想はそっと自分の心にしまわれるほうがいいですよ。一人で観ることをオススメします。

今日のまとめ:あの詩、私も好きになりました。パンフに載せて頂きありがとうございます。

ひょっとしたら園子温監督はネームバリューで作品を観る監督かも…と思い、実は帰りにレンタルで「冷たい熱帯魚」を借りて観終えたばかりです。思ったよりはグロくはなかったけど、内容的には今一つでした。まだ監督の感性に曖昧な部分があるので、来年公開の「ヒミズ」で確かめたいと思います。

「ラビット・ホール」は後ほど…。

追記:そういえば…、「東電OL殺人事件」を題材にしたという桐野夏生さんの「グロテスク」読んだことあります。図書館で借りて。すごく分厚い本だった。

桐野さんの小説は「OUT」と「グロテスク」しか読んだことないんですが。今本の内容を思い出してぞっとしました。映画と似てる…。当たり前だけど…。
「グロテスク」はオウム事件へと話が進むんですが…それまでの姉の行動が…。

「恋の罪」観るの必然だったのかな…?ひょっとして導かれた?と思うとホントぞっとしました。