「愛の讃歌」

2011-05-28 21:39:36 | 舞台
何事にも邪魔されることなく観劇できたのはいいのですが、感想がまとまらなくてどう書けばいいのか正直迷ってます。

美輪さんの本を読み漁っていたとき、美輪さんの人生ってピアフの人生と被っていることに気付き、もう一人の自分の人生をどう脚本演出しているのか大変興味がありました。


思ったより普通だな~と思って観ていたら、ラストでやられました。

ピアフがテオに語り掛ける台詞で涙が一気に流れ出てきました。実家に帰る度に口癖のようにオカンが私に言っていた言葉があの台詞の中に混じっていて、まさかの台詞で涙が…。完全にやられてしました。あの時だけ美輪ピアフがオカンに見えました(笑)

美輪さんの本を読み漁っていたときから思っていたことなんですが、美輪さんが歌う「愛の讃歌」は無償の愛の歌ではないと思うんですが…。この舞台を観てもやはりそう思いました。

この歌は、あなたのことをめちゃくちゃ愛してます(狂おしいほど)!っていう歌であって、それが無償の愛の歌だとはとても思えないんですよね…。

無償の愛って与えぱなしの愛ですよね…?なんか違わくないですか…?そもそもマルセルとの愛とテオとの愛は全く別物だと思うですが…。テオに対する愛は無償の愛だと思います。

なんで美輪さんがこの歌を無償の愛の歌と言っているのかが分からなくてずっとモヤモヤしてます。

あれっ…、宇宙の愛とは言ってたけど、無償の愛とは言ってなかったっけ…。また勘違いしたかな…?

4時間近い舞台、全く退屈することなく観させて頂きました。美輪さん語録がたくさん散りばめられていてまさに「愛の讃歌」でした。

瞳子さんの「エディット・ピアフ」はざく切りなストーリーでしたが、美輪さんの方が自然な流れでしたね。暗転の繋ぎの曲がとても気に入ってます。なんの曲なんでしょうか?映画音楽みたいで結構好きです。

美輪さん、出ずっぱりなのに全く体力の衰えを感じませんでした。しかも二幕三幕と若返って見えたのは私だけかな…?

YOUさんが本当良い存在感が出てましたね。観る前は不安がありましたが、技術云々抜きにしてYOUさんのキャラがこの舞台の良いアクセントになってました。

主要キャストが本当いい味が出てましたね。ピアフの引き立て役でなかったのが良かった。テオの佐藤君が本当好青年でした。に見えた…。

あ、やっぱりテオの描き方がマルセルの描き方違う!マルセルもモンタンも無償の愛を描くための引き立て役やった。テオには彼の過去(生い立ち)が見えた!

これからご覧なられる方はここのところ注目してご覧下さい。

今日のまとめ:しのぶさんの「ピアフ」、大阪でも演って頂けませんか???しのぶさんもピアフの人生と被るところがあるんだよね…。どう演じるのか観たい!

あと、「毛皮のマリー2001」のDVD買って観ました。
完全に勘違いしてました。2009版と同じ脚本でした。ゲイダンサーズもいたし、大山デブ子もいた…。戯曲と違ったのはラストだけやった。しかもめちゃ無償の愛が描かれてました。この頃は無償の愛という単語知らなかったけど、やはり2001版の方が良かった。

P.S.とても中高生が読んでくれているとは思えないし、経験を積めば自ずと気付くことなので書く必要はないんですが、手遅れになる前に書いておきます。偶然読んでくれた君のために。

今、両親のこと、お父さんお母さんのことを、ウザイだの目障りだのと反抗している反抗期の君へ。

お父さんもお母さんも、新米の学校の先生と同じで、完璧なお父さんとお母さんやないんやで。君を育てていくことで本当のお父さんとお母さんへと成長していくんねん。お互い無意識に傷つけあって失敗して、そして成長していくねん。

今の君には確かにウザイ存在かもしれんけど、これだけは覚えてて。お父さんもお母さんも君と同じ一人の人間やから。

もし、今謝って事が解決するなら、たとえ君が悪くなくても勇気を奮って君の口から謝ってごらん?「ごめんなさい」という言葉は、「ありがとう」という感謝の気持ちへの始まりになるから。

じゃあまた!

宙組「美しき生涯」

2011-05-20 22:12:05 | TAKARAZUKA
昨日、しのぶさんのオールナイトを聴いたらすっかりモヤモヤが消え去り、今日は職場の仲間と飲み会があったのがキャンセルとなり、しかも仕事は休みだったので、元気を取り戻したところで急遽当日券で観てきました。

大劇場公演人生初の初日を鑑賞することになったのですが、とても初日とは思えない完成度の高さに驚きました。

幕開きだけ???だったのですが、祐飛さんがスッポンからセリ上がってからは完全に大石先生×石田先生ワールドにのめり込んでしまいました。

「紫子」がオスカル&アンドレ編なら、「美しき生涯」はフェルゼン&マリー・アントワネット編といっても過言ではないでしょう。なんせ脚本が素晴らしい! さすが「愛と青春の宝塚」の脚本家だけあるわ!と思いました。

伏線の引き方も上手いし、なりより大石先生の言葉の選択が素晴らしい(宝塚にしては生々しい台詞があるのですが、これは石田先生の演出が生々しくさせているんだと思っています)。ル・サンクで脚本が載っていたら絶対買います。

正直、戦国時代の武将って嫌いなんですよ。人殺しじゃないですか?だから戦国武将を英雄だと奉っている人が本当信じられません。ヒットラーを崇拝してるんと変わらんやん!って思ってしまいます。

でも、そんな裏切り、陰謀、殺戮の戦国の世にも、義と愛を貫いた武将がいたかもしれないと思わせるような石田三成像を描いた大石先生の脚本には本当感服しています。

そして石田先生の演出。独特な石田テイストも所々ちりばめられています。お笑いの要素としてヘビメタ的な音楽も使用しているシーンもありますが、全然許せるくらいそれ以外でちゃんと見せ場や見せ所を設けていたので全く文句ありませんでした。

やはり、祐飛&すみ花コンビは素晴らしい!石田三成は祐飛さんにピッタリ!愛と義の間で苦しむ武将像を見事に演じていました。
すみ花さんも、幼少の頃の茶々から大人の淀殿までの成長の過程を上手く演じられていて、この二人が引き起こす化学反応には本当驚くばかりです。これぞ出会うべくして出会った二人と言っても過言ではありません。

星組から異動してきたテル君も美味しい役を頂いていて、期待にちゃんと応えてました。

脇を固めるキャストもよくて、秀吉のマヤさんなんてもうピッタリ!あのやらしさはマヤさんにしか出せません。

おね役の美穂さんもゾフィ並の怖さを醸しだしていて好演でした。

ただ北翔さんがちょっと残念な役柄でしたが良い存在感を出してました。

純矢さんも美味しい役頂いていたし、組長さんもちょこっとだけでしたが存在感は偉大でしたし、秀吉の家臣を演じた面々もいい味出していたし。メインどころではないですが、風莉さんは相変わらず私のツボでした。

歴史に忠実なのかどうかは、日本史オンチの私には正直分かりませんが、史実でないかもしれないけど、史実であって欲しいと思えるくらいロマンチックな面もあればコメディの面もある素敵な作品です。

宝塚の回しものじゃないですが、たくさんの方に観て欲しいです。本当、脚本良いし、演出も良いし、なんせトップ二人が最高に良いです。また観に行きたいです。間違いないなく、すみ花さんが進化していると思うので。

でショーはというと…スミマセン、このショー私は苦手です。単調な展開が苦手です。見せ場はたくさんあるんですけどね…。


今日のまとめ:あ、お芝居の幕開き、家臣たちがせり上がるんですが、祐飛さんだ!と疑わず追いかけていたら、春風さんでした。めちゃ瓜二つ!

今日大劇場に行きし、武庫川の「生」の字が潰れてました。仕方ないか…と思ってましたが、帰りし、何人かの方で修復されているのを見ました。お疲れ様です、そして、ありがとうございます。

二週間しのぶさんの声を聞かないだけで生活が変わるなんて…。美輪さんの「愛の讃歌」を観てもこのモヤモヤは消えないと確信していたのに…。しのぶさんの飾らないトークに笑い共感するだけでモヤモヤが吹き飛ぶなんてね…。しのぶさんの声が清涼剤とリスナーの方が言われた意味を私も実感できました。そりゃそうだ、2月から欠かさず毎週聴いていたもんね。しのぶさんの言葉の力と存在感は本当大きい。




「MITSUKO」

2011-05-18 19:45:45 | ミュージカル
これまた観るつもりではなかったのですが、最近モヤモヤすることがあって気分転換にと観てきました。

観る前は正直不安がありました。小池先生のオリジナル作品の「NEVER SAY GOODBYE」のトラウマがずっと尾を引いていたので。

で、感想はというと…

「NEVER SAY GOODBYE」より断然良かった!かといってモヤモヤは晴れてませんが…。

「エリザベート」のゾフィがいるかのようなシーンが何個かあって全体的に「エリザベート」の作りに似てはいましたが、それでも内容的には本当良かった。

ミツコの一生を描いているのに、ミツコを取り巻く主要人物が決してミツコの引き立て役でなかったのが何より良かった。

そして、二部はほとんど息子リヒャルトの話が中心になっているけども、その若きリヒャルトの姿にミツコと彼女の夫ハインリッヒの血(生き様)が見えたし、ミツコの人生の中に世界史を上手く埋め込んでいたし、メッセージ性もあって、思っていた以上に良いストーリーでした。

音楽もまさかの生オケだったし、楽曲も良かったし、空間は同じ日本初演の「マリー・アントワネット」より清潔感があったし、舞台装置は断然「モーツァルト」よりも良いし、キャストも適役だったし歌上手いし、これからは安心して小池先生のオリジナル作品が観れます。

ミツコを演じた瞳子さん、ピアフより良かった。演じ方がピアフとかぶるんですが、歌がピアフの時よりも解放感があって素晴らしかった。「AIDA」を観た時も思いましたが、瞳子さんはこういった大作ミュージカルが似合う。

夫ハインリッヒのマテも日本語頑張ってたし、歌もそれなりに良かった。来日でトートを演じた時のあの歌い方が、これまた私にはトラウマだったので正直覚悟していたのですが、普通だったので安心しました。

その他のキャストも初めての方ばかりですが、未来優希さん、大月さゆさんは退団公演以来お久しぶりです!でしたが、皆さん存在感はあるわ歌は上手いわで、いろんな意味で新鮮さを味わいました。

国境を越えたキャストによる国境を越えた愛のミュージカル、めちゃくちゃ良いとは言いませんが、観て損はないです。特に宝塚版「カサブランカ」をご覧になられたことがある方には。観劇後きっと「後ろを振り向かずに」を口ずさんでしまうことでしょう。←それは私だ!

今日のまとめ:なんで今ごろ「カサブランカ」なんかミュージカル化しようと思ったのか観劇時疑問に思ってましたしたが、その理由が分かった…気がしました。

小池先生の次の「ロミオ&ジュリエット」はチケット難で観れない可能性が高いのでもう諦めていますが(今年は小池先生の作品全制覇したいんだけどな…)、星組の「オーシャンズ11」は楽しみにしています!映画は…私にはイマイチだったので復習せずに臨みたいと思います。でも、なんで「オーシャンズ11」なんやろ…?あ、ラスベガスか…。こだわるね、小池先生も。

それにしても小池先生意欲的だね。てっきり宙組か星組で「エリザベート」をすると思っていたのにまさかの新作とは。倒れないで下さいよ!

「ブラック・スワン」

2011-05-13 00:28:24 | 映画
例によってネタバレ(大ヒント)してます。書かない方がいいって分かっているんですが、書いてしまいました。ごめんなさい。

見終えた後、映画館を出るまで(外の空気を吸うまで)身震いが止まりませんでした。ってくらい私には「悪人」を観たとき以上の衝撃さがありました。

以前、自分のブログで、「妄想は健全な麻薬」なんて書きましたが、これは訂正します。

「妄想は危険な麻薬」です!

以前、江原さんの本を読み漁っていた時、妄想はいけない云々と書かれていたので、それ以来「妄想」という言葉を使わず「想像」とか「イメージ」という言葉に置き換えるようにしていたのですが、まさにこの映画は江原さんの言うことを実証しているかのようなそんな内容でもありました。

ストーリー的には、本当、妄想と現実のイリュージョンって感じの内容なんですが、視覚的にも内容的にも妄想の怖さが潜んでいるので、今現在、精神的に病んでる方は、そう自覚している方はご覧にならないでください、と助言しときます。


昔見た同じ監督の「レクイエム・フォー・ドリーム」に匹敵するくらいのメッセージが潜んでいて、個人的にも重なる部分があり、なんでこんな映画をこの時期に作ったん?どこからインスピレーションを得たん?と、直接監督に訊きたくなるくらい私には衝撃的でした。


オスカーをゲットしたナタリー、私を始終苛つかせるくらい素晴らしい見事な演技力でした。見応えあります。

精神的に問題のない方で、これからご覧になる方はくれぐれもイリュージョンに惑わされないようにだけ気をつけてご覧になって下さい。

今日のまとめ:偶然にしては私には凄くタイムリーな内容。詳しく書けないのが残念でなりません。普通に(?)生活していても起こりえます。

映画の内容とはズレますが…、

睡眠はしっかりとりましょう!

↑私が経験して学んだことです。

あと、「妄想」と「想像」の違いについても、江原さんの本や辞書などで自分なりに定義付けされてみても良いかと思います。

わ~、ちょーショック!
大竹しのぶさんのオールナイト聴くの忘れてた(大粒涙)






星組 二回目

2011-05-10 22:46:13 | TAKARAZUKA
いや~前回よりもパワーアップ、というか別物になってました!

退屈だったシーンも芸を磨き上げたみたいなユーモアさが倍増していたし、休演者が出てダンスシーンが慎重になるかと思っていたら、前回より激しさが増していたしで、全く退屈しませんでした。本当、時間が経つのが早かった!

前回見逃しただけなのかもしれませんが、ねねエストレーラの激しいダンスシーン(チエちゃんとのデュエット?)に驚いた、とても良かったです。

チエソールも前回よりも遊び心が出て、尚且つメリハリもあってとても良くなってました。「シナーマン」も溜めて歌い上げてくれて嬉しかったです。カタルシスを味わえました。そう、その溜めるところで拍手がありましたね、いやビックリ。

そして今日の一番の見所は…

やはり、ベニーのメール夫人!

なんかやってくれると期待してましたが、もう期待以上でしたね!

ほんまベニー最高やわ!本当、芸が細かい!ベニーのすることなすこといちいちツボにはまってしまい、特に「ベッサメムーチョ」はベニーのためのショーと言っても過言でないくらい最高に笑わせて頂きました、ありがとう!

ショーはかなり良くなりましたが、本当怪我だけが心配です。

お芝居はやはり同じところで涙がこぼれます。

今回思ったのは、幕開きのチエちゃんとベニーの絡み、アドリブ効かしたらいいのに。顔で踊る…長台詞云々…台本通りでなくアドリブで繋げた方が新鮮で面白くなると思うんですが…。他のシーンでもアドリブにした方がいい台詞もありました。アドリブに関してはやはり、ショーも含め組長さんは長けているなと思いました。

それから、97期生のラインダンス、やっぱり良いよ!今まで見た中で一番印象に残る楽しいラインダンスですね。生まれたてのヒヨコたちが愉快に踊ってる感がアニメちっくでかわいい。

ちなみに今までみた中で一番の印象に残る衣装は「この恋は雲の涯まで」。あれは奇抜過ぎて忘れられん(笑)

今日のまとめ:ショーもお芝居も本当に良いので、東宝、福岡、名古屋でご覧になる方ご期待下され!