第二回 「ムーラン・ルージュ」

2009-04-30 12:14:29 | ニコール・キッドマン
これは私がニコールファンになるきっかけの作品です。今でも1番大好き作品です。

2001年第54回カンヌ国際映画祭でオープン作品として上映され、レッドカーペットでは映画に出てくるダンサー達がダンスして登場するという演出で盛り上がりました(多分。←CATVで再放送で見たので私個人的には盛り上がってません…当時はカンヌに興味がなかったもので)

監督は、今年ニコールとヒュー・ジャックマンを主演に迎え、全てオーストラリア人キャスト、スタッフによる正にオーストラリア人によるオーストラリアのための作品、その名も「オーストラリア」を手掛けたバズ・ラーマンです。レオファンの方なら必ず見たであろう「ロミオ&ジュリエット」の監督でもありす。

独特のビジュアル効果を駆使し、映像監督としても才能があります。引きとアップを巧み使用したりと独特な世界感を持っているので私の好きな監督の一人でもあります。

作品の内容はというと…ムーランルージュ(赤い風車の意見)という娼婦館を舞台に、ニコール演じる娼婦とユアンマクレガー演じる作家青年のラブコメディー&ロマンス。テーマは愛、真実、自由、美です。詳しいストーリーは実際に観て下さいね。

「オーストラリア」でも思いましたが、前半に集中される監督の笑いのセンス、つかみ(漫才の前座のようなもの)に乗っかることが出来ないと、きっと最後まで観てもつまらない作品だと思います。書き込み、友人の感想から私なりに分析した結論です。もちろん、私は両作品ともつかみに乗っかって最後まで観て感動しましたよ。

しかも、往年のヒットソングをそのままの歌詞を使用した斬新なミュージカルということで、突然歌い始めるミュージカルの世界感にもついてこれない方にはつまらない作品かも知れません。もちろん、私はミュージカルが大好きです。この作品に使用される曲はどれも好きなので、上手く作品と同化させたという点でも完全にバズワールドにはまってました。

使用曲といえば…ビートルズ、ジャズ界の巨匠ナット・キング・コール、伝説のロックバンドのクィーン、ニルヴァーナ、T-レックス、ポリス、キッス…等、現役だと、U2、マドンナ、エルトン・ジョン、ファットボーイ・スリム、フィル・コリンズ、ポール・マッカートニー、デビット・ボーイ等。他の映画からは、「紳士は金髪がお好き」「ボディーガード」「愛と青春の旅立ち」。ミュージカルからは「サウンドオブミュージック」。クラシックからは「カンカン」。そして、テクノ調にアレンジされたインドミュージックなど…。パンフレットから引用しましたが疲れて書ききれません。

豊富な曲揃えなので見応えも聞き応えがあります。使い方も凝ってて面白いですよ。カイリー・ミノーグも出て歌ってます(昔大ファンだったので復活したカイリーが見れて嬉しかったです)。マドンナの曲で二人のおじさんが踊るシーンは最高に笑えました。

ちなみに、私のお気に入りは、オリジナルソングの「COME WHAT MAY」とエルトン・ジョンとニルヴァーナの曲です。

プチトリビア:この作品で使用された曲はM1グランプリで漫才コンビの登場の時に使用されてます。そういえば、他の番組で鳥居みゆきがよき歌ってました。

この作品は、2001年度第74回アカデミー賞の作品賞とニコール初の主演女優賞等にノミネートされました。それ以来、翌年の「シカゴ」では作品賞等、「ドリームガールズ」では助演女優賞を獲得し、「プロデューサーズ」「マンマミーア」「オペラ座の怪人」「アクロス・ザ・ユニバース」「レント」…と映画界に再びミュージカル旋風を巻き起こした先駆けでもあります。私は「プロデューサーズ」「シカゴ」「オペラ座の怪人」しか見てませんけど…私個人の意見としては舞台は映画より生で観るのが1番ですね。

ミュージカルファンだけでなく、ビジュアル効果ファンの方も楽しめますよ。全編バズワールド全開で、遊び心もあるとても楽しい映像群ばかりです。たくさん細かい演出があるので探るだけでも面白いと思います。

あまりにも思い入れが強いので作品紹介だけでも長文になってしまいました。ということで、今日はこれまでにします。

次回は「ムーランルージュ」第二弾、作品中のニコールの魅力、その他のキャストの魅力に迫っていきたいと思います。

今日の紹介文で作品に興味を持たれた方は、前半のギャグに乗っかってラストまで突っ走って下さいね。

今日のまとめ:また乱雑な文章になってしまって申し訳ありません。
「ムーランルージュ」だけでも一週間分は書けそう…。今日のだけでも三日分は書けたのに、惜しいことした…。
そういえば、「プロデューサーズ」も当初ニコールがユマの役をする予定だったな…。出なくて正解だったね…。
近年のミュージカル映画の先駆けは、「ムーラン・ルージュ」より前にカンヌで上映されたラースの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」かもしれない…。いや、マドンナの「エビータ」かな…。どっちでもいいか…。ちなみに「エビータ」は舞台より映画の方が良かったです。
皆さんのご意見お待ちしてます。

ドッグヴィル

2009-04-29 02:43:24 | ニコール・キッドマン
もうすぐカンヌ映画祭ということもあり、いつかまたニコールの作品がカンヌで出品されることを願って、かつてニコールがカンヌに足を運んだ作品を紹介したいと思います。

第一回 「ドッグヴィル」

あえてストーリーは書きません。面倒臭いからではなく、実際にレンタルして鑑賞して頂きたいからです。

ここから先は多少ネタばれが含まれているかもしれませんが、気を悪くなさらずして拝読願います。

監督は今年カンヌで私が1番注目しているラース・フォン・トリアーです。かつて「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で最高作品賞パルムドールと歌姫ビョークに主演女優賞をもたらしたことで有名です。

そして、この「ドッグヴィル」は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で監督が足を運んだことのないアメリカの話を作ったということを批判され、それに対抗して作られた「アメリカ」を題材にした三部作の第一部です。

ちょうど9.11事件後に製作され、当時のアメリカとイラクの関係を題材にしアメリカを批判した作品であるということで話題となり、そして、ニコールの今後の活動が危ぶまれると噂されたくらい批判の多い作品でした。それでもニコールの演技と努力が窺い知れる、まさにニコールの代表作になったことには間違いないです。

チョークで描かれた区画に簡易で陳腐な安いセット。まるで舞台を見ているような空間。ドッグヴィルという田舎街に一人の女性グレースが迷い込んでくることから始まる人間曼陀羅不条理劇です。

アメリカに関係なく、日本においても起こりうる人間社会がテーマです。私の周りにもこんな人間いる!と思いながら見ているうちに沸々と怒りが沸いてくるくらいでした。

この街に住む住民はどこにでもある一社会の一員です。誰かのためにしたことも、人間性を評価されるわけではなく、自分の都合のいいように利用され、裏切られる。また、誤解が生じたり、他の誰かを傷付けてしまう。人の弱みに付け込み、虐待が繰り返される。一人ではなく集団で…。私がグレースなら最後は同じことをしたでしょう。しかも早い段階で。

この作品を通じて自分の人間性を問われると思います。もしあなたがグレースなら…と。

アメリカとイラクに置き換えて観てみるとまた違った考え方が出てくるでしょう。

明らかにグレースがアメリカで、街の住民がイラクです。この作品のキーワードは「傲慢」と「権力」です。グレースがこの街に来て始めたことも傲慢からくることです。そのために被った虐待は仕方ないことなのかもしれません。だからといって…。

自分の尻は自分で拭く。生き続けるべきだったのか、死ぬべきだったのか、今の私でもやはり、グレースと同じことをしたでしょう。ですが、グレースがとった行動を正当化するということはアメリカがしたことも正当化することになります。果たしてそれを正当化してよいものなのか…。

考えれば考えるほど、どうすれば社会がよくなるのか、世界が平和になるのか考えるきっかけになると思います。私が学んだことは郷には郷にしたがえ。出来なければ立ち去れでした。

もしあなたがグレースならどうしますか?「ドッグヴィル」をご覧になった方の意見を聞かせて下さい。不条理の中にも斬新なカメラワークや高い芸術性もあるので初めての方も是非一度ご覧下さい。

今日のまとめ:文章にまとまりがなくて読みにくいことをお許し下さい。
この作品、ニコールのファンでなければ観ることなかっただろうな…。
オバマ大統領はブッシュ政権時の尻拭いもしないといけないから負担が大きいでしょうが、世界平和のために頑張って下さいと祈るばかりです。


MARGOT AT THE WEDDING

2009-04-25 18:31:03 | ニコール・キッドマン
(ネタばれのためご注意下さい)

本日中にレンタルDVDを返却しないといけないので、返却前にもう一度見ました。その感想をお伝えします。

この作品はニコール・キッドマンの作品にしては珍しく日本未公開の作品です。

監督は、「イカとクジラ」の監督さんです。「鯨に乗った少女」のを監督だと勘違いしてました…。

この作品は、正直つまらなかったです。ニコールが低予算作品に出演することは大賛成なのですが、作品より監督で出演する傾向があるようで、この作品もその代表かなって思いました。

妹、息子、妹の許婚、隣人、不倫相手、別居中の旦那、ベッキーという謎の女性…

妹の結婚式を目の前にして、妹と姉のニコールを取り巻く複雑な人間関係を淡々と描いてる作品です。

見終えた後の感想…メッセージは何だったの…?
家族は大事ってこと…?一人では生きていけない…?

そこまで深く追求する内容ではありませんでしたが、最後まで淡々としていたので、何が言いたかったんだろう…?って思ってしまっただけのことです。

淡々と進む中にも、妹の秘密を暴露する姉、最後まで妹の許婚を認めない姉、姉の行為に我慢仕切れなくなる妹、隣人との関係に火に油を注ぐ行為をとる姉、妹の許婚の浮気発覚、姉の不倫と別れ、思春期の悩み、マザコン、ゲイ疑惑…

よく考えたらキリがないくらい問題点を浮き彫りにしてましたね。きっと、家族の崩壊から再生を描きたかったんでしょうか…。ずっと崩壊と再生を繰り返しそうな終わり方でしたね。結婚式は崩壊しましたが…。

結局のところ、複雑な人間関係の割には淡々と話が流れている、分かり易いという点に於いては監督の手腕が光ったのでしょう。メリハリがない点でつまらなかったです。

最後に、妹の許婚を演じたジャックブラックが最高に良かったです。最後までダメ男を演じてました。

とうのニコールはというと…ニコールにしては珍しく嫌みな女性を演じていましたね。でも、息子思い(←今思うと母子共々依存しあっている)、実は淋しがりやという面を上手く表現していたと思いますよ。

妹役のジェニファー・ジェイソン・リーも良かったです。「ルームメイト」の時より歳をとってしまいましたが、ハスキーな声と溜まった怒りが爆発したときの演技を今回も見ることが出来たので嬉しかったです。

今日のまとめ:つまらなかった割りには内容が濃い。良い面を探して書いている内に、実は秀作かもしれないと思い始めた…。
結局ベッキーって何ものだったんだろう…お母さんの名前かな…DVDを買おうかな…