エディット・ピアフ

2011-02-20 02:55:35 | うらけん
アメリカかイギリスの翻訳ものを観ている感じでした。脚本も演出も日本人なのに、ニール・サイモンの戯曲ものとか加藤健一事務所で演じらてそうな翻訳ものの独特の雰囲気がありました。

初め、瞳子さんと佐藤さんのやりとりや話の流れ方が非常にぬるいな~大竹しのぶさんならもっとメリハリきかしてくれるのにな~と思って観ていましたが、演出自体がぬるいんだと気付いてからは、だんだんそのぬるさが昔を思い出して心地よくなってしまいました(笑)

昔昔、宝塚とは別に純粋にお芝居が舞台が好きだった時代に観た海外ものと雰囲気が同じでした。ここ十年以上そんな舞台を観ていなかったので懐かしさが込み上げてきました。

作品の内容ではなく、その懐かしさが本当心地良くて3時間20分全く長く感じませんでした。瞳子さん歌いまくってます。確かにミュージカルというよりは音楽劇です。が、私にはストレートプレイでした。もう少しノスタルジーにひたりたかった。

宝塚みたいに、これといってドラマチックな劇的な演出が施されているわけではない、淡々としたストーリー。

観る前は、マルセルの死後「愛の賛歌」をピアフが力の限り歌いあげるんだと想像してました。マルセルの死以外にももっと劇的な演出も加えられたはずなのにいつの間にか月日が過ぎ去っていたり…。なんか年譜に忠実に時々フィクションを混ぜた感じで、時々見え隠れするアットホームさがノスタルジーにひたる要因だったと思いました。


瞳子さんはどの曲も歌い方を変えて歌われていてとても素晴らしかったです。さすがにピアフが降りてきたようには見えませんでしたが、年代ごとに演じ分けられていて本当器用だな~と思って見てました。

モンタンとテオの浦井君。「宝塚BOYS」以来ですが、モンタンもテオも、髪型以外はそんなに違いは感じませんでしたね。本人は明確に演じ分けていたのかもしれませんが…。いくら二役といっても極端に演じ分ける必要もないと思うし、どちらも浦井君の等身大のままで良かったと思います。瞳子さんとのデュエットも息がピッタリでした。ま、あのダンスはいらんかったかもしれんね(笑)

浦井君だけでなく、瞳子さん以外は本当出番が少なかった。相手役のはずの浦井君や鈴木さんも含め皆さん、極端にいうとピアフの人生の一部に花を添えるだけの役だったのがある意味贅沢なキャスティングでもあり、もったいないキャスティングだなと思いました。

ま、その出し惜しみが逆に良かったのかもしれませんが…。正直にいうと、中嶋さんの演技をもっと観察したかった。ベテランさんなのに一度も拝見したことなかったので。

訂正:実は、一度中嶋しゅうさんが出演されている舞台を観ていたことが判明致しました。作品は2000年に新国立劇場で上演された栗山民也さん演出で樋口可南子さん主演の「欲望という名の電車」でした。たまたまパンフレットを開いて見たらしゅうさんの顔写真とプロフィールが載っているではありませんか!?しゅうさんが演じられた役、正直記憶にないんですが、ちょっとビックリしました!もう1つおまけに、栗山さん演出のしのぶさん主演の「ピアフ」大阪公演のチケットGETしました!絶対観たい!!!無事観れることを祈りますm(__)m だって…。

今日のまとめ:「愛の賛歌」…私の燃える手で~バージョンでしたね。もし美輪さんのピアフが観れるようであればその時は「愛の賛歌」について語りたいと思います。今回は「愛の賛歌」に重点が置かれてなかったので語るのやめました。

次回の観劇は同じドラマシティの「ヴァレンチノ」。祐飛さんが幕開きの無名の若者をどう演じるのか興味津々です。ひょっとしたら演出が変わっているかもしれませんが楽しみにしてます!

あっ、その前に月組ですね。演出の意図が読めなくて怖いのですが…何故「美女と野獣」なん?何故、キリヤンに野獣の役をさせるん?怖いもの見たさで拝見させていただきます。


花組「愛のプレリュード」「Le Paradis」

2011-02-08 23:04:13 | TAKARAZUKA
真飛聖さんのサヨナラ公演。

お芝居は、ゆうさんのサヨナラを意識しただけあって、サヨナラだからオッケーなシーンが何個かありました。サヨナラでなければ「オイオイ、そこは君ぃ~」と演出家にツッコミを入れてます。

ゆうさんファンにとっては最初の泣き所なのかもしれませんが、一瞬ストーリーの軸がズレたのかと思うシーンがあって、ラストでちゃんと軌道修正されてのは良かったのですが、ゆうさんのサヨナラでなければとても違和感を感じるシーンがちらほらと…。

こんなこと言ってダメ出ししているように思われるかもしれませんが、全体的に良かったです。メッセージ性が強くて、特にゆうさんファンでない私でも涙が零れました。また、生オケのBGMがとても効果的で、まるで古きよき時代の洋画を観ている気分になりました。

それから、このお芝居は鈴木先生の大劇場デビュー作なんですが、場面転換が正塚先生みたいで、盆は回るわ、セリは上がるわで見事な場面転換でした。しかも自然な場面転換だったので、本当よく計算されているなと思いました。テレビの画面じゃ伝わらない場面転換、大劇場ならではです。これ見所。

ショーはパリの雰囲気が出ていて、同じ演出家でも「Exciter!!」ほどの派手さはありませんが、こちらもゆうさんのサヨナラ仕様になってます。

久々に、これぞ黒燕尾!を見たかもしれません。宝塚はやっぱ大人数での黒燕尾が似合います。

ショーは…オーソドックスな宝塚の雰囲気を味わいました!って感じですかね。

最後に、お芝居もショーもたくさんの方に観て欲しいと単純に思ってしまいました。男役最後のゆうさんをたくさんの方に見送って欲しいと心から思います。

今日のまとめ:真飛聖という人のイメージ…その昔「ベルばら2001」でアラン役をされていた時、メインキャスト揃ってのインタビューで、なんて愛想がないんだろうって思ってました。違う人だったのかもしれませんが、スカイステージに加入するまでの約十年間、ずっとそのイメージを持ってました。

スカイステージに加入してゆうさんの素顔を拝見し、十年間のイメージが一気に払拭されました。めちゃくちゃ明るいし、愛想いいし、真面目だし、ツッコミもイケてるし(笑)

ゆうさんの作品は、生の舞台は今回の作品と「虞美人」しか観たことありません。テレビではトップになられてからの他の作品も観ました。

どの作品にも、クールそうで情熱的なゆうさんがいて、それぞれに楽しませてもらいました。

ゆうさんの作品で1番好きなのが、「太王四神記」のタムドクです。何度も録画ビデオを観てました。

もともと花組子でないのに、花組に異動となり、そしてトップ。異例な花組トップさんではありましたが、「虞美人」を観て、真飛聖は花組のトップさんだと思いました。星組でなくて。

春野寿美礼さんから受け継いだバトンを直接壮さんに渡せないのは残念ですが、男役最後の日まで、真飛聖の男役像を追求して、ファンの皆さんを泣かして下さい。