雪組「蒼穹の昴」

2022-10-30 20:00:11 | TAKARAZUKA
深読みしなければ普通に良い作品だと思うが、政治的背景を鑑みると日本に亡命することは果たして幸せだったのだろうか…と思ってしまった。

ま、中華民国の創始者孫文も日本に亡命していたことを考えると、咲ちゃん演じる粱文秀は、孫文をモデルにしているとも言えるね。あ、きっとそうなのかもしれんね。←めちゃ適当…(汗)


ということで、雪組公演を観てきました。

冠が付いていないのに、めちゃめちゃ豪華な舞台美術に衣装。昴の星の宿命と孔子の教えに導かれた主人公達の数奇な運命。歴史の歯車に翻弄される登場人物たちの運命を短い時間で描かれた大スペクタクル作品でした!

昴の星の宿命に導かれるまま出世していく咲ちゃん演じる文秀と、昴の星の宿命が偽りだと気付きながらもチャンスを物にして出世していくアーサ演じる春児。

対照的な二人の生き様を描きつつも、西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱といった中国史において欠かせない登場人物の運命も描かれており、世界史のおさらいが出来て楽しめました。っていうか、Wikipediaで検索して勉強することもあった。

西太后を悪女に描いていないのはとても斬新でしたね。というか、ミュージカル「エリザベート」のゾフィもなんだかんだで悪女には描かれてないもんね。

ま、それよりも、

全体的には、生きる、生き続けることがテーマだとは思うが、ぶっちゃけ、日清戦争や日露戦争で勝利し、調子に乗りまくっていた日本の政治的背景を想像すると、ラストは果たしてハッピーエンドなのだろうか…と思ってしまったが、孫文が中華民国建国前に日本に亡命していたことを考えるとめちゃめちゃ腑に落ちた。

と同時に、光緒帝と西太后の時代からラストエンペラーの愛新覚羅溥儀の運命であったり、裏切り者のレッテルを貼られている袁世凱の生き様(Wikipedia参照のこと)にも繋がる展開でもあったので、内容としては悪くないが、なんだか日本を美化し過ぎているようにも感じてならなかった。

まあね、中華民国建国に繋がる物語だと思うので、史実上間違ってはいないと思うが、清国のラストエンペラーである宣統帝の溥儀が退位し、後々、溥儀を利用して満州国を建国した日本のことを思うと、なんだかな〜…とはついつい思ってしまう。

そもそも、縣千君演じる光緒帝がめちゃくちゃ溥儀の人生と被るので余計穿った見方で観てしまっていた。

ぶっちゃけ、それこそ、本作品同様、日本のジャーナリズムを登場させていた植田御大の「紫禁城の落日」は、政治的依怙贔屓を感じさせない見せ方だったので御大の思想に共感してしまった。

だからといって、原田先生や原作者の浅田次郎さんが嫌いと言っているわけではないので悪しからず。

ま、早い話が、歴史を知らない方が素直に楽しめる作品であると言いたいだけです。

歴史的背景を知った方が楽しめるのか?知らない方が楽しめるのかは正直判断しかねますが、

原作ありきの作品ではあるものの、コンパクトにまとめられていると原田先生の手腕に感服しています。

噂通りあまり娘役には活躍の場は少ないものの、代わりに男役はめちゃくちゃ活躍の場が多くて見応えがありました。

主人公の文秀演じる咲ちゃんの秀才ぶりは見た目通りで素晴らしい。ただ、第一部の文秀は文句なく良い人なんだけど、第二部の文秀がやろとしていることは、決して良いことだとも言えないのも正直なところ。やろうとしていることは、結局マリンさん演じる栄禄やマナハル君演じる袁世凱と変わらない。それで日本に亡命って…。モヤモヤする。ま、原作を読んでいないのでなんとも言えないが。

文秀が孫文のモデルであるならば、腑に落ちるが…。

って考えると、アーサ演じる春児と希和ちゃん演じる玲玲の兄妹の存在が唯一の救いになった。

春児もまた昴の星の宿命に翻弄されながらもチャンスを手にして出世していくが、心は貧しい子供の頃と変わらない。

玲玲もまた成長しても昔のままピュアな心を持っている。希和ちゃんの出番は少ないが、希和ちゃんのシーンは、あの政治改革を目指す野郎社会の重たい空気の中で唯一の心安らぐ時間だった。

私にとっては、この二人と諏訪さきちゃん演じる嗣同の存在が唯一の癒やしだった。

アーサ演じる春児がまたピュア過ぎてラストは泣けた。野心があるように見せかけておいて最後までピュアな青年のままだったのも癒やしであり救いでもあった。

それにしても、春児や文秀、そして玲玲にあんな台詞を言わせるなんて!原田先生エライ!!

ここに賛否両論があると思ったが、いやいやいやいや、綺麗事で話を進めない原田先生の決断は素晴らしいと思ったよ。

光緒帝を演じた縣君がめちゃくちゃ素晴らしい!

シティハンターの海坊主が嘘なくらい、幼少期から政治の渦に巻き込まれ翻弄された光緒帝を見事に演じられていました。

とっても純粋に光緒帝を演じられていて、彼の存在が後々の溥儀の運命に繋がる役作りだったので、歴史の歯車を感じる素晴らしい演技でした!

カチャ演じる光緒帝も、出番は少ないが見せ場があってカッコ良かった!

全ツ主演おめでとう!カチャが星組でトップになるとは思ってはいないが、どこかの組でトップになって欲しい!その時は、「ポーの一族」の再演または続編をやって欲しい。さゆみ氏のエドガーに対抗できるのはカチャしかいない!

西太后のヒロさん。ぶっちゃけ、男役にしか見えなかった。声的にはいっちゃんさんが適任だとは思ったが、ま、ヒロさんかの白太太はないな。でも、悪女で名高い西太后ではあるが、光緒帝を想う気持ちや国を憂う気持ちを母のように表現されていたのは素晴らしかった。

そら君がめちゃくちゃカッコ良くてビックリした!最初から最期まで西太后に対して復讐心でいっぱいな役をカッコ良く演じられてました。

いやー、忠兵衛が嘘なくらいええ声やった!ま、確かに、ええ声の忠兵衛はリアルじゃなかったかもね。

マリンさんの見事な悪役ぶり。マナハル君の腹黒い演技も上手かった!

諏訪さきちゃんもしかり、たとえ出番は少なくても、決して周りに埋もれることなく存在していて、芝居の雪組の底力を味わいました。

そうそう、天月翼君も素晴らしかった!専科並みの演技だった。

一人一人、本当に際立ってた!

ゆうちゃんさんの伊藤博文、めちゃくちゃリアル!必見!!

ブロマイド買うべきやった…。

謎の美女ミセス・チャン役のあやちゃん。大劇場では可愛い役ばかりで物足りなさがありましたが、今回は大人な役。やっぱ、あやちゃんは大人の役が似合う!「ボニー&クライド」が楽しみ!チケット取れますように!

今回、娘役の中で、希和ちゃんとあやちゃん以外で際立っていたのが、音彩唯ちゃん。ぶっちゃけトップオーラがあった!これから注目させて頂きます!

最後に、

この作品で希和ちゃんが卒業されます。出番が少なくて非常に残念ではありますが、今回の玲玲は、今までのような男勝りではないピュアな娘役像で、少女から大人へと成長する過程を丁寧に演じられていました。

前にも書きましたが、希和ちゃんの役は、男社会の中で唯一の癒やしの存在でした。それは決して忘れられない存在です。何年か経ってスカステで放送されても観る者にとっては貴重な存在になっていると確信しています。

シティハンターの槇村香役は、希和ちゃんにしか演じられない、役者魂を感じる見事な役作りでした。

世間に言わせれば、希和ちゃんがトップなったことは奇跡だったのかもしれないけど、私には必然だと思っています。若い娘役だけがトップになるなんて夢がなさすぎです。頑張ってさえいれば、新人公演を卒業しても娘役トップになれるチャンスがあることを希和ちゃんが証明してくれました。

あと大劇場公演数日と東宝公演。お芝居のラストの衣装とショーのデュエダンの衣装を着ているときの希和ちゃんの目が、とてもキラキラ輝いてとても印象に残る美しいシーンとして焼き付いています。

東宝のお客様にも同じように思ってもらえると確信しているので、最後まで娘役として輝き続けて下さい!













花組「フィレンツェに燃える」「Fashionable Empire」@ホクト文化ホール

2022-10-27 01:11:00 | TAKARAZUKA
ほーほー、これが柴田先生版「白痴」なんやね。

確かに白痴の要素満載あり。柴田先生の初期作品だけあって、ここから「琥珀色の雨にぬれて」「哀しみのコルドバ」「炎のボレロ」「仮面のロマネスク」に繋がるその原点を観させてもらった感覚です。

ぶっちゃけ書くと、みんな間で芝居をしている上に、前半は照明が暗いから正直めちゃ睡魔が襲った。隣に座ってた女性は10分足らずで寝入ってたよ。

後半のカーニバルを挟んで物語が進む演出で脳が覚醒されました。あの見せ方好き。

逆にショーが明るいしパワフルだから良いものの、お芝居はぶっちゃけ全ツ向きではなかったとは思うが、温故知新、古き良き宝塚作品のリバイバル上演は全ツでしか上演出来ないからこればかりは仕方ないね。

ということで長野に来ました!

そして、長野で上演してくれてありがとう!私の地元ではないけど(笑)

以前、柴田先生もドストエフスキーの「白痴」を上演したかったという記事を読んだことがあったので、あまりのシンパシーさに柴田先生ロスに陥ったワタクシではありましたので、今作はなにがなんでも観たかった!評判はいかんせん。

実は、ワタクシ、花組の当時トップだったオサさんにムイシュキン公爵を演じて頂きたく、歌劇団に勝手に脚本を送り付けて返却された苦い経験がございます(笑)

それくらい、ワタクシの大好きな「白痴」の柴田先生版ということで、なにがなんでも観たかった!

実際は、梅芸のチケット取れず、たまたま休みの日の長野公演の戻りチケットを運良くゲット出来たので長野までやってきたわけでございます。

イタリアを舞台に、しっかり「白痴」の世界観を描かれていて、めちゃくちゃ良かったとは言い難いが長野まで来た甲斐があった作品でした。

真実の愛とは違う愛の二面性。

これは、主題歌の歌詞通り狂おしい恋をしないと理解出来ない内容でしたね。

人間は娼婦になるために、人殺しをするために生まれてきたわけでない。出会った人、育った環境によって人格が形成されていく。生まれながらにして悪人なんていない。

そして、人格は白か黒か一面性だけでなく、いろんな側面を持った多面性があるのが普通。

世の中、完全に善人、完全に悪人は存在しないと私は思っている。

レイちゃん演じるアントニオとマイティー演じるレオナルド兄弟は正反対の性格。

アントニオとまどかちゃん演じるパメラには、誰にも理解しがたい惹きつけ合うものがある。

レオナルドとパメラには似たような血が流れている。

パメラはどんな男をも虜にしてしまう魔性の女であると言いたいわけではなく、

パメラの中にある二面性が男を惹きつけるのである。

ラストの、レオナルドの目を見てパメラが死んだことに悟ったアントニオの台詞にあるように、

パメラの中に純粋な側面とそうでない側面があり、それぞれに人を惹きつけるのである。

アントニオとパメラにしか分からない惹きつけ合う力。社会の物差しや社会レベルならば、不釣り合いな関係ではあるが、魂のレベルでは同等。

社会レベルでは不釣り合いのために離れ離れにならなくてはならないことは、世間一般的でもよくあること。

狂おしいまでに愛しているのに、魂レベルでは愛し合っているのに、この偽善に満ちた社会で生きていくために諦めなくてはならないことは多々ある。

魂レベルで結びついているから離れるのは命を削るくらい苦しいのである。

この世の中、魂レベルで惹きつけ合った者がこの社会で生きていくことは大変難しい。既に結婚していたり、社会的地位があったり、住む場所、人間関係など、社会のしがらみが二人を隔てる。

You Tubeを観ていると魂レベルで結ばれたカップル動画をよく目にするが、それはほんの一部に過ぎないと言えよう。

本来ならば、既婚していると、離婚して結ばれるのが理想だが、そう簡単に「ハイ、離婚しよう」なんていかない。魂レベルで結ばれるカップルには何某の犠牲と覚悟が必要になってくる。しかも、傍から見たらワガママ自分勝手な行動と思われるのがオチ。

自分の人生なのだから自由意思で生きていくことが1番の幸せなことなのであるが、社会のしがらみの中で生きていくには乗り越えないといけない障害が山とある。それが魂レベルで結ばれた試練なのである。

パメラは、社会レベルでの相手の幸せを願うことで真実の愛より強い宇宙の愛を学ぶことができた。それはそれは辛い覚悟なのである。

というのが、ドストエフスキーの「白痴」なんですよ。また、柴田先生の「フィレンツェに燃える」なんですよ。

そこから、上記に挙げた作品に繋がると思うと、めちゃくちゃ柴田先生ロスに陥った。あー、柴田先生にもう一度お会いしたい!

なので、このご時世、どういう経緯でこの作品が選ばれたのかは分かりませんが、柴田先生の魂に触れられてめちゃくちゃ嬉しいです!

レイちゃんは静、マイティーは動。私の中では、本来のイメージ通りの役が回ってきた印象です。

ヒゲを付けたレイちゃんは、まるでバトラーそのもの。めちゃ似合ってる!全然出来るよ!

マイティーは、動というより明、または朗。決して悪い人間ではない。貴族社会に疑問を持った先見の明がある人物。

兄アントニオのためにパメラと引き裂こうとして逆にパメラに堕ちる役どころ。「白痴」のロゴージンと同じ。

どちらかというと、マイティーとヒトコちゃんでロゴージンを二分した感じだったけどね。

まどかちゃんのパメラはめちゃくちゃ難しい役どころ。ベルばらのポリニャック夫人みたいに貴族と結婚することで地位を築いてきた。しかも4度目。そして、死別した前夫公爵殺害の疑惑がもられている。

舞台上では、パメラはただの成り上がり者で殺人者なのかは結局のところ分からない。まどかちゃんがどう役作りするかで観客の印象が異なる。

私が感じるかぎりでは、まどかパメラはどの夫も真剣に愛したいたと思う。ときには、ヒトコちゃん演じるオテロのような男と行きずりの恋愛もしていたかもしれない。

この作品の大事なメッセージは、どんな過去を背負っていても今が大事だということ。いろんな過去があって学びを得て生まれ変わって今があるなら、過去はそのためのお勉強にすぎない。過ちを繰り返すならまだまだお勉強が足りないとしか言えないないね。

白痴のナスターシャは、ムイシュキン公爵に出会ってピュアな心を取り戻すが、どんなに魂で惹かれ合っていても、結局社会の自分に対するイメージや自分の立ち位置から逃れることができなかった。

パメラもまた同じことが言える。なので、まどかちゃんの役作りはめちゃくちゃ良かった!

魂で結ばれているのに別れないといけない苦しさをとってもリアルに演じられてました。

このレイちゃん、マイティー、まどかちゃんの三角関係に絡んでくるのが星空美咲ちゃん演じるアンジェラ。「白痴」のアグラーヤに相当する役どころ。

アンジェラもまた愛に悩み成長していく重要な役どころ。

よく考えたらめちゃくちゃ「白痴」を踏襲してたわ。アンジェラも三人姉妹だしね。

観てる時は、寝不足もあってついつい眠たいと思ってしまったが、こうやって自分なりに分析解釈すると、柴田先生の偉大さが身に沁みる。

歌劇団の有り難いことは、こうやって常に柴田作品を上演してくれること。

次は、花組で「うたかたの恋」の大劇場公演。私は、シメさんが休演しマリコさんが代役した大劇場版しか観てないですが、オープングから鷲掴み。マリコさんもあやかさんも素晴らしかったのはいうまでもないが、やはり私は、ステファニーを演じたジュンベさんこと洲悠花さんの演技と眼力が忘れられない。

うたかたの恋もそうですが、柴田作品の特徴として、様々な登場人物の恋愛模様を対照的に描いていることが挙げられる。

「フィレンツェに燃える」はその代表やね。

四十年も前の作品をリバイバルして頂き劇団に感謝です。

柴田作品に限らず、温故知新シリーズ続けていって欲しいです!

そして、ショーは、めちゃくちゃパワフルでしたね!

ついこの間、東宝の千秋楽を観たあとだけに、やはりくり寿ちゃんの存在がいかに大きかったかを感じてしまうショーではありました。少人数でもめちゃくちゃパワフルに踊っていて自然に手拍子してました。

中盤のレイちゃんと組子たちが白い服で踊り絡み合うシーンが好き。なぜが涙が溢れたわ。

レイちゃんと組子たちの純粋さが垣間見える大好きなシーン。それ以外は結構激しく踊りまくってるからね。

本当に本当に長野まで来た甲斐がありました。

もう一つ甲斐があったのは、長野駅に着いてすぐに善光寺と東山魁夷館に行ってきました。

善光寺の仁王門めちゃ良い!平日なのに沢山人がいてビックリした。

東山魁夷館では、云十年ぶりに「行く秋」を観ることができて嬉しかった。

ただ、兵庫県美で初めて見たときと印象が違い過ぎて思わず学芸員さんに質問してしまった。

県美で観たときは落ち葉に雨のしずくのような金銀の点々が散りばめられていて、あまりの美しさに涙が出るくらいめちゃくちゃ綺麗なだったんですよ。

今回改めて拝見させてもらったら、その雨のしずくが一切なかったんですよ。なはので学芸員さんにもう一つ作品があるのか聞いてしまった。完成した「行く秋」はこの1点だけとのこと。

県美で見たあの雫はなんだったんだろうか?ま、たしかにミニレプリカを買ったときも雫はなかったからね。

正直ショックではありましたが、北ドイツが取材地だと知ってそれだけで大満足!

花組公演がなかったら観るきっかけがなかったので、長野公演をチョイスしてくれて感謝です。





薔薇とサムライ2

2022-10-20 01:33:19 | 舞台
めちゃくちゃ良かった!!!

中島さんもいのうえさんも分かってはるわー!! 

ふるちんさんもユリちゃんもカッコええわー!!

生瀬さん、見せ方声の出し方上手いわー!

粟根さんも聖子さんもキャラ設定がぶれない安定感!

みはるさん、芝居を動かす力があるわー!

石田ニコルちゃん、めちゃくちゃ根性あるやん!

早乙女友貴君、殺陣はさることながら、めちゃくちゃ演技上手い!?っていうか、劇団員にしか見えん!

神尾楓珠君の中に浦井シャルルが生きてた!

っていうか、浦井氏めちゃくちゃ愛されてるやん!?

西垣匠君もめっちゃいい役やったな!



ということで、薔薇とサムライ2を観てきました!

記者会見でふるちんさんとユリちゃんが言っていた世代交代ってそういうことやったのが分かる内容でした。

てっきり出番が少なくなっているものと安堵したら、確かに1幕目は少なかったと思うが、キャストがめちゃくちゃ良いお芝居をしていたから、ふるちんさんもユリちゃんもいないシーンでも全然間が保った。間すらも感じさせない熱演ぶりに感動しまくってました。

久々の新感線の舞台を生で拝見させてもらい、ぶっちゃけ、ええ歳したおじさんおばさん達が若者に負けじと頑張っている劇団員の姿にたくさんたくさん生きる元気と勇気を頂きました!

めちゃくちゃパワフルフルスロットルでした!

そして、改めて中島さんの脚本の伏線の敷き方回収の仕方に感動唸りまくりでした。

ありとあらゆるスパイスが散りばめられていて、投げっぱなしではなく、ちゃんと回収されていて、特に早乙女友貴君の使い方が演出も含め脚本的にも素晴らしかった!っていうか、まんまと騙された(笑)

今回のテーマは世代交代だったかもしれないが、明らかにコロナ禍を意識した脚本でもあり、ロシアとウクライナの社会情勢を意識したメッセージ性もあり、めちゃくちゃ感動頷きまくってました!本当に良い内容だった。


今回の展開は、どんでん返しのてんこ盛りではなく、まさかの展開が繰り返されていて役者さんの見せ場が多かった。

いのうえさんのユリちゃんの魅せ方がめちゃくちゃ良かった!

ユリちゃんのあんなシーンこんなシーン、あんな姿こんな姿を拝むことが出来て大変満足しています!

まさかのあの曲で登場し歌う。髪も銀髪だからもうあの役にしか見えない。

てっきりオスカルやジャック・スパロウが見れると思ったら、スパロウはありましたがオスカルはなく、代わりにアンドレがいましたね。そして銀の狼も!そしてあの役!

宝塚ファンとユリちゃんファンはマジ必見ですぞ!

ふるちんさんは、定番の威風堂々とした五右衛門を魅せてくれてカッコ良かった!今回はギャクは少なかったね。

今回のお笑い担当は、聖子さんと保坂エマさんだったかな?

今回は、やはり世代交代がテーマたけあって新感線初登場の若者達がめちゃくちゃ良い!

特に石田ニコルちゃんの腹が据わった役作りと見せ方、声の出し方に感動しまくり!歌も上手いから、どんどんミュージカルやストレートプレイで活躍して欲しい。それこそ、レントに出てくれたら観ます!

神尾楓珠君は、浦井シャルルの弟役で浦井シャルルのようにおバカキャラではないが、風珠ラウルの中に浦井シャルルが生きている役作りと見せ方だったので、めちゃくちゃ感動してます。

ラウルはラウルで苦悩して成長していく役柄なのでその過程が明確で良かった!難しい役どころだったと思うよ。

今回は、浦井シャルルは映像でしか登場しないし、変顔でしか登場してないのに、随所で浦井シャルルを感じる脚本演出になっていて、浦井シャルルが帰ってくる場所がある、めちゃくちゃ愛されているのが伝わる脚本演出でした。浦井氏、観たら泣くと思うよ!

西垣匠君は、みはるマリエッタの息子役で、石田ニコルロザリオの護衛の役なのですが、将来はロザリオと結婚するのか、いや風珠ラウルがいるからロザリオとは結ばれないかもしれない、私の妄想の世界では切ない役柄ではあるのですが、とっても真摯で紳士に演じられていて素晴らしかった。

今回は、早乙女友貴君の芸達者ぶりに感動しまくってます。

早乙女友貴君といえば、見事な殺陣ではあるのですが、浦井シャルルほどではないがおバカキャラ?引きこもりキャラの役作りがめちゃくちゃいい!もはや劇団員としか思えないくらい、見せ方が劇団員並み!ぶっ飛んだ役作りに感動しまくってました。

殺陣は殺陣でキレまくりで美しかった。劇団が誇る殺陣師の川原正嗣さんとの殺陣の相性も素晴らしかった!

生瀬さんの役作りと見せ方も大好き!おバカキャラかと思いきや、時にはクールに腹黒く、時にはもっと腹黒く、そしてまたおバカキャラにと、自由自在に使い分けていて上手すぎ!

しかも、生瀬さんの声がめちゃくちゃイケボ!聞き心地抜群!もう1回「祈りと怪物」が観たい。

今回は、みはるさんと粟根さんは夫婦役ではないのですが、薔薇サム1を観たことある者としては、素晴らしいキャスティングでしたね。

みはるさんに関しては、芝居を動かす力に感動してます。もちろん歌も素晴らしいのですが、今回は、ユリちゃんアンヌを支える役として活躍するのですが、アンヌへの愛がめちゃくちゃストーリーを動かすというか、涙を誘うシーンに変えるので、みはるさんのマリエッタも大変素晴らしかった。かなり役に同化してたんじゃないくらい熱いハートを感じるみはるマリエッタでした。

聖子さんの悪役は絶品!定番のキャラ設定ではあるんですが、これくいはっちゃけて貰わないと良い役が引き立たない。今回は、完全なる悪役だとは思えないくらい母親として人間味がある役になっていたので、憎めない役でもありましたね。

ほんと、新感線の劇団員さんは見せ方が上手いね!チョイ役でもキャラが濃いから決して埋もれない。

お馴染みの劇団員さんが勢ぞろいしていて本当に本当に楽しくて面白くて極上のエンタメ作品でした。これくらい見せてくれたら、1万5千円なんて安いくらい!

本当に本当に至福の時を過ごさせて頂きました!

新橋演舞場公演も身体に気を付けて頑張って下さい!


⬆このポスターめちゃ欲しい!!


スカーレット・プリンセス

2022-10-15 00:57:57 | 舞台
数分のプロモーション動画を見た時は、めちゃくちゃアングラテイスト満載だったのが、実際の舞台は、見た目はアングラだけど、中身は歌舞伎だったから驚いた。

もっと脚本をテコ入れしているかと思ったよ。っていうか、歌舞伎並みに長かった。正直、もう少し短くしてほしかったかな。でも、ぶっちゃけ歌舞伎より分かりやすかった。アンタ誰やった?的な登場人物は多数登場しますが…。


いやー、ぶっちゃけ書いて申し訳ないけど、「桜姫東文章」のストーリーを知らないと、めちゃ眠たくなると思う。字幕は歌舞伎の現代語訳みたいなもんだから、登場人物の関係性が分かりにくかったと思う。

ぶっちゃけ、私の周りは寝てる人が多かった。この人たち、話についていけなかったんだと推察。

もちろん私は、去年と今年、歌舞伎シネマも含め、仁左衛門さんと玉三郎さんの即完売チケットの「桜姫東文章」を運良く観させもらったお蔭でめちゃくちゃ楽しく拝見させてもらいました。

しかもアングラ要素満載な上に、男女入れ替えての見せ方も、まるで宝塚と歌舞伎の融合みたいで楽しみ拝見できた。

ただね、見せ方は確かに前衛的で大好きなんだけど、正直なところ、こういうアングラ作品は、もう少し小さい小屋で観たかったかな。空間が広いと、世界観が凝縮されにくいから、余分な空間があるだけで間延びしちゃう。

それに関しては、同じ海外作品の「ガラスの動物園」の方があの広い中劇場の空間を制限した舞台美術だったので、登場人物も少ないこともあり功を奏したと言えるでしょう。

今のパルコ劇場は知らないけど、旧パルコ劇場の客席も含めたあの空間で観たかったかな。こればかりは採算を取るなら仕方ないことだとは思うくけど…。

というより、クラシックのオーケストラ並の大所帯だったから、パルコ劇場だと狭いわな…。

ということで、同じ東京芸術劇場で「Q」を観たに行った時からめちゃくちゃ観たかったので、ハード日程で観て帰ってきました。

実は、悲しいことに、前売りでチケットを購入していたのに、当日発券して劇場のお姉さんに渡したら、

11日のチケットじゃなくて、まさかの8日のチケットだった!

8日は完全に仕事だったのに、11日ならソワレだから頑張れば観に行ける!と思って購入したはずなのに、まさかの8日のチケットだった(涙)

仕方なく当日券でチケットを購入して観てきました。

いかにも幽霊というかファントムというか、エリザベートのトート的存在でもあり、ご先祖様でもあったり、過去の亡霊であったり、はたまたメフィストフェレスやリュークみたいな運命を操る象徴の霊的登場人物、決して喋ることはなく、要所要所でただ登場するだけなので、歌舞伎にはないオリジナル登場人物がめちゃくちゃ印象的でした。

桜姫って、めちゃくちゃ強引な設定やん。同性愛、心中、輪廻転生、レイプされた相手を好きになる、桜姫の吉田家の存続の危機、お姫様が娼婦になる、自分の子供を殺したり、好きだった男を殺したり。

家宝の「都鳥の一巻」がストーリーのキーアイテムとなり、それを恋人の釣鐘権助(桜姫の父と弟を殺した別名しのぶの惣助)が奪ったことも加わり、釣鐘権助とその兄清玄との出会いによって桜姫の運命は左右されることになる。

今までは、権助の言いなりになって娼婦になった桜姫だったが、権助が自分の父と弟を殺したしのぶの惣助であることを知り、権助の血を引く我が子と権助を殺し、「都鳥の一巻」を取り返し再度家を再興し、お姫様に戻る物語。

桜姫は、権助の双子の兄である清玄と心中しようとして一人だけ死んでしまった白菊丸の生まれ変わり。来世では男女に生まれ変わって結びを誓いあった。

結局は清玄は海に飛び込むことができず生き残ってしまった。

清玄と桜姫が再会することで、桜姫が白菊丸の生まれ変わりだと分かる出来事が起こる。

その時には、桜姫は自分をレイプした権助に惚れまくっていたから腕に権助た同じ釣鐘の入れ墨を掘る。プルカレーテ版では愛の文字の入れ墨。

この時点までは、恋人同士というよりせフレ関係に近く、結局は桜姫の稼ぎで好き勝手する釣鐘権助の印象しかなかった。それでも桜姫は幸せだったと思うんよね。好きな相手だから。

他の登場人物でも、原作通りに、登場し、色恋沙汰もある。

あらすじ書いていたら、めちゃくちゃ現代社会にも通ずるものを感じる。

現実問題として、You Tubeの街録チャンネルを見ていたら、人殺しまではいかなくても、夫や恋人、またはポストのために風俗で働いている方の話をよく聞くので、300年前の絵空事だとはとても言いきれない。

歌舞伎で観たら絵空事に思えるが、こうやって外国人が演出することでリアリティが出るのは素晴らしい演出の証拠だと言えると思う。

って以前に役者さんたちがちゃんと桜姫東文章の内容と世界観を理解していないと表現できないと思うんよね。

唐さんや寺山修司氏のアングラの世界は、唐さんなら口に出すこと、寺山氏なら身体で表現することで彼らの世界観を表現していると思うけど、

プルカレーテ版は、どちらかという寺山氏に近い表現に近いと思った。ぶっちゃけ、寺山氏の作品は、それこそ美輪さんの「毛皮のマリー」や「青森県のせむし男」はまだストーリーがあるけど、後期作品の「身毒丸」「奴婢訓」「レミング」なんてぶっちゃけ理解不能。言葉の意味より見世物小屋的な視覚によるインパクトに圧倒される。

それに対し、プルカレーテ氏のアングラ要素は、視覚だけでなくストーリーも重視しているのが分かるので、正直、もう少し短くしてほしかったけど、3時間近くこれだけの台詞量と、歌舞伎の世界というより、鶴屋南北の世界観を理解されていたプルカレーテ氏と役者さんたちは本当に凄いと思った。

そりゃ、日本人もギリシャ悲劇もシェークスピアもフランスもロシアの戯曲もやってるけど、歌舞伎は、まだ世話物は理解されやすいかもしれないけど、独特の表現をする演劇やん。

古語で話され、ト書きは謡で表現。ま、そこは、ラテン語のギリシャ悲劇と変わらないのかもしれないね。コロスがお囃子みたいなもんやもんね。

と思うと、歌舞伎が独特とは言い切れないが、理解は本当に難しいと思う。

男性キャストが女役を、女性キャストが男役を演じることで、エロい18禁シーンが中和されて、桜姫が裸になっても男性キャストだからリアルなやらしさがないのがいい。それでもエロかった!だからこそ大胆な演出が可能なんだと思った。

女性キャストも宝塚とは違うデフォルメされた男性を演じていたので、時折リアルな男性に見えることもあった。

歌舞伎と同じようにお囃子を意識した演奏家も客席を潰して場所を設けていり、もちろん花道もあり、スッポンもあり、めちゃくちゃ歌舞伎を意識した演出でした。

っていうか、どこの劇場でもオケボックスのために客席を潰すことはあるけど、プレイハウスの客席がこんなに自由自在に客席を潰せるとは知りませんでした。写真に撮りたいくらいだった。

アフタートークによると、コロナ禍でなければ、東京オリンピックに合わせて、5人の海外の演出家に歌舞伎を題材に作品を創ってもらう予定だったのが、コロナによって中止になり、プルカレーテ氏のみが創ってくれたみたいなことを言ってましたが、もし、予定通りだったらどの歌舞伎作品が選ばれてどのように演出されるのか非常に興味がありました。

きっときっと、これを機に実現すると思います。っていうか実現してほしい!





月組 大千秋楽 @L.V.

2022-10-09 23:57:58 | TAKARAZUKA
お〜、やはり東宝千秋楽、そしてライブビューイングだけあって、大劇場の時と全然受ける印象やメッセージが異なってた!

とても良かったです!

るうさんの魂の叫びの歌に、まさかの涙。

ラストの海ちゃんの冷酷さ、特に、ギャツビーの墓に花を手向ける、いや投げ落とし方が最高に良かった!あれくらい冷酷じゃないとね!

車から降りた時から、ニックの手に触れた方も、もうクールデイジー!

デイジーの覚悟と、これから見えない何かに裁かれるかもしれない運命を感じる素晴らしいデイジー像でした!

そしてそして、レイコギャツビーの、不謹慎な言い方ですが、幸せな最期にめちゃくちゃ説得させられました。

そしてそしてそして、チナツ様のトムもめちゃくちゃ良かった!一つ一つのシーンに必然性が出てました!

そしてそしてそしてそして、おだちんニックがめちゃくちゃ間で芝居をしていてめちゃくちゃ良くなってた!

みちるちゃん、じゅりちゃん、まゆぽん、さちかさん、じゅんこさんの変わらずの安定ぶり。

そして、卒業されるなっちゃんヒルデ。私にとっては隠れ重要人物。希望通りの配役だったので、なっちゃんがヒルデ役で嬉しかったのに、シーン毎に登場人物が多くなっているので、どうしても埋もれてしまって残念で仕方なかった。

名前は書ききれないけど、個々の生徒達がめちゃくちゃキャラが立っていて、ライブビューイングだから顔の認識がしやすかった。

ということで、日曜日は基本仕事のことが多いのですが、たまたま休みを頂いたのでギャツビー大千秋楽@ライブビューイングで観てきました!

大劇場公演では8枚もチケットを取っていたのに1回しか観れなかった。今思えば1回でも観れてラッキーではありましたが…。2回目が東宝大千秋楽となりました。

同じ大千秋楽でも、同じくコロナでほとんどの公演が中止になった花組と月組でこんなにもトップスターの挨拶が異なるとは。

レイコ君の大劇場はほとんど中止だったが東宝公演をやりきった清々しさ。レイちゃんの大劇場はやりきったが、東宝公演をやりきれなかったやるせなさと申し訳なさ。とても対照的だった大千秋楽でした。

レイちゃん、全ツ観に行きますから!!

あ、レイコ君も観に行きますから!!

それはさておき、

ぶっちゃけね、第一部のレイコ君のギャツビーの登場シーンから、笑顔が印象的なアプローチに正直解せなかったのですが、闇を抱えているように思えなかったから。それは大劇場でも感じたことだったけども。

レイコギャツビーは、デイジーの別れから5年経ってもデイジー同様大きな変化を感じなかったんよね。どちらかというとデイジーを愛した当時のままのギャツビー像だった。

が、第一部ラスト、ギャツビー邸のパーティーでのちなつトムからの挑戦状とウルフシェイムからの組織脱退により、いわゆる反社組織から離れて、ちゃんと堅気になってデイジーと共にゼロから再出発する意志を感じられる第二部のギャツビー像だったので、

レイコギャツビーは、始終笑顔が垣間見えるのが正直違和感があったんですが、ギャツビーがラスト、デイジーの身代わりとなってるうさんウイルソンに撃たれた時に垣間見えた笑顔から、

永遠にデイジーを愛したまま死ぬことが出来る喜びに思えてならなかった。

今までの笑顔は、ひたすらデイジーとの再会を待ちわび、再会を果たし、そして愛を確認し…、ひたすらデイジーを想う気持ちが無意識に笑顔になって表れたんだと私は解釈しました。

結局のところ、デイジーは、トムとパメラのいる家庭に戻り、ギャツビーは再び一人ぼっちになったわけやん。もし生きていたら、ずっと片思いの辛い人生が待っていると思うんよね。せっかく堅気になったのにまた反社の世界に戻る可能性もあるわけやん。

を思えば、デイジーへの愛を貫いて天に召されることは決して不幸なことじゃなくてむしろ幸せだったと思えるよね。撃たれて死ぬことで、真実の愛を貫くことができたんだからね。

と思えたレイコギャツビー像でした。

大劇場のときもここまでアプローチしていたのかもしれないけど、2階席からはそこまでは分からなかった。

これは、ライブビューイングだから、表情がドアップで見れるからこその発見だったので大千秋楽観れた良かった!

それから、海ちゃんデイジー、なかなかですわ!鮎ちゃんデイジーと似て全く非なるラストのアプローチにマジ唸ったわ!

これからの未来を予見させる、決して幸せな生活になるとは限らない、トムの浮気癖に悩ませられる日々が待っているかもしれない…。

罪を背負って生きていく覚悟を決めたというより、ギャツビーと完全に決別し、世間の常識は私の常識ではないくらいの冷酷なまでの綺麗なおバカさんになるであろう未来が見えるデイジー像でした。

あの花の投げ方最高!

いやー、海ちゃん、まじアッパレ!

レイコ君も海ちゃんも、初演を踏襲しない新しいアプローチにマジ感動した!

そして、ちなつトム。これなんよ!私が欲しかったのはっ!!

トムは、登場シーン毎に問題を撒き散らす重要な役どころだから、台詞流したら駄目なんよ。

ウルフシェイムの台詞もストーリーの芯になっているけど、トムもまた決め台詞や捨て台詞に意味があるんよ。次の重要シーンに繋げる大事な台詞なんよね。

さすが、ちなつ様!!

エロいわ、傲慢やわ、自分勝手やわ、めちゃくちゃエロカッコ良く台詞を残してくれた!

ラストの、車の横でタバコをふかしてふてくされるちなつ様が最高に好き!

やっぱ、ちなつ様は、嫌味な役が似合う!

おだちんニックも良くなってた!大劇場よりも間の取り方が上手くなってた!第二部はめちゃくちゃ良かった!

どなたかが、ニックは真実を打ち明けることが出来たのにそれをしなかった、ニックは安月給で階層社会の下に近い存在だから上位の人間を疎んでいる、ニックが1番ズル賢いのでは?と考察されていましたが、

確かに、さもありなんなご意見だとは思いました。でも、小池先生が描くギャツビーの世界観は真実の愛がテーマだから(←私の考察w)、ニックは最後までのギャツビーの唯一の良き理解者であって欲しかったと思うんよね。

確かに、あの死に方だとギャツビーに対する世間の印象は、人を跳ねて逃げた悪い人間だから因果応報だと不名誉に思われているだろうね。

でも、ギャツビー自身にとっては自分の死によってデイジーを守る、生かすことができたわけだから名誉だと思っているはずなんよね。だから悔いはないと思う。

と思うと、世間の評判より、その人物の想いの方が価値があると訴えた作品だと言えるので、

めちゃくちゃエエ作品やん!?と改めて思った。

大劇場だけだと不満が残りましたが、大千秋楽を観られて全てがスッキリした。


大千秋楽ということで、卒業生3名の挨拶がありました。

なっちゃんこと夏月都さん、晴音アキちゃん、佳乃百合香ちゃん、卒業おめでとうございます。

なっちゃんの挨拶を聞いて、ついついキリヤンのラストDSを思い出しました。あの時は最下級生で可愛かったのに、今ではもう副組長だよ。めちゃくちゃしっかりした口調で、月日の経過を感じる素晴らしい挨拶でした。

アキちゃんは、お芝居では素晴らしい歌声を聞かせてもらいました。挨拶では、たくさんの方に感謝の気持ちを述べられていて幸せだったのが伝わってきました。

百合香ちゃんは、めちゃくちゃお嬢さん育ちが窺えるお可愛らしい挨拶でした。

卒業される生徒にとっては、大事なセレモニーなので、花組もそうだけど、このご時世千秋楽の幕を降ろせることは生徒にとってもファンにとっても、劇団にとっても幸せなことなんだと改めて感じるレイコ君の挨拶でした。

なっちゃん、アキちゃん、百合香ちゃん、第二の人生も幸多いことを祈ってます!

そして、久々に見た月組ジャンプ。キリヤン時代は、めちゃ跳んでたのを思い出して懐かしかった。

今日はたまたま休みだったので観ることが出来ましたが、やっぱ導かれてるよね?(笑)