「勝手に中森明菜まつり」

2015-08-27 01:28:09 | 日記
ミッツさんとゲストのクリス松村さんのオールナイトニッポンGOLDを聴きました。

定番のA面シングル曲じゃなく、B面やカップリング曲で構成されていて、なかなかのコアな選曲でした。

私は明菜さんの♪DESIRE♪から♪LIAR♪のドーナツ盤のシングルレコードしか買ってなかったから、それ以外のシングルは持ってないし、アルバムにはB面曲は入ってないから、実は流れた曲の3分の2は知らない曲でした。

だからとても聴いていて新鮮でした。B面なら♪BILITIS♪♪LA BOHEME♪は大好きだったので、ミッツさんの選曲はナイス!だったと思います。

私がファン時代に感じたことを、ミッツさんも感じていてビックリしました。

私は、学校では隠れ明菜ファンだったので、誰とも共有しなかったので(友達は皆ファミコンなどのゲームにはまってた。私はゲームには全く興味なかった…)、クラスで学校でどれだけ明菜ファンがいたのかを知らずに学生時代を過ごしてました。

だから、♪DESIRE♪以降、それまでは若者・万人受けする曲が多かったのが、突然アダルトな曲が増えて、明菜さんが出る歌番組を見ていて、この曲はファンしか受けないんじゃない?いくらベストテンで1位を獲っても数年経ったら、明菜ファン以外はそんな曲知らないよって言うんじゃない?と心配した時がありました。それくらい、歌手ではなくアーティスト明菜に変貌してたのが、小・中学生の私でも感じてました。

私は、歌詞より曲で好きになるタイプだったから、暗い曲より、明るい曲が好きでした。だから、♪DESIRE♪の次に♪TATTOO♪♪タンゴ・ノアール♪は最高に好きだった。

今思うと、宝塚でラテン系の作品やショーが好きなのは間違いなく明菜さんの影響だと分かる。やっぱカッコイイもん!

暗い曲の代表曲で、明菜さんのシンガーアクトレスの頂点を極めた♪難破船♪も、子供だったけど好きだった。まさしく、明菜WORLDの頂点だと思う。私が演劇にはまる理由は、単純に明菜さんの影響であるとこれまた断言できる。

小さいながらに、曲に、役に、魂を売る行為に魅力を感じていたんだと思う。

話は、ミッツさんのオールナイトに戻りますが、私が持ってなかったシングル曲以外のB面曲で、渋谷系の曲(スウィング・アウト・シスター調)が流れた時は、ビビビと来たね!

明菜ファンを辞めて以降、私は、宝塚にはまり、音楽は洋楽ばかり聴いていたので、スウィング・アウト・シスターも好きだったから、ミッツさんと同じこと思ってビックリした(笑)野宮真貴さんがボーカルの、ピチカート・ファイブも好きだったからミッツさんの選曲、本当にナイスでした!


CMに入る前のジングルが明菜さんの代表曲ばかりで構成されていたから、明菜ファンでなくても入り易かったと思う。

ぶっちゃけ、私もクリスさん同様、アルバム曲も取り入れて欲しかったですが、シングルのB面は聴く機会がないから、ミッツさんも訴えてましたが、手頃な値段でB面だけのベストアルバムを出して欲しいです。ユニバーサルさん、お願いしますm(__)m

B面やカップリング曲も、明菜さんは力を入れているという話は、明菜ファンなら誰でも知ってることなので、B面オンリーのベスト盤もハズレないと思うんよね。それこそ、ファン投票してベスト盤を出してはいかかでしょうか???

来月は、明菜さんのNEWシングルが発売されます。早速予約しました。カップリング曲が♪雨月♪だよ!私の人生キーワードの“月”が入っているんだよ!買いますよ!(笑)ラジオでも流れましたが、歌詞がよく分からなかったので歌詞をじっくり読みたいです。

A面の♪UNFIXABLE♪は、“再生不能”って意味なんですか???私の辞書には載ってませんでしたが、私は“型にはまらないよ!”“”私は私の信じた道を行くよ!”といった明菜さんの完全復活への意気込みだと私は感じました。

全編英語の歌詞、小学生の頃に戻って、辞書で歌詞の意味を調べます!(笑)

NHK編集のDVDも欲しいんよね~。宝くじが一万円以上当たったら絶対買うのに…(笑)

今の明菜さんは、伝説の明菜さんで終わって欲しくないから、コンサートは、まだまた無理だとは思うけどテレビで日本で歌って欲しい!出来れば、スタッフだけのスタジオではなく、お客さんがいるホールで。緊張するから小さいホールでいい。NHKさんなら可能じゃない???

「SONGS」も含め、NHKさんも明菜さんを猛プッシュしてるようだから、完全復活に向けてなんとかバックアップして頂きたいです。


明菜さん、いつの日がコンサートホール等で、完全復活される日を楽しみにしてます!それまでは無理しないでね!


今日のまとめ:ミッツさん、中森明菜まつり第二段宜しくお願いしますm(__)m

私も赤箱持ってます。このBOXだけのMix曲があるんですよね~。竹内まりやさん作詞作曲の♪ミックシャガーに微笑みを♪も編集なしver.もあります。去年は赤箱聴きまくりでした(笑)


「トロイラスとクレシダ」大千秋楽

2015-08-23 22:30:51 | うらけん
渡辺徹さん、思ってたより痩せてたね!(笑)

大石内蔵助の時の方が…。

ということで、二回目のびわ湖ホールに行ってきました。やっぱ、この劇場いいね!湖畔にそびえ、湖と山を望める絶景ビュースポット。めちゃオススメ!

それはさておき、前回は、ストーリーを理解するために映画をなぞりながら観てましたが、今回は、全く映画をなぞることなく観ることが出来たので、パリスがオーランド・ブルームと重ならなかったし、トロイラスもアンドレイとも重ならなかった。前回と印象がかなり変わった。

今回は特に、パンダラスは女衒なのか?クレシダは娼婦なのか?を焦点に観てました。


結論から言うと、パンダラスは間違いなく女衒で、クレシダは娼婦であって娼婦でない役柄だったと思った。生粋の娼婦ではないけど、男の慰みモノとしてあてがわれたのは確かだと思った。戦争の犠牲者の印象はなかったな。

それ以上に感じたのは、前回は格好よかったヘクターがアカン男(ダメ男とはちと違う)に見えたし、ダイアミディーズもアカン男に見えた。あれはクレシダを愛しているとは言わないし、トロイラスよりマシとも思わなかった。クレシダがトロイラスに対して駆け引きして気を引こうとしたのと同じことをダイアミディーズがクレシダにしてたわけやから、どっちもどっちって感じやな。

トロイラスは子供というよりかは、プライドを傷つけられて怒り狂った感が強く意固地なイメージ。クレシダを本当に愛していたいるようにはさすがに見えなかったね。クレシダに裏切られ、ダイアミディーズに屈辱感を味わった青年って感じだった。

トータルで感じたことは、結局は、いつの世も男はアホな生き物やで、とシェークスピアは描きたかったのかな…と思った。

そう思わす1番のきっかけは、ヘクターの存在やね。前回は、映画をなぞりながら観てたから、ヘクターが男前に見えたし英雄にも思えたけど、よくよく観察したら、ヘクターもただの見栄っ張りやん。意固地でプライドが高くて、トロイラスと変わらん。前回は、パリス&トロイラスは似た者同士でヘクターは違うと思ったけど、今日観たら、同じ穴のむじな、兄弟だと思った。

今回は、ヘクターの奥さんのアンドロマキとヘクター兄弟の妹カサンドラの言葉がめちゃくちゃ響いてきた。

何のために戦うの???って思うね。結局は己の見栄えとプライドのためやん。トロイや家族のことなんてほんの少ししか考えてない。

アンドロマキとカサンドラの助言を聞いていたら、ヘクターは死なずにすみ、トロイも滅亡しなかったかも…と思った。ま、何事も結果論でしかないけどね…。

トータルで観ても、共感できる男は誰一人いなかった。みんなクズや。

長い歴史を見ても、戦争を起こすのはいつも男達やもんな。女性は、せいぜい、嫁vs.姑、嫁vs.小姑の小競り合い、職場や学校やママ友間の妬み嫉み僻みくらいなもんやん。女性の皆さんごめんなさいm(__)m

女性が指導者として戦争が起こった例を知らん。男の方が、見栄っ張りでガキだと思う。もちろん、私もガキの一人です…(汗)

やはり、この戯曲って、トロイラスよりアキリーズの方が主役だと思った。もはや、トロイラスとクレシダの関係は、ロミジュリみたいな恋人同士ではなく、メイドカフェのご主人様とメイドみたいになもんやもんな。それは、ダイアミディーズとクレシダの関係で明白。

クレシダって本当に難しい役だと思う。説明しにくいけど、娼婦であって娼婦でない役だと思うんよね。捕虜交換前のクレシダは、トロイラスに忠実な乙女だったけど、捕虜交換されたことで、娼婦というか婬売というか、慰みモノになった…と思った。そんな卑猥な存在でもないところがこの役の1番の難しさだと思った。

ヘレナみたいな男たらしな雰囲気があればまた話は別やけど、ソニンちゃんのクレシダには卑猥さはないんよね。でも、男にだらしないというか弱い面を持ち合わせいて、不実なクレシダでもあるけど、芯のないクレシダって感じ。←意味不明でごめんなさいm(__)m前回感じた可哀想という同情心はなく、仕方ないよね~って思った。


不思議なことに、今日の浦井トロイラスに対しては、全く怒りはなかったんよね。ある意味同情したくらい。岡本ダイアミディーズもただの計算高い人間で、リチャード三世みたいやった。まさか、吉田ヘクターの印象が前回と変わるとは思ってなかったね。それこそ、ヘクターが意固地になればなるほど、男ってアホやなって思ってしまった。あ、吉田さんの演技は素晴らしかったですよ!あくまで役の印象なので…。

アキリーズは、バイシェクシャル度がUpしていて、オペラグラスがないと分からないパトロクロスとの微妙やりとりがとてもリアルでした。

今回は、ほんの少ししか出番がないアンドロマキとカサンドラの台詞が、私の心に響き、ヘクターが自分を偽ってる、という台詞がこの作品のすべてだと思った。

あらゆる戦争や争いは、素晴らしい言葉で大義名分を飾り立てるだけで、操り人形のように自分自身を自分で操ってるだけなんよね。

俯瞰する力があれば、自分のいたらなさやダメな部分を見つけて修正することができるけど、俯瞰する力がないと、権力やプライドが邪魔して歯止めが効かなくなることって大いにあるんよね。まさにヨン・ホゲと同じ。

人間って、自己制御出来なくなったら終わり、と私は思う。

と思った今日の大千秋楽でした。

今日は大千秋楽ということで、浦井氏に誘導され、鵜山さん、ソニンちゃん、渡辺さんの挨拶がありました。

っていうか、私はね、浦井氏、君の挨拶も聞きたいんだよ!「デスノート」の時も他キャストに振ってさ、自分は何も喋らんのは主役としていかがなものか…。ま、誰かに振ってもらわないと、自分からは喋らんわな…(笑)m(__)m

文学座大好きなソニンちゃんは、シェークスピア作品の難しい女性を演じたいと言ってましたが、私が知る限り、クレシダ役が1番難しいと思うで。この役には、お前は病気か!?と言いたくなるくらいの無数の人格が備わっているので、ソニンちゃんならもう何でも出来るよ!先ずは、浦井氏と「ロミジュリ」。これは誰もが切望してると思うで。「オセロ」のデスデモーナなんかピッタリだと思う!

渡辺さんは…、冒頭に書かせて頂きました(笑)

鵜山さんは声が小さくて聞こえなかった…(笑)でも、まるで蜷川さんや栗山さんに対抗するかのような演出が良かったと思う。ギリシャの野外舞台ような舞台美術は凄い!と思いました。

浦井氏はもう来年の5月までお目にかかることはないんかな…。ひょっとして大河出演なのか気になるとこですが…。来年は、帝劇主演やで!新国立も主演やで!凄いな!頑張れ!大阪には来そうにない雰囲気ですが、東京まで観に行くかどうかは来年次第やな。

ソニンちゃんは、「TDV」絶対観るからね!

文学座率いる鵜山カンパニーの次回作も楽しみにしてます!

今日のまとめ:兵芸の千秋楽の時は、浦井氏の一言しかなかったのに、びわ湖ホールの大千秋楽は、挨拶がたっぷりでこんなにお得感あるとは思わなかった。本当に来て良かった!役者さんも裏方さんも皆さん、お疲れ様でした。


「トロイラスとクレシダ」

2015-08-16 22:12:10 | うらけん
いや~、ブラピ主演映画「トロイ」を前もってレンタルで観てて正解やった!めちゃくちゃ面白く観させてもらいました!

あの新国立の「ヘンリー六世」「リチャード三世」の鵜山カンパニーがほぼ集結し、更に吉田栄作さんと江守徹さんと横田栄司さんの最強キャストが加わり、更に魅力的なキャスティングとなって上演された「トロイラスとクレシダ」。

作品選びは…ですが、兵芸がプロデュースに関わってくれたことで実現した関西公演だと思ってるので、兵芸には感謝感謝です。m(__)m

最近の兵芸は、新国立作品も含め、私好みのカンパニーを誘致(?)してくれているので凄く嬉しいです。東京に行かなくて済むもんね(笑)

ということで、浦井氏&ソニンちゃん主演の“問題劇”といわれる曰く付きの「トロイラスとクレシダ」を観てきました。

ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、蜷川カンパニーよりめちゃくちゃ見応えありました。蜷川カンパニーは、時々ミスキャストで作品自体が面白くなくなる時があるんですがm(__)mこの鵜山カンパニーは、たとえ無名俳優さんであっても適材適所に役者を配置してるので、とても見応えありました。

ストーリー的には難ありな部分があり、これなら「ロミオとジュリエット」の方が良くないかい???とは思いましたが、その分キャスト陣がマイナス部分を演技力でカバーしてたので、何度も書きますが、本当に見応えがありました。もう、皆さんほとんど舞台の声だったので、声フェチのワタクシには堪らん発声でした!耳福!(笑)

難ありな部分とは、この作品って、トロイラスとクレシダが主人公ですよね???なのに、扱われ方ひどくない?本当に物語の中心人物なん?見せ場も少なくない?二人のラブシーンと、トロイラスとダイアミディーズの決闘だけは見所だけど、それ以外は、この二人が主役だったのか?めちゃくちゃ疑問。私にはアキリーズが本(裏)主役に見えた。

オールメールの蜷川版は観たことないし、もちろん戯曲も読んだことないので、鵜山版の舞台だけで判断して申し訳ないですが…。


ぶっちゃけのぶっちゃけのことを書くと、

世の女性方は、女性に限らず男性もそうだけど、この作品を観てクレシダは悪女に見えるんですか???トロイラスからダイアミディーズに簡単に心変わりした軽い女性だと本当に思うの???


私はトロイラスの方が最低な男だと思った。クレシダにめちゃくちゃ同情しまくったよ。もうトロイラスなんて、まるで「戦争と平和」のアンドレイみたいでイラッとした。ナターシャと婚約中に、“一年間は自由だよ。その間に心が変わったら終わりにしよう…”みたいな悠長なこと言っておきながら、ナターシャが遊び人のアナトリーに夢中になったと知った途端無視。ガキやん!?子供やん!?

と同じようなことをトロイラスにも感じた。愛するクレシダが、映画では超情けないパリスの命令で敵国ギリシャに捕虜交換されるのに、なんの抵抗も抗議もせず、クレシダと永遠の愛を誓い、(ギリシャまで)会いに行くみたいなことを言って簡単に別れるんか!?パリス同様に情けない男やな!と思ったのは私だけ???

クレシダがダイアミディーズになびいたのを見て感情的になるのは分かるけど、お前クレシダの気持ちを少しでも考えたことあるんか!?って言いたくなった。

そもそもあの別れ方に全くトロイラスの愛を感じなかったから、クレシダがナターシャにしか見えなかった。クレシダは戦争の犠牲者やで!あんなに簡単に手渡すなんて、クレシダだってトロイラスを不信に思うよ。ナターシャと同じで、他の男になびいて当然やと思う。

トロイラスが感情的になればなるほど、ガキにしか見えなくて、最後、パンダラスに掛ける捨て台詞も、まじガキやん!?はぁ???って思ってしまった。


ダイアミディーズは見た目は悪そうに見えるけど、実際は、クレシダに対する愛はトロイラスより本物に近いと思った。計算高いやらしい台詞ではあったけど、部下にクレシダに馬を届けるよう命令するあたりも、戦場戦中にいたっても尚クレシダに対する思いやりを感じたからトロイラスよりマシだと思った。


ということで、戯曲を読まなくても、「トロイ」を観ただけで十分ストーリーに入っていけたので、他の方が考えないようなことが、私の頭の中ではビンビンビンビン駆け巡った(笑)映画を観て正解だったかはいささか疑問ではあるけど、観てた方が分かり易いのは事実。

横田さん演じるアキリーズは、ブラピとは180度異なるアプローチでしたが、めちゃくちゃ遠くはなかった。吉田さん演じるヘクトルは映画のエリック・バナ同様の英雄ぶりで格好良かった。アキリーズとの対決にいたる過程が映画とは異なっていてそこは面白かった。映画だとアキリーズもなかなかの英雄ぶりなんよね。ま、ブラピが演じるだけはあるけど…。横田アキリーズみたいに変態ではない(笑)

舞台のパリスは映画ほどヘタレには演出されてなかったけど、私にはオーランド・ブルーム演じるヘタレのパリスにしか見えなかった。この兄貴にしてこの弟だと思ったから、トロイラスも最低男にしか見えなかった。

私の見解をご理解頂けるのであれば、なぜ、浦井氏にトロイラスを演じさせるんや!?というのか私の正直な気持ち。演じ方はめちゃくちゃ良かった!めちゃくちゃ腹から声が出てたもんな。めちゃええ声やった。ひと昔なら、他のキャストに喰われてたけど、あの名役者達に負けないくらいの勢いでぶつかっていってたのが良かった。これなら、藤原君とのガチ演技バトルもアリアリだと思った。その時は、「オセロ」がピッタリだと思う。

トロイラスという役自体は、私の中では、シェークスピア四大悲劇の主人公同様のダメ男の一人になってしまったのが残念で仕方ないんですが、それは仕方ない。本人はどう思って演じていたから分からないけど、私にはダメ男にしか見えなかった。これなら、ロミオが観たかった。

クレシダを演じたソニンちゃんは、私には不憫でならなかった。私は決して悪女には見えなかった。軽い女にも見えなかった。戦争の道具扱いされていることで腹が立った。更にトロイラスの情けなさに怒りMAXでした。お前、少しは兄貴に反抗しろよ!本当にクレシダを愛しているなら捕虜交換にしないで済む策を講じろよ!って思った。あの呆気なさに怒りMAX。そう思わない???

確かにクレシダも移り気が早いのは否定しない。でも、私にはトロイラスの方が最低に見えた。女性が一人捕虜となって、しかもたらい回しされて、それでも尚操を貫けられるか?孤独やったと思うで。可哀想だった。本当に不憫でならなかった。クレシダを誰が責められる!?江戸時代の日本人女性なら自害してたかもしれんけどね。

そのクレシダを演じたソニンちゃんが一番アプローチに苦しんだと思う。あのクレシダを見て娼婦に見えたら私はその人を疑う。救われない役でしたが、とても良かったです。逆に、世間一般の意見のようにクレシダが悪女に見えなかったのがソニンちゃんの演技力の素晴らしさだと思う。

実は「スウィニー・トッド」以来のソニンちゃんを拝見しましたが、あれからたくさんの役を、男勝りな役も含め演じられて来たはずなのに、ジョアンナの時と変わらない可憐さがあってびっくりした。ミュージカル「モーツァルト」を観ておけば良かった…と後悔してます。雰囲気が全然違ったはずやもんな。ソニンちゃんで「ミス・サイゴン」キムが観たい!その時は、是非とも浦井氏をクリス役で!せやな、この鵜山カンパニーで、浦井&ソニン「ロミジュリ」は観たい。これは実現しそうな予感。

いかにも悪役のような雰囲気のダイアミディーズ役の岡本健一さんは、本当に悪役なのか分からないのが良かった。第一幕は登場しても台詞が少ない。第二幕はキーパソンとなる役だけに、トロイラスとの殺陣のシーンも含め見応えがありました。

私は、岡本さんが松ちゃんの相手役だった「セツァンの善人」を観てます。悪役ではなかったね。今ではすっかり悪役のイメージしかない岡本さんなのであの頃が懐かしいです(笑)m(__)m

横田さんが、声だけ聞いていたら吉田綱太郎さんにしか聞こえない。横田さんのアキリーズのはっちゃけぶりが凄いね!ブラピアキリーズとあまりにかけ離れたアプローチ。これは鵜山さんの策だとは思うけど、暗い作品には何某の陽の要素は必要なので、まさかあんなアキリーズだとは思いませんでしたが、作品のメリハリとなる要だったと思う。私には、アキリーズが裏主役に見えてならなかった。ある意味体当たりな役柄でしたが、一番ブラボーでした。

映画ではオデッセウスという名前で(ちなみに、アキリーズは映画ではアキレス、舞台ではユリシーズ役の今井朋彦さんの策士ぶりも、映画のショーン・ビーンとは違って、知的さが引き立っていて似合ってました。ユリシーズの策士ぶりがギリシャに勝利をもたらしたので、舞台ではそこまでは描かれてませんが実は美味しい役(笑)

こんなこと書いたらなんだけど、感情は常に知性(理性)に負ける。いつの世も、立派な策士がいてこそ戦争に勝利するんよね。諸葛孔明が典型やね。戦争せずに済む策を講じる策士はいないものか…?


パンダラス役の渡辺徹さんも場を和ます役でしたが、この役は実は悪役なん?最後の独白が意味不明だったんですが…。この役って実は女衒なん?クレシダは本当は娼婦なん?じゃないとトロイラスのラストの捨て台詞が腑に落ちないんよね。わざと娼婦を俺にあてがいやがって!という意味の捨て台詞だったのか…疑問。っていうか、この作品、実はクレシダは娼婦でしたっていうオチなん???戯曲読むの面倒臭いな~(汗)

トロイ戦争は、パリスが敵国ギリシャからヘレネを略奪したことで始まった戦争で、まるで、欲情(SEX)が戦争の引き金となりうりみたいなことを言ってたりするけど、今の世は欲情が原因というよりむしろ拝金主義が戦争の原因やもんね。愛する人を守るために戦うって…表面の名目上は綺麗な言葉だけど、裏はお金儲けやもんな。

戦争は、きっかけがあればいつでも起こる。第一次世界大戦の原因は、サラエボでオーストリアの皇太子夫婦の暗殺が原因やん。この皇太子ってそんなに世界で有名なん???ルドルフとは別の人物やで。

きっかけは何でもええねん。そこが怖いんよね。きっかけがあればいつでも戦争は始まる。ちゃんと武器は用意されてるんやから。

ヘレネが略奪されて、1日2日で何十万人分の武器が作れるんか?皇太子が殺されたら、すぐに戦車が作れるんか?そんなわけないやん。すでに準備万端や。きっかけを待ってただけや。歴史はどうして繰り返されるのか不思議でならん。芸術の役割は大きいと思う。

と思う作品でした。結局、病気発言しまくりやなm(__)m

映画もタイムリーで映画館で観てましたが、改めてレンタルして観ると新たな発見に驚きます。意外とメッセージ性があった。

この鵜山カンパニーの「トロイラスとクレシダ」はもう終わってしまうから、今更遅いけど、またどこかで上演されるときは、ブラピ主演の「トロイ」は絶対観て方が数倍楽しめると思う。

今日のまとめ:「トロイラスとクレシダ」が問題劇といわれる所以が分からん。私には歴史劇にしか思えなかった。「テンペスト」の方がよっぽど問題劇だと私は思う。シェークスピアは何を描きたかったんかよく分からんかったもん。

「夏の夜の夢」もそうやけど、あの時代に妖精を登場させるって…。神様や悪魔なら宗教上で理解出来るけど。妖精やで。天使じゃないんやで。シェークスピアも、モーツァルト同様、精神世界に両足を突っ込んでいたとしか想像できない。←また、病気発言ごめんなさいm(__)m


「貴婦人の訪問」

2015-08-07 21:53:24 | ミュージカル
めちゃくちゃネタバレしてます。これからご覧になられる方はご注意下さい。相変わらず意味不明な文章だから問題ないかも(笑)


大事に育てた飼い犬に噛まれることほど不条理なことないよね…?なんか、内容的にはニコールの「ドッグヴィル」に似てた。

それから、財政難のギリシャを見てるようだった。めちゃくちゃリアルに重なるシーンがあった。

小さな街の全体主義。集団心理の怖さ。村八分では生きていけない社会を描いた秀作でした。

国全体が全体主義だったら怖いけど、社会にはある種の全体主義がないとやっていけないのもあるのも事実だもんね。

この小さな街を一つの企業として考えると、社員の中に企業秘密をライバル企業に漏らす者がいたらもうアカンやん。

セクハラだけでなく、パワハラやマタハラとかで訴えられている企業があるやん。もはや社員に訴えられている時点でその企業はダメだと思うんよね。

洗脳とまではいかないけど、信頼関係がないと、企業って維持できないと思うんよね。たとえその信頼関係が正義の欠片もない不条理であってもね。

だからといって、このミュージカルで描かれている全体主義を肯定している訳じゃないけど、たとえ全体主義社会であっても、いかに個を尊重していくことが大切かを描いた作品でもあると思った。


この作品って、私だけかもしれないけど、何が真実で何が嘘なのか?誰の言葉が正しいのか?うやむやにしているところがあると思うよね。そこがこのミュージカルの面白味だと思った。

アルフレッドなんて…、私にしては珍しく思わず心の声が言葉に出てしまったくらい最低な男やん?

そのアルフレッドの言葉が本当なのか嘘なのか分からないくらい最低過ぎて、もちろん、彼を取り巻く環境も同じくらい最低なんだけど、あからさまにアルフレッドって最低やん。でも決して悪い人間てもないねんけど、どんな言葉も私には言い訳にしか聞こえなかった。それがアルフレッドにとっては一番の悲劇だと思うんよね。私にとって、“死”は悲劇ではないから。

クレアの本心は、最後の一言で分かりますが、描き方が曖昧だったもんね。一見、クレアは何がしたいんだろう…?と思う時があった。それも含め、ラストの一言で分かる。

もということで、ウィーンで大ヒットしたという、元祖かなめさんこと涼風真世さん主演のミュージカルを観てきました。

よくもまあ、こんな不条理劇をミュージカル化したな~とは思いましたが、「エリザベート」「モーツァルト」「レベッカ」「TDV」を生み出したウィーンミュージカルだけあって、なんだかんだで、やはりスピ要素のある作品でしたね。

かなめさん演じるクレアは、確かにメフィストフェレス的存在だけど、クレアも真実の愛に飢えた悪魔でもあり聖女でもあるんよね。

どう観ても、ただの復讐劇でないことはラストで分かりますが、クレアの中には魔性な部分と神聖な部分が両方あって、まさに「ドッグヴィル」のグレースみたいな存在で、架空の小都市ギュレンの市民の不条理さを浮き彫りにさせる役割を担っていた。

私は「ドッグヴィル」は是非とも舞台化して欲しいと思っていたので、それに似た作品が、まさかウィーンでミュージカル化されるとは思ってなかったですが、この不条理ミュージカルは社会の集団心理や拝金主義を描いたなかなかの秀作だと思う。

クレア役は、かつて、メフィストフェレスを演じたかなめさんにピッタリな役柄であり、そうそう、「サンセット大通り」のノーマにも似た役作りだったので、クレアなのかノーマなのか一見分からない時があった。今回は、瞳子さんのノーマを観てないので、ある意味一度で二度美味しい役だった。

歌に関しては、あの歌ウマのかなめさんが苦戦しているのがあからさまに伝わるくらいの難曲ばかりでしたね。かなめさんなら、裏声使わなくても、アルトで通せたと思うだけどな~。実は、今、ウィーン版のCDを聴きながら書いているんですが、主演のピアは裏声使ってないのにな~。やはり日本語で歌う難しさがあるんだろね。

アルフレッドの山祐さん、もう可愛い過ぎ!(笑)でも、めちゃ最低男でしたね。ある台詞で思わず、“最低!”って口に出してしまいましたわ(笑)

アルフレッドだけあって「TDV」のアルフレート似たヘタレっぷりで、ちょっとわざとらしくて作り過ぎた感があったのは否めませんが、山祐さんにしては珍しい役柄というかアプローチでしたね。あんな過去がなければ良い人なんだけどね…な役作りが好演した。

このアルフレッドは、自業自得な役柄でもあり、可哀想な役柄でもあります。飼い犬に噛み殺されるかもしれない恐怖心(←喩えです)で精神が狂う役柄でもあります。ま、アルフレッド本人だけが悪い訳じゃないもんな。拝金主義で、全体主義がまかり通っていたら仕方ないよね。彼の中に他の選択肢がなかったんやもんな…。この心理状態が一番怖いんよね。「愛を読む人」のヒロインと同じだから。

ただ、クレアを裏切った理由に説得力がなかったので、もっと具体的な理由が欲しい。マチルデと結婚して、雑貨店を経営じゃね…。クレアだって怒り狂えないよ。ま、クレアの復讐心は、アルフレッドに対してだけじゃないもんな…。

で、マチルデを演じたオサさん。超久しぶり。2002年の宝塚花組の「エリザベート」以来やからね。もう、めちゃくちゃ自然な女優さんぶりでびっくりした!喋り方もめちゃくちゃ自然!オサさん、声優出来るよ!くらい上手かった!

このマチルデも過去の経緯がなければ、めちゃくちゃ愛情に溢れた役柄で、第一部のソロはとても良かった!実は、拝金主義のシンボルであったマチルデではあるけど、マチルデはマチルデでアルフレッドを本当に愛していたのにね…。マチルデの心理が一番分かりやすかった。オサさんも好演でした。

もし、私の友人でアルフレッドみたいな人間がいたら、一言アドバイスしたい。あとあと後悔しない選択をせなアカンで!と。

アルフレッドを観ていたら、真実を見分ける力は必要だと思う。分かっていて騙されるのと、知らずに騙されるんじゃ大きな違いやもんな。

ま、財政破綻寸前のギュレンに現れたクレアが、アルフレッドの死と引き換えに多額の寄付をするという不条理な条件を出さなければ分からなかった、ギュレンの市民の真実の姿だもんね。

“死ぬまで親友”“死ぬまで愛してる(←だったかな…?)”、究極の言葉が、簡単に無意味化するんやもんな。良く出来た脚本!

「デスノート」の死神の目くらい、本当に真実を見分ける目が欲しいね。

禅さん演じるクラウス校長があの市民の中では一番世の中が分かっている人でしたね。自分もあの拝金主義者の一員であることを分かっているだけに苦しい立場やね。


市長役の今井さんも含め、メインのキャストが、元祖東宝「エリザベート」組だったのも面白かった。ベテランならではの存在感でさた。

本当は、この作品、観る予定になかったのですが、運命に導かれました(笑)たくさんのキーワードに納得しまくりでした。

今日観て思いましたが、ウィーンミュージカルは、シアターBRAVAの箱の大きさがピッタリだと思った。「レベッカ」もここでやれば良かったのに…。ま、梅芸だと安く観ることが出来る利点はあるけど…。ま、どちらを選択するかやな。

今日のまとめ:あんな結末じゃ、一回目のカーテンコールでスタベ出来ないな。今日の観客の皆さんもそうだったと思いますが、三回目のカーテンコールでは演者の敬意に対してスタベしましたが、あんな不条理な結末じゃ普通はスタベは出来ない。「ロミジュリ」みたいな純粋な愛と死なら一回目でスタベ出来るんだけどね…。

ピア・ダウエス、日本に来て欲しいな~。ウィーン版「貴婦人の訪問」のCD、なかなか良いですよ!日本版の舞台を見たら情景が浮かぶ。音楽は素晴らしいと思う。