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花組 3回目

2015-10-29 20:58:13 | TAKARAZUKA
ぶっちゃけ書くと、柚香君も含め女性陣が頑張ってた!源氏物語は、女性による女性のための作品だと思っているので、娘役が引き立たなかったら作品価値がないと言っても過言じゃない。

柚香君の六条御息所の所作や喋り口調が、最初に観た時よりも女性度が増していて、ちゃんとした娘役の演技でした。だから、柏木が柏木だった。柚香君が二役演じているんじゃなくて、個々がちゃんと独立して存在してたという意味。出来れば、生霊の時はもっと生霊度が欲しい。もっと怪しさがあれば、作品的にもメリハリが効くのに。そう、普段の御息所も、もい少し狂気の眼差しが欲しい。あとは、本当に女役というか、娘役の演技だったので、その努力は賞賛ものだった。

前回観た時は、地味だった印象だった紫の上の
桜咲べーちゃんがめちゃくちゃ良くなってた!
化粧もそうだけど、紫の上の雰囲気作りがとても説得力があって、しかも歴代の紫の上をちゃんと研究して演じていたのが伝わってきてその努力がこちらも賞賛ものでした!

何から何まで歴代の真似をすることは良くはない、とは言わないけど、実際真似して欲しい時もあるからね。歴代の良さを引き継ぐことは、模倣することから始まるから、いい所は盗んで自分のものにすべきだと思う。

ぶっちゃけ書くとね、みりおもウタコさんの真似をして欲しいと思うところが多々あるんよね。藤壺とのラブシーンは最高傑作なんだけど、それ以外がね…。いま以上にもっと大きく見せて欲しいんよな~。特に十年後ね。十年前も十年後も同じなんやもん。十年後はもっと恰幅よく演じて欲しい。貫禄が欲しい。

みりお源氏は、さておき、

べーちゃんの紫の上は本当に良かった!紫の上としての品、他の女人にはない才覚を感じさせる雰囲気や所作が本当に素晴らしかった。

こちらはめちゃくちゃ地味な役だけど、私的には、とても大事な役というか、雅な世界観・柴田作品を引き立てる重要人物だと思っているのが王命婦なんですよ。葵の上もなんだけどね…。

その王命婦を演じた芽吹さんも素晴らしかった!本当に地味な役なんだよね。家政婦は見た!の上品版な大人な役どころを、芽吹さんも歴代の娘役さんを研究しているのも伝わってきた。

その点、葵の上のじゅりあさんは、じゅりあさんのままでしたが、個人的にはもっと冷酷な眼差しが欲しかったな…。

雲井の雁の美伶ちゃんが、非常に地味な存在になっていたのが気になった。どんなに小さな役でも、印象付けな意味がないねん。もっと明るさと覇気が欲しい。もっと幸せオーラが欲しいな。

女三の宮は、歴代通じて幼い演技になってまうんやね。あれだと柏木との逢瀬のシーンがロリコンチックに見えてしまうんよな~。源氏の女を奪った重罪より、未成年に手を出してしまった犯罪度の印象が強く感じる。

そうそう、銀橋の夕霧と柏木の会話で、夕霧が柏木に対して“凄い”と言う台詞は要らないと思う。凄く違和感を感じる。そこは関心するとこちゃうやろ!?って言いたくなるんよね。

は、さておき、女三の宮は、歴代が歴代だから仕方ないか…って感じやね。

ユキちゃんの朧月夜はマジ上手い!!!あんな演技されたら、みりお源氏もイチコロやで!的アプローチが素晴らしい!相手の演技を引き出すことが出来るのは、大女優の証拠!

最後に、プロローグからオペラが外せなかったのが、かのちゃんの藤壺でした。めちゃくちゃ色気ダダ漏れで、所作が格段に上手くなってた!みりお源氏とのラブシーンのエロさは半端ない!これなんよね、「タンゴ・冬の終わりに」の三上さんと倉科カナさんがタンゴを踊るシーンで欲しかったエロさは。本当にエロいことをしてるじゃないのにエロく見せられたら最高だと思う。

その点においては、かのちゃんの藤壺の色気はもうエロ過ぎ!とても良かった!ぶっちゃけ書くと、今日に関しては、ユキちゃんよりかのちゃんの方が目が離せなかった。もう完璧!男役並みの包容力もあったし。出番が少なくても強い印象を残してたと思う。

今日は、娘役中心に書きましたが、それくらい娘役の存在感が良くなってた。

全体的にも、スピ要素が強調されてたかな…?ま、これは、私が映画などでスピ要素の強い作品を観ていたせいもあるけどね…。

そうそう、全体的には、間で演技してたね。ぶっちゃけ、まだまだやで。間延びしたら意味ないからね。観客の心を惹き付けてナンボやからな。間で演技することは、演技力を試される訳だから空気を読む力も要るからね、とも書いておきます。正直、間で演技するより、テンポ出して!と言いたい時もあった。そうそう、かのちゃんの間は良かった!

ということで、実は、今日はお芝居だけ観て帰ったので、ショーは観てません。帰らないといけない用事が出来たので、仕方なく帰りました。後一回は観たいので、次はショーも観ます。

今日のまとめ:今日は、15時公演を当時券で観たので、お昼間非常に時間があったので、初めて清荒神にお参りに行ってきました。ずっと神社だと思ったらお寺さんやったんやね。

でも、でも、不動明王が祀られていたからめちゃくちゃ嬉しかった!滝に不動明王だよ!完璧なシチュエーションやん!?不動明王大好き人間だから堪らんかった(笑)

ガーデンフィールズもなくなったし、宝塚を観る時に、時間潰しに絶好な私の癒しの場が見つかって超ラッキーでした!

「岸辺の旅」

2015-10-29 00:59:40 | 映画
不思議な映画やった~。

最後まで、あの世とこの世の境い目が分からなかったら、夢オチなのかすら分からなかったけども、いかにもカンヌが好きそうなスピ要素満載な内容で、個人的には好き。まるで、「黄泉がえり」と「おくりびと」を足して2で割った感じの内容でした。

でも、この手の作品を毛嫌いする人も少なくないと思った。好き嫌いが真っ二つに分かれる作品だと思う。

ということで、フライヤーを見た時からめちゃくちゃ観たい作品だったし、一部の映画館では今週金曜日で終わってしまうので、やっとこさギリギリ観てきました。観れる日はたくさんあったんだけど、安く観れる日は限られてるんよね…。←ただのケチです。自慢じゃないですが、最近は1800円払って映画は観てない。「ルートヴィヒ」だけだよ(笑)

は、いいとして、先ほどにも書いたように、あの世とこの世の境い目が明確じゃなく、「黄泉がえり」のようなルールみたいなものが一切描かれてないので(全く描かれてない訳ではない。そこは洞窟がキーワードやね)摩訶不思議な人物描写ではありましたが、この世には、数式や方程式で証明したり解明できない不思議出来事は多々ありますからね。しかも、映画なら何でも表現出来るもんね。何でもアリではある。

この作品を観ながら、ついつい4月に筑豊に行った時のことが思い出しました。この旅は、まさに「岸辺の旅」の浅野忠信さん演じる旦那さん過去を辿る旅と同じように、私の親父のルーツを辿る旅でもあったので、縁て本当に不思議だと思いました。

私が筑豊に行けたのは、この映画を観るためか!?と言わんばかりの内容だったので本当にビックリしてます。しのぶさんがラジオで“田川”という地名を言わなかったら、まだまだ筑豊には行かなかったと思うし、博多でアレがなければ更に行く決心はなかったし、連休を貰ってなかったら余計行かなかったもんな。不思議な偶然だらけ。


この作品で描きたかったことは、悔いない人生を歩むこと…、取り返しのつかない過去との執着を断ち切り、今の自分の人生を一生懸命生きること…だと解釈してます。

そりゃ、人生は自分の想い描いたシナリオ通りには進まない。あの時あ~しておけば良かった…、あんなことするんじゃなかった…と後悔することの方が多かったりするよね。前向きに生きて行くことは、良くも悪くも過去の執着を断ち切らないといけない時があるんよね。

この作品ではまさしく、死んだかどうかすら分からない旦那に会いたい想い、過去にひどいことをして別れた?逃げた奥さんに謝りたい気持ち、殴ったことを亡くなった妹に謝りたい気持ち、病気で亡くなった旦那さんのことが忘れられず抜け殻状態になっていたり…、と過去の執着に捕らわれて成仏出来なかったり、今を生きられなかったりそんな人物たち登場する。

浅野さん演じる旦那さんが、深っちゃん演じる奥さんの目の前に現れたのは、3年間消息を捜し続けていた奥さんに伝えたいことがあったんよね。あの手この手を使って手掛かりを見つけようと必死だった奥さんの想いがやっと叶ったと思ったら、幽霊だったわけなんだけど。そこの描き方は「黄泉がえり」なんだけど、旦那さんの役割は、「おくりびと」のモックンだったりするんよね。成仏出来ない人たちを成仏させたり、過去の後悔に終止符を打たせたり、執着を断ち切る役割だったりする。

それを思うと、いかに私は親不孝者なのかが、胸に矢が突き刺さる思いでいっぱいでした。たまに夢に両親が出てきますが、逢いたかった!なんて想いなんて一切ないからね。夢の中でも喧嘩ですわ(笑)普通に会話してるもんね。死んだ人との会話じゃなく、普通の日常の会話なんよ。目が覚めて、あれは夢やったんや…て気付く感じ。毎回違和感なくそこに存在して会話してる。

兄貴はよくオカンの夢を見ると言っていたので、兄貴の方が親に対する執着は強いと思う。今なら分かる、生前のオカンが私を心配してなかった理由、結婚を勧めなかった理由が。兄貴にはお見合いの縁組みをしてたくらい、オカンはめちゃくちゃ兄貴の心配をしてた。兄貴には奥さんは必要だったと思う。私は、タダで働いてくれる家政婦さんが欲しい(笑)

私の家庭事情はさておき、

過去の執着は早く断ち切って前進すべきだと思う。執着と思い出は全く別物だからね。プラス思考の人生が歩めるなら、執着は思い出に変えた方が良い時もある。マイナスでしかないなら執着はさっさと断ち切った方が良いと思う。

蒼井優ちゃん演じる愛人役がプチ悪女ぽい設定なんだけど、上手く執着を断ち切った役どころでした。深っちゃん演じる奥さんと対面シーンでは、奥さんは愛人に一泡吹かせようとしたのに、逆に愛人にしてやられるんよね。それが結果的には、旦那への愛がより深まることになるので、ありのままの自分をさらけ出すことも決して悪いことではない。

まあね、執着を断ち切りのはそう簡単ではないんよね…。そこが問題なんよね。私も一時は病的なまでの執着心をもっていた時があったからね。あれはマジ病気!でも、今となってはあの経験も大事。自分の知らないもう一人の自分との出会いでもあったから、今となっては貴重な経験です。これが、私の不思議体験と繋がる訳なんですが…。世の中、本当に数式に当てはまらない科学では立証出来ない不思議な出来事が多々あるよ!

そうそう、浅野さんが宇宙の法則のような台詞が印象的でした。この宇宙は永遠でまだ始まったばかり。生まれてきて良かった…と言ってた。私はきっと、生まれてきて良かった!産んでくれてありがとう!と心から言える日が来るまでが人生の修行なんだと思う。まだまだ長い道程だと思う(汗)

深っちゃんの役は、まさに過去の囚人みたいな
役柄でしたが、ラストがとても良かったです。執着を取り除くことは決して諦めることではない。新しい人生を歩むための断捨離と受け入れやね。上手く描かれてたと思うし、演じてた。

浅野さんは、なんか浅野さん自身って感じだった。どういう方かはよく知らないけど…(汗)なんか自然な存在感でした。

旅の途中で出会う人たちの中では、噂通り小松政夫さんが印象的でした。階段のシーンのおんぶは危なっかしで、リアルにハラハラもんでした。

この作品、音楽がミスマッチのような感じなんだけど、ラース作品のクラシック音楽のように場の盛り上げに一役買ってましたね。大袈裟な感じなんだけど、ウルっとくるんよね~。エンドロールで使用曲をチエックしようと思ってたのに出てこなかった(涙)誰の曲なのかめちゃ気になる~。

映像的には、死者が登場する時の霧や暗転、小松さん演じる役の成仏する時の背景の花など、あからさまな照明の変化が印象的でした。

不思議な人物描写で、頭の中が???になるかもしれませんが、“執着”をキーワードでご覧になられるととても分かり易い作だと思う。

個人的には、シナリオが欲しい!浅野さんが語る宇宙の法則の台詞が気に入ったのに、一切覚えてないんよね…(汗)

今日のまとめ:ルーツを辿る旅は執着の旅じゃない。その人を理解するための大切な軌跡なんだよ。筑豊に行けたことに感謝!←なんのこっちゃ!?

追記:原作読みました。いや~、登場人物とシチュエーション以外全く別モンやん!よくもまあ、私好みの脚本にしたね~って言いたくなった(笑)映画「紙の月」も原作とは違ってたけど、この「岸辺の旅」もそれ以上に別モンでした。原作者さんには申し訳ないですが、映画のストーリーの方が私は好き。脚本を担当された宇治田隆史さんは、なんと「私の男」の脚本も担当やったんやね!見事なまでの脚色!この方もかなりのスピリチュアリストと推察してます。映画のシナリオ欲しい!っていうか、原作者さんは、この映画をご覧になって、あまりのストーリーの違いにどう思われたのか本音が知りたい。

ぶっちゃけ、原作は淡々としてメリハリがなく何を伝えたいのかよく分からなかったm(_ _)mその点、映画版は、メリハリもハッキリしてるし、メッセージ性もあるし、原作では細かくは描写されてない登場人物の肉付けが非常に上手かった。良く出来てた。ホンマ、あの原作をよくもまあここまで肉付けしたな~って感じ。

「バクマン。」

2015-10-22 22:09:15 | 映画
濱田めぐみさんで「サヨナラは日曜日に」(原題「TELL ME ON A SUNDAY」)を上演するんや~。劇団四季で「SONG&DANCE」は上演してたけど、中身は違ったはず…。

この作品の中には、ロイド=ウェバーの名曲が入ってるから観たい!!!原題の曲は超お気に入り!あと、小池先生の「アポロンの迷宮」の中で、ジュンべさんとコケシさんが歌われた美しいメロディーもお気に入り。当時の小池先生の選曲のセンスは素晴らしい!←じゃあ今は…(笑)

関西に来てくれないかな~。6月は、新国立中劇場は、浦井氏主演舞台やろ~。小劇場がめぐみさん…。これは、東京への誘いか!?(笑)

映画に全く関係ないことを書いて申し訳ありませんm(_ _)m

ということで、映画を観てきました。この映画は、MYブロガーさんが大絶賛していて、でも観る気は全くなかったんですが、今日は風が吹くままに行動していたら、これを観ることになりました(笑)←あ、夢遊病者じゃないですからね。

本当は、「岸辺の旅」を観たかったんですが、寝すぎて朝起きられなかったんですよ。「バケモノの子」「パパが遺した物語」も候補にあったんですが、時間的にグッドタイミングだったのが「バクマン。」でした。

率直な映画の感想は、

めちゃくちゃ良かった!!!

さすが、MYブロガーさんだけあるわ~!と思った(笑)

ぶっちゃけ、マンガには興味ないし、小さい頃は少年ジャンプなんて読んでなかったし、あ、「Dr.スランプ」だけは単行本持ってた…あ、「ドラゴン・ボール」も最初の数冊だけ持ってた…、

は、さておき、ジャンプ系の作品では、「北斗の拳」は好きでテレビでは観てたけど、漫画は買ってない。少年ジャンプをなんて一回しか買った記憶がない。周りに合わせて一回は買って
読んでみたけど、全くはまらなかったね。ま、そんな少年時代でした。あ、少女時代じゃないから!(笑)

私の少年時代は、ゲームも好きじゃなかったし、マンガも好きじゃなかったし、何して過ごしてたんだろう…???(笑)あ、テレビばっかり見てたな~。アニメも見てたけど、ドラマや映画も見てた。ドラマは、大映やね(笑)この前、TBSの特番で、さんまさんが司会の番組見た。懐かしいドラマやってたね。あ、「男女7人夏物語」のキャスト集結も楽しかった&懐かしかった!当時からさんまさんのファンやったけど、あの懐かし座談会で、当時のさんまさんの共演者へのイジワルネタを聞いてちょっとショックやった。あれはアカンわ。配慮がないで~。←今さらそんなこと言っても仕方ないけどね…。

やっぱ、さんまさんとしのぶさん、相変わらず不思議な元夫婦やな~。とても離婚した二人には思えない関係やね!?ま、そこが好きなんやけどね~。


またもや、脱線しまくり…m(_ _)m

はい、映画は、本当に良かったです。少しウルウルしました。明らかに海外ウケを意識した内容に思えましたが、アメリカは難しいと思った。フランスを筆頭にヨーロッパでは、間違いなく大ウケすると思う。これって、カンヌには間に合わなかったのかな???

アカデミー賞外国語作品の日本代表はないわ。圧倒的に欠けてる点があるからね。かといって「百円の恋」が日本代表に選ばれたのも納得いかないけど。「バクマン。」に欠けてる要素は、家族の物語が一切描かれてないこと。日本作品に限らず、アカデミー賞外国語作品を狙うなら何某の家族愛が描けてないと難しいと思う。叔父さんと甥は微妙…。

「百円の恋」を選ぶなら、私なら圧倒的に河瀬監督の「あん」を推すけどね…。

「百円の恋」は、日本にはバケモノ女優安藤サクラがいることを世界にアピールするにはもってこいの作品だけど、内容的にはノミネートは…難しいと思う。なんで「百円の恋」にしたんだろうね???

さっきから何度も脱線して申し訳ありませんm(_ _)mもう誰も読んでないかも…(汗)

家族要素があれば完璧なんだけど、入院しても家族が登場しないのはめちゃくちゃ不自然に思えたから、外国語作品としてはあり得ないと思う。でも、フランスや台湾ではウケると思う。

内容的には、浦井氏がドラマでシュールな役を演じていた柳楽優弥君主演の「アオイホノオ」
と対抗するかのような設定ではあったけど、断然「バクマン。」の方が面白かったし、感動的だった。もちろん、「アオイホノオ」はコメディ系やけどね…。

プロの漫画家を目指す(?)ジャンプの連載を目指す高校生二人の友情を軸にしたスポ根ものですが、漫画に興味がない私でも感動する作品でした。

恋愛要素もあり~の、ライバル高校生漫画家との演技バトルならぬ漫画バトルもあり~の、他の漫画家や編集者との友情も描かれていて、何より、漫画界の厳しさなど現実的視点も踏まえていた点がリアリティーがあって素晴らしかった。

これって、原作者でもある「デスノート」コンビの大場つぐみさんと小畑健さんのリアルな物語なのかな~と思わせるくらい、主人公二人の友情もリアルだったし、漫画業界の裏事情も描かれていて胡散臭さがなかった点も良かった。ただ家族のシーンが一切なかったのが残念だったぐらいやね。

映像的には、スマホのようなデジタル時代を象徴するかのような演出も凝っていて良かった。まるで緒形拳さん主演映画「北斎漫画」のワンシーンを意識したような漫画バトルのシーンが面白かった。

主演の佐藤健君も神木隆之介君もいい歳なのに、高校生にしか見えない役作り、というか雰囲気がとってもリアル高校生でした。高校生だからこその一生懸命さもリアルに表現されていてとても上手かったです。神木君の演技力の高さは以前から存じてましたが、ぶっちゃけ、佐藤君がこんなに上手いとは思わなかったm(_ _)m宝塚公演もあるし、佐藤君主演映画「るろうに剣心」借ります!

佐藤君演じる主人公にプロの漫画家になることを決心させるきっかけとなるヒロイン役の小松菜奈ちゃんが、とってもいい雰囲気を出していた!まさしく不思議ちゃんという表現にピッタリな妖精度というか、乙女度というか、マドンナ度というか、不思議なオーラがあったね!

佐藤君&神木君とのライバル高校生天才漫画家役の染谷将太君も上手かった!天才的オタクキャラでエエ味出してた!あ、ラストに、佐藤君役の前に現れるシーン、脚本も演出も良かった!友情となるか、ライバルとなるか、一瞬ウルッとなりましたが、結局ライバルのままですが、あの流れは良かった!佐藤君の涙目がめちゃくちゃリアルだったんよね~。どっちに転んでもいい展開なるだろう名シーンでした。

佐藤君&神木君高校生と友情を育む、編集者の山田孝之君も上手い!この人の自然過ぎるほどの自然な演技は、素の不思議キャラの山田君が演技に見えてしまうくらいの、役の成り切り度が本当に凄いね!

大人キャラとして、桐谷健太君や新井浩文さん、そしてまさかの大人計画の皆川猿時さんもいかにも漫画キャラ的な存在感があって、この佐藤君&神木君高校生とのまるでトキワ荘の仲間的な関係性がとっても良かった!リアルな大人の事情も描きつつも、友情を大事にする辺りはスポ根漫画そのまんまの展開だけど、そこが定番で尚良かった!

佐藤君役が小さい頃の遊び場だった元の住民で、漫画を描くきっかけとなったおじさん役のこれまた大人計画の宮藤官九郎さんもエエ味出してた。

最後に編集長役のリリー・フランキーさんが、超自然で上手かった!この人、本来俳優さんじゃないのに、なんでこんなに自然な演技ができるのか不思議でならない。料理の最後に味を調える塩みたいな存在やね!エエ味出してた!

王道と邪道の対決。この二つが作品のキーワードとなっていて上手い脚本でした。あ、もちろん、“友情・努力・勝利!”もキーワードです。忘れてました…。

若いからこそ出来る、いや、若い時にしかできない博打人生。若者は、失敗してもいいからドンドン夢に向かって体当たりしていくべきだ!と言わんばかりのスポ根ストーリー、若者には超オススメ!大人もチョッピリ勇気を貰える内容になってるから大人にもオススメ!

ラストのエンドロールの演出も凝ってた。わざわざこのエンドロールのために作ったんだよね~?手が込んでる!ラストのラストまで楽しめる素晴らしい作品でした!

今日のまとめ:たまには、絶対これをする!と目的を決めず、風の吹くまま、成り行きに任せて行動するのもいいね(笑)

↓ちょっとプチ自慢…、っていうか、山田君に対抗!(笑)


さすがに顔出しはNGだと思ったので一部分をパシャリ!

パンフレットに目を通すまで全く気づかなかった…。マンガ本だけでなくTシャツまで拘ってたんや…。

Project Nyx「人魚姫」

2015-10-18 21:25:43 | 舞台
寺山氏にしては、めちゃくちゃメルヘンチックな物語やん!?

ということで、これまで東京だけでしか公演していなかったProject Nyx美女集団作品、今回は兵芸とのコラボによって実現したまさかの兵庫公演!を観てきました。

とんちゃんが客演してた時からずっと観たい!観たい!と思ってたカンパニー。しかも、アングラ演劇界の帝王・寺山修司氏の作品。Project Nyxは、これまでもずっと寺山作品を上演されてましたが、まさか地元西宮に来てくれるなんて!兵芸、ナイス企画!!

今回は、とんちゃんが客演ではないですが、悠未さんが客演として出られるということで、それはそれは楽しみにしていました。

寺山作品といえば、詩は除いて戯曲に関してはエログロナンセンスのイメージしかなかったのですが、今回の「人魚姫」の物語は、それはそれはメルヘンチックな内容で、寺山氏の純粋さが際立つ言葉群の数々に、酔いしれました。

そう、寺山氏の詩は、メルヘンチックなんよね。寺山氏の詩が大好きな友達がいて、その友達から寺山氏のロマンチックな詩集を教えてくれて、初めて寺山氏の純粋な一面を知りました。それまではアングラの帝王のイメージしかなかったからね。

ちなみに、その友達にはお礼に寺山氏の美輪さん主演「青森県のせむし男」のビデオを貸してあげました。ロマンチックな詩を書くイメージしか持ってなかった友達には、ちょっとアクが強かったようで途中で観るのやめたと言ってました。うん、好みじゃないと分かって貸しました。イジワルしてごめんね(笑)

私のどうでもいい話はさておき、

今回の作品は、まさに寺山氏の詩集の中にあるような純粋な一面が引き立った内容になっていて、人形を使った演出になっていたからでもあるけど、野田さんの「障子の国のティンカーベル」似た作風でした。どちらも切ないラストでしたもんね。

チケット代と公演日数からするとかなり贅沢な演出になっていて、東京公演より倍以上の広さの劇場なのに、見事なまでに寺山ワールドというか、Project Nyxワールドに染め上げてました。

開演前や幕間では、劇場の扉をくぐった瞬間から、客席をブルーのライトで照らし、あたかも客席を海だとイメージさせる演出になっていたし、実際、開演してからも、水色の大きな布を広げて客席後方からお客さんの頭上を通ってゆっくり舞台へと向かっていく演出も、明らかに海をイメージしているのも分かるし、明らかに東京よりも凝った演出になっているのも想像できるし、本当に凝った演出でした。照明も凝っていた。


もちろん、宇野亞喜良さんデザインの人形や衣装や美術もなかなかの個性があって、辻村寿三郎さんとエエとこ勝負な感じでした。

ストーリーは、本当に切ない物語でした。

でもね、でもね、演出にケチをつける訳じゃないけど、結果的にはケチをつけているんですが、マリーは、もう少しべっぴんさんの方が良くないかい???

マリーを演じた水嶋カンナさんは元々美人さんなのに、マリーは顔&心ブスなキャラ設定になっていたので、人魚姫のマルドロールが愛したジークフリートが海で溺れた時に発し続けた“マリー!”の言葉が実はあのキャラだと知って、マルドロールが違う意味で可哀想だった。

何が言いたいかというと、“マリー”とは、マルドロールが初めて知った人間の言葉なんよね。マルドロールにとっては、愛する人から聞いた最初の言葉なんよ。大切な言葉なんだよ。

その言葉が、実はジークフリートの許婚の名前だった訳なんだよ。まだ、そのマリーが心美人なキャラ設定だったら、マルドロールの悲劇性はティンカーベルのように増長するけど、心ブス設定だったら、ぶっちゃけ書くと、

ジークフリート、お前はアホか!?いくら親が決めた相手でもちゃんと人間性を視ろよ!マルドロール、ジークフリートなんかやめとき。ほかにもエエ男はおる!あんな奴に愛されんでエエ!

と言いたくなった。


溺れた時に発した言葉があんなマリーやったら…、マルドロールがあんな男のために泡になるんか…と思ったら不憫でならなかった。これが、心美人なマリーだったら、マルドロールの死は涙もんやったんやけどね…。ま、逆に、泡になる方が幸せだったかもね、思い出も記憶もなくなるから。

なんて思いました。

美しい思い出や記憶は残しておきたいけど、嫌なことは記憶から消し去りたいよね、普通は…。あのジークフリートはアカンわ!と私は思ってしまった。決して悠未さんがダメと言ってる訳じゃないので、ファンの皆さん誤解しないでね。



マルドロールを演じた青野紗穂ちゃんは、まだ高校生なんやね。歌は良かったけど、演技はまだまだというか、初々しいというか、まだ若いって感じでした。高校生だから仕方ないとは言いたくはないけど、この役を演じるにはまだまだイメージが足りなかったね。もっと想像力が必要だった。まだまだ若いし、チャンスはあるのでイメージを大切に!

ジークフリートの悠未さんは、宝塚現役時代とさほど変わらないイメージというか、役柄というか、現役時代のまんまのイケメンのジークフリートでした。あんなマリーじゃなかったらエエ男やったんやけどね…。

散々こき下ろしたマリーの水嶋さんは、後姿は最高に美人!客席から登場して来た時の品格は、それはそれは素晴らしい!なのに、正面向いたら…。これは演出のせいなのか?脚本のせいなのか?なんであんなキャラにしたんだ!?と言いたくなった。

黒色すみれのお二人さんは、楽器は使えるし、歌は歌えるし、声音も使えるし、もはや、ミュージシャンというよりかは女優さんでした。素晴らしかった。

狂言回し的存在の佐藤梟さんもイイ味出してた!子役の金世那ちゃんとエエコンビでした。

個人的には、金魚役の方が良かった。パンフレットを読んでも誰が演じたのか名前分からなくて申し訳ないですが。衣装映えしてたし、とても印象的でした。

あと、太鼓を叩かれていた方を途中までずっと悠未さんの二役だと思ってました。それくらい似てた!やっぱ身長がちゃうかったね(笑)今だから書きますが、わたくし、悠未さんのお茶会に行ったことがあります。もちろん握手してもらいました。本当に背が高い!

藤田俊太郎さんの演出は、本当に安いチケット代の割には凝った演出になっていて、上手く客席も使って、さすが蜷川さんのお弟子さん(?)だけありました。照明と布の使い方が上手かった!

あと、人形の動きと人間の動きの絶妙なバランスの良さやシンクロ度もなかなか見応えある演出でした。

宇野さんのデザインはホンマ独特やった。アングラというかアヴァンギャルドテイストにピッタリなデザインでした。エロチックな感じが良い!

音楽劇だけあって生演奏だし、メルヘン&ロマンチック要素満載だったし、何より、パンフレットにも載ってますが、寺山氏の台詞が美しい!

同じ純粋な台詞でも、三島氏は貴族的な品がある純粋さ、というか透明度がありますが、寺山氏の場合は、乙女チックな純粋さって感じやね。まさか、寺山氏の舞台作品で、こんなロマンチックな作品が観れるとは思わなかった!って感じです。

これを機に、Project Nyx関西公演を継続して欲しいな~と願ってます!!!m(_ _)m

それにしても、今日のお客さん、関西のお客さんぽくなかった。東京から来られた方が多かったのか、関係者が多かったのか、雰囲気が全然違った。この人たち何者???と思いながらお客さんを観察してました(笑)

今日のまとめ:寺山氏の詩で、この作品にピッタリな詩があるんよね…。『てがみ』という詩です。めちゃロマンチックなので、興味があったら検索してみて下さい!





化裸地図「グッドバイ」

2015-10-12 22:36:39 | 舞台
ケラさんX太宰治=大悲劇or狂気沙汰

と思って覚悟して観劇したら、

大間違いだった!

最初から最後まで笑いっぱなしの3時間でした!

大好きな女優さんのケラ夫人の緒川たまきさんを筆頭に、ケラさん&ドラマ「怪奇恋愛作戦」ファミリーの仲村トオルさん、池谷のぶえさん、萩原聖人さん、夏帆さん。

生の舞台を拝見したかった小池栄子さん。「阿弖流為」でオリジナル版の鈴鹿役の水野美紀さん。最近ご縁がある門脇麦ちゃん、町田マリーさん、山崎一さん。そして、今回初めてなのかな…?野間口徹さん。いや、野間口さんは初めてじゃないはず。あ~思い出せないm(_ _)m

ぶっちゃけ、最初に書いた数式のように、ケラさんの太宰治モノということでめちゃくちゃ躊躇しましたが、キャスト陣がめちゃくちゃ魅力的だったので、覚悟して臨んだら、良い意味で裏切られまくりで本当に面白かった!

もう最初から面白くて仕方なかったんですが、ケラさんのことだから、ウディみたいにラストで大どんでん返しの悲劇的なオチがあるはず!と思って観ていたので、最後まで楽しい内容だったので、それだけで大満足!

ケラさんにしては珍しくコメディだったので、ケラさん、どうしたんですか???って思ってしまったほど(笑)m(_ _)m

前半に、後半に悲劇的展開があるはず!と匂わすような台詞や出来事が多々あったからだと思いますが、ホンマまんまと騙された感じです。


たくさんの愛人がいる雑誌編集長が、偽の奥さんを連れて一人一人の愛人に会いに行き、愛人と縁切りするという単純なプロットなんですが…、

突然、奥さんと一緒に来られたら、愛人も堪ったもんじゃないよね~、ビックリするよね~、いろいろ考えるよね~、

奥さんも、旦那にたくさんの愛人がいると知ったら、これまたいろいろ考えるよね~、的な展開もあり、

愛人と別れてもまだ未練があったりと、最低な人間ではあるけど憎めないキャラでもある編集長。

そんな編集長を取り巻く愛人たち、奥さん、仕事関係者、そして、偽の奥さんによって繰り広げられる編集長の波瀾万丈(?)ストーリー。

私の予想をはるかに裏切る展開になっていて、結果的には本当に面白かった!

仲村トオルさん演じるたくさんの愛人がいる編集長役は、本当に最低男で、ダメ男なんだけど、これがまあ~憎めないキャラなんよね。「怪奇恋愛作戦」の刑事役に似た役柄で、とっても良かった!ひと昔前までニヒルな二枚目役が多かったのに…、いつの間にか三枚目の役が似合う役者さんになってしまわれて…。本当に良かったですよ!(笑)

偽奥さん役の小池さんが、これまた素晴らしくて、最高なキャラやったね!大食漢で一癖も二癖もある役柄を体当たりで演じられていて、もうあの威圧感丸出しの眼力が凄かった!最高に笑わせて頂きました。

気弱な愛人の中で、1番エリートな感じの女医役のたまきさんもピッタリな役柄だったし、本モノの奥さん役の水野さんの超自然な演技も良かったし、その他訳あり愛人役の町田さん、夏帆さん、麦ちゃん、第二幕目が各々個性が目立ってた。

萩原さんも、山崎さんも、野間口さんも個性的なキャラだった。

中でも1番、私を楽しませてくれたのが、池谷さん!沢山のチョイ役キャラを演じられていてめちゃくちゃ笑わせてもらいました。だいたいの占い師も良かったし、おじさんも笑けたし、幸子ちゃんも笑わけたし、池谷さんが登場する度に笑えて仕方なかった。小池さんとええとこ勝負でした。

悲劇的な大どんでん返しがあるはずと身構えながら観ていて、身構えれば身構えるほど、池谷さんと小池さんのキャラがツボにはまってしまい、本当に笑けて仕方なかった(笑)

結果的には、ハッピーエンドで良かったですが、ケラさんが、太宰治でこんなコメディを作るとは想像してなかった。

演出に関しては、ケラさんお得意のプロジェクションマッピングを使った演出で、舞台一面使った奥行きのある舞台セットで、段差のある床が動いたりと、シンプルな割にはなかなか凝ってましたね。登場人物が不思議な動きをしたりと、なんか、ケラ作品を観てるというより、維新派の舞台を観てる感覚でした。

どのキャラも愛嬌があって愛しい登場人物だらけで、これって本当にケラさんの脚本???って疑いたくなるくらい、本当に楽しい作品でした。


大阪千秋楽を拝見したので、はい、「阿弖流為」とマチソワ観劇でございます。カーテンコールには、ケラさんが登場されました。結構早くに出られてきてビッタリした!さっさと帰って欲しかったんだろうね(笑)


まだパンフレットを読んでないので、何故ケラさんが太宰治でこんな作品を作ったのか!?読み取ろうと思います。

何度も書きますが…、

ケラさん、本当にどないしたんですか???なんかいいことあったんですか???(笑)m(_ _)m

今日のまとめ:正直、太宰治は苦手だけど、このケラさんの脚本は好き!