拡大か収拾か…ウクライナ戦、重大な岐路へ
ロシアとウクライナが4回目の交渉を行う日
米中も初めて高官級会談
戦争中止の妥協案が導き出されるかどうかに注目
ロシアとウクライナ、「成果が出るだろう」と期待
先月24日に始まったウクライナ戦争の「戦争拡大」か「収拾」かを分ける重大な分水嶺に入った。14日の「二つの会談」の結果次第で、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの全面戦争が発生する可能性も、劇的な外交的解決策が導き出される可能性もある。
今回の戦争には、これまで2度のヤマ場があった。ロシアは開戦初日からウクライナの首都キエフ(現地読みキーウ)に空輸部隊と機甲兵力を集中する「電撃戦」でウォロディミル・ゼレンスキー政権の除去を狙った。ゼレンスキー大統領は開戦2日目の夜、キエフの街で「指導部が首都で決死抗戦している」と国民の抗戦意志を引き立てた。ウクライナ人たちは驚くべき抵抗の意志を示し、ロシア軍の鋭鋒をくじいた。米国と欧州も強い団結力を誇示し、ロシアを国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)から締め出すなど、過酷な経済制裁を続けている。
2度目のヤマ場は4日、ロシア軍が欧州で最大のウクライナ南部のザポリージャ原発を攻撃したことから始まった。人類共倒れを意味する「恐ろしい事故」の可能性を知りながら、ウクライナへの電力供給を止めようとするロシアの姿に、国際社会は驚愕した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は重ねてウクライナの非軍事化▽非ナチ化△中立化などを実現すると述べており、11日の会見では「この困難な時期を克服し、結局利益を得られるだろう」と述べた。
ロシアはウクライナ人の抗戦意志を粉砕するため軍人と民間人を問わず無差別攻撃を続けている。攻撃は首都キエフ、第2都市ハリコフ(現地読みハルキウ)、アゾフ海に面した東南部の都市マリウポリなどで、今も続いている。ウクライナはロシアの空襲と爆撃に打ち勝つためには、NATOが自国上空を「飛行禁止区域」に設定すべきだと要求している。しかし、米国は第三次世界大戦の可能性を懸念し、難色を示している。
そうしているうちに、3度目のヤマ場がやってきた。ロシア軍は数日内にキエフなどで大規模な人命被害が避けられない「大攻勢」に出る構えだ。ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は12日、西欧のこれ以上の軍事介入を遮断するためにウクライナに武器を供給する車両が「適法な目標物になり得る」と警告した。13日にはポーランド国境からわずか20キロメートル離れたヤボリウ基地にミサイル約30発を発射した。ここは米国やカナダなど外国の軍事顧問がウクライナ軍を訓練する「平和維持安保国際センター」がある場所だ。米マスコミは同日、ロシアが中国に軍事装備と追加経済援助を要請したと報道した。孤立したキエフでおぞましい流血事態が発生し、中ロの結束が強まると、戦争の行方は予測できなくなる。米政界では、すでにウクライナに戦闘機を供給すべきだという強硬論が高まっている。
差し迫った破局を避けるため、14日(現地時間)、2つの会談が開かれる。ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問はツイッターで、「14日の第4回休戦会談がテレビ会談で開かれる」と明らかにした。彼は「ロシアが現実をもう少しきちんと認識し始めた」としたうえで、「数日内に一定の成果を出せると思っている」と述べた。ロシア代表団所属のレオニード・スルツキー下院外交委員長も「数日内に双方が合意文に署名できると期待している」と述べた。ウクライナは最近「妥協」のためNATO加盟を先送りする意向を示唆した。しかしフランスのジャン・イヴ・ルドリアン外相は「最悪の状況がまだ我々の前にある」と悲観的な見通しを示した。
米ホワイトハウスも同日、イタリアのローマでジェイク・サリバン国家安保補佐官と中国の楊潔チ外交担当政治局員が会うと発表した。両会談は人類を泥沼から救い出すことができるだろうか。
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