どこ吹く風

旅のことを主に書く。

カバンを持った女

2006年07月19日 08時09分24秒 | モンブラン
 Gracier Express 氷河急行の路線 Thusisという駅がある、トゥジイスと読むらしい。
場所は、St.Mritzサンモリッツから出てダヴォスへの分岐点Filisur駅を過ぎると渓谷沿いに走る。ここからが絶景の始まりです。遙か下の川底からアーチ橋の石の柱が伸び上がっている風景が素晴らしい。そのハイライトがランドヴァッサー橋だ。

 この渓谷美を見ようと思うなら、Gracier Expressに乗らず普通便に乗りしかも2等車にした方が良い。氷河急行も普通便の1等車も窓が開かないので、車窓から身を乗り出してその美しさを堪能したり、写真を撮ることが出来ないからです。

 美しい渓谷を出ると見晴らしの良い場所に出てきて、暫らく進むとThusis駅に着く。ここのホームに「カバンを持った女」が坐っているのです。
昨年ここを通ったとき、アレッと思い気になったので駅名を記しておいた。
田舎の駅に佇む女の人、旅情溢れる姿だった。しかもそれは像のように見えた、ブロンズ像だと思う。この次通る時に確かめようと心密かに楽しみにしていたのです。

 その像を見たとき、赤毛のアンの駅に降り立ちときの姿を思い浮かべました。スイスなのにどうしてアメリカの片田舎を思い出すのか自分でも不思議ですがその時の印象がそうだったのです、イメージの貧困か。

 この旅でそこThusis駅を二度通りました。ZermattからSt.Moritz行きの氷河急行では私の期待を裏切り窓の開かない2等車はホームのはずれで停車したのです。通り過ぎる際にシャッターを押したのですが彼女は逆光の中にいたのでたぶん上手く撮れていないと思う。
その帰りは普通車だったので、今度こそはと狙っていたのですが、時間の関係で又逆光、それでも数回シャッターを押した、速度が落ちているとは言え動いている車内からです。向こうの汽車は出発の合図も無く出てしまうし、ドアもボタンを押さなければ開かないのでホームに下りて彼女に近づいて撮る勇気はありませんでした。

 写真の出来は、未だ整理していないので分かりません。この次は予め1等車に移動して彼女のど真ん前から撮りたいものです。でもその機会が来るのかどうかは全く予測が付きません。
一緒に行った妻の話によると、彼女はカバンを脇に置きもう一つのスーツケースに腰を下ろしているように見えたそうです。私はベンチに腰掛けていると思っていました。

 どなたかご覧になり、また写真をお持ちの方情報を下さい。写真がいただけるならありがたい。
なお、クールから行くと、川向こうの切り立った丘にお城か館のような素晴らしい景色が出てくるとThusisは近いです。