暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

茶の味

2010年12月16日 22時57分09秒 | 邦画>殿堂
2003年/邦/石井克人監督・脚本/坂野真弥 佐藤貴広 三浦友和 手塚理美 我修院達也 浅野忠信
中古買い取りDVD

2周目

中古とはいえ安くはなかったのだが、めったに見かけることもないので買っておいたのだ。本編ディスクの他にもう一枚、特典ディスクまで入っている。
「4年の歳月をかけて製作」とかなんとか大仰なことが書かれてあったが、メイキングを見ると行き当たりばったりとしか思えない。監督が「家族群像劇を作りたいなあ」という考えが頭の中に湧いてから、4年温めていただけのような気がする。「日本の田園風景の美しさを…」とかなんとか言ってるけど、桜の4月から早苗の6月くらいまでしか描いてないもん。

大きい自分に常に見られていることに悩む小1の幸子(坂野)は、逆上がりが出来るようになれば解決すると思い込んで練習に励む。
高校生のお兄ちゃんハジメ(佐藤)は、転校してきて囲碁部に入ったアオイ(土屋アンナ)に一目惚れして恋の囲碁生活。
お母さん(手塚)は手描きアニメーターとしての職場復帰を目指し、家族を見守りながらの家事と動画描きの両立。
アヤノ叔父さん(浅野)は、お母さんの弟。何のためにあの家にいるのかは知らないが、生業はミキサーです。
アキラおじいちゃん(我修院)はお母さんのお師匠で、お父さんのお父さん。轟木姓。
お父さん(三浦)は心理療法士。春野家の入り婿。でもおじいちゃんは同居なんだ。
おじいちゃんにはもう一人息子がいて、漫画家の轟木一騎(轟木一騎)。おじいちゃんと一緒に「山よ」というダンス付きの歌を、アヤノ叔父さんのミキシングでリリース。

と、こんな家族の動きを描きながら、そんなこととは関係のない思い付きエピソードがごちゃごちゃと挿入されている。松山ケンイチ、加瀬亮、寺島進、中嶋朋子、武田真治、菊池凛子、田中星児、庵野秀明、草なぎ毅、それから石井作品にお馴染みのみなさんに監督のお友達等々、意味なく豪華キャスティング(もれなくチョイ役)。
そんなのをぼんやり眺めていればいいのです。意味なんか求めちゃダメだ。
因みにナレーションを務めた和久井映見が、お父さんの治療を受ける患者として出演。「和久井の見ている幻想として観てもいい」と監督は言っていたが、監督にそんな意図はないから注意するように。

特典ディスクにはメイキングと、カンヌ映画祭にお呼ばれした時の模様が収録されていた。初めて石井克人を見たんだけど、素敵な人でした。タランティーノと繋がる、と言われれば、そういえばそうかなと確かに思えた。
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