2006年/米・カナダ/ジェームズ・ガン監督/ネイサン・フィリオン エリザベス・バンクス マイケル・ルーカー グレッグ・ヘンリー タニア・ソルニア
2010年12月4日 TBSダイヤモンドシアター
【あらすじ】
鹿狩り解禁に湧くウィーズリー町に飛来した隕石から、謎のにちょにちょ生命体が現れた。
それを見付けたグラント(ルーカー)は、にちょにちょからぴゅるぴゅるを撃ち込まれ寄生されてしまう。徐々に怪物化してゆくグラントだが、恋女房スターラ(バンクス)への想いはむしろバーニング。一方でスターラの妹ブレンダを宿主母体に、寄生体<スリザー>の繁殖を開始した。
超でぶブレンダから弾け出した数千匹もの舌状寄生体は、人間の口から飛び込み脳を乗っ取ってしまう。寄生された宿主人間は本体であるグラントに同調し、生肉を貪り食らうゾンビ人間に!辛くも寄生を免れたスターラと警察署長のビル(フィリオン)それと町長のジャック(ヘンリー)は、助けを求め怪物退治に向かう。道中、一瞬だけスリザーの口中侵入を許したカイリー(ソルニア)を助け同行するように。カイリーはグラントと、10億年にも渡る生命体の記憶が注入されていた。彼女が得た情報を元に怪物退治に向かう4人だが、グラントの思慕によりスターラはゾンビたちに連れ去られてしまう。
20年越しのビルのスターラへの片思いは、彼女を、そして人類を救うことができるのか…!?
登場のし方がアレだったんで、先日ノベライズ版を読了したばかりの「ブロブ」のリメイクかと思った。
解説によると、今作の監督ジェームズ・ガンはB級カルト・ムービー制作会社<トロマ>出身で、記念すべきデビュー作なんだとか。色んなBホラへのリスペクトやらオマージュが捧げられているらしいのだが、生憎と私レベルでは理解不能。マニア向けなんだろうな。嫌いなジャンルではないので、興味はある。
にちょにちょクリーチャーが如何にも(ダジャレ)B級然としていながら、そのB級好きに的を絞った作りで意外と面白かった。マイケル・ルーカーの頭から生えたぴょこぴょこ動く触手越しに、金髪の沢口靖子的美貌のエリザベス・バンクスが大真面目で結婚の誓いを訴えたり。ところどころで感じる<リアル感覚とのズレ>は、ホラーをパロった「ミステリー・ツアー」を彷彿とさせるのだった。
例えば「ブロブ」なら、でろでろが人を呑むというただそれだけの恐怖を、どれだけのシチュエーションで提供できるかというところにかかっている。
ところが今作は、体内に潜り込まれたり、人間形態のまま怪物になったり、動物を惨殺したり、畸形になったり、にちょぬるタコイカ系怪物になったり、異常な肥満ではあるが意識も肉体も人間そのものだったり、小型大群うぞうぞ型だったり、ゾンビだったり、カニバリズムだったり、生物の成熟に寄生やら変態やらを取り入れることでさまざまなグロが楽しめるような仕掛けを施してくれている。時にそれは「何のためにお肉を買ってるの?」といった疑問を抱く観客放置状態を生み出しもするのだが、同時に先の読めなさに気を抜けない効果をもたらしもした。
面白かったけど、マニア向け漫画を崇拝するすごく絵の上手い同人作家が、メジャー誌にマニア向けのパロディを描かせてもらったとか、そんな印象のある作品でした。
因みにこの人、きっと「寄生獣」(岩明均/アフタヌーン)読んでるよね。
2010年12月4日 TBSダイヤモンドシアター
【あらすじ】
鹿狩り解禁に湧くウィーズリー町に飛来した隕石から、謎のにちょにちょ生命体が現れた。
それを見付けたグラント(ルーカー)は、にちょにちょからぴゅるぴゅるを撃ち込まれ寄生されてしまう。徐々に怪物化してゆくグラントだが、恋女房スターラ(バンクス)への想いはむしろバーニング。一方でスターラの妹ブレンダを宿主母体に、寄生体<スリザー>の繁殖を開始した。
超でぶブレンダから弾け出した数千匹もの舌状寄生体は、人間の口から飛び込み脳を乗っ取ってしまう。寄生された宿主人間は本体であるグラントに同調し、生肉を貪り食らうゾンビ人間に!辛くも寄生を免れたスターラと警察署長のビル(フィリオン)それと町長のジャック(ヘンリー)は、助けを求め怪物退治に向かう。道中、一瞬だけスリザーの口中侵入を許したカイリー(ソルニア)を助け同行するように。カイリーはグラントと、10億年にも渡る生命体の記憶が注入されていた。彼女が得た情報を元に怪物退治に向かう4人だが、グラントの思慕によりスターラはゾンビたちに連れ去られてしまう。
20年越しのビルのスターラへの片思いは、彼女を、そして人類を救うことができるのか…!?
登場のし方がアレだったんで、先日ノベライズ版を読了したばかりの「ブロブ」のリメイクかと思った。
解説によると、今作の監督ジェームズ・ガンはB級カルト・ムービー制作会社<トロマ>出身で、記念すべきデビュー作なんだとか。色んなBホラへのリスペクトやらオマージュが捧げられているらしいのだが、生憎と私レベルでは理解不能。マニア向けなんだろうな。嫌いなジャンルではないので、興味はある。
にちょにちょクリーチャーが如何にも(ダジャレ)B級然としていながら、そのB級好きに的を絞った作りで意外と面白かった。マイケル・ルーカーの頭から生えたぴょこぴょこ動く触手越しに、金髪の沢口靖子的美貌のエリザベス・バンクスが大真面目で結婚の誓いを訴えたり。ところどころで感じる<リアル感覚とのズレ>は、ホラーをパロった「ミステリー・ツアー」を彷彿とさせるのだった。
例えば「ブロブ」なら、でろでろが人を呑むというただそれだけの恐怖を、どれだけのシチュエーションで提供できるかというところにかかっている。
ところが今作は、体内に潜り込まれたり、人間形態のまま怪物になったり、動物を惨殺したり、畸形になったり、にちょぬるタコイカ系怪物になったり、異常な肥満ではあるが意識も肉体も人間そのものだったり、小型大群うぞうぞ型だったり、ゾンビだったり、カニバリズムだったり、生物の成熟に寄生やら変態やらを取り入れることでさまざまなグロが楽しめるような仕掛けを施してくれている。時にそれは「何のためにお肉を買ってるの?」といった疑問を抱く観客放置状態を生み出しもするのだが、同時に先の読めなさに気を抜けない効果をもたらしもした。
面白かったけど、マニア向け漫画を崇拝するすごく絵の上手い同人作家が、メジャー誌にマニア向けのパロディを描かせてもらったとか、そんな印象のある作品でした。
因みにこの人、きっと「寄生獣」(岩明均/アフタヌーン)読んでるよね。