暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

旭山動物園物語/ペンギンが空をとぶ

2010年04月30日 22時59分31秒 | 邦画>★★
2008年/邦/マキノ雅彦監督/西田敏行 中村靖日 前田愛 長門裕之 岸部一徳 柄本明 萬田久子
2010年4月30日 日テレ金曜ロードショー

【あらすじ】
北海道旭川市に実在するご存知<旭山動物園>が、動物園の栄光を手に入れるまでの顛末記!

旭川市には姉が嫁いでいて、何となく気にはなる存在。と言っても、旭川を訪問してはいるものの、園に向かったことはない。だって姪っ子がさー、ペンギン怖いとか言うからさー。

それにしても今作。面白くなるのが、最後の30分だけなんだよね。それまで延々と、動物園の事情を説くばかり。そりゃ飼育員さんたちの個性と愛情は見るべきものがあるかもしれないけど、そんなもん何処だって一緒でしょ。
「行動展示」に踏み切ってからが旭山の旭山たる面白みなのであって、そこからの部分に絞って時間をかけて見せて欲しかったなあ。

監督は津川雅彦…。また兄ちゃん殺して。何か恨みでもあるのか。つーか、アンタは落語映画でも撮ってなさい。
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アーサーとミニモイの不思議な国 ARTHUR AND THE MINIMOYS

2010年04月29日 11時00分28秒 | 洋画>★★
2006年/仏/リュック・ベッソン監督/フレディ・ハイモア ミア・ファロー/(声)神木隆之介 夏木マリ 戸田恵梨香 えなりかずき Gackt
2010年4月29日 テレ東朝/新作映画公開記念!

【あらすじ】
おばあちゃん(ファロー)の家に預けられたアーサー少年(ハイモア)が、おじいちゃんとお宝ルビーを探しに小っちゃくなって大冒険。

折角の祝日に、朝早くも8時から放送!15分まではNHKの「ゲゲゲの女房」を観ていて、それから10分ほどぼんやりしてから「そうだ!」と思い出しチャンネルを合わせた。
どうせ新作続編の宣伝に10分くらい使ってるんだろうし、観始めた時まだアーサー君は通常サイズだったからそのまま観戦続行、済スタンプ対象とする。

日本では2007年、「グラインドハウス」と近い時期に公開されていたように記憶する。何故ならば、「グラインドハウス」を特集した「シネコン・ウォーカー」を手に入れようと躍起になっていた時に手に取った別の号で特集されていたのが、今作とリュック・ベッソンだったからだ。
一応読んだその記憶をおぼろげながら思い出すと、今作はベッソンが子供の頃から温めていたネタだということだったと思う。
はいはい、なるほど。子供が庭で空想しそうなプロットだわさ。色々と不動産売却の危機に絡めて大人の肉付けをするにはしているが、基本子供の妄想の範囲内。「アーサー王伝説」を子供向けにアレンジしたといえば聞こえはいいが、何のことはないただのパクリとしか思えない。登場人物が小さいだけで、オリジナリティはほぼ感じられないのだった。お姫様は都合良く好みのタイプ、ただのチビッコのくせに主人公の各種パラメータは鍛えもしないのに最初から高く、体長2ミリの小人にピッタリサイズのミニカーがハンドル操作できるとなると、これは現実ではないぞというベッソンからのメッセージと思っていいのかい?
セレニア姫は可愛いが、肝心のミニアーサーは可愛くもかっこ良くもなく、ラブエピソードの唐突性に唖然。おませしてんじゃねーぞ。
更にえなり…じゃない王子ベタメッシュは救いようがない。何のために居たんだ、アイツ…。
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ナイスガイ Mr. Nice Guy

2010年04月26日 23時03分00秒 | 洋画>★★
1997年/香・豪・米/サモ・ハン・キンポー監督/ジャッキー・チェン リチャード・ノートン ガブリエル・フィッツパトリック ミキ・リー
2010年4月26日 テレ東午後のロードショー〔GWスペシャル〕

【あらすじ】
舞台はオーストラリアはメルボルン!コカイン取り引きを巡るいざこざがあって、警察より鼻の利くマスコミが取り引き現場のビデオ撮影に成功した。
ところがどっこい、隠し撮りしているところを見付かった撮影隊は組織に追跡される羽目に。テープを持って逃亡中のダイアナ(フィッツパトリック)は、通り掛かったテレビショーでお馴染みの中国人料理人ジャッキー(ジャッキー)に助けられた。と同時に、持っていたテープが入れ替わってしまった!
ビデオテープはジャッキーの甥っ子(?)が勝手に持ち出してしまい、そうとは知らない大人たちはテープを巡って命懸けの攻防!渡豪してジャッキーに逢いに来た恋人のミキ(ミキ)をも巻き込み、マフィアのボスジャンカルロ(ノートン)に立ち向かう!


何で一介のコックさん如きがあんなに強いのだ。それはジャッキーだからだ!セガールだって意味もなく強いコックさんやお医者さんをやっているし、アクションムービーにはそういうジャンルがあるってことでいいんじゃないかな。
柵の隙間をニュルリと擦り抜けるジャッキーが、猫みたいで凄かった。あんなこともできるんだ…。
途中監督導演のサモはんが乱入するが、今回の吹き替えは水島裕ではないのだった。そう言えば最近、裕ちゃんの声を聞かないなあ。
因みにボス役のリチャード・ノートン(吹き替えはセガールでお馴染み大塚明夫)は空手の達人なんだそうだが、そのスキルを全く活かしていないのは…ジャッキーより強いからだったりして。って、起用の意味ねーよ!

ところで、かれこれ17、8年近く前になってしまうだろうか。<障害者プロレス>という興行があって、そこに<ナイス・ガイ>という障害者レスラーが居たなあというどうでもいいことを思い出してしまったのだった。私も色んなもの見てきてるなあ…。
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ヤッターマン Yatterman

2010年04月25日 22時14分07秒 | 邦画>★★
2008年/邦/三池崇史監督/櫻井翔 福田沙紀 深田恭子 生瀬勝久 ケンドーコバヤシ 岡本杏理 阿部サダヲ 山寺宏一(主に声) 滝口順平(声)
2010年4月23日 日テレ金曜ロードショー
【あらすじ】
4つに分かれ、世界に散らばっている<ドクロストーン>。全てのパーツを合わせると奇跡が起きると言われているこのアイテムを巡る、泥棒の神様ドクロベー(滝口)とそのしもべ<ドロンボー一味>と、正義のコスプレおもちゃ屋さん<ヤッターマン>の戦い!因みにヤッターマンは、道交法も入国管理法も違反しています!
ドクロストーン研究の第一人者海江田博士(阿部)とその娘翔子(岡本)の親子愛!敵であるヤッターマン1号(櫻井)に胸キュンしてしまったドロンジョ(深キョン)の苦悩!そんなドロンジョ様に想いを寄せるボヤッキー(生瀬)の献身!更にボヤッキーの心情に配慮し思い遣るトンズラー(コバヤシ)の友情! そしてドロンジョ様にクラッときてしまいながらも踏み止まるガンちゃんとアイちゃん(福田)の固い愛の絆!
石の取り合いをする泥棒とおもちゃ屋のガキどもに、地球存亡の命運が掛かる!


我々団塊ジュニアの心を鷲掴みにした、1970~80年代屈指のタツノコアニメ「タイムボカンシリーズ」の第二弾「ヤッターマン」を、何の意味があってか実写映画化(といってもキャスト以外はほぼCG)。ウェンツ鬼太郎以上に、コスプレ仮想大会祭りフィルムの感は強い。
こちとら21世紀ヤッターマンは未見ながら、タイムボカンシリーズは「イタダキマン」で完結するまで全シリーズ付き合ったど真ん中世代。「ドロンジョ様が、ボヤッキーが、ヤッターワンが違う~!」と、悶絶しながら観る羽目に遭ってしまった。アイちゃんの福田沙紀は棒読みだったけど、敵役以上に端役だったのでどーでもいーや。
櫻井くんと深キョンファンを当て込んだ企画のような気もするが、実のところ製作側が楽しみたかっただけという気もしないでもない。
個人的に、「1週間に1度ヤッターマンに変身するのである!」という(ような意味合いの)ナレーションがウケた。
そのナレーションであるが、オダテブタやその他細かい部分も含めオリジナルでは富山敬氏が頑張っていた(古代進までやった男が!)。その富山氏亡き今、かのポジションを山寺宏一が違和感なく完璧にカバーしていることに感心した。ついでにヤッターワン及びキングまで。さすがだ!
声優陣といえば、ドロンジョ様の小原乃梨子とトンズラーのたてかべ和也(またの名をのび太&ジャイアン)がカメオ出演していて感激した。もう一人同年代のオッサンが居たのでボヤッキーの八奈見乗児かと思いきや、なんとオリジナル監督の笹川ひろしなのだった。それじゃ八奈見さんは?歳も歳だし…と不安に思っていたが、ただ単に顔見せ厳禁の自主規制を敷いてらっしゃるだけなんだそうな。あーびっくりした。

そういえば、2008年だか09年だかのお正月に、桜井翔ことヤッターマン1号から年賀状が届いてびっくりしたような…(勿論DMです)。
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オーシャンズ13 Ocean's Thirteen

2010年04月24日 23時36分58秒 | 洋画>★★★
2007年/米/スティーヴン・ソダーバーグ監督/ジョージ・クルーニー ブラッド・ピット アル・パチーノ エリオット・グールド アンディ・ガルシア
2010年4月24日 フジ土曜プレミアム

【あらすじ】
オーシャンズメンバーのルーベン(グールド)が、ラスベガスのホテル王バンク(パチーノ)に裏切られたショックでぶっ倒れた!ダニー・オーシャン(クルーニー)と仲間たちは、ルーベンの仇を討とうと「バンクをぎゃふんと言わせるぜ大作戦」を画策。
ホテルの格付けを邪魔したり。穴掘って人工地震起こしたり。カジノの備品に小細工したり。更には足りなくなった資金を前回までの仇敵ベネディクト(ガルシア)に出してもらうため、バンクの片腕であるエレン・バーキンをたらし込んでダイヤ泥棒をしたり!


「11」も「12」も(オリジナルの「十一人の仲間」も)評判ほど楽しめなかったので、今回も詰まらないことを前提に観戦。
結構面白かったのよ。
俳優陣を見分けるスキルが上がったからかなあ。エリオット・グールド!2日前(前記事)に、若い頃の出演作を見たばっかり!
確かに「12」は世間的な評価も高くはなかったようだが、「11」は今観たら結構面白いかも。何しろ初観戦の時は、ジョージ・クルーニーが分からなかったくらいだからなあ。はは。

それにしても、観てるこっちがハラハラするほどの豪華出演陣。キャストへのギャラだけで、島根県が買えそうだ。
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オフサイド7 ESCAPE TO ATHENA

2010年04月22日 21時29分15秒 | 洋画>★
1979年/英/ジョルジ・パン・コスマトス監督/ロジャー・ムーア テリー・サヴァラス エリオット・グールド ステファニー・パワーズ デヴィッド・ニーヴン
2010年4月22日 テレ東午後のロードショー〔戦争映画特集〕

【あらすじ】
舞台は第二次大戦下のギリシャ。ドイツ軍占領下のとある島では、オットー少佐(ムーア)管理の下捕虜たちによって遺跡発掘作業が行われていた。
考古学博士のデヴィッド・ニーヴン、ヒゲのコックさんソニー・ボノ、黒人兵リチャード・ラウンドトリーに、新参ヤンキー芸人エリオット・グールドとステファニー・パワーズの捕虜たち。収容所の外からレジスタンス頭目のテリー・サヴァラスが乱入し、ロジャー・ムーアを味方に引き入れ<オフサイド・セブン>(←謎)の誕生だ!
独軍による理不尽な住民銃殺刑を阻止せよ!総統様に献上するギリシャのお宝は掠め取れ!Uボートの給油基地を爆破しろ!最大のお宝<金の皿>を手に入れるため、ナチの篭城する寺院に潜入だ!


適当にアクションや銃撃戦、サスペンスっぽい部分も盛り込まれているのだが、吹き替え声優を含めたキャスティングの故か妙に軽い。広川太一郎、青野武、羽佐間道夫など。豪華なんだけど、軽い!森山周一郎は渋かった。
そもそもロジャー・ムーアがドイツ兵なんて!で、「M★A★S★H」でお馴染み(?)のエリオット・グールドはアメリカンジョークを飛ばし、ドイツ人たちに全くウケないというギャグがあるのだが。そんなの<ドイツ人は笑いのセンスに乏しい>という通説を知らなきゃ通じないしなあ。ステファニー・パワーズの色気の無いストリップショーも、意味も無いのに時間を掛けてくれた。
お笑い007が主演だし、錚々たる〔戦争映画特集〕のラインナップにあって、肩身の狭い作品になってしまったのだった…。
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アメリカン・グラフィティ American Graffiti

2010年04月20日 22時12分40秒 | 洋画>★
1973年/米/ジョージ・ルーカス監督/リチャード・ドレイファス ロン・ハワード ポール・ル・マット チャールズ・マーティン・スミス ハリソン・フォード キャンディ・クラーク シンディ・ウィリアムズ
2010年3月29日 テレ東午後のロードショー〔春。卒業、そして旅立ち特集〕

【あらすじ】
カリフォルニアの田舎町。ハイスクールを卒業したばかりの青少年たち。
★東部のカレッジへの進学が決まり、奨学金を受け取って明日にも引っ越そうというカート(ドレイファス)。ちょっとすれ違っただけの女にのぼせ上がり、彼女を追っかけてウロウロ。 ★カートの妹ローラ(ウィリアムズ)と交際しているが、田舎を出るにあたって他の女と遊ぶ宣言をしてしまったスティーブ(ハワード)。 ★スティーブのカッチョいいクルマを預かることになり、早速バカそうな女(クラーク)をナンパして見栄を張りまくるも、ダサい目に遭いまくるテリー(スミス)。 ★女の子をクルマに乗っけることに成功したと思ったらそいつは生理もあるかないかのガキんちょで、散々振り回されるハメに遭ってしまったジョン(ル・マット)。町一番の走り屋という称号にも飽きて、そろそろ負けとこうかとハリソンさんの挑発に乗ってみたり。
そんなバカらしい一夜の物語なのであった。


あー、知ってるよこのタイトル。監督はジョージ・ルーカス?プロデューサーはフランシス・フォード・コッポラ?主演はリチャード・ドレイファス?私でも知ってる固有名詞が続々。へええ~、どんなんだろ。
と思ったらこれが!詰まんねー!下らねー!く、糞…と思ったら世間の評判は不思議なほどいい!何がいいのか。俺には分からん。
これまた「アメリカ黒人の歴史」を読んだ余韻が残っているため、白人のこのどうしようもない青春群像劇に反吐が出そうになったのだった。
当時のヒットナンバーに乗せて…てことだから、1960年デコボコのポップミュージックで育った世代には、甘酸っぱいものがあるのかもしれない。オゲ~。
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炎の戦線/エル・アラメイン El Alamein: The Line Of Fire

2010年04月19日 22時41分57秒 | 洋画>★★★
2002年/伊/エンツォ・モンテレオーネ監督/パオロ・ブリグリア ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ エミリオ・ソルフリッツィ
2010年4月19日 テレ東午後のロードショー〔戦争映画特集〕

【あらすじ】
舞台は第二次世界大戦。北アフリカ戦線に配属された若きイタリア志願兵セッラ(ブリグリア)の体験を通して、独伊軍最前線の過酷な状況をご紹介。
ついさっきまでお喋りしていた上官が、爆撃弾で粉々になっちゃったり。戦闘もさることながら、それ以前に渇きと飢えとヘビサソリの類と下痢便なんかが目下の敵だったり。指令本部からの撤退命令も、砂漠を徒歩で移動しなけりゃならなかったり。しかも移動行軍中に、収容基地の指示がコロコロ変わったり。
挙句の果てが、慰霊碑に「名も無き戦士」としか刻まれなかったりとか!


割と面白かった。
この作品では、特に大義とかミッションとか、戦略とか軍略とか、勝ちとか負けとかなくて、ただ戦場があるだけ。主演のパオロ・ブリグリア以外は皆同じ顔に見えるのだが、それでもストーリーがほぼないので困りはしないのだった。
それでそのパオロ君が、若かりし頃のマイク・マイヤーズに似てて可愛かったなあ。←暢気
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アイ・アム・レジェンド I Am Legend

2010年04月18日 22時54分38秒 | 洋画>★★★
2007年/米/フランシス・ローレンス監督/ウィル・スミス アリシー・ブラガ
2010年4月18日 テレ朝日曜洋画劇場

【あらすじ】
人類は何処へ行ってしまったのか。ニューヨークにたった独り、愛犬と共に生きる男ロバート・ネビル博士(スミス)。まだ見ぬ自分以外の生き残りを求めラジオ電波を飛ばし、ライオンと獲物を取り合い、過去のメディアコンテンツで時間を潰し、謎の病原体を研究し治療への道を模索する日々。
彼が恐れている生き物、それは…ウィルスに冒され理性を失い凶暴化して自身と同種の生物を食糧とするようになった、モンスターと化してしまった人類<ダークシーカー>! 脅威の感染力を持ったそのウィルスは、発病率9割!残りの1割は、9割に食べられちゃったのだった。
果たしてネビルは<生き残り>に出会えるか、もしくは治療薬を完成させることができるのか。はたまた憐れダークシーカーの餌食になってしまうのか…!?


原作は、リチャード・マシスンによって1950年代に発表された傑作小説「地球最後の男」なんだそうな。今作以前にも2度映画化されている、SFホラーのスタンダード。だからなのか、「くどく説明的なアナウンスを入れなくても、みんな知ってるでしょ」といった感じの突き放し感もあったような気がする。

<自分の他に誰も居ない世界>というプロットだけは、公開時の宣伝目玉だったから知っていたが。まさか吸血鬼的モンスターが出てくるとは知らなかった。
というのも、孤独願望の強さ故、私自身もよく妄想する<もしも>なのだ。私が憧れ脳内シミュレーションする孤独世界を、ハリウッドが如何様に調理してくれるのかということに興味津々だったのだ。勿論私の妄想に、ホラーモンスターは出てこない。

そのような訳で、ダークシーカーが出てくる前の30分ほど、孤独をエンジョイする主人公のサバイバル風景が、私にとってのハイライトなのだった。無人島モノと違って文明が揃っていて、好きなことし放題!自分勝手な人間どももアンモラルな腐った社会も消失して、あとは自分独りで消費するだけ。超可愛くて従順なシェパード犬がパートナーで、もう言うことなし!
なのにこの主人公ときたら、独りが寂しいとか言うんだよね。マネキン使って擬似恋愛まで楽しんでみたり。バカらしい。
ま、なんのかんの言っても実際同じ状況下に置かれたら、この私だって「寂しい」って思っちゃうんだろうけどさ。実現不可能だからこその、ロマンだよな~。

ところで、以前こんな疑問を持った人が居た。曰く、
「人間の肉を食べるゾンビは、人間を食い尽くしたらその後どうするの」
これは今作とは無関係な場での素朴な疑問で、弱肉強食の食物連鎖上にあって「食う相手を食い尽くしたら、種にとっては致命傷なのでは」という生態学的にごもっともなご意見だったのだ。
この疑問を見た時には下らないことを考えるなあとしか思わなかったのだが、今回確かに、「この人食いモンスターたちは何を食べてるんだろ」と思わずにいられなくなってしまった。だってこの<最後の一人>を食いあぐねてるんでしょ。
実はこの物語に関しては、明確な回答が原作上には記されているらしい。
「どうせ知ってるんだろうから、描かなくてもいいでしょ」なんだろうか。

更にモンスターが仕掛けた罠に主人公が掛かるに至っては、この手のモンスターに知恵があるという思いも寄らない設定に不自然さを感じていた。
ところが原作では、この<知恵>こそが哲学的ターニングポイントらしいのだった。ここでも「みんなもう先刻承知のことでしょ」的扱い。
ここなんか、これを見せることで「ちゃんと原作を意識してますよ、ゾンビじゃないんですよ」というアピールのためだけの描写としか思えない。だって<知恵のある生き物>という意図を回収せずに、自爆特攻という形で結局大量殺人してしまった!そして英雄扱い。それならもう<動く死体>ゾンビとして描いた方が、人道的なのに!

そんなこんなを踏まえて、<超独り暮らし>を忘れてシナリオをなぞってみると、なんと「28日後…」(’02)にそっくりであることが判明。「28日」の脚本家が「地球最後の男」の影響を受けたかどうかは定かでないが、原作から哲学的部分を削いだらそっくりになってしまうくらいのことは、「レジェンド」製作側は気付いて良さそうなもんだがなあ。
そういえば「28日」を観た時も、人が居なくなった世界を楽しそうに思ったような気がする…。

ところで、劇中で「シュレック」が使われているのだが、ウィル・スミスの吹き替えは山寺宏一…。ドンキーと被ってるんだよ。って、流石に劇中映像にあの吹き替え版を差し込むような手間は掛けてなかったけども。山ちゃんもやり辛かったろうな。はは。
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ザ・ウォッシュ The Wash

2010年04月17日 22時36分15秒 | 洋画>★
2001年/米/D・J・プー監督/ドクター・ドレー スヌープ・ドッグ
2010年4月10日 テレ朝シネマ・エクスプレス

【あらすじ】
洗車場で働くディー(スヌープ)とプー太郎のショーン(ドレー)、ルームシェアリングをする二人だが、ショーンが洗車場の面接を受けたらディーの上司として採用されてしまった。
ハッパぷかぷか、堂々と密売、客の財布から札を抜き取り、備品を盗んで、洗車スタッフにビキニ白人美女を雇用。なんだかんだあって、独裁社長が誘拐された。
誘拐犯は主人公たちの影を薄くさせてしまうトンマで、ショーンの前任で解雇された白人(エミネム)も飛び入り乱射!


眠い。
つーわけで、再生を中断して一旦寝ました。スヌープ・ドッグが先日見た「スタスキー&ハッチ」に出てたのと、ナレーター紹介の「おバカコメディです」という一言でちっと期待したのだが。ぐぐう。
出演者やスタッフらの名前を見ると、アッチ系の、ほれ、言う人に言わせると<ヒップホップ>とかいうジャンルで有名な方々らしい。そんな学園祭フィルム…なんて書くと失礼なんだろうな。ごめんなさい。でもこれはきっと、黒人ヤングたちがホームパーティーなんかをやる時になんとなく垂れ流しておく、バックグラウンド映像に重宝しているのではないかと想像する。スヌープと一緒にハッパキメたり女はべらしたり。「出るぞ出るぞ、出た~!エミネム!ぎゃはは!」とか言ったりしてな。

超個人的なことになるのだが、つい先日<アメリカ黒人の被差別史>が書かれた本を読んだばかりなのだ。よくぞこんな国民意識の土壌から黒人大統領なんかが生まれたもんだと奇跡を感じての読了だったのだが、同様にエンタメ界で活躍する黒人たちの卑屈も意識せざるを得なかったのだった。こんな暢気なことやってるけど、苦労したんだろうな、とか。真実を知りもしないくせにそんなこと意識するなんておこがましいんだけども、意識しておかないと理解に近づけない自虐ネタってのもあるから…難しいなあ。所詮のどかな日本人に、彼らの笑いを楽しむことは無理なのかもしれない。なんちって。
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