【16970】010:線路 子を背負い線路に伏した日もあるとばっちゃんは言う豆をもぎつつ(水須ゆき子)
祖母(または老婆)をばっちゃんというのは、富山辺りから秋田にかけての方言のようです。
そのばっちゃんが孫娘(または孫のような娘)に昔の苦労話を畑で豆をもぎつつ、語る情景です。
「子を背負い線路に伏した日もある」。
孫娘なら、この背負われた「子」は自分の親ということになります。
じっちゃんが飲んだくれだったのか、結核にでも罹って死んでしまったか、あるいは戦争に取られて死んでしまったか。
いずれにしても、絶望のあまり子連れ鉄道自殺を試みた日もあったというのです。
戦前か戦中かの「裏」日本や東北の貧しくきびしい生活を生き抜いてきた、ばっちゃんのことばの重さがずしんと響きます。
さりげない「豆をもぎつつ」の結句がその重さをより深めていますね。
祖母(または老婆)をばっちゃんというのは、富山辺りから秋田にかけての方言のようです。
そのばっちゃんが孫娘(または孫のような娘)に昔の苦労話を畑で豆をもぎつつ、語る情景です。
「子を背負い線路に伏した日もある」。
孫娘なら、この背負われた「子」は自分の親ということになります。
じっちゃんが飲んだくれだったのか、結核にでも罹って死んでしまったか、あるいは戦争に取られて死んでしまったか。
いずれにしても、絶望のあまり子連れ鉄道自殺を試みた日もあったというのです。
戦前か戦中かの「裏」日本や東北の貧しくきびしい生活を生き抜いてきた、ばっちゃんのことばの重さがずしんと響きます。
さりげない「豆をもぎつつ」の結句がその重さをより深めていますね。