雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

051101 甦る記憶

2005-12-25 15:01:15 | 甦る記憶
ラジカセの粗末な音をかき分けて魂震ふ楽誰ぞ弾きける

固唾飲み楽の終はりてアナウンスの伝ふを聞けばチョン・キョンファと言ふ

無伴奏パルティータをばチョン・キョンファ弾きしレコードすぐさま求む

来日を告げし記事にはかくありき チョー・ヨンピルとキョンファ・チョンとて

N響の理事の暴言チョンをして初来日を拒みせしける

キムチ臭ドイツの楽に持ち込むを我許さずと愚者は言ひしと

身を低め女豹のごとくチョン・キョンファ音捕へしを未だ忘れず

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051106 甦る記憶

2005-12-25 14:59:33 | 甦る記憶
上田なる小高き丘に言葉なく戦世悼む館は建てり

戦世に断たるる想ひぎりぎりに託せし画布に巧拙あれど

松園も遊亀もをれど秋野不矩(あきの・ふく)わが魂震ふあなたを知りて

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051107 甦る記憶

2005-12-25 14:58:03 | 甦る記憶
庭先に蛙の刺さる小枝見し遥かに遠き日々のありたり

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051117 甦る記憶

2005-12-25 14:56:08 | 甦る記憶
唐津より豆腐商ふカタログの届きて白し主人(あるじ)の髭の

十年の星霜隔て忘れえぬ川島豆腐店の朝餉は

唐津から小石原経て小鹿田(おんた)まで器求むる旅もありけり

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051127 甦る記憶

2005-12-25 14:53:39 | 甦る記憶
父母の潮を炊きて塩つくる日々もありたり生きるたつきに
(潮=うしお)

戦世の終はりてみれば塩すらも潮を炊きて作るほかなく

潮炊く小屋の並びしみちのくの海辺でわれは波と戯る

潮炊きし白浜削る波音を空しく聞きて父母想ふ
(潮=しお)

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051204 甦る記憶

2005-12-25 14:50:16 | 甦る記憶
六十路越す吾にしあれど父逝きて五十五年の歳月経つも

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051205 甦る記憶

2005-12-25 14:49:17 | 甦る記憶
吾が父もモーツァルト忌に逝き給ふ齢奇しくも三十六で

朝まだき白布覆ふ父の面(も)のわれ幼くて意味を解せず

母姉の泣き崩るるに吾もまた悼むにあらぬ涙流せり

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051213 甦る記憶

2005-12-25 14:47:17 | 甦る記憶
肺病みて若く身罷るわが父の口笛聞きし覚えのなくも

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051216 甦る記憶

2005-12-25 14:44:51 | 甦る記憶
熱帯びし雨森に<雪>の降りつみぬ潜める兵を焼き尽さむと

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051217 甦る記憶

2005-12-25 14:43:05 | 甦る記憶
モノクロの写真に父母と姉と兄写りてわれを永久に見つむる

竹薮の昼なほ暗き奥深く白百合咲くを掘りて根を食ふ

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