雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

050602 日々歌う

2005-06-02 14:58:22 | 日々歌ふ
  『古道具 中野商店』

川上に棲むや物書くその女(ひと)の文は流るるゆったりゆったり

あげそめぬ前髪似あふ不思議さよ弘美ワールド織りなす女(ひと)の


  鮒釣りし父

肺病みし父の少なき楽しみは鮒釣りなりき名もなき沼の

一度二度われら幼児連れ行きて父は懲りたり鮒みな逃げむと

一里ほど歩む道のり耐へずなる肺患重く父の釣り止む

みちのくの母のふるさと夜の森(よのもり)で釣りせし父は三十路の半ば
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

050602 題詠マラソンから

2005-06-02 11:43:22 | 題詠マラソン2005から
【16098】080:書 借銭の証文なども書となりて額におさまり恭しく読む(今岡悦子)

 近世文書とよばれる江戸時代の文書の中の借金証書でしょうか。
 墨跡も鮮やかに達筆なれば、「書となりて額におさまり恭しく読む」ということにもなりますね。
 今どきのボールペン、ワープロ文字の借金証書ではそうはなりません。
 結句が効いて思わず微笑んでしまいました。
 
【16078】006:時 石塀の青く動かぬ朝まだき猫のかたちに時は横切る(常盤義昌)
 
 明けやらぬ朝まだき、目が覚めて外を見れば時が止まったように石塀は青く静かに立っている。そこへ一瞬何かの影が横切る。それが猫だということがわかったときには、もう猫の姿はどこにもない。
 「猫のかたちに時は横切る」の表現がそうした情景を表現してみごとです。

【15899】001:声 届かざる愛を知るころ少年の声低くして喉仏肥ゆ (常盤義昌) 

 本当にそうですね。50年近く前の自分がありありと目に浮かびます。
 片思いか恋に恋するか、いずれにしても「届かざる愛を知る」中2のころ、「男の子」は変声期を経て「男」になりました。
 でも、今は「届かざる愛を知る」前に氾濫するセックス情報にも刺激されて、中2のころから簡単に性を体験し始めているようです。
 片思いとか恋に恋するなどというのは、もう死語なのかもしれません。そんな思いも呼び起こされました。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする