雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

060430 日々歌う

2006-04-30 13:39:12 | 日々歌ふ
吾が脳のいつとき狂ひ春の夜に夢と現の境乱るる

身体のいづくも異状のなかりせど浮かぶ思ひのあやしく乱る

始まりし映画を観れど吾が脳にいつしかネットのメール映れり

CTと脳波検査に痕隠し吾が脳中になにの起こりし

疑ひの持たるるものは<一過性脳虚血発作>第一にして

一夜明け心も体も常なればきらめく緑の目にもさやけく

いづれとは思はぬこともなかりせど意識乱るやかく突忽に

生きをれば思はぬことの起こり来む夢と現の入り乱るるも

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077:針

2006-04-29 11:24:49 | 題詠blog2006
少女など買ふ男らの捕まりて妻子の座る針の筵に

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076:あくび

2006-04-29 10:40:58 | 題詠blog2006
噛み殺すあくびもあればひと食ひし言の葉もあれ人生きをれば

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060429 日々歌う

2006-04-29 09:15:50 | 日々歌ふ
濃く薄くあえかに浮かぶくれなゐのハナミズキ咲き卯月さりゆく

大輪の気品ただよふ白薔薇の民家の垣に高く咲きける

八重よりも一重のよけれ白なればなほもよからむ山吹の花

                  *

大ぶりの器に湯気の立ち昇るミルクティー飲むけふの朝餉に

注ぐ湯の九十五度にしもあらむ踊れよ踊れ紅き葉たちよ

たつぷりのミルクに熱き茶を注ぐただそれだけの安らぎもあれ

                  *

噛み殺すあくびもあればひと食ひし言の葉もあれ人生きをれば

少女など買ふ男らの捕まりて妻子の座る針の筵に

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060428 日々歌う

2006-04-28 18:40:48 | 日々歌ふ
丸き葉の高く繁れる桂樹の並びて立てば幹の猛くも

                *

―<藤木久志『刀狩り』(岩波新書)を読みて>
事実もて練達の史家は打ち砕く<丸腰の民>といふ虚像を

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075:打

2006-04-27 22:37:39 | 題詠blog2006
ラ・トゥールに打たれて外に出でたればカレーの市民の悶へて立てり

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074:水晶

2006-04-27 22:16:33 | 題詠blog2006
父遺す水晶の印つぎつぎに吾らの落とし縁欠けゆきぬ

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060427 日々歌う

2006-04-27 13:47:24 | 日々歌ふ
―<藤田嗣治展をつひに観て>

半休を取りし娘と朝イチでフジタを観むと竹橋を再訪ふ
(再訪=と)

全貌を知りて恥じなむその画家をかつて棄てたる吾らのあるを

陶酔も扇動もなく惨劇の戦争画のありぬフジタ描きし

日本画の筆と技をば活かし切る油彩にこそかフジタの才は

静物と動物・子ども描くときフジタの筆の冴え渡りけり

                  *

幽玄といふ文字浮かべ紫の花の咲き初む雨の朝に

咲き初めしオホムラサキの雨に濡れ色鮮らけくなほあまりある

吹く風にシャガの花群しらしらと揺るる姿の緑に映えて
(花群=はなむら)

                  *

父遺す水晶の印つぎつぎに吾らの落とし縁欠けゆきぬ

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060426 日々歌う

2006-04-26 19:22:05 | 日々歌ふ
―<円覚寺にかの坂本弁護士の眠るを知りて詠める>
牡丹咲く遍路の坂を辿りせば弁護士一家の墓はありけり

方代と秀雄の歌碑の山門に並びてあるも端泉寺よし
(方代=ほうだい)

山門をくぐればシャガの咲き群るる夢窓国師が夢の跡庭

筍の黒々穿つ孟宗の青き林に霊気の満てる

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060425 日々歌う

2006-04-25 17:51:48 | 日々歌ふ
さ緑の梢を照らす夕光に家路の吾のこころ溶けゆく

匂ふごと色鮮やかに数輪の紫蘭の花のほころびにけり

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