雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

日々歌ふ1103(31首)

2011-04-30 17:13:20 | 日々歌ふ2011

110301
 いのち継ぐ蛙の行為を<抱接>と言ふを知りてぞ春の真近き
110302
 どれほどに見れど見えずの世界あるちひさきものも大きなものも
110303
 幻想に終らぬことを祈りつつ遥かな民の起つを喜ぶ
110306
 鎌倉の弁天様も嘆かれむ汚銭洗浄横行の世を
 まつたうとでたらめの差の思ふほど大ならざるを知るぞかなしき
110307
 民起つの連鎖恐るる隣国の首脳浮かべむ蜂起の二字を
110308
 幹部らの薄き頭の映りゐる謝罪風景日々にうとまし
110309
 拝金の極まる国のなほ名乗る社会主義こそミステリーなれ
110310
 狩りを為す白鷺のほかこの世から何も失せけり暗き水辺で
110311
 大地揺れ海の襲ひて原発の危機に瀕せる吾がふるさとよ
110312
 ふるさとの町から人の消えゆけり巨大地震に原発耐へず
110313
 ―<福島県立双葉高校のグラウンドで救助を待てる人らの被曝を聞きて>
 亡き父のかつて教へし双(ふた)高の庭にてつひに被曝者出ぬ
110314
 次々に破局迫りぬ故郷にスリーマイルかチェルノブイリの
110316
 暴走のさらに続かば待ちをらむふたたび酷き核の奈落が 
 ふるさとの桜花こそ悲しけれ今年は咲かむ見るひともなく
110318 
 ―<ル=グウィンの「To my Readers in Japan(日本の読者へのメッセージ)」を読みて>
 ああゲドよ割れし指輪の片割れを探しくれぬか時空を越えて
110320
 いのち懸け気高き人らの防ぎゐむ核の奈落をわがふるさとで
110322 
 牛乳もハウレン草も飲み水も見えざる毒のはや冒したり
 主去る核の荒れ野に遺されし犬猫あまたあはれあはれよ
010323
 ヒバクシヤに乳児なりゆく東京の飲み水つひに核に侵され
110324
 原子炉の暴走止めむとつぎつぎに気高き人らヒバクシヤとなる
 今年こそ木々の芽吹きはかなしけれ核の春にぞなりにしあれば
110325
 すでにしてチェルノブイリに次ぐといふ故郷覆ふ核の汚染は
110326
 秋冬に劣らず春もおそろしき季節とならむ核の襲へば
110327 
 ―<京都大学原子炉実験所助教・今中哲二氏と小出裕章氏に捧ぐ>
 原発の危険を究め四十年 偉き人らは未だ<助教>と
 傾けよ今こそ異端の助教らにわれらが耳を危機の最中に
110328 
 原発に官産学の<村>ありて利権・出世を貪り来る
110329
 ヒロシマとナガサキに次ぐフクシマへ日々なり行きぬわが故郷は
 ノーモアの叫びにつづきフクシマと呼ばるる声のはや谺せり
110330
 ポスターに<うつくしま>とふ大いなる文字の踊る日ふたたび来るや
110331
 桜花な咲きそ咲きそ住む民の核に追はれし吾がふるさとに


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日々歌ふ1102(42首、1句)

2011-04-30 16:58:28 | 日々歌ふ2011

110204
 白鳥は悲しからずや安らがぬ人の増えゆく国にやすらぎ
                 *
 威を借るもへつらひ為すも無縁なる幸こそ吾の宝にあらめ
110205
 羽ばたきて飛び立つ勇気列島に失せつつあるを聞くもさびしき
                 *
 いと細き見えぬ流れも絶えざれば大河とならむ人世のことも
 八百長の動かぬ証拠出でにけり土俵揺るがすまさかまさかの
110206
 世も末と思はぬでもなし愛猫の空に腹向け眠る姿に
 この国にふたたび生れし困民のいまだ挙げざる世直しの声
                 *
 日溜りの温もりのごとやさしさを日々に求めむ吾ら切なく
110207 
 荒川の奥をたどれば陽射しなき山肌光る氷柱繁りて
110208 
 吾が裡に耕す余地のなほあらむ六十路が坂の終はり見えれど
―<彼の柳宗悦なくば>
 暮らし生む下手(げて)の美をこそ究めけれ類稀なる具眼の人は
                 *
 闇深き谷間に寒気迫れども繁る氷柱のライトに浮かぶ
110209
 瀬をはやみ岩にせかるる荒川の水辺に住まば飽かず暮らさむ
110214
 ―<二泊三日、雪深き越後湯沢でスキーを楽しみ>
 へそ曲がる吾厭ひけり若き頃猫も杓子もスキー好むを
 夏見なば胸の痛まむゲレンデに吾も描きぬシュプールあまた
 白銀の初級コースを繰り返し滑り下りぬ独り飽かずに
 楷書から次第次第に行書へと変はりゆきけむ吾がシュプールの
 一度はと中級コースを滑りしが楽しむ余裕いまだなかりき
 降りて止み止みては降りぬ白雪の吾ら遊びし越後湯沢に
110215
 父逝きし都の冬は寒かりき戦終はりてわづか五年の
 電網を民が駆使せる革命の起きうる世をば誰想ひけむ
                 *
 冬ざれの野山川瀬に鳥たちのいのち継ぎゐる姿愛しも
110216 
 寒桜一本(ひともと)咲けば嬉々としてメジロ群れ来ぬ花蜜求め
 寒桜一本だけの春匂ふ植物園に雪の残れど
        *
 寒桜一本咲きて小春かな
110218
 愚かにもわれら選びぬ滅びをばマネー・ゲームとパワー・ゲームの
110219
 待つ心求むるこころあらばこそ春の息吹も目にぞ入り来る
110220 
 死者送る通夜の席こそかなしけれ別れのゆゑに出会ひもありて
                 *
 地をやぶり枯葉押しわけ黄の花は色濃く咲きぬ春の幸告げ
                 *
 独裁の果ての果てにぞ堅牢の極みももろき民の怒りに
110221
 タンポポとイヌノフグリの先駆けて春を彩る並び咲きゐて
110222
 春近き川端行けば咲き初めし菜花の目にぞまぶしかりける
110223
 夕餉獲る翡翠(カワセミ)飛びし水の辺で吾も狩せぬカメラを武器に
110224
 眼裏に白き辛夷の花咲きぬ蕾膨らむ大樹仰げば
                 *
 権力を貪る故の悪相をさらしあがきぬムバラクの徒ら
 残さるる者にとりてはゴミならむ手放しがたき蔵書の山も
 口軽き元の首相の言の葉はなべて方便とりあへずとぞ
 人絹も近江絹糸も死語なれど日々に新し貧困の二字
 成功は失敗の基と言ふべきか金力権力求むるかぎり
110225
 けふよりは六十路を共に旅行かむ五十路の旅を吾妹終へれば
110226 
 春告げる花の次々咲きゐしを追へば忘れぬ憂き世のことも
110228
 万端の準備整へ臨むこと乏しかりけむ吾が人生に
 深層に何眠りゐて奇怪(きつかい)な夢にうなさるひと老ひてなほ


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日々歌ふ1101(73首) 

2011-04-30 15:45:34 | 日々歌ふ2011

110101 
 一年をまた生きゆかむ絶望も楽観もせず身丈にあはせ
 足腰をせめて鍛へむ頭もかニンゲンつまりは「考える足」
 押上はかつて下総そこに建つ塔の丈のみ六三四とならむ
110103
 門松にな貼りそ貼りそ粗枝をば貧しき支店よ吾がメガバンクの
 職退きて二度目の春になほ届く賀状に思ふ吾が来し方を
110104
 黄の花の先駆けなして蝋梅の咲くを愛(かな)しめ人老ひてこそ
110106
 ベランダゆ飛び降りぬやう心してタミフル飲みぬ染りし気配に
 正月に訪ねくれ来し甥つ子の思はぬ土産インフルエンザの
                 *
 陽だまりに眠り夢見む愛猫の片方(かたへ)の花と同床異夢を
 食ふことと寝ることのほかせぬ猫のなにを夢見む陽だまりに寝て
                 *
 野の鳥の餌としなれば柿の実も本望ならむ人に食はれず
110107
 年功も序列もなくて飼ひ猫の群れず離れず平和保ちぬ
 飼ひ猫に肥満もをれば悪ガキもお醤油顔も美形もをりて
110108 
 ―<久々にジョギングをしつつなぜか世をば憂ひて>
 例外のなきぞ悲しき権力の腐敗を避くる道なきことの
 アメリカと財界頼む政治をば誰ぞ頼みし民主の党に
 恬として恥じることなく沖縄を切り捨て行かむすつから菅の
 一にニに三に雇用と菅言ひて失業率のさらに上がりぬ
 菅笠の下に隠るる生気なき鉄面皮をば見るも厭はし
 自殺者の十三年も三万を越えゆく国ぞ瑞穂の国は
110110
 ―<伊東なる温泉宿「アンジン」に家族九人と遊びて>
 按針のゆかりの海をくつろぎて出湯の宿ゆ見はるかしけり
110111
 和の庭で野の鳥求め植込みにカメラ向ければ洋猫出づる
                 *
 蕎麦超えし蕎麦食はせむと駒ヶ根ゆ誘ひくれけり旧友(とも)の賀状は
110112 
 丸々と太るイナダを三枚におろし作りぬブリ大根を
110113
 わが腕の拙くあれど翡翠(カハセミ)をつひに撮りたり満ち足るほどに
                  *
 ―<与謝野馨が反民主・非自民「たちあがれ日本」を離党して民主党政権に入閣するとの報に>
 政界を 君知りたまふことなかれ 国士気取りて汝が孫渡るを
110114
 冬枯るる野や水の辺に鳥たちの姿ありけり眼凝らせば
 鳥の名もロクに知らずに六十路まで生き越しけりな貧しき吾は
 名は知れど姿知らざる鳥たちをやうやう知るもうれしかりけり
 草も木も鳥をも知らず環境の破壊嘆けり今し思へば
110116
 鳥たちのこもごも来り柿の実をついばむ日々も終はり近づく
                  *
 背の奥の疲れ霧消す三里ほど寒風つきてゆるり走れば
110117
 隣り家に柿の一本(ひともと)あればこそ鳥ら窓辺にこもごも来れ
 黒き種秘してたわわにムクロジの冬空高く実をつけにけり
 羽根突きの廃れひさしき列島で誰ぞ知るらむムクロジの実を
                  *
 激震の東灘区で吾が叔父の生き延びたれどすでに旅立つ
110118
 白無垢に薄くれなゐに紅に牡丹咲き待つ庭園訪ぬ
 暖求め吾を求めて猫たちの寄り来る朝の冬陽やさしも
110119
 ―<五五九メートルに達したスカイツリーを仰がむと、駒込から言問通りを自転車で押上まで行きて>
 名にし負はばいざ言問の道行きて偉なるを見むかスカイツリーの
 ひたぶるに言問通りを自転車で走りにけりな天樹訪ねて
 言問の橋を渡ればぐんぐんと聳え迫りぬスカイツリーの
 どこまでも青き美空に銀の天樹輝きさらに伸びゆく
 浅草の御寺に浮かぶ影もまたそれはそれなるスカイツリーの
 角度をば選び初めて芸術と見直しにけりウンコ・オブジェを
110121
 名にし負ふ隅田の川の情景もさらに変はりぬ天樹の伸びて
110122
 低層のビルの狭間に天樹伸び街言問はむ己が行く末
110123
 ―<「千年の花を咲かせたい~小泉淳作・東大寺ふすま絵に挑む~」(1/23NHK「日曜美術館」)を観て>
 八十路にて<花の下にて春死なん>画家は描きぬその情景を
 桜花をば初めて描く日本画の巨匠に打たる八十路半ばの
 対象と己を超えて咲かせけり巨匠のつひに千年の花を
110124
 ―<雪深き越後長野の秘湯「嵐渓荘」に一夜遊びて>①
 トンネルを抜ければそこに雪国の突如現る今も変はらず
 降る雪の<ときどき止む>と流れけり電光ニュースの天気予報に
 送迎のバス行く道ゆ見晴るかす雪野に家並み白く埋もれぬ
 絶え間なく雪降りつむと着く宿の迎へし男(ひと)の言の葉に聞く
 軒下に太き氷柱の下がりゐて雫滴る瞬間(とき)に見ほるる
 角部屋の障子を開き音もなく降り舞ふ雪を飽かず眺めぬ
110126
 ―<六年前、突然短歌の真似事に目覚めし日に>
 六年(むとせ)前雪の朝に湧きいでし吾が歌ごころ今に涸れざる
 才長けず歌のこころは涸れざれど日々に歌ひぬ駄々々愚々々と
110127
 ―<十年前の新大久保駅事故を思ひて>
 ただならぬ事のありけむ常のごと仕事を終へて駅に至れば
 日々使ふ駅のホームで直前にありえぬ悲劇起きゐたりけり
 その日からせめて刻みぬ李秀賢(イ・スヒョン)と関根史郎の名前と顔を
 日韓の深き和解の礎となりて逝きけむ秀賢(スヒョン)忘れじ
110128
 振る腰のトラツグミこそをかしけれ並みのツグミと三味違ひて
 鵺(ぬえ)といふ不気味な獣の正体も愛しかりけり真昼間見れば
110129
 彩雲(あやくも)を束の間天(そら)に見初めけり野の鳥求め冬野を行けば
 吾もまた春を待つらむ黄梅の花一輪にこころ躍れば
 春待たず春の色して咲き初めぬ寒の桜は二分に三分に
110130 
 ―<アジアカップの決勝をテレビで観戦して>
 手をたたき声を挙げたり思はずも深夜ひとりで決勝ゴールに
                *
 身をよじり無数の腕を蒼空に伸ばし悶えぬ裸の巨樹は
110131
 チュニジアゆ民起つ波のエジプトにうねり押し寄せ今し洗はむ
 流さるる民の血潮にこれ以上大地の赤く染まらぬことを
 強権を握る者らの明日恐れ何企まむ民起つ波に
                 *
 ―<韓国人でも日本人でもなくひとりのサッカー選手として、アジアカップで決勝ゴールを決めし日本代表チームの李忠成(り・ただなり)に>
 鮮やかな一蹴り決めて在日の四世開く新たなページを
                 *  
 清らなる紅ふかき一輪の花に焦がれし時もありけり 
 芽吹きよし咲けばなほよしユリノキの枯れてぞさらに吾をいざなふ


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110429 日々歌ふ

2011-04-29 17:49:15 | 日々歌ふ

―<「京都大学原子炉実験所・小出裕章助教に聞く(有太マン)」を読みて>

正造に勇気をもらひ原発の危険究めぬ小出助教の


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110428 日々歌ふ

2011-04-28 17:44:46 | 日々歌ふ

名にし負ふ浜通りとはなりにけり吾がふるさとの核にまみれて


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110427 日々歌ふ

2011-04-27 14:32:42 | 日々歌ふ

「ほあんいんぜんいんあほ」と子どもらも嘲る役所なにゆゑあるや


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110426 日々歌ふ

2011-04-26 16:45:16 | 日々歌ふ

過ぎゆけど四半世紀の時重くチェルノブイリの悪夢覚めざる

馬駆くる蹄の音のこだませし桜並木も核に閉ざさる


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110425 日々歌ふ

2011-04-25 13:25:03 | 日々歌ふ

―<世田谷区長選で保坂展人当選の報に>

寿がむ脱原発を正面に説き選ばるる区長の出でて


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髭彦閑話46「ふるさと福島の原発危機」⑧

2011-04-24 22:35:21 | 髭彦閑話

4月14日(木)

(0:01)
相馬野馬追は、会場が避難指示区域にも入っているし、到底ムリだと思っていました。
原発危機の進行状況にもよるでしょうが、開催できればうれしいですね。
祖母のも含めて、姉が聞いた<オーラルヒストリー>はぜひ記録して置いてください。

(0:06)
setuさん。
埴谷島尾記念文学資料館は流されてしまったのですか。
残念です。
長く小高郵便局だった祖母の実家の土蔵も、地震で崩壊してしまったそうです。

(10:48)
元原子力学会会長らのきわめて重要な「建言」(3/30)の全文と、それが出された背景

(19:33)
フクシマの核にまみれしふるさとに今を盛りと花の咲くらむ

フクシマが世界に記憶さるる日の来るぞ悲しきわが故郷よ

                 *

ウワサの斉藤和義「ずっと嘘だった」をやっと聴いて、感動した。
これはホンモノだと思う。
日本の若者よ、斉藤和義に続いてほしい。


4月15日(金)

(15:52)
晶子泣け馨の言ふを聞きて泣け原発推進謝らざると

直ちには顕るるなき災厄も時経るごとに核もたらさむ

(16:45)
今朝の日テレ「スッキリ」という番組で、一昨日の夜ノ森の満開の桜を映していたそうです。
見たかったような、見たくなかったような、複雑な思いです。
菅は「20キロ以内は10年か20年かは人が住めない」という発言をあわてて否定していますが、政府や東電の認識はそうなのでしょう。
それほど、事故と放射能汚染は深刻だということです。
しかも、事故はまだ進行形のまま。
避難している故郷の人たちは、むろん故郷に帰りたいわけですが、もうムリだろうという声も広がっているそうです。

(23:51)
「城南信用金庫が脱原発宣言〜理事長メッセージ」
巨大企業トップ孫正義に続き、中小企業東京<城南信用金庫>トップの感動的な<脱原発>宣言。10日の高円寺15000人の若者中心の<脱原発>デモ。明らかに地殻変動の兆し。

4月16日(土)

(11:25)
原発事故以前の責任もさることながら、事故が起きた直後にあなたがしたさらに愚かで傲慢な言動を反省し、責任を取るというのであれば、当面の道はたった一つしかありません。
もはや、あなたに原発問題を偉そうに発言をする資格などはまったくないのです。
本当に責任を感じて反省しているのであれば、いさぎよく評論活動をすべてやめるか、せめて専門外の原発問題での発言をいっさいやめることしかありません。
あの事故直後にあれだけ傲慢で愚かな発言をしたその舌の根が乾きもしないうちに、「原発事故に関する宣伝責任へのお詫び」だけならともかくも、「脱原発」にもならない「東京電力及び国への公開提案」などを、どうやったら偉そうに「開示」できるのですか。
その傲慢さと愚かさに、ホトホトあきれ果てます。
勝間和代「原発事故に関する宣伝責任へのお詫びと、東京電力及び国への公開提案の開示」(real-japan.org)への投稿>

(16:35)
そう言えば、僕もかつて『世界』1988年5月号の小出裕章論文を読んだのでした。
鋭い警告だとは思いましたが、どこかでまさかそこまで現実に起きるのだろうかという気持ちがあったように思います。
僕も高校時代、物理は苦手中の苦手でしたから。
小出さんたちのようなまじめな専門家・研究者の警告の声が、僕たちのような無知な国民の心に届くには、『世界』のような雑誌だけでなく、一般の新聞・TV・ラジオ・週刊誌などにそうした批判的な警告が常に載っていなければいけなかったのです。
それゆえに、官産学の<原子力ムラ><原子力マフィア>は権力と金で、そうした声が国民に届かぬよう、ありとあらゆる手段を系統的に使って排除し、「安全神話」で国民を洗脳してきたのでしょう。
今回、インターネットがあったからこそ、初めて小出さんたちの批判的分析が僕たちにダイレクトに届き、彼らの警告が悲劇的な現実の前では誇張でもなんでもなかったことが、ようやく広く国民の中に浸透し始めたのです。
政府からは未だに小出さんたちには何の相談もないそうですし、マスコミもNHKやサンケイなどは依然として小出さんたちの批判的分析を報道せず、原発推進派のエセ学者・専門家の分析を垂れ流し続けています。
したがって、高齢者の多くは「直ちに危険はありません」式の報道をまだ真に受けているかもしれませんが、若者たちの間ではそうは行きません。
ネット情報にも極端なものがゴマンとありますが、どういう専門家の分析が信用できるかという、情報リテラシーが若者たちの中に次第に育って来ていると思います。
そこに期待するしかありません。

(16:48)
setuさん。
遅すぎましたが、今こそ「脱原発」の声をためらうことなく、至るところで挙げましょう。
それ以外に、これ以上の取り返しのつかない悲劇が起こるのを防ぐ道はありません。
今回の悲劇を防ぐために何の役割を果たすこともできなかった一国民として、僕はそう思います。

(19:19)
文字とほり小鮒釣りしふるさとのひと絶え果てぬ核に追はれて


4月17日(日)

(22:57)
“nuke”をば「核」「原子力」と訳し分け洗ひ来りぬ吾らが脳を

(23:18)
“nuclear”を「核」(=軍事利用)と「原子力」(=平和利用)とに訳し分け、僕たちを洗脳してきた者たちがいるのですね。
その連中が国内で「原子力(核)村・マフィア」を形成してきたのでしょうが、その「村・マフィア」の背後にはアメリカをはじめとする国際的な「原子力(核)村・マフィア」もあるはずです。
<チェルノブイリ>に続く<フクシマ>の悲劇は、そうした国内外の「原子力(核)村・マフィア」に対する人類史的な抗議とオルタナティブ選択への、決定的な契機になりうるし、またならなければならないのだと思います。

(23:38)
佐平次さん。
故郷の「夜ノ森」「ヨノモリ」という響きがこれほど切なく響く日が現実に来るとは、正直なところ思っていませんでした。
親戚をはじめとする今現在そこに暮らしてきて、突然故郷の生活すべてを奪われた何千、何万の人々の不安、絶望、怒りなどを思うと、「安全神話」をふりまいてこの事態を招いた政官財学の「原子力村・マフィア」の犯罪を、絶対に許せないという思いの募る日々です。


4月18日(月)

(12:58)
現在、欧米では、日本で言う「核兵器」「核武装」「核テロ」などの「核」と「原発」の「原子力」は、ほぼ“nuclerar”“nuke”に統一されているようです。
日本ではこれが意図的に訳し分けられて来たと、どこかで指摘されていました。
その可能性、大だと思います。
<公式>には最近「東日本大震災」に呼称が統一されましたが、僕は「東日本原発大震災」と呼ぶべきだと思っています。
地震学者の石橋克彦さん(『大地動乱の時代―地震学者は警告する』岩波新書、1994)が「原発震災」という概念をいち早く提唱し、警告を発していたのを受けたものです。

(15:33)
setuさん。
今度こそ、人智を超えた核エネルギーの一切の利用を廃絶しない限りもはや人類の将来はありえないことを、決して忘れないようにしましょう。
ネット情報を通じて若い人たちの中に、そうした覚醒が急速に広がっているように見えます。
マスコミも『毎日』がやっと、「脱原発」と「浜岡原発運転中止」の路線を明確にし始めました。
地震だけでなく、日本社会の深いところでも地殻変動が起こり始めたような気がしています。
唯一の希望をそこに求めたいと思います。
であればこそ、菅首相も自己保身を考え、ようやく原発推進路線の白紙化を言い出したのでしょう。
こういう輩の思惑を超えて、歴史が進んでいくことを願うばかりです。

(15:46)
なみへいさん。
僕も同罪です。
原発推進に賛成したことも共感したことも一度もありませんが、かといってそれを脱するための行動は、社会科の授業で生徒たちに問題提起をして考えるきっかけを多少提供した以外には、何もせず、日常生活においては福島の原発から送られてくる電気で生活をエンジョイしてきたのです。
時に故・高木仁三郎さんの本を読めば、そうだその通りだとは思いつつ、どこかでまさか現実にはなるまいと、やっぱり「安全神話」に洗脳されてしまっていた自分がいました。
遅すぎましたが、もう二度と騙されません。
自分のできる範囲で、『脱核エネルギー』の実現のために努力をし続けたいと思っています。
ありがとうございました。

(15:52)
心から愉しまぬもの胸奥に抱へ訪ひけり古都の春をば


4月19日(火)

(12:31)
をさな児と若き人らの育ちゆくいのちに核の日々に降りつむ

(16:47)
「東電は3月30日、福島第一原発の7、8号機の新設を保安院に申請。保安院に聞くと、11日の事故を考慮していないので、作り直せと指示し、受理しなかったとのこと。事故があってもそのまま書類を出す東電も東電。保安院は作り直せではなく、作るなと言うべき」(社民党福島みずほのtwitter4/15)。
正論でしょう。
東電は度し難いし、保安院も「不」安院と言われるだけの相も変わらぬ応対振りです。

(21:52)
地方を犠牲にした日本の経済発展の最も大きな歪の耕造が、原発立地・行政にあったということですね。
交付金が打ち切られ、固定資産税も激減し、作ったハコモノの維持費で赤字に転落し、そこにつけ込まれて計画されたのが、7・8号機の新設だったはずです。
「大野の病院」と「オフサイトセンター」、「双葉病院」との関係は、ぜひ記録して置いてください。

(22:01)
おおまつさん、こんばんは。
“nuke it.”ですか。
日本だけの問題ではありませんね。
おおまつさんも好きなアーサー・ビナードさんの詩集やエッセイを最近ずいぶん読んでいましたが、ぜひ彼に今度の原発大震災がらみで書いてもらいたいような表現ですね。


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110424 日々歌ふ

2011-04-24 16:55:44 | 日々歌ふ

空は晴れ木々は芽吹けど列島に立ちこめ去らぬ核の恐怖の


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