雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

060531 日々歌う

2006-05-31 18:06:34 | 日々歌ふ
群れ匂ふ十字に咲ける<毒ダミ>の名をこそ恨め白き花々

シモツケの花くれなゐにゆれをりし家路をわたる風の薫りて

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<002:指>から

2006-05-30 23:20:32 | 題詠blog2006から
土さぐる指の先には確かなる春の形の白き野蒜よ(翔子)

なんという「確かなる春の形」でしょうか。
「土さぐる指の先」に探り当てた「白き野蒜」の。
こんな「春の形」を初めて知りました。
きっとこの「野蒜」は、幸福な酢味噌和えにでもなったのでしょうね。

                  *

遺伝子のうれしき一つ夫に似て娘の指のすらりと長し(まゆねこ)

ふとした折に、目の前に現れた異性の指の美しさに魅せられることがあります。
作者もきっと、夫の指にそうしたドキリとするような思い出を持っているのでしょう。
娘が長じるに連れ、もみじのようだったその手がいつしかかつて胸ときめかした夫の手とそっくりに、指のすらりと長くなっていることに気づいたのですね。
<遺伝子のうれしき一つ>。
ほかにもまだまだ<遺伝子のうれしき>があるのでしょうか…。

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060530 日々歌う

2006-05-30 18:48:38 | 日々歌ふ
雷鳴の轟くまでを数へよと稲妻見れば亡父の命ぜり
(亡父=ちち)

蚊帳吊りて幼き吾ら雷に脅えし夕べ父母はをらずも

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<001:風>から

2006-05-30 00:06:53 | 題詠blog2006から
ほのあをき莟のねむる菜畑を鳥のはやさで鳴りわたる風(丹羽まゆみ)

早春、早朝の田園の一瞬を切り取った情景が鮮やかに浮かびました。
静と動の対比も、<鳥のはやさで鳴りわたる風>の比喩もみごとですね。
<莟>が読めなくて苦労しましたが…。

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060529 日々歌う

2006-05-29 18:57:02 | 日々歌ふ
花なくば道の端低く芽吹けれど気づく人なきシモツケの咲く

あはあはと花芽の色の薄ければなほも目に染むシモツケの紅

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060528 日々歌う

2006-05-28 09:09:22 | 日々歌ふ
忍び越す葉群の青を二色に清らに染むるスヒカヅラ見ゆ
(葉群=はむら、二色=ふたいろ)

                  *

ロダンらを上野に訪ね芸大のバルラハ展を知る幸あるも

丈低き像にしあれどバルラハのおほきく彫りぬロダンを超えて

バルラハの小さき像に彫るもののいのち溢れて吾を浸しぬ

終の日にバルラハ展を観る幸を娘と味はふ幸の重なる

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060527 日々歌う

2006-05-27 14:36:38 | 日々歌ふ
咲き初めしガクアジサイの秘めやかな色を濡らしつ雨のそぼ降る

好きものも悪きものをも国籍を問はず肯ひ拒みゆきなむ
(好き=よき、悪き=わろき、肯ひ=うべなひ)

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060526 日々歌う

2006-05-27 06:59:52 | 日々歌ふ
天網(WWW)の網の目五つ集ひこし地上の一夜飲みかつ語る

旨酒の味を愛でつつ<開運>の味なき名をば惜しみあひける

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060525 日々歌う

2006-05-25 11:43:40 | 日々歌ふ
初夏のもの狂ほしき日々ありき繁る若葉を猛く見なして

パン!といふ音の弾けて綱引きの勝利の鬨の空に響きぬ

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060524 日々歌う

2006-05-24 17:54:27 | 日々歌ふ
音もなく遥かな杜の波打ちて緑目に染む高き窓辺に

にせ梅雨に狂ひ咲けれどアジサイのあはれ小さく花の青める

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