ベネズエラのチャベスは、当初の予想通り圧勝で3選を決めた。
http://www.asahi.com/international/update/1204/009.html(朝日12/5)
>「ベネズエラは決してアメリカの植民地にはならない。世界を支配する帝国主義と戦う」
実質アメリカの植民地である日本としちゃー、それを言われるとツライね^^;)
各紙を読むと、チャベスは「独裁的だ」とか「元軍人だから圧制が危惧される」とかと危険視する記事が多かった。日本のマスコミはアメリカべったりなので、もともとそういうよろしくないイメージを中心に報道されてきているから、彼を「なんか反米のコワイ人」みたいにしか見てない日本人が多いのではないか。
しかし素直に見ると、圧倒的な民衆の支持を受けているのが事実であって、反米を掲げ改革を断行する彼にそれだけの支持が集まる背景には、これまで暴虐と搾取の限りを尽くしてきたアメリカへの民衆の怒りがあるのだ。
2006年7月21日(金)午後10時~10時49分にNHK総合で放映された、
21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦
第1回「脱アメリカ宣言 ベネズエラ 7年目のチャベス革命」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060721.html
このドキュメンタリーかなりの力作だった。ベネズエラという国やチャベスの別の一面が見えてくると思うので、この番組を参考にしながらチャベスとベネズエラについて紹介したい。
っとその前にクリックで応援おねがい!
↓ ↓ ↓
※画像はここから借りた。
http://www.mem.gob.ve/noticias/recientes/2006-01-04_donacion_bolivia.php
=======================================================
ウゴ・チャベス・フリアス大統領は先住民の血を引く。
彼は、キューバとも関係を深めており、現在彼の影響は南米全体に広がりつつある。
チャベス政権の7年は、政府転覆の陰謀やクーデターの連続だった。
ベネズエラは世界第四位の原油の産出国。豊かな石油を中心に富を集め、関係産業で働くために集まってくる移民も多い。
しかし、富は一握りの人々に独占されてきた。
ベネズエラの首都カラカスには、「バリオ」と呼ばれるスラム街が山肌にそって広がっている。街の人口の6割が貧困層の超格差社会である。
2006年6月、そのカラカスでOPECの総会が開かれた。
欧米の多国籍企業や一握りの富裕層に独占された原油の利権を、どのようにして彼らから取り戻し、民衆に分配するか…。それを目論んでいるチャベスは、OPECで結束を訴えた。
「これまで先進国が資源を独占してきた。今こそ、自分たちの国の民衆のために使うべきだ。石油の価格は、投機的なマネーゲームが原因で高騰しているだけであり、実際には石油は余っている。増産の必要は無い」
こうチャベスは主張する。結局、彼の主導する案に従い「大量消費する先進国の求めには応じない」とOPECは決定した。
「アメリカのエネルギー供給基地」と呼ばれているベネズエラの石油の輸出の6割が、実はアメリカ向け。その構造に、チャベスは大胆にメスを入れる。外国資本にベネズエラの石油公社との合弁化を義務付け、ベネズエラ政府のコントロール下に置こうと画策しているのだ。
もともとは、油田をアメリカが資本投下して開発してきたため、権益の殆どはアメリカ企業が独占していた。だから、富はベネズエラ人の前を素通りし、アメリカだけを肥え太らせてきた。
チャベスは、合弁に応じなければ資産を接収する…と言う強硬姿勢で臨んでいる。そのため、アメリカ企業が事業から撤退する例もで始めている。
チャベスは次のように語る。
「市場の支配に任せたままでは、民衆の為に資源を使うことはできない。民衆自身が主権を持つ革命が必要だ。今までこの国では、“偽りの民主主義”のせいで民衆は飢えてきたのだ」
☆-------------------☆
時代は遡る。
1989年カラカスで大暴動が起こった。一部の富裕層だけが富を独占して民衆が極貧に置かれていたことが背景となり、公共料金の値上げがきっかけとなって、人々の怒りが爆発したのが原因だ。警察と軍隊は民衆を激しく弾圧し、死者2000人以上を出す大惨事となった。
その後も、貧困層はバリオに押し込められ、長年貧困のまま放置されてきたが、チャベスはその貧困地区の生活改善に取り組んでいる。石油でつくった利益をもとに、炊き出しや家や物資の供給など社会事業を推進するチャベスに、民衆は大きな支持を寄せているのだ。
バリオの「1月23日地区(カラカス大暴動で1/23に大量虐殺が起こったためそう呼ばれている)」の、極貧の中で暮らしてきた子供を二人持つ母の言葉が印象的だ。彼女は、初めてチャベスの勧める社会福祉事業に触れてこう言った。「生まれて初めて、人間として認められた気がする…」
チャベスによるバリオの大改造は現在も進んでいる。
2兆円をかけて15万戸の住宅を作る計画や、半額で生活用品や食糧品が買えるスーパーマーケットの建設、そして全国1万箇所の診療所の建設計画。住民が自主管理する工場…などなど、貧困層を自立させるための施設の建設が急ピッチで進められている。
☆-------------------☆
チャベスは2006年、ボリビアのラパスを訪問した。
今度ボリビアの大統領になったモラレスは、やはり先住民の出身で、民衆の絶大な支持を得てエネルギーや農業の国有化に取り組んでいる、チャベスの盟友である。
チャベスは、そのモラレス大統領との間に、食料品と石油の交換の協定を結んだ。
他にも、キューバのカストロとの関係を深め、他の南米諸国や中国・インドとのエネルギー協定にも関心を示し、精力的に活動しているチャベスは、中南米の利権を独占してきたアメリカにとっては目の上のたんこぶである。
アメリカは、今年の国務省方針の中で、ベネズエラを「民主主義と自由貿易の妨害者」と名指しで批判した。自分達の勝手な基準で悪役に仕立てレッテルを貼る、いつもの手口である。
実は、チャベス政権は、これまで何度も政権転覆の危機に晒されてきた。それに関して、アメリカの関与を示す証拠や文書が多数出てきている。
2002年4月の反チャベス派によるクーデター事件が起こった。
チャベス大統領は拘束され、大統領府は軍の一部と富裕層からなるグループに占拠された。銀行の頭取や石油資本の支配者など、旧い体制で利権を握っていた人々がクーデターの首謀者だ。
財界トップで数々の石油会社の役員をつとめるペドロ・カルモナ暫定政府の代表を名乗った。
その時のCIAの極秘報告書によると、クーデターの2週間前すでに、「ベネズエラで激しい反政府運動が起きている。4月上旬にクーデターが計画されている」とある。
アメリカ政府は、「この情報をベネズエラ政府に通告した」と言っている。そして「クーデターの関与は無かった」と主張している。
…が、これは例によって真っ赤なウソである可能性が高い。アメリカはこれまでも世界中で秘密工作員をつかって、アメリカに都合の悪い政権を転覆させてきたわけだから…(数え上げたらきりが無い。有名なところでニカラグアhttp://www10.plala.or.jp/shosuzki/chronology/nicarag/~1934.htm、先日入院したチリの元大統領ピノチェトもアメリカの傀儡で国内では粛清弾圧をやっていたhttp://tanakanews.com/a0309pinochet.htm。カストロの暗殺計画はそれこそ無数に…、イランのパーレヴィ独裁の裏にもCIAの策謀があった…などなどは衆知の通り。もちろん日本でも…)。
当時のベネズエラ国防省のバドウェル大臣はこう言う
「クーデターの最中に、国防省の建物の中に、アメリカ軍の将校が入り込んでいた…」
クーデターの3日間、ベネズエラ国防省は反チャベス派の司令部になっていた。そこにアメリカ軍の将校がいたというのだから、裏でクーデターの糸を引いていたのは間違いないだろう。
4月13日、騒ぎを聞きつけたベネズエラ人カメラマンが偶然国防省の入り口で撮った写真にも、当時のアメリカ大使館の武官ロナルド・ママッキャモンの姿がバッチシとらえられている。当時の国防省の職員も、「アメリカの指示だからおとなしくしていろ」といわれトイレに閉じ込められていて、その後解放された時に、ペドロ・カルモナとともにクーデターの成功を祝うアメリカ人将校の姿を目撃している。
クーデター後3日目、カラカス中のバリオから数十万の人々が街に繰り出し、チャベス大統領の開放と復帰を求めて口々に叫んだ。そして、その夜にクーデター派は分裂。
チャベス大統領は、監禁されていたカリブ海の島からヘリコプターで戻ってきて、ふたたび政権についたのである。
クーデターについてはこのページにさらに詳しくある。
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/venezuela_coup.htm
クーデターの失敗は、皮肉なことに、逆にチャベス大統領革命の基盤を強化することになった。
チャベスは語る。
「民衆が私を政権に引き戻してくれたんです。信頼を裏切るわけには行かない。民衆に必要とされる限り、昼も夜も、政策を実行するのみだ。革命という激しい馬に乗り続けるしかない」
☆-------------------☆
ベネズエラのとコロンビアとの国境が緊張している。現在、コロンビアは親米の傀儡のウリベ政権と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」の衝突が激しくなっている。アメリカは、FARCの力を抑えるために民兵組織“パラミリタリー”に資金と武器を援助している。
この武装集団=パラミリタリーという右派の民兵組織が、国境を越えてベネズエラの農家を襲って物資を調達していることが問題になっている。現在彼らは、麻薬組織とも結びつき、コロンビア政府のコントロールも効かなくなって、無法の限りを尽くしている者もいるそうだ。左翼ゲリラに食事を与えた、というだけで村中を皆殺しにした例もある。正体は、報酬しだいでどこへでも戦闘へ向かう傭兵集団である。
彼らを雇っている連中はチャベス暗殺を狙っているらしい。
このパラミリタリーの実行部隊に基地として農場を貸したことのあるロベルト・アロンソは、現在、アメリカに亡命してネットをつかって反チャベス運動をしている。取材班は、彼の居所がリトルハバナといわれる地区であることを突き止め、取材に向かう。
リトルハバナは亡命キューバ人のコミュニティ。チャベスが政権をとってから、旧支配者側の人々がベネズエラから多数亡命してきて身を寄せてもいる。
取材班がアロンソ宅を訪れると、その場になんと元CIAのフェリス・ロドリゲスがいた。
ロドリゲスは、カストロ暗殺計画やイラン・コントラゲート事件でも中心的な役割を果たしてきた、CIAでも中格の人物。
ボリビアで軍事顧問をしていたとき、あのチェ・ゲバラを逮捕し、射殺を命じた。射殺後、ゲバラのしていた腕時計をはめたという逸話が残っている。
どうも、アロンソとロドリゲスは、週一度、チャベス政権打倒んもための打ち合わせをしている、ということらしい。
☆-------------------☆
コロンビアのウリベ大統領は、アメリカと提携し自由貿易を推し進めようとしている。アメリカが構想するFTAAで、アメリカのルールでアメリカと地元の富裕層だけが儲かるための貿易協定である。
実はアメリカは以前から、「麻薬対策」を口実に、コロンビアに年間6億ドルの援助をしている。今年も、戦闘ヘリ「ブラックホーク」を配備した。これは、ベネズエラの国境に配備された。米軍によるコロンビア兵士の本格的な教育もはじまっている(こうやって、ウサマ・ビン・ラディンもアメリカに教育されてたんだなぁ)。つまり、コロンビアは、ベネズエラに対するアメリカの前線基地に体よく利用されているってわけだ。
ベネズエラの首都カラカスに潜入してチャベスを暗殺する計画は裏で着々と進んでいるようだ。パラミリタリー=傭兵達に詳細は何も告げられず、集合の連絡が飛び交う。彼らは、政治的な意識はない。ただ金が欲しいから戦うだけである。隣国、コロンビアの内戦の混乱とアメリカの策謀が生んだパラミリタリーが、今度はベネズエラの大統領暗殺のために策動しるってわけだ。
チャベスはこう言う。
「もし私が暗殺されて死んだとしても、この革命は終わらない。速度は落ちるかもしれないが、進み続ける。南米のうねりは世界を動かし、アメリカの支配を終わらせる。私たちは世界の中で、独自の潮流をつくって行けると確信している」
チャベスは、石油の輸出先を多極化しはじめている。中国は、アメリカに次いで世界第二位の石油消費国となった。ベネズエラは今年、その中国の石油公社とあらたな契約を交わした。70万バレル、つまり現在の5倍に輸出量を引き上げる契約である。
コロンビアとベネズエラの国境付近にはしっかり米軍基地が存在するが、そこはイラク後のアメリカの南米支配戦略の中心になろうとしている。
================================================
元国防長官のラムズフェルドは「チャベスは選挙で選ばれたというが、ヒットラーもそうだった」なとと言っていたが、それを言うならあのブッシュも選挙で選ばれたんだったよな^^;)
ボルトン国連大使も辞めて、いよいよタカ派はチェイニーだけになってしまったブッシュ陣営(ローブ次席補佐官は中間選挙大敗でレイムダック。でも世銀にまだウォルフォウィッツがいるけど…)。イラクは混乱状態で、いかに撤退するかの議論をしているし、イランや北朝鮮や中国、そしてロシアなどなど、アメリカは対応しなければならない反の勢力に囲まれているので、ベネズエラどころではないのでは、という感じもする。
今のうちに、中南米は結束を固くして独自の経済圏をつくっていければ、まだ世界は闇に包まれなくても済むかもしれない。チャベスには中南米の、そして世界の民衆のためにぜひがんばってほしい。どうか暗殺されないでほしい!
日本もアメリカに迎合ばかりしていないで、彼らの帝国主義的策謀を批判したり諌めたりしていってほしいものだ。それが、苦しみ搾取され続けている世界中のほとんどの人々が望んでいることなのだ。
http://www.asahi.com/international/update/1204/009.html(朝日12/5)
>「ベネズエラは決してアメリカの植民地にはならない。世界を支配する帝国主義と戦う」
実質アメリカの植民地である日本としちゃー、それを言われるとツライね^^;)
各紙を読むと、チャベスは「独裁的だ」とか「元軍人だから圧制が危惧される」とかと危険視する記事が多かった。日本のマスコミはアメリカべったりなので、もともとそういうよろしくないイメージを中心に報道されてきているから、彼を「なんか反米のコワイ人」みたいにしか見てない日本人が多いのではないか。
しかし素直に見ると、圧倒的な民衆の支持を受けているのが事実であって、反米を掲げ改革を断行する彼にそれだけの支持が集まる背景には、これまで暴虐と搾取の限りを尽くしてきたアメリカへの民衆の怒りがあるのだ。
2006年7月21日(金)午後10時~10時49分にNHK総合で放映された、
21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦
第1回「脱アメリカ宣言 ベネズエラ 7年目のチャベス革命」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060721.html
このドキュメンタリーかなりの力作だった。ベネズエラという国やチャベスの別の一面が見えてくると思うので、この番組を参考にしながらチャベスとベネズエラについて紹介したい。
っとその前にクリックで応援おねがい!
↓ ↓ ↓
※画像はここから借りた。
http://www.mem.gob.ve/noticias/recientes/2006-01-04_donacion_bolivia.php
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ウゴ・チャベス・フリアス大統領は先住民の血を引く。
彼は、キューバとも関係を深めており、現在彼の影響は南米全体に広がりつつある。
チャベス政権の7年は、政府転覆の陰謀やクーデターの連続だった。
ベネズエラは世界第四位の原油の産出国。豊かな石油を中心に富を集め、関係産業で働くために集まってくる移民も多い。
しかし、富は一握りの人々に独占されてきた。
ベネズエラの首都カラカスには、「バリオ」と呼ばれるスラム街が山肌にそって広がっている。街の人口の6割が貧困層の超格差社会である。
2006年6月、そのカラカスでOPECの総会が開かれた。
欧米の多国籍企業や一握りの富裕層に独占された原油の利権を、どのようにして彼らから取り戻し、民衆に分配するか…。それを目論んでいるチャベスは、OPECで結束を訴えた。
「これまで先進国が資源を独占してきた。今こそ、自分たちの国の民衆のために使うべきだ。石油の価格は、投機的なマネーゲームが原因で高騰しているだけであり、実際には石油は余っている。増産の必要は無い」
こうチャベスは主張する。結局、彼の主導する案に従い「大量消費する先進国の求めには応じない」とOPECは決定した。
「アメリカのエネルギー供給基地」と呼ばれているベネズエラの石油の輸出の6割が、実はアメリカ向け。その構造に、チャベスは大胆にメスを入れる。外国資本にベネズエラの石油公社との合弁化を義務付け、ベネズエラ政府のコントロール下に置こうと画策しているのだ。
もともとは、油田をアメリカが資本投下して開発してきたため、権益の殆どはアメリカ企業が独占していた。だから、富はベネズエラ人の前を素通りし、アメリカだけを肥え太らせてきた。
チャベスは、合弁に応じなければ資産を接収する…と言う強硬姿勢で臨んでいる。そのため、アメリカ企業が事業から撤退する例もで始めている。
チャベスは次のように語る。
「市場の支配に任せたままでは、民衆の為に資源を使うことはできない。民衆自身が主権を持つ革命が必要だ。今までこの国では、“偽りの民主主義”のせいで民衆は飢えてきたのだ」
☆-------------------☆
時代は遡る。
1989年カラカスで大暴動が起こった。一部の富裕層だけが富を独占して民衆が極貧に置かれていたことが背景となり、公共料金の値上げがきっかけとなって、人々の怒りが爆発したのが原因だ。警察と軍隊は民衆を激しく弾圧し、死者2000人以上を出す大惨事となった。
その後も、貧困層はバリオに押し込められ、長年貧困のまま放置されてきたが、チャベスはその貧困地区の生活改善に取り組んでいる。石油でつくった利益をもとに、炊き出しや家や物資の供給など社会事業を推進するチャベスに、民衆は大きな支持を寄せているのだ。
バリオの「1月23日地区(カラカス大暴動で1/23に大量虐殺が起こったためそう呼ばれている)」の、極貧の中で暮らしてきた子供を二人持つ母の言葉が印象的だ。彼女は、初めてチャベスの勧める社会福祉事業に触れてこう言った。「生まれて初めて、人間として認められた気がする…」
チャベスによるバリオの大改造は現在も進んでいる。
2兆円をかけて15万戸の住宅を作る計画や、半額で生活用品や食糧品が買えるスーパーマーケットの建設、そして全国1万箇所の診療所の建設計画。住民が自主管理する工場…などなど、貧困層を自立させるための施設の建設が急ピッチで進められている。
☆-------------------☆
チャベスは2006年、ボリビアのラパスを訪問した。
今度ボリビアの大統領になったモラレスは、やはり先住民の出身で、民衆の絶大な支持を得てエネルギーや農業の国有化に取り組んでいる、チャベスの盟友である。
チャベスは、そのモラレス大統領との間に、食料品と石油の交換の協定を結んだ。
他にも、キューバのカストロとの関係を深め、他の南米諸国や中国・インドとのエネルギー協定にも関心を示し、精力的に活動しているチャベスは、中南米の利権を独占してきたアメリカにとっては目の上のたんこぶである。
アメリカは、今年の国務省方針の中で、ベネズエラを「民主主義と自由貿易の妨害者」と名指しで批判した。自分達の勝手な基準で悪役に仕立てレッテルを貼る、いつもの手口である。
実は、チャベス政権は、これまで何度も政権転覆の危機に晒されてきた。それに関して、アメリカの関与を示す証拠や文書が多数出てきている。
2002年4月の反チャベス派によるクーデター事件が起こった。
チャベス大統領は拘束され、大統領府は軍の一部と富裕層からなるグループに占拠された。銀行の頭取や石油資本の支配者など、旧い体制で利権を握っていた人々がクーデターの首謀者だ。
財界トップで数々の石油会社の役員をつとめるペドロ・カルモナ暫定政府の代表を名乗った。
その時のCIAの極秘報告書によると、クーデターの2週間前すでに、「ベネズエラで激しい反政府運動が起きている。4月上旬にクーデターが計画されている」とある。
アメリカ政府は、「この情報をベネズエラ政府に通告した」と言っている。そして「クーデターの関与は無かった」と主張している。
…が、これは例によって真っ赤なウソである可能性が高い。アメリカはこれまでも世界中で秘密工作員をつかって、アメリカに都合の悪い政権を転覆させてきたわけだから…(数え上げたらきりが無い。有名なところでニカラグアhttp://www10.plala.or.jp/shosuzki/chronology/nicarag/~1934.htm、先日入院したチリの元大統領ピノチェトもアメリカの傀儡で国内では粛清弾圧をやっていたhttp://tanakanews.com/a0309pinochet.htm。カストロの暗殺計画はそれこそ無数に…、イランのパーレヴィ独裁の裏にもCIAの策謀があった…などなどは衆知の通り。もちろん日本でも…)。
当時のベネズエラ国防省のバドウェル大臣はこう言う
「クーデターの最中に、国防省の建物の中に、アメリカ軍の将校が入り込んでいた…」
クーデターの3日間、ベネズエラ国防省は反チャベス派の司令部になっていた。そこにアメリカ軍の将校がいたというのだから、裏でクーデターの糸を引いていたのは間違いないだろう。
4月13日、騒ぎを聞きつけたベネズエラ人カメラマンが偶然国防省の入り口で撮った写真にも、当時のアメリカ大使館の武官ロナルド・ママッキャモンの姿がバッチシとらえられている。当時の国防省の職員も、「アメリカの指示だからおとなしくしていろ」といわれトイレに閉じ込められていて、その後解放された時に、ペドロ・カルモナとともにクーデターの成功を祝うアメリカ人将校の姿を目撃している。
クーデター後3日目、カラカス中のバリオから数十万の人々が街に繰り出し、チャベス大統領の開放と復帰を求めて口々に叫んだ。そして、その夜にクーデター派は分裂。
チャベス大統領は、監禁されていたカリブ海の島からヘリコプターで戻ってきて、ふたたび政権についたのである。
クーデターについてはこのページにさらに詳しくある。
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/venezuela_coup.htm
クーデターの失敗は、皮肉なことに、逆にチャベス大統領革命の基盤を強化することになった。
チャベスは語る。
「民衆が私を政権に引き戻してくれたんです。信頼を裏切るわけには行かない。民衆に必要とされる限り、昼も夜も、政策を実行するのみだ。革命という激しい馬に乗り続けるしかない」
☆-------------------☆
ベネズエラのとコロンビアとの国境が緊張している。現在、コロンビアは親米の傀儡のウリベ政権と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」の衝突が激しくなっている。アメリカは、FARCの力を抑えるために民兵組織“パラミリタリー”に資金と武器を援助している。
この武装集団=パラミリタリーという右派の民兵組織が、国境を越えてベネズエラの農家を襲って物資を調達していることが問題になっている。現在彼らは、麻薬組織とも結びつき、コロンビア政府のコントロールも効かなくなって、無法の限りを尽くしている者もいるそうだ。左翼ゲリラに食事を与えた、というだけで村中を皆殺しにした例もある。正体は、報酬しだいでどこへでも戦闘へ向かう傭兵集団である。
彼らを雇っている連中はチャベス暗殺を狙っているらしい。
このパラミリタリーの実行部隊に基地として農場を貸したことのあるロベルト・アロンソは、現在、アメリカに亡命してネットをつかって反チャベス運動をしている。取材班は、彼の居所がリトルハバナといわれる地区であることを突き止め、取材に向かう。
リトルハバナは亡命キューバ人のコミュニティ。チャベスが政権をとってから、旧支配者側の人々がベネズエラから多数亡命してきて身を寄せてもいる。
取材班がアロンソ宅を訪れると、その場になんと元CIAのフェリス・ロドリゲスがいた。
ロドリゲスは、カストロ暗殺計画やイラン・コントラゲート事件でも中心的な役割を果たしてきた、CIAでも中格の人物。
ボリビアで軍事顧問をしていたとき、あのチェ・ゲバラを逮捕し、射殺を命じた。射殺後、ゲバラのしていた腕時計をはめたという逸話が残っている。
どうも、アロンソとロドリゲスは、週一度、チャベス政権打倒んもための打ち合わせをしている、ということらしい。
☆-------------------☆
コロンビアのウリベ大統領は、アメリカと提携し自由貿易を推し進めようとしている。アメリカが構想するFTAAで、アメリカのルールでアメリカと地元の富裕層だけが儲かるための貿易協定である。
実はアメリカは以前から、「麻薬対策」を口実に、コロンビアに年間6億ドルの援助をしている。今年も、戦闘ヘリ「ブラックホーク」を配備した。これは、ベネズエラの国境に配備された。米軍によるコロンビア兵士の本格的な教育もはじまっている(こうやって、ウサマ・ビン・ラディンもアメリカに教育されてたんだなぁ)。つまり、コロンビアは、ベネズエラに対するアメリカの前線基地に体よく利用されているってわけだ。
ベネズエラの首都カラカスに潜入してチャベスを暗殺する計画は裏で着々と進んでいるようだ。パラミリタリー=傭兵達に詳細は何も告げられず、集合の連絡が飛び交う。彼らは、政治的な意識はない。ただ金が欲しいから戦うだけである。隣国、コロンビアの内戦の混乱とアメリカの策謀が生んだパラミリタリーが、今度はベネズエラの大統領暗殺のために策動しるってわけだ。
チャベスはこう言う。
「もし私が暗殺されて死んだとしても、この革命は終わらない。速度は落ちるかもしれないが、進み続ける。南米のうねりは世界を動かし、アメリカの支配を終わらせる。私たちは世界の中で、独自の潮流をつくって行けると確信している」
チャベスは、石油の輸出先を多極化しはじめている。中国は、アメリカに次いで世界第二位の石油消費国となった。ベネズエラは今年、その中国の石油公社とあらたな契約を交わした。70万バレル、つまり現在の5倍に輸出量を引き上げる契約である。
コロンビアとベネズエラの国境付近にはしっかり米軍基地が存在するが、そこはイラク後のアメリカの南米支配戦略の中心になろうとしている。
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元国防長官のラムズフェルドは「チャベスは選挙で選ばれたというが、ヒットラーもそうだった」なとと言っていたが、それを言うならあのブッシュも選挙で選ばれたんだったよな^^;)
ボルトン国連大使も辞めて、いよいよタカ派はチェイニーだけになってしまったブッシュ陣営(ローブ次席補佐官は中間選挙大敗でレイムダック。でも世銀にまだウォルフォウィッツがいるけど…)。イラクは混乱状態で、いかに撤退するかの議論をしているし、イランや北朝鮮や中国、そしてロシアなどなど、アメリカは対応しなければならない反の勢力に囲まれているので、ベネズエラどころではないのでは、という感じもする。
今のうちに、中南米は結束を固くして独自の経済圏をつくっていければ、まだ世界は闇に包まれなくても済むかもしれない。チャベスには中南米の、そして世界の民衆のためにぜひがんばってほしい。どうか暗殺されないでほしい!
日本もアメリカに迎合ばかりしていないで、彼らの帝国主義的策謀を批判したり諌めたりしていってほしいものだ。それが、苦しみ搾取され続けている世界中のほとんどの人々が望んでいることなのだ。
チャベスさんには本当に暗殺されないでがんばってほしいですよね!
そして日本でも、トップの人間を直接選挙で選べるようにして、チャベスさんのような人が現れてほしいもんです。
実は、貴ブログ「株の裏」半年前にみっけてからファンでした^^;)
http://gooyannoblog.cocolog-nifty.com/
みなさんも、ぜひ見てみてください!
特に、デイトレやってる方、このブログの過去ログはすごいですよ^^)w
お気に入りに入れさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。>ゴーヤンさん
しかし、このチャべスに関しての記事には疑問を感じざるをえません。 私も好米ではありませんが、あんまりです。日本ではこんなに、表向きのチャべスの顔を鵜呑みにしてらっしゃるとは、思いませんでした。 民衆の熱い支持を受けて再選とありますが、投票に使う身分証の大量偽造等の数々の選挙違反をして、やっと勝てているというのが、周知の事実であろうと思っていたのですが…チャべスはイノセントな貧民層に裕福な階層への憎しみの火種を植え付けて、その争いに乗じて大統領になった男です。いまもチェべスを応援しているのは、たしかに満足に教育も受けられなかったような、その貧民層ですが、それでも大半はすでに騙されていた事にキズイテ、まともな選挙では勝てない状態に陥っています。だって、貧富の差なんてまったく縮まっていないんですから。いまチャべスを支えているのは支配の軍事力でしかありません。ベネズエラ国民の真の声が届かないのも非常に残念です。
とにかく、反米と言う一つのカテゴリーでチャべスを熱援してらっしゃるようですが、チャべスもチャべスが批判しているアメリカも正義でないと言う事に関して言えば、一緒です。チャべスが自分の息の掛かった人物を、他国の大統領に仕立てるのにとんでもなく汚い事をしていないとでも?
とにかく、反米は結構ですが、かと言ってチャべスを正義の使者のように担ぎだすのは、簡便して頂きたい。宜しく御願いします。
実は、チャベスについてのメディアの採り上げ方にはなんか胡散臭いという実感を持ってはいました。
世界を多極化することによって一儲けしたい連中が、裏で南米の反米化を煽って、その象徴としてチャベスを担ぎ上げているんじゃないのか?
そんな感想をたびたび持っていました。
しかし、これまでのアメリカがやってきたエゲつなさを考えた場合、
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Databank/interventions.htm
利用されているとしてもこれよりはマシなんじゃないかと思うわけです。選挙違反ではブッシュそのへんはお手の物ですし、
かと言って、「目的のためには手段を選ばん」をやってしまうとスターリンとかブッシュの二の舞になってしまうので、そこまでは言いません。
>投票に使う身分証の大量偽造等の数々の選挙違反をして、やっと勝てている
このへんの事情が分かる元ネタなど教えていただけないでしょうか?
>貧富の差なんてまったく縮まっていないんですから
これも、NHKスペシャルを見る限りはそうは思いませんでした(もっともこの手の情報操作をやって前善人面するのはよくあるパターンなので鵜呑みにはできないですよね)。
できたら、ベネズエラの富裕層ではなく、ベネズエラの貧民層のナマの声を聞いてみたいです。何か情報をお持ちではないですか?
Marchel氏はどうも裏も取らずに反チャベス派の宣伝をそのまんま信じ込んでしまったか、そうでないなら単なる荒らしだった可能性があります。
根拠も挙げずに無責任な情報を書き逃げして半年も出てこないのでは、雅無乱さんがしかるべき措置をとられた方が良いかと・・・
私は南米各国を中心に仕事をしている南米在住者です。長期にわたってネット環境の無い地方の出張に出ておりまして、我無乱様より頂いたレスをたった今、読ませて頂きました次第でございます。
ご丁寧なレスを頂いて、まことに有難う御座います。ネットで顔も知らない相手に真剣な感想をお返しする姿を非常にレスペクト致したく思います。
さて、チャべス氏についてですが、いま彼がやった事あるいはやったであろう事をアメリカと比較すれば、アメリカの方が大量の不誠実な行為を及んでいると私は思います。それは国の規模が違う事によって大量の不正行為に手を染めなければ自分の思い通りにならないのでしょう。
自分の思い通りにするというチャべス氏は同じ穴のムジナであり、アメリカへの潔白な対抗馬には、残念ながらなりえないのでは無いだろうかと思います。
もちろん、反米を取り上げる事で世界のメディアや人々に与ている影響は支持したいです。
政治家というのは、所詮ホンネとタテマエで生きているとしますと、もしかして私は非現実的な潔癖なヒーローを望んでいるのかもしれません。
今は、チェべス氏の人間性がどうあれ、反米を訴える彼というエフェクトが重要なのは非常に理解しているつもりです。
しかし、チャべス氏自身を過剰に応援したり心酔するのはとても危険だと思います。
あと、情報元 の件ですが、私は南米の国にいくつか工場を管理させて頂いております。
私自身収入的には富裕層に入りますが、お付き合いさせて頂いている人々は貧民層です。
もっと、公に信頼できる情報元をと望まれました場合、色々な情報をヴェネズエラのグロボTVにお問い合わせ頂くのが良いと思ったのですが、最近の話を聞くと今はもうキッチリ政府に〆られてしまったようです。
しかし、他にも南米のテレビ局や新聞社がたくさんありますので、きちっと事情を説明して色々ご質問なされたらどうでしょうか。
情報源はテレビと職人達との会話ですから。
今日はゲバラの命日だったみたいですね。
チャベスの件については、日本の単なる会社員である私が触れる事ができる情報はごく限られていますので、至らない点は多々あると思います。
そんな状況の中で
Emerging Revolution in the South
http://agrotous.seesaa.net/tag/%83%60%83%83%83x%83X
報道写真家から
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/63a5b2c9b4893038e39a10e147dff63f
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/edit/otherla/chavez.htm
http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/terro/venezuela.htm
上記のページを参考にさせていただきながら、
チャベスによる民放TV局閉鎖の報道は注意して見る必要がある(情報操作の疑いアリ)
http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/42591c7703a18c6e0017226f81406708
というエントリーも書いています。
反チャベス派がプロパガンダをやれば、チャベス派もプロパガンダで対抗せざるを得ない。
この議論を進めていけば、「そりゃあどっちもどっちだろう…」ということになると思います。
これまで、アメリカは中南米を徹底的に搾取してきました。それに対抗する手段が無く、圧制に苦しみ続けてきた民衆が英雄を求める。そして一発逆転を狙う。たしかにこれはナチスが辿った路と同じなのかもしれません。その意味で、チャベスの無責任な持ち上げは禁物だとは思います。
しかしながら、苦しみ続けてきた先住民たちを悪辣な連中から解放するためには、欧米が撒き散らすプロパガンダに対抗しなくてはならない。
このへんで迷いながらも、素直に実感を書き続けたいと思います。
どうか今後とも厳しいご意見をよろしくお願いします。
がんばってください。
所属する団体の本部にベネズエラ人がいたはずです。できたらいろいろとお話を聞いてみようと思います。
ありがとうございます!
心強いです^o^)
アメリカ・CIAは、中南米だけではなく、他でも世界中でクーデターや政権交代を仕掛けています。日本も例外でない気がしてなりません。