竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

御鎮座1800年住吉大社特別展を観て来ました!

2010年10月24日 | 日記
昨日、天王寺美術館に「住吉さん 住吉大社1800年の歴史と美術」を
観て来ました。



奈良は平城遷都1300年祭でにぎわっているが、
住吉さんは、御鎮座1800年と言うのだから、
奈良よりさらに500年も古いことになる。

つまり、住吉神の出現は神話に始まる。
イザナギの神が黄泉(よみ)の国から地上に帰り、
禊(みそぎ)をして清めたとき、住吉三神が生まれた。
住吉三神は神功皇后が朝鮮出兵の時に、海上を守護したという。
このように、住吉明神は古くから海路安全の神として崇敬され、
遣唐使の出発にあたっては住吉社に旅の平安を祈願するのがならわしであった。
のち神功皇后も合祀された。

大陸からの客人も、九州から瀬戸内海を通り、まず住吉浦に上陸し、奈良に向かった。
この地の歴史的重要性を再認識する必要がある。

ところで、住吉神は文学作品にもよく出てくる。
源氏物語では、源氏が住吉詣で明石の君と行き合わせる「澪標」が有名である。

そういえば、御伽草子の「一寸法師」は、難波里に住む夫婦が
住吉大社に祈り、授かった子であった。
住吉浦より船出して都に上り、


             (板本『一寸法師』より)

鬼を退治をして、
打ち出の小槌で立派な若者になり、
公家の姫と結婚し、中納言にまで出世するにだった。

子どもの頃、初詣にはチンチン(阪堺)電車に乗って住吉さんに行き、
太鼓橋を渡って参拝したのを思い出した。

そして1800年前に想いをはせた一日だった。