酒酒落落

~しゃしゃらくらく~
本、漫画、観劇などの記録
【注意!ネタバレあり】

ビギナーズ・クラシックス 古今和歌集

2010年08月26日 | 
中島輝賢 編
角川文庫14658
平成19年4月25日



外国のものばかり読んでいると、日本のものが読みたくなる。日本語はやっぱり美しいなあと思ったりして。
後朝とか夜離れとか響きが美しいなあとか。ぬばたまという枕詞も黒々とした感じがよくわかるし。



五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
読み人知らず

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる
藤原敏行

我が君は千世に八千世にさざれ石の巌となりて苔の生すまで
読み人知らず

むすぶ手の雫に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな
紀貫之

時鳥泣くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな
読み人知らず

吉野川岩切り通し行く水の音には立てじ恋は死ぬとも
読み人知らず

人知れず思へば苦し紅の末摘花の色に出でなむ
読み人知らず

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢としりせば覚めざらましを
小野小町

狭筵に衣片敷き今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫
読み人知らず

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの見にして
在原業平

あひにあひて物思ふ頃の我が袖に宿る月さへ濡るる顔なる
伊勢

君をおきてあだし心を我が持たば末の松山波も越えなむ
読み人知らず

印象に残った歌をいくつか。百人一首に取られているの以外で。
コメント
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