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「劣化原発、廃炉に」@ストレステストで判断

2011-08-05 | つぶやき
海江田経済産業相は、読売新聞のインタビューで、ストレステスト(耐性検査)の結果、「老朽化などによる劣化の問題が明らかになれば、廃炉にすべきだ」と、廃炉を判断する仕組みを設ける意向を明らかにしたそうだ。 ⇒ http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20110805-OYT1T00052.htm
●老朽化した原発を順次廃炉にしていくことは至極、妥当な事と言えよう。原発はもともと30~40年の寿命を想定して設計されているそうだ。最近読んだ「原発を終わらせる」(石橋克彦偏、岩波新書)という本の中で原発の老朽化問題について次のようなことが書かれている。原子炉圧力容器は中性子線の照射による損傷を受け、壊れやすい状態になる(「中性子照射脆化」と言うそうだ)が、その程度を適切に予測できるシミュレーションモデルが確立できていないそうだ。鋼の割れやすさの度合いは「脆性遷移温度」(安全のためにはその温度以上で運転が必要)で表され、その温度は運転中に上昇していくそうだ。09年に玄海1号炉(九州電力)で測定した監視試験データは98度を記録し、シミュレーション予測値の56度から大きく外れていたそうだ。「脆性遷移温度」が98度もあると、大気圧での水の沸点が100度であるため運転開始時や終了の際の安全性が問題になるという。「原発老朽化問題研究会」が予測式に対する疑問を原子力安全・保安院にパブリックコメントとして提出したが、保安院は11年5月6日のホームページ上で、現実の課題に踏み込まず、ずれはマージンでカバーすることになっていると回答したそうだ。筆者(井野博満氏)は「ひとを喰った官僚的回答」と述べている。尚、70年代に建設された老朽化原発には、玄海1号、美浜1号、2号、大飯2号、高浜1号、福島第1、1号炉などがあるそうだ。
●原発は少しでも安全上の懸念があるなら、徹底的に検証・対策して危険性ゼロを追求する姿勢が必要なのに、所謂「原子力村」の関係者たちは「安全神話」を作り上げ、その努力を怠ってきた。そのツケが、今回の福島原発事故で起り、また起っている惨状である。上記の「原発を終わらせる」という本は、14人の筆者により、福島原発で起った/起っていること、原発の問題点(技術的、社会的)や今後のエネルギーをどのようにしていくかについて、いろいろな視点から述べられており、原発問題を考える上で大変参考になる。(関連:6/18マイブログ)

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