この作品はヴィオラのリベンジ。音楽の世界では昔からヴィオラは一般的に重要でないとみなされていたそうだが、バッハはそうした偏見に反論しているという。バッハ自身はヴァイオリンとヴィオラの両方で優れた演奏家であり、中音部のヴィオラを好んで演奏したそうだ。これが最後(6番目)のブランデンブルク協奏曲で物事をひっくり返した理由であろうという。この作品ではヴァイオリンに代わって2つのヴィオラが高音部として主役を演じ、2つのヴィオラ・ダ・ガンバとコントラバスがサポートする。この組み合わせはケーテンでの宮廷の状況を反映しているという。バッハの高貴な雇用主は自身でバロックではしばしば「ロイヤル」ソロ楽器として使用されたヴィオラ・ダ・ガンバを演奏したそうだ。この作品の破壊的な性質は、ヴァイオリンの不在だけでなく、バッハが「劣等」楽器でソリストの役割を演じ、さらに公爵をガンバ奏者として「伴奏アンサンブル」に据えたことであるという。 ⇒ https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-1051/
Bach - Brandenburg Concerto No. 6 in B-flat major BWV 1051 - Sato | Netherlands Bach Society
(関連:2019/10/27マイブログ)