JAXAの発表によると金星周回軌道に入るための逆噴射の途中で何らかの異常が発生して、自動的にセーフホールドモードに入り、逆噴射時間が2~3分と計画の12分より大幅に短くなり、軌道投入に失敗したとのことだ。何が起こったのかは今後の原因究明待ちとなるが、ここまでの航行は極めて順調だっただけに、非常に残念な結果と言える。今回、逆噴射に使用したのは世界初のセラミックを採用した初の国産エンジンだったそうだ。「あかつき」は現在、太陽を回る軌道に入っており、6年後に金星に再接近するチャンスがあるそうで、その時に再度、周回軌道投入を目指したいとのことであるが、残留燃料や太陽電池の寿命など課題も多いようだ。ともあれ、「はやぶさ」の遺伝子を受け継ぐ「あかつき」だけに、再度の奇跡を期待したい。