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ゴールドベルク変奏曲(BWV 988)

2020-01-20 | つぶやき

「ゴールドベルク変奏曲」というタイトルはバッハが付けたものではなく、この作品を取り巻く逸話から来ているという。それは、不眠症を抱えていたロシア大使ヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵が彼のハープシコード神童であるゴールドベルク(バッハの息子ヴィルヘルム・フリーデマンの13歳の生徒であった)に演奏してもらうべく、バッハに暇つぶしのための心地よい音楽を依頼したというもの。バッハとカイザーリンク伯爵とのつながりはもっともらしいが、ゴールドベルクの関与はあまり確実ではないそうだ。バッハはバロック時代の最も表現力豊かな一連の変奏を作曲するにあたり、おそらく自分自身を念頭に置いていたであろうという。バッハの付けたタイトルは「Aria mit verschiedenen Veränderungen(アリアと種々の変奏)」であり、1741年にバッハの百科事典的なクラヴィール練習曲集の第4巻として出版されたそうだ。なお、アリアは1725年のアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳に既に登場していたそうだ。

●30の変奏は大きく2つのグループに分割され、第16変奏のフランス様式のグランド序曲で旋回し、そして、3つの変奏からなる10のクラスターに分割されている。10のクラスターは全て同じパターン(キャラクターピース, virtuoso duet、およびカノン)に従い、カノンは独自の構造を持つ。最初のカノン(第3変奏)は同度のカノン、2番目のカノン(第6変奏)は2度のカノン、3番目のカノン(第9変奏)は3度のカノン、、、、9番目のカノン(第27変奏)は9度のカノン、そして、10番目のカノンである筈の第30変奏では一種の軽快なメロディーであるクオドリベット(バッハのリスナーはすぐに2つの民謡を見つけることができるであろう)が現れるそうだ。また、10クラスター/3変奏という分割は偶然ではなく、聖書の法則(十戒)と神の性質(三位一体)への言及と見なすことができるという。 ⇒ https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-988/

Bach - Aria mit 30 Veränderungen Goldberg Variations BWV 988 - Rondeau | Netherlands Bach Society

(関連:2012/3/25マイブログ