聴いてすぐに分かるように、この曲はバッハのオリジナルではなく、ワイマール時代のバッハの雇用主の甥にあたるヨハン・エルンスト・ザクセン-ワイマール王子(有望なヴァイオリニスト&作曲家であったが18歳で亡くなった)が作曲したヴァイオリン、弦楽、通奏低音のための協奏曲をオルガン独奏曲に編曲したものであるそうだ。ワイマール時代、1713年頃にバッハが編曲したオルガン協奏曲は5つあり、そのうち2つ(もう一つはBWV595)はエルンスト王子の作品が原曲であり、3つ(BWV593、594、596)はヴィヴァルディの作品だそうだ。ヴィヴァルディの革命的な弦楽協奏曲集である「調和の霊感」が1711年にオランダで出版された時、暫くオランダに住んでいたエルンスト王子もすぐに協奏曲の作曲に取り掛かったが、バッハは新しいイタリアのジャンルを詳細に把握するために編曲することから始めたそうだ。 ⇒ https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-592/
Bach - Concerto in G major BWV 592 - Van Doeselaar | Netherlands Bach Society
Bach - Concerto in C major BWV 595 - Te Lindert | Netherlands Bach Society
●BWV595の演奏の新バージョンは2021/3/15マイブログ参照。
次の曲はヴィヴァルディの2つのヴァイオリンのための協奏曲(「調和の霊感」op. 3 no. 8, RV 522)からの編曲
Bach - Concerto in A minor BWV 593 - Smits | Netherlands Bach Society
次の曲はヴィヴァルディの2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲(「調和の霊感」opus III no. 11、RV 565)からの編曲
Bach - Concerto in D minor BWV 596 - Van Doeselaar | Netherlands Bach Society