MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

allegroなソナチネ

2009年03月26日 | 音楽教室

希望の公立高校に合格したIちゃん。

現在弾いているのは クレメンティのソナチネ
Op.36‐2の3楽章Allegro(アレグロ)です。
まさに今の彼女の気持ちにぴったりの曲。
(Allegroは愉快な、陽気なという意味)

というわけで、
練習時間が取れなくて、手がまわらないながらも
音がうきうきして、弾んでいる。
一方で、やはり表現には気がまわらず
嬉しい気持ちが音に表しきれていない感じです。

        
この3楽章の冒頭
ソ・ソ・ソ・ラ~レ~ド~シ・ソラシソラ♪」
ソ・ソ・ソ・ラソファミレドシ・ソラシソラ♪」
よく似たメロディーですが
1つ目の「ソ・ソ・ソ」が中音域で始まるのに対し
2つ目の「ソ・ソ・ソ」はオクターブ高い音から始まります。
どちらも最後は同じ「ソラシソラ♪」で終わりますが
絶対に、1回目と2回目では気持ちが違う。

そこでIちゃんに、聞いてみました。
合格が決まって
これからいろいろお楽しみがあると思うけれど
どんな計画があるのかな?

I「えーとね、焼肉を食べに行く。それから
  ファミレスでデザートを思い切り食べまくる
  あ、そうそう、USJも行く
と、楽しい計画山盛りのIちゃん。
ヒントはいっぱいあるのになあ。

じゃあ、今の気持ちをこの曲に取り込んでみよう。
冒頭の1つ目のフレーズは
明日は焼肉だ、うれしいな♪』
2つ目のフレーズは、さらに次の計画に思いをはせて
あさってはUSJ、楽しみだ♪』
同じ「ソラシソラ♪」でも、少し内容が違うわけ。

次の
「・ミファソラシドレミ・ミ」
「・レミファソラシドレ・レ」
と上行していく、よく似た2つのフレーズも
あれを着ていこうかな、
これを着ていこうかな、
って、もう浮き浮きで
着るものを迷っているところかもしれない。
あれ、と これ、は違う服だよね。
どちらもお気に入りだけど
色とか雰囲気は違うタイプ。

中間部の最後は、はしゃぎすぎている自分に
落ち着いて、落ち着いて、冷静に』と言い聞かせ
やっぱり我慢できな~い♪』と
初めのフレーズに戻ってしまう。

こんな感じで、
現在の気持ちをどんどん音楽に置き換えていきまして
Iちゃんならではの3楽章完成。

なんだか「焼肉だ♪」「上カルビ♪」とか
そんなフレーズが多かったのが気になりますが

きっと、この曲
合格発表とセットで記憶に残るのだろうなあ。