MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

指づかい

2009年03月06日 | 音楽教室

人間の手は、先が細く分かれて指となっていますが
この「指」、片手に5本。両手合わせても10本
対するピアノの鍵盤は、88鍵盤が基本装備です。

そこで、大抵のピアノを始めて間もない生徒さんは
5本の指を置いたまま弾ける曲で
その5本の指を思い通りのタイミングで操る
ところから学ぶことになります。

5本指を無理なく合理的にやり繰りして弾く方法が
ピアノを演奏するための指遣い、という事なのですが
弾けてしまう子は、自己流で それなり弾いてしまう
(私も他人のことを言えた義理ではなく
 結構『自己流指遣い』で弾いていたクチですが)

やはり「いい指遣い」は
弾きやすく、思い通りに表現しやすいですから
生徒さんには
「楽をして早く上手に弾けるように」と
わりと細かく、指遣いのアドバイスをします。

もっとも、弾き手の指は人それぞれ。
同じ曲を弾く場合でも、生徒さんによって
指遣いは変えていくことが多いです。

手の大きい人向きの指遣いを
手の小さい人に伝えたって無理ってものですし
指が長くても関節が硬くて広がらないとか
指は短いけれど、すごく広がる手とか
本当に、手には個性があります。

レガートに弾くために。
力強いfの響きを出すために。
柔らかいppの響きを聴かせるために。
速いパッセージを軽やかに弾くために。

目的を伝えて、教える指遣い。

あくまで『参考』ですから、強制はしません。
「もっといい指遣いを見つけたら、そっちで演奏してね」、と
本人が納得いかなければ、生徒さんの好きな指で弾かせます。