MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

アンダンテって言ってください

2009年03月12日 | 音楽教室

『ブルグミュラー25の練習曲』の8曲目、
「優しく美しく」
(これ、昔は「優美」というタイトルでしたから
 あまり変えた意味がないような気がするのですが
 それはさておき、)

この曲
装飾音の『ターン*』の奏法を、
音符にきちんと書き連ねたような作品です

ターン:Sを裏返して横にした様な記号。
     ドの上に付くと「レドシド」と
     隣り合う上下の音で装飾して演奏します。

つまり、『ターン』で表せば書かず済む音
全部きっちり記譜しているわけですから
1小節当りの音符の数が大量になり、
拍子が読み取りにくい譜面となります。
この異様なバランスで書かれた楽譜にだまされて
これまで、何人の生徒さんが
不思議な曲に編曲してくれたことやら。

音の動きと、拍子感がつかめるまでは
速く弾かせても、崩れるだけですので
ゆっくり確認しつつ弾いていってもらうのですが
最終的には、本来のテンポ
Moderato】で演奏してもらいます。

その時、ターンの記号と奏法も教えて
「ターン」を使って楽譜に書けば、
こんなにシンプルになるんだよ、と伝えます。
1小節目の右手なんて、ターンを使って記譜すれば
 4分音符3つになってしまいます


これを演奏して、ターンを知ったGちゃん
それまで、とてもゆっくり演奏していましたが
モデラートの3拍子の感覚に乗って
(結果的にそれまでよりも)速く演奏してみて
納得の様子です。

そこで、あらためて
「それまでの自分の演奏のテンポ」を
私が真似して演奏し、聴いてもらったところ、
一言
『宴会の席の、酔っ払いの手拍子やな。』
いぃちぃとおぉぉ、にぃいぃとおぉぉ、ですからね。