MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

私の目的 あなたの目的

2009年03月08日 | 音楽教室
学生時代、発達心理学の授業で
「幼児の反抗期」について勉強しました。

自我が芽生えるこの時期の子どもって
『とりあえず何にでも反対することで、
  自分の存在をアピールする』
らしい。

眠くても「寝なさい」と言われたら『イヤ』
おやつが食べたくても
「食べる?」と聞かれたら『イヤダ』(←涙目で)

こういう時は、するかしないかの選択を飛び越えて
次のステップの質問をすればいいのだとか。
これについては過去ログにありますので省略しますが

        
現在レッスンに来ているJくんが、やや反抗期気味でして
ピアノを弾きたくて来たのに、レッスンが始まると
私「じゃあ、ここから弾いてくれるかな?」
J「・・・・・」(黙ったまま腕組みして下を向いてしまう)

ようやく弾いてくれても、2回目はなかなか弾きません。
従って、アドバイスしても
それを試すために弾いてくれないので
レッスンは暗礁に。

習い始めて間もないので、指が思い通りに動かないJくん、
〈3・2・1〉と弾くことはできても
〈3・2・1・2・3〉と続けて弾くことができません。
一度使った2の指が、すぐには動かないのですね。

〈2・1・2・1・2・1…〉と
そこだけ繰り返し動かせば、感覚がつかめて弾けるのですが
Jくん、『繰り返し』大嫌いですからねえ。

こういう時は、目的をすりかえる。

(ストップウオッチを見せて)
――Jくん、これ知っている?
J「知ってるー、時間計るやつー」
――今日は、これでゲームをしよう。
  名づけて『人間ストップウオッチ』。
  これから“よーい、スタート”でスイッチを入れるから
  Jくん〈212121…〉って鍵盤を弾き続けて
  ちょうど10秒、と思ったところでストップしてね。
  あ、でも10秒はしんどいかな?5秒にしようか?
J「いや!10秒でやる!」

かくして。
J「21212121・・・・」ストップ。
――あら~6秒。残念、まだまだだったね~
J「2121212121212121・・・・」ストップ。
――惜しい!今度は13秒。長く弾きすぎた~
J「もう一回21212121・・・・」(以下省略)

最終的にJくん、【10秒03】という
ほぼジャストタイムを達成いたしました。
指の動くこと動くこと。