「GoTo」に関して、政府と地方自治体の意見が食い違っています。その結果かどうか、COVID-19は勢いを増しています。
「GoTo」に関して、政府の政治家と医療現場や専門家との意見が食い違っています。その結果かどうか、COVID-19は勢いを増しています。
ということは、政府の政治家がCOVID-19の勢いをつけて終息を遅らせている、ということに?
【ただいま読書中】『黒死病 ──ペストの中世史』ジョン・ケリー 著、 野中邦子 訳、 中央公論新社、2008年、3200円(税別)
著者は、黒死病が猛威をふるった中世の書簡・年代記・回想録から、「歴史」と「人間」を浮かび上がらせようとしています。著者が執筆していたのは、「エイズ」が恐れられていた時代でした(皆さん、あの頃のことを覚えていますか?)。そして著者は「これから新しいパンデミックが生じるだろう」「その時人々は、中世の人々と同じように振る舞うだろう」と予測しています。実際にCOVID-19では「中国が悪い」と「ワルモノ」を名指しして非難している人がいます。14世紀の黒死病の時に「ユダヤ人が悪い」と非難し虐殺していたのと同じように。ペストは「腺ペスト」「肺ペスト(咳ペスト)」「敗血症ペスト」の3種に分類されます。腺ペストが一番生存率が高いのですが、それでも(適切な治療がされない場合)死亡率は60%! 咳ペストの場合、そばで咳をされただけで感染が広がりばたばた死者が出るそうです。ペストの嵐が3年半かけてヨーロッパ全体を吹き荒れたとき「ペストの影響を受けなかったヨーロッパ人は一人もいなかった。三分の一が犠牲になり、残る三分の二が悲嘆と涙にくれた」そうです。本書にはその「世界的な悲劇」に直面した人々の苦痛と悲痛な声が満ち満ちています。そしてそれは、現在COVID-19に襲われている人たちが感じている苦痛とまったく同じはず。「当事者の声」はもっと広く知られた方が、悲劇は早く終わりやすくなるのではないか、と私は思います。