【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

平気

2020-11-01 09:14:53 | Weblog

 「気が平ら」ということは、感情の起伏が乏しい、つまり感動する力も乏しいのかもしれません。

【ただいま読書中】『地理が解き明かす地球の風景』松本穂高 著、 ベレ出版、2019年、1600円(税別)

 地理を学ぶと、たとえば家を買うときに「その土地が安全かどうか」の判断ができます。
 山は「地殻変動でできたもの」と「火山活動でできたもの」に大別されます。前者はゴツゴツ、後者は丸い山になる傾向があります。また、積もった火山灰は肥沃な土壌になるため、人が好んで住みます。温泉やスキー場としても人気です。だから火山噴火では人の被害が多くなるのですね。
 ヨーロッパやアメリカには大平原が広がっています。これは先カンブリア紀に海底でできた非常に硬い岩石で構成されていて、きわめて安定しているそうです。それに対して日本の平野は川が作ったものがほとんど。しかも日本は世界有数の地震地帯。ちょっと不平等ですね。
 砂漠の民がどうやって生きているか、パリの人間はなぜパンが好きか、なども「地理」で理解できます。著者は世界中を回って面白い写真を色々撮影し、それと地理の知識を組み合わせることで「楽しいストーリー」を紡いでくれました。本書は、地理に興味を持つ人よりも、地理に興味や関心がない人の方に向いているかもしれません。そういった人こそ、読む価値がある本だと言えそうです。