2007年11月22日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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1983年には5年駐在したメキシコから帰国してヤマハ本社で海外営業のギター担当になりました。どんな仕事内容かといいますと・・・
1.ギター(クラシック、フォーク、エレキ全てのギター)の海外市場調査
2.他社動向の調査
3.商品戦略立案
4.マーケティング戦略立案
5.生産計画作成
6.海外市場でのプロモーション計画立案・実施
7.海外向けカタログ、販促物製作
以上の事を海外の現地法人、設計開発部門、生産部門と協力しながら行うと言うものでした。特にアメリカと欧州の市場調査を本社の設計者と各国現地法人のスタッフと一緒に行います。それを基に本社で商品戦略を作成して、試作品を作り、それをアメリカと欧州に持って行き、商品会議を行います。アメリカと欧州とでは市場性がかなり違ったため、別々に会議を行っていました。

しかし、同じギターとは言えクラシック、フォーク、エレキは全く違う市場であり、異なるユーザー、また競合他社もそれぞれ違います。それまで興味のなかったフォーク、エレキの世界も勉強しました。エレキやベース、フォークギターも多くのプロに評価をしてもらいました。中にはアーティスト・モデルやシグネチャー・モデルも作りました。あまり好きではないロックコンサートにも評価をしてもらうためにギターを持って行きました。耳栓を持って。

いろんなギター工場も視察に行きました。マーチン、フェンダー、ギブソンなどの有名ブランドのアメリカ工場、そして彼らも安いコストを求めて韓国、中国、インドネシアなどで生産を行っていますのでそれらの工場にも行きました。いわゆるOEM生産というものですね。
OEM生産といえばヤマハもクラシックとフォークに関してはマーチン、フェンダー、タカミネのブランドで生産して供給もしていたこともあったので彼らとよくミーティングも行いました。このOEM生産の窓口と言う仕事は相手方と設計・開発部門、工場との調整役にもなるため、設計・開発や生産に関していい勉強になりました。
その他新興ブランドの工場も沢山回りました。中にはベトナムのギター生産状況も見に行きました。スペインの工場も見に行きました。欧州市場向けのクラシックギターの生産をスペインで行う可能性を調査に行ったんです。結局は実現しませんでしたが・・・。

その他、欧米のギター専門店も回りました。アメリカに100店舗以上の大型店舗を展開するギターセンターからパリのギタレリアと言うクラシックギター専門店まで多種多様です。従って99ドルギターから高級手工ギターまで全て見て回りました。ダダリオなど弦メーカーにも行きました。と10年があっと言う間に過ぎ、出張で回った国が50数カ国になっていました。

そして1993年にいきなり、アルゼンチン転勤の話が降って湧いてきました。当時の上司である事業部長と営業部長から打診があった時には驚きました。何せ、アルゼンチンには駐在員事務所もなければ現地法人もなかった訳ですから。続く・・・。


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