2008年8月10日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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非常に蒸し暑い日が続いていますが、皆さんは如何なさってますでしょうか?この気候は人間だけではなく、楽器にとっても厳しい時期だなあと思い、先日ミューズ会員の皆さんには上記タイトルのミューズ便りを郵送でお送りしました。それを今日はブログにアップさせて頂きます。

あ、その前に、8月11日(月)~15日(金)までお盆休みを頂きますのでご承知置きくださいませ。

さて、貴方は下記のどれに当たりますか?
1.ギタースタンドに立てている。
2.壁に吊るしている。
3.ハードケースに入れて保管している。
4.ハードケースに乾燥剤を入れて保管している。
5.ハードケースに湿度保持剤を入れて保管している。

一般的には「風通しの良い涼しい所に保管する」のが良いとされていますが、では高温多湿がどの様に良くないのでしょう?

(以下8行は8/13追加補足分)
1.高温による影響
  塗装に悪い影響を与えます。特にラッカーやセラック塗装の場合は気をつけなければいけません。これらの塗料は柔らかく熱に弱いので、ケースに入れておいてもケース内側の布の跡が付いてしまいます。
2.多湿による影響
  多湿は鳴りに影響したり、木材が膨張する事でネックが反ったり、ボディー(表板)が膨らんで弦高が高くなったりと楽器に悪影響が出ます。更にカビ、錆び、悪臭の原因にもなります。

また、高温多湿の時は膠の接着力が弱くなりますので故障の原因になる場合があります。力木が剥がれてきたり、下駒が浮いてきたり、最悪は剥がれると言うこともあり得ます。
ではどの位の温度・湿度が危険なのでしょうか?
温度は何度以上とは言い難いのですが、環境としては人間が不快に感じない程度の環境が楽器にもいいとお考え下さい。夏場に締め切った部屋で日差しが入る状態は良くないです。ましてや日差しがギター又はケースに当たっていると最悪です。車内に放置するなどもっての他です。
湿度は40%~50%又は40%~60%が最適と言われています。それ以上、それ以下はあまり良い環境とは言えません。特に30%を切る事は避けなければいけません。

梅雨の季節、夏場に乾燥剤を使う方は結構いらっしゃいますが、冬場の乾燥対策をしている人は少ないですね。しかし、冬場の乾燥し過ぎが一番恐いです。急激な乾燥は板が割れてしまいます。湿気で木が膨張するより、乾燥で割れる方がずっと恐いです。乾燥でフレットが出てくる事もあります。これは指板が収縮するためです。

理想的環境は24時間空調してある部屋で一定の温度湿度を維持する中でケースから出しておく事ですが、これは現実的ではありませんね。もし、24時間空調したとしても、万一地震でも来た時には危険が一杯です。

(そこで結論です)
ハードケースに夏場は乾燥剤を入れ、冬場は加湿材を入れて日の当たらないところに保管する事が現実的です。又は湿度保持材をケースに入れておくことです。ただし、冬場の練習場所も加湿器で部屋を加湿してください。

ただし、乾燥剤は4ヶ月しか効き目が継続しませんので気をつけてください。湿度保持材とは湿度の高いときは湿気を吸ってくれ、乾燥時期には湿気を吐いてくれる優れもので1年間効き目が継続します。

そして会員の皆さんにお送りしたミューズ便りには写真入で下記湿度管理用の便利グッズをご紹介しました。
『ドライフォルテ』
除湿の他、防カビ、防錆、防臭の機能があります。使用期間は3~4ヶ月です。

『ミュージックモイスチャー』
天然特殊粘土“モンモリロナイト”を原料として、湿度を常に45%±5%に保ちます。古美術品、骨董品の湿度管理用に多くの美術館・博物館で使用されている優れものです。オールシーズン(約1年間)使用可能です。

『オアシスギターヒューミディファイヤー』
Humigel高水性結晶粉末により水分がジェル化。ゆっくりと時間をかけて水分を発散します。ジェル状なので、水分がこぼれて楽器にかかる心配がありません。

以上、大事な楽器の湿度管理のご参考になさってください。



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