消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

自転車も凶器

2009-06-25 22:52:51 | 救急隊の本音
前回の当番は6件。寝るまでは3件とまたまた少ないペースでしたが、夜中に1件、朝方2件と追い込んで結局平均値ぐらいでした。


朝方にトラック×自転車の交通事故との内容で出場。

概要は道路隅に止まっていたトラックに自転車が追突したものでした。


その救急要請時の天候は雨。

自転車に乗っていた方は傘を差しながら自転車をこいでおり、気がついたら停車中のトラックに追突したとのこと。顔面からの出血は認められましたが意識清明で歩行可能。そのまま自力歩行で車内収容しました。


傷口の確認とバイタルサインの測定を行い、まだ診察時間外だったため外科の当番病院へ搬送してこの事案は終了。顔面挫創の軽症でした。


雨の通勤時間帯は必ずと言っていいほどこの手の事案があるのです。

自転車で傘を差しながら運転して、バランス崩して転んで。

ケガをした本人が救急要請したわけではないにしても、これだって十分に防ぎ得る救急要請だと思うのです。


フラフラ蛇行しながら自転車乗って、それが危ないと分かってても雨の中自転車に乗る人。本当に自分や人を怪我させない自信がありますか?

スリップして転んだり前が見えないことにによって、自分だけじゃなく周りの歩行者までケガをさせてしまうことも十分にありうるんです。

転んだ勢いで車道に飛び出してしまって、車に轢かれてしまうことだってありうる。目の前にいきなり転がって来た自転車を避けきれなかった車のドライバーも気の毒です。


車やバイクなら自賠責や任意保険が降りるかもしれませんが、自転車の保険をかけている人はどれぐらいいるのだろう?

下手すれば補償額が何千万が自腹になることだってあるんだよ?

それを分かってて、そんな危ない乗り方するんですか?


タイトルにも書きましたが、自転車だって走る凶器。ぶつかって、時には死亡させてしまうことだってあるんです。


先ほど挙げた事案のように、自分だけケガをしてすぐ帰ってこられるような軽症であれば笑って済ませられるかもしれません。(でもそれで毎度救急車呼ばれるとキリがありませんが)

だけど一歩間違ったら、もう人生お先真っ暗です。当然私も雨の日は自転車乗りませんし、実家も含め家族には雨の日の自転車は危ないからやめろと言ってあります。

子供も大きくなり、自転車に乗る時が来た際には、そのようにしっかり教育するつもりでいます。


通勤途中のサラリーマンや高校・大学生と比較的若い人に多いですし、自分は大丈夫だろうと過信してしまうこともあるんです。

急ぐ気持ちは分かるけど、天気の悪い日は無理して自転車で行かないように、代わりの交通手段を持って出かけるようにしてくださいね。



明日は仕事です。