消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

タクシー代わり

2007-12-19 23:26:21 | 救急隊の本音
昨日は7件。平均あたりの件数でしたが、昨日はとにかく距離を走ったような気がします。市外へ転院搬送もありましたし。

と言っても昨日は機関員ではなく、後ろの患者室に乗っていましたが。


今まで仕事のことに関しては全部、『消防・救急』と言うカテゴリーの中に分類していたのですが、本日新たに『救急隊の本音』と言うカテゴリーを追加しました。

このカテゴリーでは主に、『この救急車の使い方ってどうなの!?』と言うような内容になるかと思います。

私が救急出場した中での、世間一般で言われている救急車の不適切利用の実態を取り上げ、こういった使い方はしないで下さい!と言う事を訴えていこうと思います。

私の愚痴っぽくなる面と、批判もあるかと思いますが…ご理解頂ければと思います。


さっそくですが、昨日あった事案。


50代の方、発熱、下痢で救急要請。

119通報時に傷病者本人から、病院に連絡済と言うことを指令室から情報を得ていました。


我々が到着すると、傷病者は玄関前に立位(りつい、立っている状態)で救急車を待っていました。

そのまま歩いて救急車内に乗り込み、隊長は傷病者から話を聞く。

その合間をぬって私はバイタル測定。

発熱を訴えていただけあって、熱は少しありましたが高熱ではない。その他バイタルは異常なし。

連絡が取れているという病院に隊長から確認の電話。

『○○さんから確かに電話があり、来るとおっしゃってました』と病院からの回答。


この病院は救急告示病院ではないので、診察終了時間があります。

隊長が電話を切って現場出発するころ、診察終了まであと15分でした。


自分で病院に連絡を取って、診てもらえる回答をもらった。

しかし診察終了時間まではあとわずか。普通に行ったら間に合うかギリギリの距離。



完全にタクシー代わりに使われた。


いつもは、『今はまだ気持ち悪かったりしますか?』『吐き気などは無いですか?』など気遣いながら容態観察をしますが、全くそんな気は起きず。

顔や態度には出しませんが、内心は相当イライラしていました。


その間に近くで重症事案が発生しなかったのがまだ救いでした。


今までにも、『これってタクシーじゃないの?』と言うようなことはありましたが、ここまであからさまな事案もあるのです。実際はね。


病院を引揚げる時、救急隊3人が3人とも『完全にタクシーだったな』と意見が一致。

この事案が終わった後はため息しか出ませんでした。


自分で病院に連絡をして、診てもらえる回答を得て。

自力で歩行可能ならタクシーか、家族の方に連れて行ってもらうようにしてくださいね。

本当に救急車を必要とする人の所へ、いち早く到着できるように。

イチ救急隊員からのお願いでした。


明日はお休み。

久々に予定も無いので、のんびりさせてもらいます。