消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

方法は違えど目的は同じ

2006-10-30 23:47:35 | 消防・救急

『消防』と言う職業のイメージ。

今日はそのことについての私の見解について記してみようと思います。



まず皆さんは『消防士』と聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか?


1.火災のときには火の中に飛び込む。

2.オレンジ服のガッシリとした人。

3.火災など災害が無ければ暇。


私が今まで聞いたことがあって多かったのは大体この3つでしょうか。

実際にはまだまだあるのですが、それはまた追々記事にしてみたいと思います。


1番についての回答。

火災炎上中に限っての回答ですが、火災が最盛期の時には屋内進入することはまず無いかと。隊員が大ケガもしくは焼けてしまいます。

ドラマ・映画ですと二人一組、または単独で水も持たずに行ってしまうことはあるでしょうが、実際には自殺行為ですし、そんな命令を下す隊長はいないはずです。

実際では人命検索をする隊員(救助隊員とは限らない、消防隊員だって行う)と一緒に援護注水をする隊員がいます。

消防隊の出す水が無いと中には入っていけませんから。


2番についての回答。

消防署の若い隊員=『救助隊』

ちょっと年をとったおじさん=『消防隊』『救急隊』『毎日勤務』


こんなイメージを持たれている方も、もしかしたらいるかと思います。

これはあながち間違いでは無いと思います。救助隊に所属している隊員は平均年齢は若いですし、消防隊、救急隊になってくるとわりと年齢層も若干高くなってはいます。

ですがこれらの隊、もしくは毎日勤務をしている職員にも若い人はいます。



以前先輩が開催してくれた飲み会(合コン)での出来事。

こちらが消防職員の集まりだと言うことは相手も知っていたので、簡単に自己紹介。

救助隊なんですか~?なんて聞かれたので、いや違くて消防隊です。なんて言ったら


『なぁ~んだ』と。


場の雰囲気が壊れるのも申し訳ないので口には出しませんでしたが、腹の中は

『はっ?なぁ~んだって何だよ?』と。


きっと、この人はオレンジ服しかイメージが無いのだと。ミーハーな部分が垣間でていて、オレンジ服を着た人にしか興味が無いのだと。まぁそのへんはどうでもいいのですが。

何気なくその人に聞いてみました。救助隊のどこが好き?と。そしたら


『え~火事のとき火の中に飛び込んで行ったりしてかっこいいじゃん』と。


消防って、知らない人からみたらそんなイメージなのだなって感じました。

オレンジマジックですよね。別にミーハーを否定しているわけではありませんが・・・



一つ言っておきたいのは、救助隊だけが災害現場で活躍しているわけではないのです。

火災であれば消防隊、救助隊、救急隊、ビル火災などでしたらはしご車、それを指揮する指揮隊もあります。

当然ながら、火は水を出さなければ消えない。水をださなければ人命検索だってできない。

建物から要救助者を屋外に出してきたら、今度は救急隊が蘇生処置(心肺停止の場合)を救急車の中で必死に行っているのです。

当然ながら部隊間の統制を取るために指揮隊の存在も欠かせません。


あくまで例えの話ではありますが、こうやってそれぞれ自分のできること、役割があって初めて災害活動が成り立つわけです。

方法は違えど災害を未然に防ぐ、災害発生時では最小限に抑えようとする。

それは消防隊、救助隊、救急隊、予防や査察を専門的にやっている毎日勤務の職員だって目的は皆同じなのです。


しかし、テレビではどうしても救助(レスキュー)しか取り上げてなく。

新潟の地震のときもそうでしたし。いかにもレスキューがやりましたよ見たいな報道。

本当はもっと多くの隊員がいたはずでしょ?消防に限らず、いろいろな人が救助にあたってたはずでしょ?


こういった偏った報道が誤解を与える、そんなイメージになるのかなって思いました。


『消防にスーパースターはいらない』

消防学校の教官の言葉が、現場勤務になってよく分かるようになりました。



3番についての回答。災害出場以外での業務ですが


・水利(消火栓、防火水槽)の調査

・マンションやアパートの予防査察

・警防調査

・部隊間での訓練

などをやっています。当然ながら空き時間で勉強もします。




今日はとても長くなってしまいました。長くなってしまい申し訳ありません


不快に思われた方、ごめんなさい。

でもやはり現状を知って欲しいので、今日はこの記事を書きました。


上手く伝わらないかもしれませんが、最後まで読んでくださってありがとうございました。