紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

2019年、紫根収穫終了

2019-11-16 19:07:00 | 日記
「ムラサキ栽培・原則を忘れた結末」
昨年の紫根収穫は1ヶ月間を要して11月末に終了した。
毎日の紫根掘りに音を挙げて、良い手は無いかの思いを残して終えた。
それが、長らく頭の中に残った。
策士では無いが策に溺れる顛末となった。その顛末記である。


ダンボールを黒マルチでカバーした仕切り板を組んで栽培セットを作った。安上がりで、単位面積での植え付け数が10倍もある。しかもそこへは、育苗の苗ではなく発芽の兆しのある発根種を播いた。

種を播く時期が早く、発芽せず播き直しもあったが兎も角順調ではあった。
ポット苗を植えた所より生育は良かった。
処が梅雨明け頃から生育状況が逆転して、中には枯れる苗も出てきた。原因不明。


今年の紫根収穫は掘り易く、仕切りのない区画でもスコップが深く入る。ただし土を掘り出す苦労は昨年の倍、重かった。

紫根の先端部、地表下50cmでも土が水を含んでる。原因不明に謎解きのキィーが閃いた。昨年は乾いて固かったのだ。

これは、今まで見たこともない紫根収穫時の色である。2年物の紫根収穫はほぼこれに近い色合いであった。これで、染め液が出来るとは思えない。

大きな紫根で、先端部から見て期待して慎重に掘り出したのだが、根の一部は腐敗していた。ここまで、生育していて傷む原因は高温多雨である。ダンボールセットを設置した場所は土手下で雨水の集まり易い場所であった。

別区画。波板で筒栽培は何れも良好な紫根であった。収穫も掘るのでは無く取り出す作業であるから至って簡単、少しコストが掛かるが数年使える。

ラベルが出てきた。苗の発芽日である。2月8、20日春早くの育苗の苗である。

思えば、雨の日が多く、曇り日は薄日も射さない日が続いた。日照時間0時間が7〜9月で20日もある。種子の付きが悪く紫根の収穫日も伸ばした。挙げ句の果てに千曲川堤防決壊の豪雨である。紫根収穫前にこれは、致命的であった。高温多湿厳禁、ムラサキ栽培の鉄則である。
それでも、見本となる様な紫根を得た。植えた苗数から見れば暗澹たる思いだが、漸く来年への切り替えが生まれてきた。

  「いつやめる このことばかり さきにたち」
コメント
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