紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本むらさき、驚愕的な発芽環境

2018-03-11 17:45:59 | 薬草栽培
「驚きの自然環境での発根、発芽に愕然また唖然」
昨年末12月まで発芽用に使用していた発泡スチロール箱は庭先に放置してあった。
まだ未発芽の種もあり、一定期間内で発芽を諦めた種も、この箱に投げ込んでいた。
春先に幾つかが発芽してくれれば、幸いと云う思いでの処置である。


雪もたっぷり箱の上に積もり、陽だまりに箱を移動する。
しかし、水分が少ない気がして雨の日を待つ事にする。
3/8、9と大雨が来た。2日で33mmの大雨が来た。
苗床の箱は3cmを超える水で満たされる。

今朝は薄氷が張っていた。マイナス3.5℃であった。
発芽しない残り種を集めて水に投げ入れる。
この水をいつ抜いたら良いのか思案中であった。


解けた氷を見て残り種を投げ入れ、種の様子を眺めている内に愕然とする。
発芽した緑の浮き草がある。まさか、むらさきの種の発芽とは思いも寄らなかった。


なんと、これは水中で双葉を広げているではないか!

水の中で抜いてみると、間違いなくむらさきの種の発芽である。

目を凝らして見ると、あちこちに発根状態の種がある。

発根して3〜4日と思われる種、昨晩殻を割ったとも思れる発根種。

さて、水はどうしよう。発芽苗、発根種も此の儘と云う訳にはいかない。

水が多すぎるので取り敢えずこの水平を保って水を抜く事にする。

明朝の冷え込みが気になる。すっかり水を抜くと氷ではなくなり霜柱となって仕舞う。
水は1cmほど残して段ボール、むしろでカバーをする。明朝の冷え込みは-2℃である。


発芽種2個、発根種18個を取り出す。

ポットに移して見るがポットの在庫切れである。
やや大きめのポットには6個の発根種を埋める。

室内にて温室を使って、むらさきの種の発芽、育苗管理をしている。
この現状をどのように理解したら良いのか唖然とした心境である。

日本むらさきは、かくも人を混乱させるのだろう?
毎月のように発芽してくるのも、条件が整っての事と考えていた。

霜柱の上に種が載っている日々も日常的さえあった。
温室での発芽、育苗は無意味であったのだろうか?

       「いかにせん こうりのみずで そだつなえ」
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日本むらさき、栽培地

2018-03-01 10:28:47 | 薬草栽培
「帰ってきた日本むらさきの栽培地」
畑を手放してから2年間、手狭な庭先で日本むらさきを栽培していた。
狭い場所で多くの収穫を上げる工夫を経験したが、どうしてもコスト高になる。
幸いなことに、かつて借用していた農地は耕作放棄地としてそのままであった。
太陽光発電パネル設置の誘い話は、頓挫したようである。


昨年12月、地主にご挨拶、快く無料で借用する事ができた。
早速、日本むらさきの種、選別外として廃棄する種を播いてみる。


選別外とは言え、何割かは発芽する可能性を秘めていると思われた。
捨てるなら、畑と思い種の選別作業を終えた。


当地としては例年になく、雪の少ない冬を越す事ができた。
これ幸いと、2月から畑へ出かける。例年であればまだ一面、雪に覆われている畑である。
小川を挟んだ高い斜面の林の陰が届く一隅に、残雪があるだけだ。
およそ150坪、鍬とスコップ、三又での耕作を始める。
耕作用具はこれだけである。農機具はない。
定植時期までの3ヶ月間コツコツ続けるより手はない。

他に大問題を抱えている。野ネズミである。それが農地撤退の一因でもあった。
耕作放棄の間にネズミの穴だらけになっている。
楽しい追いかけっこが始まった。


昨年末に種を播いた苗床に、ガラスのサッシを工夫して設置してみた。
思いついたら自身でストップを掛ける事ができなかった。
後で無駄な事とも思ったが、長年放置してあったサッシを見た途端に閃いた。


  「さきざきの ふあんをけして くわふるい」
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日本むらさき、秋苗に新芽

2018-02-14 16:50:26 | 薬草栽培
「茎をカットした秋苗、予想通りに新芽が出てくる」
昨年9月下旬〜10月初旬に発根発芽した苗である。
4ヶ月程生育して本葉が5〜6枚になったが、今年畑で生育予定の苗である。
このまま、茎が生育するには無理がある。
1/29に長く伸びた茎をカットした。
定植時期には本葉が新たに4〜5枚生育して負担がなく、生育するには必要な処置であった。


茎を切り落とされて涙、涙!
これには、まいった。涙の水滴は苗によって違うが数日間続いた。


泣きの涙が止んで1週間後に、小さな緑の点を見る。


茎カットから2週間を経過して小さな葉の形を確認できた。
全て揃ってと云う事はない。未だに涙の水滴が止まらない苗もある。


中でもタイミングが良かった苗である。
休眠期を知って葉を枯らし始めた苗であろう。


日も長くなり、生育に必要な適温の時間帯も長くなる。

それにしても、寒気が続く2月である。昨年も、2月中は全日最低気温マイナスであった。
3月にならなければ最低気温マイナスの日を脱することができないかも知れない。
しかし、気温が上がれば給水が忙しくなり、気が抜けない。
定植時期の5月末までは、まだ長い道のりである。


      「むらさきの なえとねおきの こきなかば」 


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2月如月、日本むらさきの発根と発芽

2018-02-05 18:49:51 | 薬草栽培
「パック内発根法の問題点と見直し」
日本むらさきの発芽にパック容器を使う様になって既に久しい。
思いつきに喜んで続けているが、何処かしら問題を残している。
改良版でスッキリ問題解決とは成らなかったのである。
一定期間内で発芽しない種があるので未発芽の種を失う事になった。

パック容器の蓋に問題の鍵があった。
蓋を密閉する事でパック容器の意味があるのだが、その蓋は不要であった。
詰まる処「パック内発根」の名称変更を余儀なくする事になってしまったのである。




今回使用の容器である。パックの蓋はあるがメモを付けて下に敷いてしまった。
つまりパック容器として使わなかったのである。  


問題点は蓋を密閉する事で温度が上がると腐敗菌が繁殖してくる。
種自身も、この湿気には蒸れて傷む。この解決には改良版では砂を使ったが種が行方不明の欠点。

最終的な解決方法?いつか試した事があった様な気もするが。
赤玉土を敷いて種を露出したままで温室内に保管する。
半日毎にスプレーをして水分補給をする。
これが最大のポイントである。赤玉土の深さとも関連がある。



発根して赤玉土の1粒を抱く頃に抜いてポットに移植する。
日に数粒の事もあったが、2/2、3は33、40粒と発根してきた。


発根の兆しの種を移してみたが、小さ過ぎて扱いが厄介である。
1月末から10日間で120粒を超える発根であった。
1日水分補給を忘れてしまい、どうなることかと心配したが日を置いて発根してきた。



2月の発芽を持って発根、発芽作業を終える予定である。
予定のトレーを満杯にする事ができたので、育苗に専心する事ができる。


この発芽苗は1ヶ月後には双葉を大きくして、本葉2〜3枚を持つ姿となる。
それから更に2ヶ月間の育苗で定植時期に充足する苗となる。


  「かいけつは いつかきたみち こきわする」

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日本むらさき、新芽の生育

2018-01-29 19:23:02 | 薬草栽培
「秋苗の矯正、茎を切り落とす」
昨年9~10月発芽の苗に鋏を入れる。思い切った決断である。
今の地上部の茎・葉は、このままでは苗としての姿ではない。
定植時期にあった苗の姿に育て上げなくてはならない。
孰れ、4月以降の生育期には不要な存在となる。


育苗期間、既に4〜5ヶ月に及ぶ。
発芽する苗の条件で温室温度は設定されている。
従って休眠期を知らずに生育している訳である。本葉の数は6〜9枚になる。


10日前は鋏を当てたが、躊躇して鋏を置いてしまった。
今週から2月に入るので週の計算上、ためらい無く茎を切り落とす。
緑の葉の濃い苗は突然のショックから立ち直らなくてはならない。
双葉をまだ残しているので、その脇から新芽を出してくる筈である。

秋苗を翌年に収穫し、紫根の成分分析をするのは、今年の課題である。
このショックがシコニンの成分分析でどのような結果を及ぼすか、追跡対象の苗ともなる。



新芽の兆しが見えない苗も、お構いなしで茎を切り落とす。
10週間後には4月を迎える。
4〜5枚のロゼット状の苗の姿を想定しているのだが・・・。



10日前、葉先の傷んだ茎を切り落とした苗、10日間を経過。
小さな点が緑の葉に生育を始めたようだ。
既に、紫根は赤く爪楊枝程の太さに生育している。
その根が新芽の成長を助けてくれる筈である。

   「さきよんで ゆめにまでみる あてはずれ」


《参考》
  2016_02_25紫草の栽培『ムラサキの変、打ち首(矯正)』
  2016_04_01紫草の栽培『発芽後3ヶ月の生育状況』


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